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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
基礎力強化により免疫獲得へ!!

 

 2020年(令和2年)も3月となりました。

 

 今年は北国でも積雪が少ないようですが,日本各地の気温も平年に比べて高い傾向とのことで,国内の1月の平均気温は1891年の統計開始以来最も高い値になったとのことです。例年のように,この時期には桜の開花予想が発表されることになりますが,今年の場合にはそのような話題をかき消すかのように新型コロナウィルスへの対応で慌ただしくなっています。先月末には,政府が全国の小中高校などへの臨時休校を要請する事態に至り,日常生活にも大きな影響を及ぼす状況となっています。

 

 毎年流行を繰り返しているインフルエンザとは異なり,未だにウィルスの正体が詳細に解明されていないことや,特効薬となるものが実用段階にまでに至っていないという状況から恐怖心が大きくなっている向きもありますが,感染しても症状が出ない方も結構おられるようですので,先ずは冷静に対応することが肝要のようです。何れにしても,感染者は海外でも各地で確認され出しているようですので,ここしばらくは自衛と共に十分な見極めが必要と言えます。

 

 自然災害を始めとして日常生活を送っていく中では“インシデント”と呼ばれるようないわゆる危機的な状況に遭遇する場面がありますが,今回のようなヒト・ヒト感染を伴う未知の伝染病のような場合には,その対応が極めて難しい事態になるということが改めて実感されます。人間が作り出した機械やシステムとは異なり,その発生メカニズムが捉え切れていない部分も多く,どの程度まで深刻化するかというところも見通しが立たない状況の中での厳しい対応を迫られることになります。

 

 もっとも,コロナウィルスによる感染症は過去の経験を踏まえた知見が蓄積されている部分も多くあるようで,今回の場合においても様々な場面で有効に活用されているようでもあります。そのような観点から言えば,がんの治療法なども含めて基礎研究の役割は非常に大きく,決して疎かにできない取り組みであるように思います。一方で,ウィルスそのものも生き物ということで,その性質を変えて変異することもあるようで,なかなか一筋縄では克服できない課題と言えます。

 

 何れにしても,ヒトやモノの移動が国境を越えて極めて活発になった現状においては,これから先においても重要視すべきリスクとして捉える必要があるものと思われます。これまでの長い歴史において異なる文化や生活感を持った人々が交わる機会もさらに多くなっていくことは確実であり,拡散のスピードも加速していく可能性も考えられます。同時に,IT化社会が進展していくことで,情報の拡散も急速になったことから,心理的な面での混乱も非常に懸念されるところと言えます。

 

 時代環境が急速に変わっていく中においては,例え過去の経験が蓄積されていたとしても,その時々の状況変化を的確に踏まえた上での新たな考え方に基づく判断なり対応なりが求められるということになるのではないでしょうか。“人生100年時代”と言われる現代ですので,長い人生の中でのインシデント遭遇の機会も多くなると共に,その間の変化も今まで以上に激しくなるものと思われますので,この機会に合わせて,我々自身の考え方や心掛けを切り替えていく必要があるのかもしれません。

 

 そのような観点から,平成30年に経済産業省において『人生100年時代の社会人基礎力』なるものが検討され,その報告書が公表されております。ここで打ち出されている“新・社会人基礎力”とは,「これまで以上に個人としての関りが長くなる企業・組織・社会の中で,ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力」と捉えられ,基礎力として重要な能力とその能力要素が明確化されています。

 

 具体的には,基礎力として重要な3つの能力としては,“前に踏み出す力(アクション)”,“考え抜く力(シンキング)”,“チームで働く力(チームワーク)”が挙げられており,それぞれの能力別に,例えば,“前に踏み出す力”の能力要素としては,主体性,働きかけ力,実行力がポイントとして示されています。また,それぞれの能力にはより詳細な解説が付けられており,例えば,“チームで働く力”については,「グループ内の協調性だけにとどまらず,多様な人々とのつながりや協働を生み出す力が求められている」ことが示されています。

 

 ここで示されている内容については,現状における社会的な状況を踏まえて極めて合理的に取り纏められた説得力のある検討結果であるように思います。さらに,この基礎力をパソコンにおける“OS(オペレーティングシステム)”として捉えて,これまで比較的重要視されがちであった“専門スキル”については“アプリ”との位置づけとして,アップデートの必要性を明確にするなど,時代変化への対応の重要性を象徴的に示しているものとなっています。

 

 これを今回のウィルス騒動に例えてみれば,基礎力としてOSに当たるものが人間の免疫力であり,専門スキルとしてアプリに当たるものがウィルスであり,それが変異しても抵抗力を持てるような免疫力としての基礎力を鍛えていくというようなものと言えるのではないでしょうか。

 

 現状において,ウィルス感染に対する社会的な不安が募っておりますが,これを何とか克服して,肉体的にも,また社会人としても,より強力な免疫力を獲得する機会にしたいところです。

 

 

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危機で見えてきた人間の役割!!

 

 2020年(令和2年)も2月となりました。

 

 新年早々から新型コロナウィルスに対する脅威が高まってきています。例年であれば厳しい寒さや北国の積雪量,さらには毎年この時期に流行するインフルエンザの話題が中心となるところですが,今年は誠に趣の異なる状況となっています。先月末には国内で初めての感染者が発生したことから,ますます警戒を要する事態となってきているようです。また,感染者は我が国のみならずヨーロッパやアメリカ大陸にも広まっており,世界保健機関(WHO)もいよいよ緊急事態宣言を発する事態となりました。世界中が戦々恐々というところでしょうか。

 

 一方でこのウィルスについては,感染しても軽症であったり,症状が出ないケースも一定程度あるようで,さらには潜伏期間であっても感染が広がるとの話もあるなど,感染源なども含めてまだまだ未知の部分が多くあるようです。各国では感染の拡大を防止するための措置を続々と取り始めてはいますが,この先はなかなか予断を許さない状況ではないでしょうか。ただ,我が国におけるこの間のインフルエンザ感染者の数が例年よりも少なくなっているとの観測もあり,新型ウィルスへの注目度の高まりで手洗いなどの日常生活における予防意識が高まっているとの指摘も出てきているようです。

 

 何れにしても,今回の事態においては,十分な解明に至っていないウィルス感染の広がりという緊急性を要する難しい課題を突き付けられた形となりました。アメリカではインフルエンザが例年以上に猛威を振るっているとの話もありますので,我々としては日常生活において対応可能な予防的措置に先ずは努めることというところでしょうか。一方で,各国政府においても感染症対策に苦慮しているようですが,国際的な課題として適切な情報共有と連携の取れた対応により,一刻も早く終息に至って欲しいところです。

 

 目に見えない形で時間と共に被害が拡大していくという状況は正に緊急事態の最たるものであり,その意味で今回の一連の取り組みの経過において,これからの教訓として活かしていくべき部分も多いものと考えられます。ヒトやモノの移動が国境を越えてますます活発になっていくことは確実であり,人から人への感染の過程で突然変異も起こすという新型ウィルスへの対応は,ある意味ではこれからのグローバル社会の大きな課題としてクローズアップされたように思います。

 

 一方,平常時に取り決められているルールやマニュアルを守る中で,想定外の緊急事態が発生した場合の対処については,日常の我々の業務においても決して他人事ではなく,それはそれで我々自身もたいへん考えさせられるところです。様々に状況が異なる中で発生する緊急事態に対して,臨機応変に効果的な対応を行うことは,事前に手順書として明確化することが極めて難しい問題となります。それぞれの作業現場において的確な対応が図れる管理者をどう育成していくかという観点からも長らく問われてきた大きな課題と言えます。

 

 ともすれば現場での経験を坦々と積みながら鍛えていくというこれまでの育成の仕方ではなかなか習得が難しい部分と言えるかもしれません。そこには突発的に発生している状況を如何に的確に把握できるか,限られた情報の中から如何に適切な判断を行うことができるか,時間経過と空間的な影響拡大も考えて如何に効果的な要員の配置と対処ができるか,というような平常時とは異なる多面的な能力が要求されることになります。

 

 今思えば,かつて“QCサークル”として盛んに繰り返された“危険予知(KY)”や“特性要因図(魚骨)”などの取り組みは,不測の事態を的確に乗り越えるための基礎的な部分での技や能力を高めるものであったように感じます。さらには,最近取り組みが求められている“リスクアセスメント”や“失敗学のすすめ”なども,想定外に備えるという意味合いにおいては,極めて効果的な訓練になり得るものであるように思います。

 

 何れにしても平常時とは異なる訓練が必要であることは明らかと言えますが,実は普段の業務の中で上記のような技や能力を意識した取り組みを行うことは可能であり,様々な場面で自ら意識して『特性要因図の骨を増やしていくこと』や『失敗事例との関連付けを行っていくこと』が極めて効果的であるように感じます。

 

 それは,平常時業務を首尾よくこなすという年季の入った虎の巻とは異なる,不測の事態に多様に対応できる“適応力のある知性(AI)”とでもいうようなものであり,自らの経験のみならず外部からの情報をも活用して熟成させた独自のノウハウと言える知識ベースのような気がします。

 

 最近はあらゆる問題に対する解決策の決め手としてITやAIの活用が叫ばれるようになってきていますが,緊急時対応を任せられるのはまだまだ人間に勝るものはない状況であり,その意味で,我々自身においてもさらに高みを目指して変異を続けていくことが必要ということではないでしょうか。

 

 ウィルスという人間の体内に侵入したミクロの物質が引き起こした事態に直面して,改めて人間の限りない大きな役割や可能性に気づかされたように感じます。

 

 

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2020年を迎えて!!

 

 2020年(令和2年)がスタートしました。

 

 令和となって初めての正月を迎えました。今年はどんな一年になるのでしょうか。7月には東京でいよいよオリンピックが開催されることになります。時期的にはまだ半年以上先になりますが,早くも3月からは聖火リレーが始まるようですので,9月のパラリンピック閉会式が終了するまでは様々な形で熱気が列島を包み込むのではないでしょうか。昨年のラグビーワールドカップに引き続いて,鍛え抜かれたアスリートによる感動のドラマも繰り広げられるものと思います。

 

 ここに集う選手たちは,4年に一度というこの大会へ向けた目標を達成して選び抜かれた各国の代表であり,それぞれの競技においてトップクラスの熱い戦いを見せてくれるものと思います。前回の東京オリンピック開催時に小学生であった我々の経験からしても,その躍動する姿は観戦する子供たちに鮮明な印象を与えることになる筈です。限界を極めた体力や精神力を目の当たりにして,日々の努力によって鍛え上げられる人間の可能性を改めて認識させられる機会でもあるのかもしれません。

 

 前回の東京オリンピックでは男子100ⅿ走において“10秒の壁”が話題となったようですが,それまで限界と言われた記録であっても月日の流れにより次々と塗り替えられ,現時点では9秒58まで短縮されています。また,男子のマラソンに至っては,2時間12分台であった当時のアベベの記録が2時間1分台にまで更新され,昨年の10月には非公式レースですが2時間を切るタイムが出されています。人間の可能性は留まるところを知らないというところでしょうか。

 

 一方,記録の更新という意味では,日本人の平均寿命も上昇し続けています。昨年時点での公表値においては,男性が81.25歳,女性が87.32歳となっており,前回の東京オリンピック当時の男性68歳,女性73歳から大幅な更新が図られています。そして,今後の見込みとしてもこの記録は着実に更新されていくことが予想されています。正に,人生100年時代に向けて動きは着々と進んでいるようです。

 

 スポーツの場合には,記録を高めていくことや相手に打ち勝つことを具体的な目標に設定して日々の努力を積み重ねていくことになりますが,我々の日常生活においては,具体的な目標が見えにくい部分があるようです。ただ,高齢化社会を迎えて,年齢を重ねていくことに伴う自分自身の変化に打ち勝つ努力が必要になってきていることは確かなようです。長生きすることと共に,健康で元気に暮らせる状態を如何に長く維持できるかも重要な課題となってきました。

 

 今年は“働き方改革”が本格化していくこととなる他,“定年延長”の動きも激しくなるようです。正に,“一億総活躍”や“生涯現役”へ向けた取り組みの必要性が高まってきています。

 

一方で,我々を取巻く社会の変化も激しさを増しており,働く環境においても,“Society5.0(超スマート社会)”,“Industry4.0(第四次産業革命)”,“SDGs(持続可能な開発目標)”などこれまでの考え方を根本的に転換する必要に迫られるようにもなってきています。

 

 ここは,自分自身の変化のみならず外的環境変化への対応も合わせて行うことが求められている状況と言えます。最終的な目標の達成に向けて世の中のルールがどのように変わってきているのか,その上で自分自身をどのように鍛えることで課題を乗り越えられるのか,さらには,それを実現するためにどのような努力を行うべきなのか,正に,アスリートの取り組みに通じる対応が求められている状況のようです。

 

 因みに,今回の『TOKYO2020大会ビジョン』として掲げられている基本コンセプトは,「すべての人が自己ベストを目指し(全員が自己ベスト)」,「一人ひとりが互いを認め合い(多様性と調和)」,「そして,未来につなげよう(未来への継承)」とのことです。

 

 オリンピックイヤーとも言えるこの年に当たり,新たな時代を歩む我々自身も東京に集う選手と同じ想いで努力を積み重ねていくことが必要なようです。

 

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新たな道をひらく働き方とは!!

 

 12月となりました。

 

 令和最初の師走を迎えて寒さが本格化してきました。9月,10月と続いた台風や大雨による被害の影響は想像以上に大きく,いまだに避難所生活を強いられている方々も多くおられるとのことです。日々の通勤途上にて,被災された家屋から運び出された家具や瓦礫の山が徐々に高さを減じていく様子を目にしてはいますが,復旧の道のりはまだまだ険しいように感じます。季節の移り変わりもそうですが,自然環境に翻弄される日常という現実を感じるところでもあります。

 

 そのような中で,来年8月に実施予定である東京オリンピックのマラソン会場が札幌市に変更されることとなりました。今年8月の気象データで言えば,昼夜通しての平均気温が28.4℃の東京から,22.5℃の札幌での開催ということで,気候条件としては好ましい選択のようにも思えます。これはちょうど東京での6月の気温に相当するようです。ただ,本番大会へ向けてこれまでトレーニングを積んできた選手たちにとっては,ここへきての急遽の会場変更ですので,戸惑いは隠せないところではないでしょうか。

 

 生命進化の過程で人類の最も優れた特徴は“適応力”であるという話もあるようですが,我々自身もその真価が問われる状況になりつつあることを徐々に実感せざるを得ない雰囲気になってきたようです。最近特に声高になってきているのが“温暖化”への適応でしょうか。国内外で発生している自然災害の他,農作物の生育状況や漁獲高などについても気候変動との関連で報道されることが多くなったように思います。その真偽は別にしても,地球の歴史的な経過の中では“氷河期”の時代に生きている我々にとって避けられない課題ということでしょうか。

 

 一方,それにも増して確実に適応していかなければならないのが“働き方改革”です。働く者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる「一億総活躍社会」の実現を図るということで,労働基準法や労働安全衛生法などの関係法令が改正され,この4月より施行されていますが,来年4月からは中小企業に対しても「残業時間の上限規制」が適用されることになります。

 

 かつて農地に縛り付けられていた農民が,産業革命を契機として都市部へ出て労働者となり,労働を対価とした自立生活を始めることとなったものの,労働時間やノルマに縛られて機械の歯車のように働くことが強いられた時代があった経緯を踏まえて,これまで労働条件の最低基準を定める法体系であったものを脱却して,「成長と分配の好循環を構築し,働く一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指す」ということを基本的な考え方として進められているとのことです。

 

 技術革新が進みモノやヒトの移動が国境を越えて活発になる中で,ビジネス競争がますます激しさを増していく状況となっている背景からも,“ワーク・ライフ・バランス”をどのように充実させていくかということは極めて重要な課題となってきています。そして,労働時間のみが価値基準となる働き方を脱却しなければ,働き方のみならず働く場の確保も危うくなっていくことは明らかと言えます。ここは働く側にとても考え方の切り替えが必要なように思います。

 

 そして,このような動きに拍車をかけている要因の一つがデジタル技術や通信技術の進化と言えます。パソコンのネットワーク化により情報共有が容易になり,最近ではペーパレス化の動きも加速しているようです。働き方においても,遠隔拠点同士の情報共有は国境を越えてさえも不自由なくできる時代を迎えています。既に,在宅にて業務を行う“テレワーク”の推進も活発になってきているようです。

 

 さらに,ここ最近においては“デジタルトランスフォーメーション(DX)”の動きが喧しくなってきました。政府において主体的な取り組みを行っている経産省によれば,「DXとは,データとデジタル技術を活用して,製品やサービス,ビジネスモデルの変革に留まらず,業務そのものや,組織,プロセス,企業文化・風土までも変革することで,競争優位性を確立すること」と定義されており,“DX推進ガイドライン”なるものも策定されています。

 

 実は,ここには国際的な動きも意識されているようです。この取り組みへの遅れにより国際競争に取り残されるという危機感が強く打ち出されており,“2025年の崖”なる言葉も取りざたされてきています。グローバル化の時代の流れにおいても“働き方改革”は待ったなしの状況のようです。

 

 しかし,ここで最も大事なことは,我々自身が“働くことの意味”をこの機会に真剣に考えることのように思います。かつてのような制度的あるいは技術的な制約の壁が打ち払われていくに従って,実は,我々自身の内面にある“見えざる縛り”が浮き彫りになってきている面もあるように感じます。

 

 令和としての最初の年越しを迎える慌ただしい時期になってきましたが,今こそ真剣に向き合うことが避けられないようです。

 

 もっとも,先人はこのことを既に考え抜いていたようです。


『人より一時間,よけいに働くことは尊い。努力である。勤勉である。だが,今までよりも一時間少なく働いて,今まで以上の成果をあげることも,また尊い。そこに人間の働き方の進歩があるのではなかろうか。・・・それは創意がなくてはできない。くふうがなくてはできない。働くことは尊いが,その働きにくふうがほしいのである。・・・怠けろというのではない。楽をするくふうをしろというのである。・・・そこから社会の繁栄も生まれてくるであろう。』

〔「道をひらく」:松下幸之助著(PHP研究所)〕

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いま問われる人類の進化とは!!

 

 11月となりました。

 

 東日本を中心として水害による傷跡が深刻になっています。9月に上陸した台風15号に引き続いて,ほぼ同じコースを辿って10月に上陸した台風19号による被害も重なったことで,全国の14都県400近い市町村に対して災害救助法が適用される事態に至っています。地盤が軟弱になっている状況でもあり,今後のさらなる降雨による被害も懸念されることから,被災された方々の不安は募るばかりです。未だに3,000人以上の方々が避難所におられるようで,様々な支援の輪も広がっているようですが,一刻も早い復旧・復興を願うばかりです。

 

 この10月はこれまでの同じ時期に比べて最も気温が高かった地域が多くあった一方で,ひと月の間に降った雨の量も過去最高であったところも多く,仙台市では平年より5倍以上の雨量であったとのことです。実際の印象としても,寒さをなかなか感じられないと思っていたら,そのうち連日のように大量の雨が降り続いていたというところでしょうか。この状況を地球温暖化と関連付ける向きもありますが,長い地球の歴史を考えれば,地震と同じように地球本来の気候変動の一部という捉え方もできるように思います。

 

 実際,我々が生きている現代は,46億年という地球の歴史の中でも比較的めずらしい,穏やかな暮らしやすい時代とも言われているようですので,これから先の防災対策をどのような想定の下に考えていくのかという課題が投げかけられているようにも思います。発生から8年が経過した東日本大震災については,1,000年に一度という地震の規模であったということで,地震対策についての基本的な考え方を見直す動きも徐々に始まっているようです。考えてみれば,気温などの科学的なデータ蓄積としては150年程度の歴史でしかないことから,年代をさらに遡った範囲での想定も必要になってくるのではないでしょうか。

 

 過去の気候変動についての実態を探る手掛かりの一つとして“年縞”という堆積物があるようです。1991年に福井県の若狭湾岸にある水月湖で発見されたとのことで,湖内において1年に1枚ずつ形成される薄い膜が45メートルもの厚さでほぼ完全な形で残されており,「世界一正確な年代が分かる堆積物」とも言われているようです。そして,この堆積物により7万年以上前からの気候に関する情報が入手できるとのことで,現在も詳細な分析研究が続けられているようです。〔「人類と気候の10万年史」:中川毅著(講談社ブルーバックス 2017年2月)〕

 

 ただ,我々にとって身近な存在である地球ですが,まだまだ解明されていないことが非常に多いことも事実のようです。以前から地球温暖化に大きな影響を及ぼしているのではないかと言われている二酸化炭素ですが,最近までの10年間に渡って行われていた「深部炭素観測プロジェクト」による調査では,地球に存在する炭素の90%以上が地中にあり,この炭素を取り込んだり排出したりする“炭素循環プロセス”が存在していること,さらには岩石の中には風化作用と岩石中の微生物の作用によって空気中の二酸化炭素を取り込む能力の高いものがあることなどが明らかになっているとのことです。

 

 何れにしても,科学技術の進歩や地道な手掛かりを基にした調査研究により,様々な観点からの取り組みを行うことで,繰り返される災害による被害を何とか食い止めたいものです。時あたかも,先月の28日からエジプトにおいて「2019年世界無線通信会議(WRC-19)」が開催されています。国連の専門機関である国際電気通信連合が2〜5年毎に開催しているもので,各国に関わる無線周波数の取り決めを行う場となるものです。今回は商用サービス開始間近となっている“5G(第五世代移動通信システム)”の他にも“気象衛星”に関する議題などが審議されることとなっています。

 

 より高品質の情報を高速に伝達するためには限られた高い周波数の電波を利用する必要があるため,国際的な取り決めをしっかり行っておくことが極めて重要になってきています。特に衛星については,国境を跨った形での利用となるため,各国間の協調と協力が不可欠です。最近は無線LANの性能が向上していますが,利用する電波の周波数が高くなってきて,気象レーダーとの干渉を回避する対応も必要になっています。ただ,このような動きによって,得られる情報は確実に精度が向上し,鮮明で高品質なものとなってきています。

 

 気象観測で言えば,平成27年7月から運用を開始している最新の“ひまわり8号”は,画像がカラー化された他に,画像の分解能が2倍となり,観測時間も1/3に短縮され,常時2.5分毎に日本近海の観測データを提供できるようになっているとのことです。同じ軌道上には平成28年に打ち上げられた同型機の“ひまわり9号”が待機しており,3年後に運用を交代する予定となっているようです。この観測データについては普段から目にする機会が多くありますが,過去のものと比較して改めて見直ししてみると画像の鮮明さがよく理解できます。

 

 このような経緯もあり気象予報の精度も着実に向上してきているようで,気象庁が毎年公表している台風の進路予想における平均誤差の数値が年々小さくなってきていることが分かります。我々としても,無線技術の発展がこのような形で活かされていることには非常に励まされるところです。しかし,さらなる課題としては,このような成果を如何に効果的な防災対策に結び付けていくかというところではないでしょうか。

 

 20万年とも言われる人類の歴史の中では,様々な気候変動による多大な犠牲を乗り越えて生き延びてきたものと思われます。

 翻って,様々な叡智を蓄えた我々にいま求められているのは,その気候変動を乗り越えてさらに生き延びていくためのより強靭な進化であるのかもしれません。

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生活環境を守り抜くスクラムを!!

 

 10月となりました。

 

 先月9日の明け方に千葉市付近に上陸した台風15号は,関東各地に数々の被害を残して北上していきましたが,特に千葉県内に大きな爪痕を残すこととなりました。今回のケースでは,台風が非常に強い勢力のままで上陸したため,特に風の影響が大きく,関東地方の多くの所で最大瞬間風速30メートルを超えるという状況であったようで,その中でも千葉市においては,最大風速35.9メートル,最大瞬間風速57.5メートルと観測史上最高の値を記録したとのことです。

 

 この猛烈な風の影響により,千葉県内では送電鉄塔が倒壊したり,倒れ掛かった樹木が送電線を切断し,大規模な停電が続いていましたが,先月下旬ころからようやく復旧が進んでいるようです。台風通過から三週間以上経過したことを考えると,被災された方々のご苦労はたいへんなものと思われますが,未だに停電が続いている地域もあるようで,また,多くの家屋で屋根などにも大きな被害を受けているとのことで,一刻も早く平穏な日常生活に戻れることを願うばかりです。

 

 普段何気なく使っている電気ですが,いざそれが使用できない状態となると,その不自由さは非常に大きなもので,我々自身も東日本大震災において一週間程度の停電を経験しているはずですが,いつの間にかその想いを忘れかけている意識に改めて気づかされ,不自由のない日常生活の有難味を思い知らされるところです。また同時に,普段山間部を通った際に,奥深い山の上に建てられた鉄塔をつないで張り巡らされている送電線をよく見かけますが,このような設備を建設し,保守を行っている方々のご苦労も改めて実感させられます。

 

 一方,今回のような極めて強烈な風や雨を伴う台風の発生や,局地的に大量の雨をもたらすゲリラ豪雨などを目の当たりにする機会が多くなったことで,地球規模での環境問題との関連が気になるところでもあります。折しも,ブラジルでのアマゾン森林火災や,サウジアラビアでの石油施設爆破など不穏な出来事が発生している状況の中で,国連においては気候変動に関するサミットも開催されるなど,国際的な議論の方向性が注目されるところです。ただ,環境問題に関しては,人口増加や経済発展などのそれぞれの地域における多様な事情に関わる部分も大きく,なかなか一筋縄では行かない状況が続いています。

 

 そのような中で我が国においては,古くから治山治水などの国土を守る取り組みを行ってきた実績があることも事実です。遡れば,「信玄堤」に代表されるように戦国時代から取り組みが行われており,開田と合わせて治水事業に力が入れられ,江戸時代には,洪水を防ぐための水路整備なども行われたとのことです。また,治山という面では,江戸時代初期までに進んだ森林資源の伐採による各地でのはげ山の出現を受けて,その後は幕府や諸藩による植樹・植林が積極的に進められた経緯があるようです。そして,戦後になっての針葉樹を中心とした人工林への転換政策により,あちこちに見受けられる杉林の出現に至っています。

 

 我が国の地形や気象条件によってもたらされる洪水などの自然災害の防止という観点での対応という側面もありますが,権力者や政府のみならず在野の篤志家も率先して取り組んできている経緯を見ると,国土を守るという意識の強さが窺い知れるように思います。ただ,今回の千葉県内における停電被害の原因として,送電線を取り囲む森林における管理上の問題に起因した事例を指摘する向きもあり,改めてこれからの取り組み方を考え直す機会とも言えます。

 

 何れにしても,これからの将来世代のためにも,我々が生活する環境を守り抜くための取り組みについては,一人一人がそれぞれの立場で意識していくことが必要であることは確かです。その上で,国土保全という我が国における古くからの取り組み経緯を踏まえて,自然環境に留まらず,それぞれの普段の生活や職務においても“持続可能な日常環境”を維持していく意識や取り組みが重要になってきているように思います。我々が安心して日常生活を送ることができるためには,それぞれが社会を支えるスクラムの一員として力を合わせていくことが必要なのです。

 

 折しも,先月の20日に開幕したラグビーワールドカップはたいへんな盛り上がりを見せています。日本チームの活躍も勿論すごいことですが,一人一人が体を張って礎を作りながらゴールに向かって前進していく姿は,我々がともすれば忘れがちになる大切な意識を思い起こさせてくれるようです。

 

 限られた生活空間の中で共に“持続可能な日常環境”を維持していくために,“One for all,All for one”の精神を今こそ思い起こすべき時ではないでしょうか。

 

 そして,ここしばらくの間は,“がんばれ!ブレイブブロッサムズ!”です。

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地域の守り手意識の再構築を!!

 

 9月となりました。

 

 当地では,先月下旬辺りから暑さも少し和らぐようになってきましたが,その一方で西日本では九州地方を中心にして雨が降り続いています。この間,長崎県では24時間降水量が400ミリを超えたところがある他に,先月末には佐賀県にて1時間降水量が110ミリという地域もあったようです。この影響で河川の氾濫が発生し,避難を余儀なくされた方々や病院などの施設が孤立するというような事態も生じています。さらには,工場などが操業停止に追い込まれたりと被害はたいへん大きなものとなっています。

 

 ほとんどが急勾配河川という地形的な状況の中で,台風の通り道でもあることから降水量も多いという国土的な特徴により,これまで数多くの被害を経験したことも踏まえて様々な治水対策が進められてきてはいますが,自然の猛威は想定がなかなか難しいという状況です。とは言え,東日本大震災を始めとした数多くの経験を踏まえた動きは着々と進められており,内閣府を中心とした災害情報の収集・集約,並びに救援・救助の動きに関する統制などは極めて迅速に行われているようで,我々もその状況をネット等によりつぶさに確認することができるようになってきたことは,非常に心強く感じます。

 

 しかし,季節的にも毎年繰り返されている台風や集中豪雨の襲来において,尊い人命が失われるというような被害は度々発生してきており,そのたびごとに非常に痛ましい想いを感じざるを得ない状況と言えます。平成27年9月に発生した関東・東北豪雨においては,茨城県内の鬼怒川において発生した堤防の決壊により,濁流の中に取り残された住宅からヘリコプターによって救出される住民の方々の映像が記憶に新しいところです。被害の中心となった常総市においては検証委員会によりこの間の対応に関する報告書が取り纏められていますが,それによればヘリコプターによる救助人数は1,399人に上ったとのことです。ただ,その一方で,死傷者40人以上,全半壊家屋5,000棟以上という甚大な被害を受けるに至りました。

 

 この検証委員会報告書においては,関係の方々からの話も踏まえて現場での動きが詳細に取り纏められており,災害発生時における対応の難しさや日頃からの防災対策の課題などが克明に整理されています。一方,この被害の状況を受けて国もこれまでの考え方を見直す形で『水防災意識社会 再構築ビジョン』なるものを打ち出し,「施設能力を上回る事象が発生する中で,住民の“水災害の知識・認識を高め,主体的な行動に結び付けるためのソフト対策”と,住民の“避難の支援や,被害を未然に防ぐハード対策”が一体となった,人命を守る取り組みが必要」との観点に立ち,これまで中心となっていた施設整備による対策だけでは防ぎきれないとの認識を前提としたトータル的な対応を進める考え方を打ち出しています。

 

 気候変動等による豪雨の増加が懸念されている状況の中で,河川の氾濫や土砂の流出防止などのハード的な対策を着実に進めることは重要であるものの,人知を超えた自然の猛威を相手にしたものであるからには,想定外の事態が発生することに対しても備えておくことは誠に理にかなったものとも言えます。これに関しては,“危機管理型ハード対策”ということで,例えば,想定以上の河川水位となった場合でも堤防決壊までの時間を引き延ばす構造を工夫するなどの対策も打ち出されていますが,これと合わせて,我々一人一人が住民としての取るべき対策を意識していくことも勿論必要となり,その観点からの提言・施策も盛り込まれています。

 

 我々の日常生活の基盤である地域社会を守るために,かけがえのない国土を安全・安心に暮らせるものに形作っていくことが,次の世代のためにも極めて重要なものであるとの認識を改めて強くするところです。その意味で,我々も日々建設業としての業務を行っておりますが,我が国の国土づくりを担う“地域の守り手”としての役割を今一度考えてみることが必要なようです。

 

 この建設業については,どちらかというと3K職場というようなイメージがあり,実際の現場においては,急速な高齢化と共に若者離れが進んでいると言われています。時あたかも働き方改革が叫ばれている状況の中で,これからの“地域の守り手”をどのように確保していくかということが喫緊の課題となっています。この6月には『新・担い手3法』が国会で成立していますが,具体的にどのような施策を推進していくかが問題となるところと言えます。

 

 現状における世の中の働き方改革の流れで言えば,残業時間の規制や休日の確保などがクローズアップされることになるかもしれませんが,その前提としてこれを実現させるための“業務効率向上”や“リスクマネジメント”さらには“技術革新”などへの取り組みに対する動機付けをどのように図っていくかというところが極めて重要なポイントのように思います。

 

 様々な形で我々の社会的基盤を支える建設業の位置づけから考えれば,それぞれの職域での仕上がりの良し悪しが地域社会で暮らす人々の日常生活に大きく影響することとなることから,その役割の重要性を意識した上で意欲をもって取り組める若者をどのように呼び込むことができるのかがこれから正に問われるところと言えます。

 

 その意味で,先ずは我々自身が“地域の守り手”としての意識を再構築して,“ニュータイプの時代”と言われる新たな価値観の中での“地域社会での働きがい”を具体的に示していくことが求められているのではないでしょうか。

 

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持続可能な地域社会の実現を!!

 

8月となりました。

 

 関東地方では,6月初めに梅雨入りしてから曇り空が多くなり日照時間が極端に短くなっていましたが,先月末にようやく梅雨明けとなりました。この間,記録的な“梅雨寒”ということで,農作物の生育にもいろいろな影響が出ているようです。また,この天候不順によるものか,民家の近くに害獣が出没し,身近なところでも被害が発生しています。生きとし生けるものは自然現象に翻弄される運命というところでしょうか。そして,梅雨明けしてからは一転して猛暑への対処が急務のようです。

 

 そのような中で,先月25日には,直径約130メートルの小惑星が地球の近くを通過していたことが判明したとのニュースが駆け巡りました。地球と月の間の距離の5分の1ほどである約7万キロメートル離れた場所を,時速8万6千キロメートルで通過したとのことです。この動向については,通過前日の24日になって初めて確認されたとのことで,結果として気付かなくてよかったとも言えますが,我々が身を置いている環境の実態というものを改めて考えさせられる機会となりました。さらに,この報道の過程で,同じような距離を通過した小惑星が今年に入ってから6個あったということが明らかとなってもいます。

 

 かつて,“アポフィス”という小惑星が地球に衝突するのではないかと懸念されたことがあり,直径300メートルの惑星が,2029年に地球から約3万キロメートル離れた場所を一旦通過し,軌道を周回した後の2036年には地球にまともに向かってくるとのことでした。幸いにもこの時にはNASAによるその後の厳密な解析により,その危険性は回避されたとの発表があり,胸を撫で下ろしたものでした。今のところ,この見通しに変化はないようですが,我々が注目しておくべき範囲は宇宙規模でも必要なようです。

 

 そのような中で,最近は国境の枠組みを超えた国際的な視点での問題認識について取り上げられることが多くなってきました。考えてみれば,海外との交流が盛んとなっている現代社会においては自然な流れのようにも感じます。我が国において発生した地震によって国内の工場が被害を受けたことで,アメリカやヨーロッパでの自動車の生産が止まってしまうという事態となったり,最近では太平洋海域での外国漁船による操業が活発化したことで,うなぎなどの漁獲量への影響が心配されたりもしている状況となっています。正に,地球規模の問題解決が必要な時代となってきました。

 

 このような状況からか,国連においては“持続可能な開発目標(SDGs)”が掲げられており,2030年に向けた具体的な行動指針が示されています。これは,貧困に終止符を打ち,地球を保護し,全ての人が平和と豊かさを享受できるようにすることを目指す普遍的な行動を呼びかけるもので,そこに示された17の目標の中には,「飢餓に終止符を打ち,食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに,持続可能な農業を推進する」,「あらゆる年齢の全ての人の健康的な生活を確保し,福祉を推進する」,「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し,持続可能な形で利用する」などが示されています。

 

 地球という限られた空間の中で共存していくこと,しかもこれを持続的に発展させていくことを真剣に考え行動していくことが必要な状況ということです。人類が辿ってきた狩猟社会から農耕社会へ,そして工業社会を経由して情報社会となった現代社会が次に目指すべき社会“Society5.0”の実現をどのように推進していくのかということが大きな課題となっているのです。既に,各国政府や個々の企業においても取り組みが始められています。

 

 これに関しては,情報通信技術(ICT)の活用という観点からも議論が進められてきており,この5月末には,総務省により報告書(デジタル変革時代のICTグローバル戦略懇談会)という形で公表されております。そこでは,情報通信技術によってSDGsを始めとした様々な社会的課題解決ができる社会の実現を目指すことが明記されており,「データ流通戦略」,「AI/IoT利活用戦略」,「サイバーセキュリティ戦略」,「ICT海外展開戦略」,「オープンイノベーション戦略」の6項目が策定されています。

 

 地球規模での問題解決を図るためにも,より大きな視点での取り組みの中で,日々進化を遂げている情報通信技術を活用していくことは,ある意味では理にかなったものであるものと考えられます。特に,最近の企業活動を見た場合,市場やサプライ・チェーンと呼ばれる物流においても,国境を越えた国際的な枠組みが当たり前のようになっていることから考えても,情報通信技術は極めて効果的役割を果たせるものと期待されるところです。

 

 しかし,その一方で我々が日常的に活動を行っている地域社会からの視点で考えた場合,少し異なった観点からのアプローチが必要になってきているように思います。国際的に活動する企業により技術やシステムが共通化され,それが地球規模で普及していくことで,それぞれの地域における格差は効果的に解消することができることは確かであり,その意味で過酷な問題に直面している地域では極めて有効と思われます。

 

 ただ,我が国のような社会的基盤がある程度確立されている地域において,この先の持続的発展を考えた場合には,それぞれの地域の実情やそこに暮らす人々の意識に適合した固有の取り組みこそ必要であり,近年の情報通信技術の発展はそれを可能とするような多様な進化を遂げてきています。先の報告書の中では,小規模事業者における情報通信技術への適応力について課題として捉えられていますが,画一的な大企業主導の国際的な動向を追いかけることが地域の発展において好ましいとの考え方についても慎重に見極めることが必要なようにも思います。

 

 何れにしろ,我々が活かされているこの環境について,それぞれの立場で持続的に発展させていく取り組みを主体的に目指すべき時代となったことは確かなようです。

 

 先ほどのSDGsの17目標の中に掲げられた一つである「住み続けられるまちづくりを」ということについて,我々なりの立場で真正面から突き詰めていくことが求められているのではないでしょうか。

 

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いま見直すべきISOの精神!!


 7月となりました。

 

 遅れていた近畿地方などの梅雨入りが発表され,いよいよ湿気に悩まされる季節が巡ってきました。関東地方などに遅れること20日程度ということで,1951年の統計開始以来では最も遅い記録とのことです。そのような中で,大阪では各国の首脳が集うG20サミットが開催されましたが,雨の影響もあって警備を始めとした会議運営に関わった方々のご苦労はたいへんなものであったようです。我が国における季節の移り変わりには欠かせない独特な気候の時期とは言え,限られた時間でのスケジュールをこなさなければならない要人の方々においては,“五月雨”の風情はどのように感じられたのでしょうか。

 

 世界のGDPの8割以上に相当する国のトップが集まる会議とのことで,目に見えないところでも様々な思惑が錯綜する中での駆け引きが繰り広げられていたことと思います。各国間における利害調整においても,それぞれの歴史的な経緯や,政治的な対立など,その背景にある要因による影響を考慮した対応が必要となり,なかなか一筋縄では行かない場面も多かったのではないでしょうか。ただ,経済問題に限らず様々な分野で国際間の合意形成を行わなければ物事が決められない状況となってきており,正に“グローバル化”の時代は急速に深まっているようです。

 

 このG20サミットが終了して間を置かずに,4日には参議院議員選挙の公示が行われ,21日の投票日へ向けた選挙戦が始まることとなります。先日終了した通常国会では,いわゆる“年金2000万円問題”が大きな取り上げられ方をされていましたが,この先どのような論戦が繰り広げられるのでしょうか。様々な問題が山積する中で,真に重要な案件について本質的な観点での議論を深めてもらいたいものです。何れにしても,複雑化していく国際情勢の中で,将来へ向けた我が国の進路を明確にしていくことが求められていることは確かなようです。

 

 今回の年金問題に対しては様々な議論が巻き起こされていますが,そこには個々人の将来にわたる見通しに関わる話が前提となってくることから,突き詰めて考えてみると,単純には結論が出せない部分もあるようです。そもそも,人生100年時代とは言いながらどの程度の期間の老後となるのか,その時には果たして健康体で過ごせているのか,はたまた家族の生活状況はどう変化しているのか,などなど思いを巡らす範囲は広がっていくばかりです。ここは,今回の議論をきっかけにして,自らの将来へ向けた進路についても明確にしていくことが必要なようです。

 そのようなことを考えていく中で,一つヒントになりそうなものを思い出しました。

 

 品質マネジメントシステムに関する国際認証規格であるISO9001について,昨年から2015年版への完全移行が実施されています。ISOは国際標準化機構の略称で,かつては写真フィルムのパッケージに表示されているISO感度などで馴染みがありましたが,国際的に適用する規格を制定する役割を果たしており,その中のISO9001は品質にかかわる事項に関する規格となります。

 

 企業を始めとした各組織においては,自らの業務における信頼性を高めるためにも,ISO規格の認証取得に対して積極的な取り組みが求められてきてもいましたが,従来はともすれば文書作成に振り回されるきらいがあり,熱意が薄れてきているようにも感じられていました。しかし,従前の2008年版から改定が行われた2015年版においては大きな変更が盛り込まれています。形式的な認証取得のための取り組みではなく,本来業務に効果を発揮するための規格という意識が強く打ち出されたものになっているのです。

 

 その中の一つとして,変化の激しい経営環境を意識して,『組織は外部及び内部の課題に関する情報を監視し,レビューしなければならない』とされ,さらには,『外部の状況の理解は,国際,国内,地方又は地域を問わず,法令,技術,競争,市場,文化,社会及び経済の環境から生じる課題を検討することによって容易になり得る。』(規格4.1:組織及びその状況の理解)ということがいの一番に記述されています。これは正に今の時代においては,自らの行く末を考える上で,取り巻く状況を先ずはよく見極めることが重要ということのようです。

 

 さらに,今回の改定では“リスクに基づく考え方の強化”ということも打ち出されており,『リスク及び機会への取り組みは,“製品及びサービスの適合”への“潜在的な影響”と見合ったものでなければならない』とされ,『リスクへの取り組みの選択肢には,リスクを回避すること,ある機会を追求するためにそのリスクを取ること,リスク源を除去すること,起こりやすさ若しくは結果を変えること,リスクを共有すること,又は情報に基づいた意思決定によってリスクを保有することが含まれる。』(規格6.1:リスク及び機会への取組み)と明記されています。

 

 これは,“製品及びサービスの適合”を【生活の質(Quality of Life)の追求】という言葉に置き換えれば,正に我々の日常生活においても重要な示唆を与えてくれているように思います。そのような観点から,改めて規格の内容を読み返してみると,他にも様々な気づきを与えてくれるものとなっています。その意味でも,このような規格を国際的な議論の場で取り決めることができたことに驚かされますが,別の見方をすれば,技術やビジネスの世界においては明確な方向性が確固たる形で既に共有化できているということでもあるかもしれません。

 

 今年は,無線に関する国際的な議論の場として2〜5年毎に開催されている世界無線通信会議(WRC-19)が10月からエジプトにて開催されることとなっています。無線技術の活用範囲が急速に広がっている状況において,限られた無線周波数の割り当てに関する議論が活発に行われることになるものと思います。

 

 日ごとに動きを速くしている方向性の中で,我々自身がどのような将来へ向けた進路を目指していくのか,ISO規格と共にじっくり考えるべき時のようです。

 

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美しい調和を実現できる技術とは!!

 

 6月となりました。

 

 お代替わりから一か月が過ぎて,令和という元号にも徐々に慣れてきたように感じます。歴史の重みを感じると共に祝意溢れる雰囲気の中で幕を開けた新しい時代ですが,早くも10月に予定されている即位の礼に関する話題も取りざたされており,まだまだこの雰囲気は続くようです。そのような中で国内ではたいへん痛ましい事故や事件が起きていますが,安心して日常生活を送れるような社会を何とか実現して,誰でもが将来に対する希望を持てる“美しい調和”の時代としていきたいものです。

 

 一方,海外に目を転じてみてもあちこちで波乱の状況が続いています。移民の問題や貿易戦争などかなり際どい所に追い込まれているようにも見えますが,この先どうなるのでしょうか。特に移民問題に関しては,過去の植民地政策などの歴史的な経緯が絡んでいる事情もあるようで,なかなか一筋縄では解決できないようにも感じられます。「健康で文化的な最低限度の生活」を営みたいとの想いは誰でも持つ願いではありますが,それを実現していくための道筋には多くの課題があるようです。

 

 我々がかつて親の世代から聞かされていたのは,戦争で国土が焦土と化した中で,肉親を亡くし家を失い食べるものもない中で復興を果たしてきた苦労についてでしたが,今になって考えてみると,全く何もなくなってしまった中で雨露をしのぎ,飢えとの戦いをしながら瓦礫を片付け,田畑を蘇らせ,産業を復興していったという事実は驚異というほかはないように思います。島国であるということで他に行き場がないという制約もありますが,そこには長い歴史に育まれた国民性もあるのではないでしょうか。

 

 かつてであれば,実際に自分の目で確認できるもの以外には情報を仕入れることができない状況でしたが,今となってはインターネットを始めとしたメディアの発達や,携帯電話の普及によるコミュニケーションエリアの拡大により,はるか異国の地における情報を容易に入手することができるようになったことで,移民の動きを後押ししている面もあるのでしょうか。社会基盤としてのインフラ整備がなかなか進まない地域が多い中で,情報伝達の面ではグローバル化がいち早く成し遂げられたことによる好まざる結果という見方もできますが,当人達にとっては正に命がけの行為であり,それを考えると誠に憂鬱な気持ちになってしまいます。

 

 いかなる事情があるにしても,自分たちが生まれ育った地域を離れるという決断は誰にとってもつらいものであり,どうにかしてそこにとどまって生活できる環境を作ることができないものなのかとついつい考えてしまいます。自然環境に伴う問題であれば,我が国が得意としてきた植林技術や作物の品種改良,さらには海水の淡水化や汚水の浄化技術もあります。最近はこれらの取り組みに対する財源的な支援としてクラウドファンディングも活用できるようになってきました。

 

 いずれにしても,今まさに表面化してきている社会不安の一つの要因として情報伝達などの技術革新の流れが影響しているとすれば,利便性の追求に基づくコマーシャルベースの側面だけで技術の進展を捉えることには問題があるように思います。最近取りざたされている“GAFA”と称される巨大IT企業が,グローバル市場を舞台とした競争を繰り広げる中で,社会全体の変革をも引き起こすような動きとなっていますが,一方で,社会を安定化させるような“美しい調和”の実現に向けた取り組みの推進についても強く求められてきているように感じます。

 

 特に,ここ最近は“5G”への期待感も大きくなっており,これについての世界的な覇権争いの話題もますます喧しい状況となっています。実際のサービス利用が可能な状況となりつつある中で,この技術を活用した日常生活における大きな変革についても,あちこちで夢物語のようにPRされてきています。“5G”の技術をベースとして“IoT”や“AI”がフルに活用される社会も勿論ありがたいことではありますが,世界全体の安定化へ向けた取り組みにおいても是非その実力を発揮して欲しいものです。

 

 幸いなことに,これらの技術は我々にとっても身近に直接触れることが容易な状況となってきています。この先どのような活用を図っていくかということに関しては,我々自身の知恵と努力の発揮の仕方次第と言えます。長い歴史の中で培ってきた“和をもって貴しとなす”との精神を引き継ぎ,日の当たらないような領域での技にこだわる“職人気質”が未だに息づいている我が国において,これからの技術開発を先導する方向性が明らかになってきたのではないでしょうか。

 

 我々が目指している“Sciety5.0”超スマート社会は,「人間中心の課題解決型社会」とも言われています。新たな時代のページが開かれたこの時期に合わせて,改めて歴史の重みを感じながら将来を見通すことが求められているようです。

 

『科学技術が進むことは結構だが,それが人間の物質・精神生活にどう影響しているのか。 心の満足を考えずに,科学だけがどんどん進んでしまっていいのかどうか。忘れていることはないかだよ。』

『ぼくは60年ぐらい仕事にタッチしてきたが,どの時代でも不安のないときはないね。逆 にいえば,それで変わっていくし,進歩もある。これで安心ということはいつの時代にもないし,それを乗り越えていくところに,われわれの努力のしがいがある。』

  〔「日々に新た」:土光敏夫著(PHP研究所 1995年5月)〕

 

 

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