CALENDAR

Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< December 2018 >>
NEW ENTRIES
ARCHIVES
LINKS
PROFILE
OTHERS
MOBILE
qrcode
 
地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
謙虚さで実現させる安住の地!!

 

 12月となりました。

 

 徐々に雪の便りを聞くようになって年末が近づいてきたことを実感するようになってきました。もっとも,この時期は季節的な肌感覚よりは,日常的に見聞きする街の喧騒によって感じることが多くなっているようにも思います。もしかすると,季節に応じたコンビニの商品PRが季節感を最も決定的に支配しているようでもあります。

 

 先月後半あたりから寒さが徐々に本格的になってきましたが,時には季節が逆戻りしたように感じる日もあり,自然界の“ゆらぎ”に翻弄されそうな予感です。一方で,最近は年齢的な影響により季節感が鈍ってきているのではと少々不安な想いも感じ始めていますので,なおさら現実と感覚のずれが気に掛かるところです。何れにしろ,最も賢い対応の仕方としては,感覚的な“ゆらぎ”は受け入れて,決して“無理をしない”というところでしょうか。

 

 最近,世の中には様々な動きが生じてきていますが,「今までにない新たな流れ」という感覚より先に,「昔どこかで見聞きした動き」というように過去との関連付けを行うようになってきました。結局は社会的な状況変化に応じて,新しく生じてきている合理的な流れが時代を動かしてきていることは明らかですが,寄る年波には抗えず,徐々に記憶領域が脳内で幅を利かせて思考経路を支配するようになりつつあるのかもしれません。

 

 先月から俄然脚光を浴び始めているメキシコでの移民集団のデモ行進ですが,いよいよ米国との国境に到達する段階となりました。約7,000人にも上ると言われる移民の集団が中米から移動してきたということですので,その行動を実現させた何らかの支援があるようにも思いますが,正に国境を挟んでの緊張が高まってきているようです。

 

 このような光景を目にして思い出されるのが,かつて読んだ小説『怒りの葡萄』で描かれていた世界でした。米国の南部に位置するオクラホマ州の農民たちが,砂嵐などの自然の猛威と,農業機械化の流れを受けて,新たな安住の地を求めてカリフォルニアに移動する物語であり,当時はその主張するところは十分に理解できていませんでしたが,何となく古き良き時代の極めて牧歌的な雰囲気を気に入っていたように思います。

 

 より良き生活を求めて安住の地を目指す想いはいつの時代も変わらないことは明らかですが,既に欧州で問題になったように,そこには受け入れる側との様々な軋轢が生じることとなります。そもそも,住み慣れたところから移動せざるを得なくなった要因にも目を向けて,根本的な問題を解決していくことも忘れてはならないと思います。既に,新大陸の発見が不可能な状況の中で,地球という掛け替えのない“約束の地”で安住していくことができるように,一人一人がそれぞれの立場で考えて行動していくことが必要となってきているようです。

 

 地球上では様々な社会的な動きが繰り広げられていますが,一方で,宇宙に向けての動きが非常に活発になってきています。現在刻々とその活動状況が伝えられている我が国の小惑星探査機“はやぶさ2”に留まらず,火星や金星に引き続いて,水星や太陽にまでアプローチする動きが始まっており,“ボイジャー”のように太陽系を脱出して移動を続けている探査機もあります。これらの活動によりもたらされる映像なども見ても,改めて我々にとっての安住の地である地球というものの特別な存在を感じざるを得ません。

 

 そのような中で,今年は英国の科学者であるホーキング博士の話題が多く取り上げられた一年でもありました。この3月に76歳の生涯を閉じられたこともありますが,若くして難病に侵されながら,物理学者として優れた業績を残されたことを強く認識させられたようにも思います。改めて,その足跡を辿ると,我々にとっても多くのことを考えさせられます。

 

 ホーキング博士が先鞭をつけた「宇宙の量子化」は,宇宙の始まりを解明する大きな足掛かりとなり,ビッグバン以前の宇宙創成を記述する「インフレーション理論」を生み出すこととなりました。既にこの理論を裏付ける観測結果も得られるようになってきているようですので,今後の展開に期待が高まるところです。その一方で,身体的な病魔との戦いと共に,宇宙の始まりに関わる真理の探究ということで,宗教界との関係においても様々な議論を呼び起こすこととなっていたようです。

 

 ただ,宇宙に想いを馳せるほどに,地球という存在,そこに暮らす人類にとっての安住という願いに対する想いが強くなってくるように感じられ,これはかつてのガリレオやニュートンの時代から変わらないようにも思います。真理を探求したいという科学者としての立場と,宗教を信じるという人間の内面的な立場との関係性において様々な葛藤があったことは確かなようですが,そこには人類が大きく包み込まれている宇宙を前にした謙虚さがあり,それが実は探求心をさらに掻き立てていたようにも感じます。

 

 時間と共に病状が徐々に悪化していく中で,ホーキング博士はどのような想いで地球上で繰り広げられている社会の行く末を見据えていたのでしょうか。

 

 「科学者とは,自然に対して最も謙虚なものであるべきであり,そのことと神を信じる姿勢とは,まったく矛盾しないのです。晩年のホーキングも,そのことに気づいていたのではないかと私は考えています。」〔「科学者はなぜ神を信じるのか 〜 コペルニクスからホーキングまで」:三田一郎著(講談社 2018年7月)〕

 

 翻って,我々自身も地球上での安住を維持していくためには,科学者に負けないくらいの謙虚さが必要であり,それがこれから先さらに強く求められるようになっていくのではないでしょうか。

 

 様々な想いと記憶を残して,平成最後の師走が過ぎ去ろうとしています。

| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 昨年の記事
職人技が脚光を浴びる時代に!!

 

 

 11月となりました。

 

 今年も残り2か月となりました。日暮れの時刻が早くなったことを感じるようになって,そろそろ平地でも雪の便りを聞くような季節を迎えました。既に富士山では,昨年に比べて27日も早く9月末に初冠雪があったとのことですが,この冬の寒さはどのようなものなのでしょうか。近年にわかに騒がしくなった感のあるハロウィンも終わり,これから年末へ向けて慌ただしさを増していくことになりますが,一方で,平成という時代の終わりが近づいていることに名残惜しさを感じるようにもなってきています。

 

 平成という時代がスタートした当時の状況を鮮明に記憶している我々からすると,昭和という時代がさらに遠くなってしまうようにも思います。最近はこの30年間を振り返る企画があちこちで見受けられるようにもなってきていますが,残すところ半年と迫ってきた平成という時代はどのように総括されることになるのでしょうか。国際的には東西冷戦の終結,そして国内的にはバブル景気の真っただ中でスタートした形でしたが,その後に発生した多くの震災やテロなどの悲惨な出来事も記憶に残るところです。

 

 そのような中でここ最近引き続いて話題となっているのがデータ偽装の問題と言えます。自動車や工業用資材などについての不正の実態が次々にあぶり出されてきています。特に,我が国においては昭和30年代以降の時代において,低価格で高品質な製品を武器にして目覚ましい高度経済成長を成し遂げた経緯があることから,このような事態を懸念する声が一層大きくなっているようです。かつてTQCや小集団活動が活発に行われていた時代がありましたが,モノづくりにおける強みと信頼を何とか早く回復して欲しいものです。

 

 人とモノの交流が全地球的な規模で盛んになってきている経済状況を考えると,企業経営的には生き残りが極めて難しい状況であるとしても,一度失った信頼の回復は非常に厳しいものであることは明らかであり,当事者のみならず様々な立場でこの件に関する本質的な問題を考えていくことが重要であるように思います。そもそも現場でかかわる一人一人の労働者にとっても,客観的な課題に対して真正面から工夫改善することで克服していくことこそが,変化の激しい社会状況の中で自らの能力を高めていく最も効果的な経験であることは明らかです。

 

 翻って見ると,我々が子供であった昭和の時代には,近所で多くの職人さん達の働く姿を目にすることができました。自転車屋さん,畳屋さん,のこぎり屋さん,桶屋さんなど,一心不乱に没頭しているその姿に見とれていたことを覚えています。たまに自転車でやって来る飴細工の職人さんの見事なハサミ捌きは,思わず買うのを忘れるぐらいに見事なものでした。子供としての目線でしたので技の見極めはできないにしても,自らの仕事に没頭することへのこだわりはひしひしと感じられたように思います。

 

 一方で,ここ最近は昔ながらの日本の伝統や習慣が海外から評価される機会が増えてきており,これを支える職人の技能や工芸品などへの注目も集まってきているようです。そこには単なる形式として引き継ぐだけではなく,様々な工夫を取り入れながら技を高めていくという職人意識が強く反映されており,その成果が脈々と積み上げられて伝えられていることへの称賛もあるとのことです。

 

 世界的に経済成長が目標とされた昭和の時代から平成に切り替わり,この間の社会的な仕組みはITを始めとした新たな技術の登場により高度化され,様々なものがより密接に連携されるようになってきました。安定した日常生活を安心して送ることができるようにするためには,幅広い立場での仕事への取り組みによる影響がかかわってくることとなり,関連する全ての労働者があらゆるリスクに迅速に対応していくことがより一層強く求められる時代になってきました。

 

 このような状況を考えると,これまで職人と呼ばれる方々が受け継いできた意識とこだわりこそ,あらゆる業務担当者に期待される状況になってきているように思います。明らかに問題ありと認識できる以前の段階で,効果的な対策を実行し未然に防止することを目指すことで,それぞれの立場での視野が広がり,感受性が高められ,創造力が発揮できるようになるばかりでなく,そのこと自身が技として積み上げられることで,極めて強力な社会的価値として評価される時代になってきたように感じます。

 

 ここ最近声高に叫ばれるようになっている働き方改革ですが,本来の仕事への取り組み方として,社会的な環境の変化に応じて意識とこだわり方を適応させていくことこそが先ず求められるべきところではないでしょうか。これまで目立たないところで地道に精進を重ねてきた職人技が一躍脚光を浴び始めているように,あらゆる立場での一人一人の仕事への没頭の仕方が見極められ,評価される流れができつつあるように思います。

 

 人生100年時代の働き方においては,職人技がますます脚光を浴びるようになっていくのではないでしょうか。

 

| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 昨年の記事
システム工学による習慣付け!!

 

 10月となりました。

 

 お彼岸も過ぎてようやく暑さから解放されたと思ったところ,今度は次々やって来る台風の動きに気をもむ日々です。先月の4日に上陸した台風21号においては,特に近畿地方を中心として強風や高潮により大きな被害を受け,関西国際空港が一時閉鎖される事態となってしまいました。それから間もなく発生した北海道胆振東部地震の復旧も懸命に続けられている状況でもある中で,台風24号に引き続きフィリピン沖では25号も発生したようですので,しばらくは気が抜けない日々が続くことになります。

 

 最近は気象衛星などを始めとした観測網の整備が進み,その取得データに基づく解析技術が高度化され予測結果の精度も高まっているようですので,その意味では事前の備えがある程度行いやすい状況になっていることは確かです。気象庁の公表資料によると,台風の進路予想の場合,48時間予報においては30年前が予測誤差400kmであったものが,最近では150kmまで向上しているとのことです。地震予知においてはなかなか難しい面があるようですが,気象観測に関しては着々と精度向上が図られているようです。

 

 その一方で,情報通信手段の発達により,ほぼリアルタイムで各地の映像を見ることができるようになって,被害の状況も刻々と伝えられることから,その傷跡の大きさが手に取るように確認できるようになっており,何とか被害を食い止める手立てを望む気持ちも強くなってきています。我々の日常生活にとっての大きな脅威となる天変地異に対しても,様々な叡智を結集して対処ができるようにしたいものです。

 

 折しも,地球から3億km以上離れた小惑星である“リュウグウ”の地表面の状況が極めて鮮明な映像として連日のように送られてきている“はやぶさ2プロジェクト”を見るにつけて,科学技術の進歩とこれからの可能性を感じる思いです。宇宙開発に関して言えば,今月には水星探査の衛星も打ち上げられる予定とのことですので,“宇宙の謎”が解明されていくことに対する期待が高まるとともに,このような取り組みに付随した技術的な成果を活用して日常的な課題解決が図られていくことも強く望みたいところです。

 

 JAXAにおいて既に報告されているところでも,例えば,宇宙用水再生技術が災害対策用などの浄水装置に転用され,ロケットノズル部の耐熱素材から耐火スクリーンや消火布が開発され,さらには,ロケットのフレキシブルジョイント部の技術から免震用積層ゴムが生み出されるなど多くの成果があげられてきているようです。かつての米国アポロ計画においても,レトルト食品やレーザー計測技術など多くの技術分野に展開され活用されたものがあることは周知のとおりです。社会の変化は激しいものがありますが,安全・安心な日常の実現に向けた成果としても着々と積み上げていきたいところです。

 

 我々の世代が社会人となった頃には,アポロ計画の取り組みにおける一つの成果として“システム工学”が注目されていました。1961年5月に当時の米国・ケネディ大統領が「1960年代に人間を月に到着させる」との演説に端を発してスタートしたアポロ計画ですが,その目標通りに1969年7月にアポロ11号により月面着陸を実現させ,無事に地球に帰還させることに成功することとなりました。この間のプロジェクトの遂行における様々な課題解決のために活用された手法が体系化され取りまとめられた成果と言えるものです。

 

 そこには,課題発見や階層的評価の手法,モデリングや計画の最適化,さらには信頼性に関する解析など様々な技法の他に,ヒューマンエラーなどの人間工学的なものも含めた幅広い内容が盛り込まれていました。それぞれの項目においては非常に高度な内容も含まれていましたが,当時の我々のレベルにおいては,『要は,与えられた目標を確実に達成させるために活用できる技』というような位置づけで,取り敢えず目の前の課題に活用できるものはないかという少し軽い気持ちで取り組んでいたように思います。

 

 その後,科学技術の一層の発展とともに社会構造も急激な勢いで変化を始めている現代においては,技術革新やイノベーションがあらゆるところで引き起こされ,一方で,“フラット,リンク,シェア”と言われるような個人としての活動範囲が広がっている現状を踏まえると,個々人としてのキャリア形成の方向性を見極めることがなかなか難しい状況になってきているようにも感じます。“人生100年時代”とは言うものの,これだけ世の中の変化が激しい状況となっては,着実に成長していく道筋が見えにくいというところではないでしょうか。

 

 でも,ここ最近になって,感じるようになってきたことがあります。それは,個々の変化は非常に激しくなっていますが,その変化の方向性は極めて単純ではないかということです。それぞれの時代の状況に応じて変化のスピードは異なっていても,結局は“合理的で効率的な取り組みが成功を招く”というところは変わりがないようです。そして,これはまさしくかつての“システム工学”が目指していたものでした。ここは,『環境変化を冷静に見極め,これを踏まえた目標を明確にして,計画的で合理的な評価に基づく取り組みを着実に実行していく』というような基本的な動作を日々の習慣として続けていくことがこれからますます重要であるように思います。

 

 先月末,東京タワーからのテレビ電波送信が終了したとのことです。今後は東京スカイツリーの予備送信所としての機能は維持されるようですが,これも時代の流れの象徴ということでしょうか。引き続きラジオの電波送信は残りますが,こちらもデジタル化によるマルチメディア放送が既に開始されており,徐々に切り替えが進むものと思われます。

 

 時代の流れはとどまるところを知りませんが,一方で我々の安全・安心な日常の実現を始めとした切実な願いも変わることはありません。

 先ずは,日々の基本的な習慣付けからというところのようです。

 

 

| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 昨年の記事
5G時代に向けた覚悟と備え!!

 

 9月となりました。

 

 猛暑日が珍しくなくなるような関東地方の8月でしたが,月が改まったことでこれから秋の雰囲気が感じられるようになっていくのでしょうか。二十四節気で言うところの“処暑”はとうに過ぎたものの,現実の気候は未だに“大暑”という感じです。一方で,最近の異常な暑さの影響によるものか,大気が不安定になったことによるゲリラ豪雨や竜巻なども各地で発生しており,なかなか気が抜けない状況となっています。来週には台風の襲来も予想されているようですので,日常の暮らしにおいてもある程度の覚悟と備えが必要というところでしょうか。折しも9月1日は防災の日でもありますので,改めて身の周りを点検しておく良い機会かもしれません。

 

 覚悟と備えという意味では,現在インドネシアで繰り広げられているアジア競技大会での日本選手団の活躍は目覚ましいものがあり,見ている我々もたいへん勇気付けられます。出場している選手達にとっては,この日に向けて着々と準備を重ねてきた成果を発揮する檜舞台というところですが,ここに至るまでには人知れぬ苦労があったものと思います。特に,実力が拮抗した中で自らの最大限のパフォーマンスを発揮できるという精神力に関しては,普段から相当な鍛錬が行われていたものと思います。その躍動する姿を見ていると,わが身においても常に自己記録の更新を目指すことの大切さを改めて痛感させられます。

 

 日を追うごとに熱戦に引き込まれていくような状況となっていますが,今回の大会においては,参考競技として“eスポーツ”なるものも行われているとのことです。これはビデオゲームによる対戦競技ということで,チーム種目と個人種目としてそれぞれ三種目が行われているようです。競技会場では大きな盛り上がりをみせているとのことですが,ビデオゲームがスポーツと言えるのかという議論も当然あるようです。ただ,次回大会からは正式競技として採用される見込みとのことですし,オリンピックでの採用の可能性もあるとのことで,時代の流れを感じるようでもあります。

 

 一方で,通信分野での国際的な競争もいよいよ白熱化してきたようです。AI/IoT時代の通信インフラとして期待されている第五世代移動通信システム(5G)の開発が大詰めを迎えています。我が国においては,「世界に先駆けて5Gの実用化を実現する」との目標を掲げていますが,世界的な実用化競争においては“先頭集団の中位”という評価があるようですので,これからトップ争いに加われるかどうかの正念場を迎えるとも言えます。

 

 スポーツにおいては記録更新への期待も大きく,選手自身もそこを目標にして日々の鍛錬を行っていることは確かですが,技術開発においては,当然のように従前以上の性能向上が求められることになり,しかも価格や時間的な競争の中での取り組みとなるため,それはそれで厳しい戦いと言えます。例えば,通信速度に関して言えば,現状の第四世代(4G)に比べて100倍の超高速通信が可能となるとのことで,技術的な課題としては非常に困難なものがあるかと思います。ただ,これが実現できた暁には,様々な分野での幅広い活用が考えられることとなり,非常に大きな期待が持たれるところです。

 

 これまでの開発経過を振り返ってみると,1990年代に登場した第二世代(2G)からほぼ10年周期で世代が更新されてきており,その都度に前世代の100倍の通信速度が達成されているとのことで,その記録更新の経緯にも改めて驚かされるところです。さらに,今回の5Gにおいては,前世代と比較して100倍の数の同時接続が可能となり,同じく通信の遅延時間においても10分の1に低減されるとのことで,期待はますます膨らむばかりと言えます。

 

 実は,既に5Gが実用化された場合を想定して,我が国におけるこれからの社会的な課題について,特に,少子高齢化を踏まえた地域での問題解決に対してどのような取り組みが可能となるかについての議論が様々な立場から進められてきており,その最終取りまとめについても徐々に公表されてきております。先月末に,“空飛ぶクルマ”について官民協議会が開催されたとの報道がありましたが,特に,このような自動運転による空陸両用の移動手段を実現させることで,過疎地や高齢者・障害者の足となることなどが期待されています。世の中の動きはさらにその次の時代に向けて動き出しているようです。

 

 先月に公表された総務省の情報通信審議会による答申においては,地域づくりのために実現したい具体的なものとして,上記の“空飛ぶクルマ”の他に,“いつでもドクター”,“あちこち電力”,“時空メガネ”,“どこでも手続き”などが挙げられています。ただ,現状の世の中の変化を見ると,時間の経過と共にさらに創造的な目標が出てくることが想定されます。

 

 一方,このような検討に合わせて,5Gが活用された新たな時代における人材育成として“本格的なIoT・AI時代の「人づくり」”についても議論が行われており,「創造性,論理的思考,コミュニケーション能力,ITリテラシー等の21世紀に活躍できる人材の育成」が課題として打ち出されています。(総務省・情報通信審議会第五次中間答申 平成30年8月23日公表)

 

 我々がこれから果たすべき役割が徐々に明確になってきました。後は,我々自身の覚悟と備えが求められることとなります。

 

| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 昨年の記事
リスクに挑む無線技術の役割!!

 

 8月となりました。

 

 関東地方では梅雨明けとなって迎えた7月でしたが,全国的に見れば特に西日本を中心にした地域での豪雨による被害がたいへん大きなものとなってしまいました。場所によっては,6月末からの10日間の総降雨量が1,000mmを超える地域もあったようです。これにより中国地方や四国地方を中心にして河川の氾濫や堤防の決壊による浸水被害や土砂災害が相次いで発生し,多くの方々が被害を受けることとなりました。先月末の時点においても10,000人を超える方々が避難状態となっているようです。

 

 これから夏本番となり暑さも増してくることと思いますが,一方で台風の季節も迎えることとなりますので,一刻も早い復旧と共に,これ以上の被害を防ぐための対策においても万全を尽くしてもらいたいものです。特に,過去の被害状況に関する調査では,人的犠牲の約半数が土砂に起因しているとの報告もあるようですので,このような知見を活かして効果的な対策を期待したいところです。既に,急速に普及が促進されているIoTを活用して,雨量や土中水分などのデータを計測して,地域住民の方々にもリアルタイムでそのデータを提供できる取り組みも始まっているようですので,最新の技術力で自然災害をも克服して欲しいものです。

 

 我々の日常生活に対する様々なリスクについての関心が高まっている状況ではありますが,自然災害に関しては,毎年のように被害が繰り返されてきているばかりでなく,物的にもあるいは人的にも大きな痛手を被る形となっている事から,より一層の着実な対策が求められるところではないでしょうか。土砂災害のみならず,人口の約半分,資産の約4分の3が洪水氾濫区域に集中しているという我が国の状況もありますので,長期的な視点に立った根本的な対策について総力を挙げて取り組む必要があるように思います。自然の猛威は強烈なもので侮ることはできませんが,我々の叡智を結集して少しでも犠牲を少なくすることに全力を尽くすことが重要です。

 

 かつて古代の人々にとっては,自然現象は想像を絶するほどの不可思議と恐怖にあふれた対象であったものと思われます。今年になってから近くで古墳時代後期(6世紀)の遺跡が新たに発見されたようですが,この地域は地盤が安定して河川から比較的近いものの適度な高台に位置しており,自然災害からの被害を回避する知恵を働かせてようやく探し当てたものと思われます。ただ,そこに至るまでの間には相当な犠牲が伴っていたはずです。極めて高度な文明社会となった現代ですが,今回のような被害を目の当たりにすると,我々自身の平穏な日常生活を守るための謙虚な心掛けが大切であることを改めて実感させられるところです。

 

 一方で,地球の外側にある宇宙へ向けた人類の好奇心は着々と新たな動きを刻んでいるようです。折しも,先月末には火星が15年ぶりという極めて近い距離に寄ってくるということで早くから話題となりました。地球の自転も,太陽の周りをまわる公転も,これらの惑星を始めとした天体の微妙なバランスの上で成り立っていることは確かですが,最近はそれ以上の影響としてダークマターやダークエネルギーなどというものの存在が明らかになってきており,これはこれで自然の不可思議さを感じるところと言えます。ただ,我々の感覚からするとあまりにもスケールが大きい世界の話ですので,ある意味ではロマンや好奇心を感じる方が大きいようにも思います。

 

 その他にも,最近は我が国を始めとして宇宙探査機の活動に関する動きも続々と伝えられるようになっており,かつてアポロ11号による月面着陸をテレビに噛り付いて見ていた世代としては,改めて科学技術の進歩を実感するところです。米国のボイジャー1号のように,1977年の打ち上げから40年以上も飛行を続けて,太陽系の境界を突破するところまでに到達している探査機もあるとのことで,宇宙空間がグッと身近に感じられるようです。このまま順調に飛行を続けることができれば,いつの日か同機に搭載されているという地球の情報を記録した2枚のゴールデン・レコードがUFOに乗った異星人に捕捉されることになるのではないでしょうか。

 

 かつて大きな話題となった1号機に続く我が国のはやぶさ2についても,ようやくこの6月に目指していた小惑星に到着し,先月には高度約6キロメートルにまで近付いて地表の画像を送信してきています。2014年の打ち上げから飛行を続け,地球から3億キロメートル近い距離を隔てた場所から送られてきた映像ですが,極めて鮮明な地表の様子が窺えます。これから来年にかけて人工クレーターを利用した岩石サンプルの採取という大きな使命を果たすこととなりますが,その分析によってどのような新事実が解明されるか期待されるところです。

 

 さらには,今月に米国にて太陽観測のための衛星が打ち上げられることとなっています。順調にいけば2024年には太陽から約600万キロメートルにまで近付き,コロナの中まで入り込んで観測を行うとのことです。IT社会となった現在の地球において,コロナからプラズマガスが噴き出すことによって発生する太陽風は極めて深刻な脅威と考えられていますが,この観測により何らかの対策の手掛かりが得られることを期待したいものです。

 

 そのような中で改めて考えてみると,探査機との交信において無線が活用されている事は我々にとっても大きな励みになるように感じます。太陽系を飛び出そうという位置にまで到達しているボイジャー1号に至っては,地球との交信に要する時間が20時間近くということですので,宇宙空間で情報を伝送している電波の頑張りに感謝したい気分にもなるようです。さらには,防災活用に動きだしたIoTにおいても無線が重要な役割を果たすこととなります。

 

 我々を取り巻く様々なリスクに対して,平穏な日常生活を守るために無線技術に関わる我々がどのような役割を果たせるのか,改めて考えさせられる夏となりました。

 

 

| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 昨年の記事
熱きオープンイノベーションの戦い!!

 

 7月となりました。

 

 早いもので,今年も折り返し点を過ぎたこととなります。季節的には梅雨の時期のはずでしたが,ここ数日は夏日や真夏日が続いており,関東地方では観測史上最も早く6月中に梅雨明けとなりました。気候の影響もありますが,ロシアで繰り広げられているワールドカップサッカーの熱戦も気になるところであり,なかなか寝付けない夜が続いています。もっとも,戦っている選手たちは猛暑日にもなる環境の中で,さらには1,000km以上も移動しながら試合を行っているようですので,その頑張りを考えると見ている我々も自ずと応援に力が入ってしまいます。

 

 連日の好ゲームに魅了されているところですが,一方で今回は時代の移り変わりを実感させられる大会とも言えます。ゴール判定にビデオが利用されていることもさることながら,全試合,全出場選手についての様々なデータが蓄積され,公表されるようになっています。これまでであれば得点ランキングやアシストランキングがせいぜいでしたが,今ではパス数や走行距離,さらにはダッシュ回数までも明らかにされています。これには映像技術の進化が効果を発揮しているようで,改めて日々高度化している技術開発の実態を認識させられるところです。

 

 同様に,現代サッカーにおいても,選手の体力的な面や試合の戦術的な面での進化が相当進んでいるように見受けられます。ただ,我々の年代からすると,かつて“トータルフットボール”として衝撃的な印象を植え付けられた1974年西ドイツ大会のオランダチームにおいて,その象徴として活躍し“空飛ぶオランダ人”と呼ばれたヨハン・クライフの走行距離やダッシュ回数が是非とも知りたいところです。もっとも,具体的なデータが残っていない分,何時まで経っても我々の中ではますます神格化されていくことになるのかもしれません。

 

 それまでゴールキーパー以外にもフィールドでの立ち位置であるポジションがある程度決められていたものを,全員攻撃全員守備という自由な形で流動的にポジション変更していくという斬新な考え方は,見ている我々をたいへん魅了したものでした。現代サッカーにおいてもこれを引き継いでいる部分があるようですが,フィールド全体に渡って複数のポジションをこなすための体力や精神力は想像を絶する厳しさがあったものと思われます。

 

 一方,ビジネスにおいても企業活動のフィールドでポジションを広げる動きが出てきているようです。最近,“オープンイノベーション”という言葉を良く聞くようになりました。単なる“モノ”や“サービス”の提供から,顧客の“問題解決”や“価値創造”を求められる時代となったことで,同じ立ち位置では勝負ができない状況になってきたようです。これまでのような専門領域や業界という括りもむしろ足かせになってきているようにも思います。

 

 報道によれば,国内企業で最高の利益を生み出しているトヨタの社長でさえ,「“勝つか負けるか”ではなく,まさに“生きるか死ぬか”という瀬戸際の戦いが始まっている」との認識を公言しているようです。最近大きな注目を集めている電気自動車や自動運転車に関して言えば,新しいスタートアップ企業や全く異なる業種の企業が先行して勝負を仕掛けてきている状況であり,この先もどのようなフィールドでライバルが出てくるか全く予断を許さない状況との認識によるものと思われます。

 

 考えてみれば,このような状況は自動車に限らず,あらゆる業界に言えることであることは明らかで,ワールドカップと同様に世界的規模での戦いが始まっていると言えます。この場合,戦えるフィールドは多種多様なものが考えられることになりますが,一方で,出場資格に大きな制限もないことから,思わぬプレーヤーが続々登場してくる状況も予想され,業界を超えた熱戦はこれからますます盛り上がることになるものと思われます。

 

 そのような状況の中で,トヨタは先月下旬に新たなポジション取りとして,“つながるクルマ”を前面に打ち出したイノベーション創出のための戦略発表を行っています。そこでは,2020年までに日米で販売するほぼ全ての新車に車載無線通信機を標準搭載する計画が打ち出され,これを踏まえて様々な異業種に対する連携の呼びかけが行われたようです。

 

 “つながるクルマ”から取得されたビッグデータは,車両の整備メンテナンスや新型車開発などに活かされるばかりでなく,様々な異業種との連携による新たな価値創造に繋げていく考えで,「車をつくる会社から,世界中の移動にかかわるあらゆるサービスを提供するモビリティカンパニーにモデルチェンジする」との想いが強調されたとのことです。時代は正に大きな変革の時期を迎えたようです。

 

 このような動きを踏まえて,これまで無線に関わる業務に取り組んできた我々にとっても新たなポジション取りが必要になってきました。モバイル/IoTを支える重要な位置付けとしてあらゆる分野で必要不可欠となっている無線技術のさらなる発展のために,我々自身がオープンイノベーションの時代に合わせた取り組みが求められる状況となってきたようです。

 

 新たな時代のフィールドにおいて,想いを一つにした効果的な全員攻撃全守備が実現できるか,これからの走行距離やダッシュ回数などのデータが記録されていくことになります。

 かくなる上は,ゴールを目指して進むのみです。

 

| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
AI時代を生き抜く葦を目指して!!

 

 6月となりました。

 

 いよいよ梅雨入りの季節となりました。九州北部や四国地方は昨年より20日以上も早い梅雨入りとのことです。最近は,ゲリラ豪雨や季節外れの暑さなど,天候不順が珍しくなくなってきたせいか,季節感を認識しにくい状況でもあります。そのような中で,昨年大きな被害を受けた九州北部の被災地において,壊滅状態とみられていた蛍が飛び交い始めたとのことで,忘れかけていた自然の移ろいを改めて実感すると共に,生命の逞しさも感じます。きっと,厳しい自然環境の中で生き抜いてきた遺伝子が確実に引き継がれているのではないでしょうか。

 

 一方,我々の身近なところでは,来年就職を予定している学生に対する採用面接などの選考が今月から解禁となりました。ここしばらくそれらしい姿を見かけてはいましたが,景気回復の基調が続いていると言われる状況ですので,早い時期に落ち着きを取り戻して勉学に励むことができるようになるのでしょうか。もっとも,世の中の状況が激しく変化している現代社会ですので,これから迎えるであろう人生の転機の一つという捉え方も多くなってきているようです。

 

 ここのところ“働き方”ということが話題となる機会が増えています。その多くの場合は,労働時間についての話が中心のようですが,働くことについての意味合いも随分変わってきているように思います。かつては職業人として現役で働く期間も限られていましたが,平均寿命が延び続けている状況の中では,できるだけ永く社会とのかかわりを維持していくことは好ましいことと言えるかもしれません。世は正に少子化の傾向が続いていますので,貴重な働き手として役割が果たせるようであれば,社会全体としても好都合と言えるのではないでしょうか。65歳未満となっている生産年齢の上限も,早晩嵩上げされる方向に動くようにも思います。

 

 いずれにしても,“人生100年時代”と言われる世の中ですので,これから正に社会に出て行こうとしている就活生にとっては,今までに前例のない人生設計を描く必要があるようです。既に,ロボットを活用して業務を効率化・自動化しようとする取り組み(RPA:Robotic Process Automation)も始まっているようですので,そのような中での自らのキャリアアップを思い描くことの方がより重大な課題と言えるかもしれません。AI(人工知能)の発達が日増しに取り上げられる状況もあり,真の意味での“働き方改革”は待ったなしの状況ではないでしょうか。

 

 そのような観点からか,AIが発達した社会における人間の役割について論じられることが多くなったように思います。機械学習や深層学習によって膨大なデータを基に自らが知能を高めていくという試行錯誤を,いわば労働時間の制約もなく,疲れやストレスとも関係なく,昼夜を問わずに超高速に続けられるという能力は,ある意味では極めて頼りがいのある強力な戦力という見方もありますが,一方では,非常に大きな脅威という捉え方もできます。いずれにしても,我々の社会に役立つために如何にこのような技術を活用出来るかが問題というところのようです。

 

 最近,AIを活用するという観点から具体的な検討を行うという機会があり,現実的に日々取り組んでいる業務との対比などにより,この先の効果的な活用の方法について考えることが多くなりました。ただ,我々自身もAIの実態を本質的に理解できるところまでには至っていない状況ですので,明確な方向性は十分に見えていない段階ですが,我々人類が本来持っている“考える”ということの重要性について改めて認識させられるようになりました。

 

 急速に発達してきたコンピュータ技術により,膨大な情報やデータの中から相関性や規則性を見出して,さらには,曖昧さが残る要因についての検証を繰り返すことで,より精度の高い解決策や打開策を見出していくということを,極めて短時間に実現できるようになったことは,ある意味では,コンピュータ技術の特長を最大限に活かした形であり,これをさらに高度化していく方向性は合理的であるものと思います。一方で,「考える葦」とも表現される人間にとっても,このような時代の流れの中で自らの特長を活かしていくことが,より好ましい方向性であることは明らかと言えます。

 

 かつて若かりし頃に科学史について興味を持っていた時期がありました。そもそもは宇宙の神秘というものに関心を抱いたことが切っ掛けであったのですが,そこで見聞きした物事の中で特に感じていたことは,科学に対する探求心が宗教や哲学と密接に関連して追求されてきたということでした。さらに,そこには人間の思考の幅広さと共に,人間の弱さや限界というものの認識が踏まえられており,常に未知なるものへの畏れや謙虚さがにじみ出ていたように思います。そして,このことが人間というものを特徴付ける“考え続ける”ことの原動力となったようにも感じます。

 

 今回,AIに直接触れる中で,業務の遂行目的をどのように効果的に達成していくかという観点からの知識の引渡し方や関連付けを考える過程で,その考え方の根底にあるべき業務そのものに対する“基本的な想い”を意識せざるを得ないことに気づかされるようになりました。AIの基本的な枠組みを設定する段階において,我々自身がどの程度この想いに踏み込んで考えることができるかによって,AIの出来合いや利用価値が変わってくるようにも感じられます。

 

 正に,AIという魔法の道具に対して魂を吹き込む役割が我々に求められているような気がします。

 その意味でも,先ずは日常的に探求心を持って日々考え続けることが必要なようです。

 

 

 

 

| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
魔法の世紀の適応力を鍛える!!

 

 5月となりました。

 

 例年より早く駆け足で到来した桜前線ですが,間もなく北海道を通り過ぎようとしているようです。我が家の八重桜も,今年はゴールデンウィーク前に満開となり,今はもう地面にピンク色の絨毯を広げています。満を持して華やかに登場した晴れ舞台ですが,次の展開へ向けた動きに隙はなく,その潔さは見事と言うしかありません。しかし,自然はうまくしたもので,別の場所から新たな輝きが目立つようになってきました。

 

 自然の営みに限らず,実社会においても時の流れは着々と進んでいます。平成の世も残り1年となったことで,この30年という時代の振り返りについてあちこちで見聞きするようになりました。気付いてみれば“一世代”分の月日が流れたことになります。先日見かけたIT関係の年表においては,平成元年(1989年)の代表的な出来事として,ノートパソコンの先駆けとなった“東芝dynabook”と,手持ちができる携帯電話の先駆けとなった“Motorola MicroTAC”の登場が挙げられていました。

 

 その当時駆け出しを抜けきれない社会人であった私自身にとっては,まだまだ手書きとワープロでの資料作りに明け暮れ,外出すれば公衆電話を渡り歩く時代でしたので,この間の時代の変化は感慨ひとしおというところでしょうか。一方で,考えてみれば“十年一昔”とも言われますので,ある意味では時代の自然な流れと捉えることができるかもしれません。ただ,当時の状況を思い出してみると,現在に比べて様々な制約がある中での業務でしたが,たいへんな苦労であったという感じもあまりしなかったように思います。

 

 かつて,21世紀を迎えた際に,丁度100年前に当たる1901年(明治34年)当時の新聞記事として掲載された『二十世紀の予言』が話題となりました。これは,明治時代の人々が次の100年の間にどのようなことを実現できているのかということを予言したもので,技術革新から社会的な課題解決に至るまで23項目についての予測が行われています。その中には,蚊・ノミの滅亡といった身近な生活に関わる悩みの解消を予測したものがある一方で,自然環境の破壊による野獣の滅亡や,サハラ砂漠が肥沃な土地に生まれ変わることなど海外にまで視点を広げた内容が盛り込まれています。

 

 その中でも,特に情報通信に関する部分での的中率が高く,世界中に渡る無線電話や写真伝送の実現などを言い当てており,その他にも,遠距離にある品物を見た上で購入できることも予測されています。この当時と言えば,日露戦争が始まる3年前に当たり,国内産業の状況としては官営の八幡製鉄所がようやく操業を開始した時期となります。また,無線技術に関して言えば,無線電信を発明したマルコーニがようやく大西洋を横断した無線通信の実験に成功したばかりであり,このような状況を考えると,これを予測した方々の先見性に改めて驚かされます。

 

 一方,“魔法の世紀”と言われるように技術革新の動きが極めて激しい昨今の状況を考えると,この先の予測を行うことは至難の技のようにも思います。ただ,“人生100年時代”を迎えて現役生活がますます長期化する傾向を踏まえると,時代の変化に翻弄されることなく,逆にその流れを受け入れて活用出来るような適応力が試される時代になったようにも思います。特に,働き盛りで平成の時代を過ごした我々にとっては,これから正に直面する課題と言えるかもしれません。

 

 しかし,よくよく考えてみると,変化が激しく見えるのは,モノやサービスや仕組みなどの表面的な目につきやすい部分であり,その本質的なところでの基本的な考え方や物事の道理,さらには変化を起こしている流れの方向性などは一貫しているようにも思えます。実際,100年前の予言の的中率を見ると,当時からこのことに気付いていた方々がおられたようにも感じられます。

 

 先日,ここ最近目立ってきているモノづくりの現場における品質問題に関する話として,第一線で長く指導されてこられたスペシャリストの方の記事を目にしましたが,そこには,最近のモノづくり現場の傾向として,目の前の品質管理に関する業務が形骸化して,その本質的な目的が理解されていないという趣旨の問題を指摘されておられました。

 

 ここは我々自身にとっても非常に共感するところであり,ITを始めとして様々な使える道具が発達したことにより,目の前の業務は多様な範囲でより複雑な作業を求められるようになったものの,その分,その業務の本来の目的や,作業の根底にある考え方を理解することが疎かにされる傾向があるように感じます。

 

 新たな技術やサービスが登場することで,それを理解して吸収することに価値を見出す傾向が強くなってもいるようですが,結局は,それをどのように本来目的に活用していくのかが根本的に重要なところであり,世の中はその解決に向けて動いて行かざるを得ない流れとなっていることは明らかなように思います。

 

 先の品質問題に対する指摘の中でも,最終的には関わる“人”が解決のカギを握ることが指摘されているように,知識偏重の時代から,“本質を考え工夫する”ことを重要視してその技を磨くことができる人材が必要とされる時代を迎えたようです。

 

 何かにつけて便利となった世の中に馴染んで,かつて使える道具の選択に苦労していた頃の経験を忘れかけていた我々にとっても,新たなチャンス到来と言えるかもしれません。

 しかし,時の流れは非情です。心身ともに無理をしない範囲での適応力を極めることが肝要なようです。

 

| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 昨年の記事
全体最適化を実現する社会へ!!

 

 4月となりました。

 

 例年にない速さで桜前線が北上しているようです。ついこの間までモノクロであった風景があっという間に彩輝く世界に切り替わる様は見事という意外にありません。正に自然のなせる業というところでしょうか。しかもその輝きが極わずかな束の間の出来事であるということで,余計に有難味も増してきます。近頃の温暖化の影響か,開花時期が年々早くなる傾向にもあるようですが,この風景は是非守っていきたいものです。勿論,この色付きを際立たせるための冬の寒さも欠かすことのできない大切な過程であることを忘れてはなりません。

 

 一年を通したこのような季節的な移り変わりがあることで,我々の日常生活もよりメリハリのきいたものになっているようです。特に,このような華やいだ雰囲気の中で新年度が始まり進学や就職など新たなスタートを切る形となる我が国においては,その記憶はより深く刻まれることになるのではないでしょうか。春夏秋冬というそれぞれの季節における絶妙なバランスの上で,長い時間をかけて適応してきた生活文化が形成されていることを改めて実感します。

 

 自然の季節は規則的に繰り返されることになりますが,実社会の変化はなかなかそのような単純なものではないようです。我々のような年代が感じる“魔法の世紀”という意味合いも,驚きの程度が日増しに更新されるほど変化は激しくなっています。動力が蒸気機関となり,それが電力・モーターに切り替わり,コンピューターによる管理・制御が行われるというこれまでの“産業革命”と呼ばれる変化に留まらず,あらゆるものが繋がることで,大量の情報を基に人工知能が自ら考えて,“自律的に最適化された社会”が形成されようとしています。最近ではこのような社会を称した“Society 5.0”という言葉をよく聞くようになりました。

 

 しかし,このような大きな社会的変革に当たっては,これまでの経験や知見だけで対応することは難しい状況となるため,新たな時代に適応できる人材の育成が強く求められるところとなります。このようなことから,既に昨年より「IoT新時代の未来づくり検討委員会」が総務省内において立ちあがり,具体的な検討を始めているとのことで,先月,その中間報告が取りまとめられ公表されています。

 

 ここでの検討においては,最近の人材に関する課題について取り上げられており,具体的には「高等教育を受けたはずの人が基本的なサバイバルスキルを身につけていない」との評価が紹介されているようです。そろそろ引退を考え出すような我々の年代が生きてきた時代に比べると,現代社会の環境変化は相当なものと思いますが,ここで言われている内容は当方にとっても耳の痛い話と言えます。かくなる上は,年齢に関わらずまだまだ手を抜けない状況というところでしょうか。

 

 そこで気を取り直して,「IoT・AI時代に必要な能力(21世紀型スキル)」についての検討部分を見てみると,「思考の方法」として“〜和だとイノベーション”や“批判的思考,問題解決,意思決定”と“3悗喨の学習,メタ認知”,「働く方法」としては“ぅ灰潺絅縫院璽轡腑”と“ゥ灰薀椒譟璽轡腑”,「働くためのツール」としては“情報リテラシー”と“ICTリテラシー”,「世界の中で生きる」として“地域とグローバルのよい市民であること”や“人生とキャリア発達”と“個人の責任と社会的責任”の合計10個のスキルが明示されています。

 

 これについては,どのような経緯で絞り込まれたものであるかという詳細までは把握していないものの,日常的に感じている意識としてある程度納得できる部分があるように思います。国や地域を超えた厳しい競争の中で,費用対効果を最大限に追求し,これを的確に実現していくことで社会や利害関係者に対しても責任を果たしていくということが,今や中小企業に対しても当たり前のように求められる状況となっています。その意味では,能力向上へ向けての取り組むべき方向性は基本的に変わっていないようにも思います。

 

 一方,“IoT・AIの活用による自律的に最適化された社会”が到来するということから考えると,課題解決へ向けたプロセスや考え方の切り替えも極めて重要であり,そのことが“Society 5.0”時代に対応できる能力ということのように思います。特に,IoTによりあらゆるものが繋がり,大量の情報を基にしてAIにより高度な解決力を発揮でき,そのプロセスが見える化されるという状況においては,課題に取り組む意識の転換が必要であることは明らかです。

 

 そのような中で,ここ最近話題となった社会的な問題や課題についてその本質的なものを考えてみると,“全体最適化”という意識の重要性が日増しに高まっているように感じます。限られた部分部分に着目しただけでは,全体としての整合性や効率が見落とされてしまい,極限までに追求されるべき費用対効果や企業間競争において優位性を発揮できない状況となってしまうのです。しかし,IoT・AIの登場はここに大きな威力を発揮するものであり,これが最近急速に注目を集める要因であるようにも思います。

 

 少し前に大きな話題となった新幹線の台車における亀裂問題においても,製造現場での調整による減肉加工が原因と指摘されていますが,そこに至るまでの過程においても,部品製造における仕上がり寸法のばらつき管理や,さらには設計段階における構造や寸法公差の決め方なども含めて,工程全体を通した最適化の検証が今後の再発防止対策には欠かせないものになることは明らかです。

 

 さらには,異常をある程度感知してからの対応として,状況診断の評価に関する手順や,リスクの程度を想定した判断の仕方,さらには個人あるいは組織間での情報共有や意識の擦り合わせなど,運行システム全体を通しての見直しも必要なようです。正にこのような取り組みにおいて,IoT・AIは非常に強力な武器となるものであり,これが社会の隅々まで浸透していくということは,“全体最適化”の意識を徹底することが避けて通れないものとなるはずです。

 

 でも,ここで大分以前に設計の業務を行っていた際によく見聞きしていた言葉を思い出しました。それは、『前工程は「神様」,後工程は「お客様」』ということで、あちこちの作業現場にもよく掲示されていたものです。

 

 時代は高度に進化して変化していますが、やはり基本的なところは変わっていなかったようです。ただ、これからは具体的な実行とその成果を迫られる社会が到来したというところでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
時空を超えた前向きな意欲で!!

 

 2018年(平成30年)も3月となりました。

 

 暦の上では,そろそろ氷が溶け出す頃となり,土中で眠っていた虫たちも目を覚まして地上に出てくる時期となるはずですが,今年は少し動きが鈍いのではないでしょうか。それにしても先月までの寒さは格別であったようで,北海道では積雪の最高記録が次々と更新されたとのことで,3メートルを超える雪が積もった所もあったようです。ただ,生命の息吹は着実に時を刻み続けており,身近なところでも新たな季節に向けて装いを変え始めていることが徐々に感じられるようになりました。

 

 酷寒の中で繰り広げられていた冬季オリンピックも,様々な感動を呼んで無事に閉幕しました。大会の開催においていろいろ心配がなされていましたが,心に残るような名場面と共に見ている我々に対しても大きな勇気を与えてくれたように思います。今まさに,国内では働き方についての議論が続いていますが,根本的に考えるべきことは彼の地で躍動したアスリート達の姿が示してくれているのではないでしょうか。

 

 4年に一度という晴れの舞台へ向けてのこれまでの努力は並大抵のものではないものと思いますが,どのような結果となっても,自分自身と向き合って常に前進していこうという姿勢こそは,見ている我々に対しても前向きな気持ちを沸き立たせてくれます。得てして栄光の姿が浮き彫りにされがちですが,その陰にある挫折の苦しさは計り知れないものがあるのではないでしょうか。スポーツの祭典と言われますが,物事の捉え方や自分との向き合い方など,様々な気付きを与えてくれる機会にもなっているように感じます。

 

 同じような意味で,失敗にめげずにチャレンジする姿はビジネスの世界でも垣間見られるようになりました。先月,米国の宇宙開発ベンチャーであるスペースX社が衛星通信サービスに向けた試験機の打ち上げに成功したとのニュースが伝えられました。これまで幾度かの失敗映像が紹介されてきていましたが,着々と技術的な進展を遂げているようです。以前に,垂直な状態で着陸しようとするロケットが爆発する様は衝撃的なものでしたが,実は,費用削減に向けた様々なチャレンジを意欲的に行っていることに拠るところもあり,その意味でも注目に値する取り組みと言えます。

 

 今回も試験機の打ち上げには成功したものの,ロケット先端のカバーを再利用のために回収するという試みも行ったようですが,船から張り出した巨大な網の数百メートル外側に落下したとのことで,次回の課題として残された形となりました。しかし,この経験は決して無駄にはならない筈です。常に彼らの視線の先には,「数年以内に通信衛星4,425基で全世界をカバーするインターネット網を実現する」という明確な目標が掲げられています。また,同じように「約900の衛星を配置して2019年のサービス開始」を目指しているワンウェブ社との競争も意識しているものと思います。前向きな意欲は着実に物事を前進させているようです。

 

 それにしても,全世界をカバーするインターネット網が利用できるという世の中が数年の間に現実となるということには改めて驚かされます。そう言えば,アメリカ・カルフォルニア州ではこの4月から,「運転席のない」自動運転カーについて一般道での試験走行が許可されるとのことで,こちらも早晩実社会に普及することになるものと思います。正に世の中の移り変わりの速さをつくづくと感じるようになってきました。もしかすると,時の流れに対する感じ方が年を重ねるにしたがって鈍ってきているのではないかと自分自身で疑心暗鬼にもなってしまうような状況です。

 

 何れにしろ,科学技術の進歩は我々の感覚を超えて進んでいることは確かなようです。

 

 現在,スマートフォンの普及などによりGPSによる測位情報の利用が盛んに行われている状況ですが,昨年の10月には日本の衛星測位システムである準天候衛星システム「みちびき」の4号機が打ち上げられ,誤差がわずか数センチメートルという位置情報の提供が可能となる体制が整ったことから,2018年度中にもサービスが開始されるようです。実は,このような衛星を使った位置情報を正確に割り出すためには,それぞれの関連するデータについての正確な時間の同期が欠かせないとのことで,ここにも科学技術の粋が集められているようです。

 

 かつて現代物理学の難解さや奥深さを認識させられた「相対性理論」がここでは重要な役割を果たしているとのことです。高度約2万キロメートルに打ち上げられた衛星内での重力は地上に比べて弱いため,「一般相対性理論から搭載された時計は進んで見える」ことになるようです。一方,衛星は秒速約3キロメートルの速度で動いているため,「特殊相対性理論から動いている衛星内の時間はゆっくり進んでいるように見える」とのことで,この差引分として「一日あたり39マイクロ秒だけ人工衛星の時計は進んでしまう」ようです。〔「重力とは何か」:大栗博司著(幻冬舎新書 2012年6月)〕

 

 このような微妙な時間のズレを計測できるような高精度な時計が実用化されているということも重要な要因と言えますが,かつて科学における最先端の知識として我々が学んだことが,着々と実用的な技術として実社会で活かされるようになっている状況を見るにつけ,時の流れを改めて強く意識すると共に,このような取り組みに関わられた方々の熱意と前向きな意欲が感じられるようです。

 

 よく「年を取るほど時間が経つのが速く感じられる」と言われますが,これは加齢に伴う身体的な代謝の低下による確かな傾向のようです。〔「大人の時間はなぜ短いのか」:一川誠著(集英社新書 2008年9月)〕

 かくなる上は,時間との付き合い方を大切に考えていくことが必要なようです。そのためにも,常に前向きな意欲を持って着実に時を刻んで行きたいものです。

 

 

 

 

 

 

| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 昨年の記事