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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
コロナが導くスマートシティとは!!

 

 8月となりました。

 

 新型コロナウィルスの感染状況を気にしながら梅雨明けを待ち望む日々が続いています。関東地方においては,平年の梅雨明けが7月21日ごろとのことですが,今年のように8月にずれ込んだ例は2007年(平成19年)以来ということのようです。統計開始の1951年以降では最も遅かったのが1982年(昭和57年)の8月4日ごろということですので,これに匹敵する状況と言えます。この影響なのか,7月の台風発生数は初めて0ということですが,全国各地において集中豪雨による河川の氾濫や土砂崩れによる被害が出ている状況でもあることから,一刻も早い夏空の到来を待ち望みたいところです。

 

 4月から始まった外出自粛の取り組みなどにより,経済活動の停滞による景気動向への影響を懸念する声が大きくなってきています。現状においては,政府による資金的な支援策なども行われておりますが,現状のような状況がさらに引き続いた場合には,これからの本格的なダメージがさらに深刻になっていくとの見立てもあります。ただ,その一方で,このような状況の中でも,今までの働き方や生活スタイルを見直して,これからの時代により適合した形に切り替える動きを期待する向きもあるようです。1930年代の世界恐慌以来とも形容される今回の経済事情ですが,当時の状況とは異なる展開も感じ取れるように思います。

 

 その一番の顕著な例として挙げられるのは,“ITによる社会変革”ではないでしょうか。今世紀に入った辺りから,IT化社会の到来との掛け声の下に,各国においてインフラ整備が加速されて,先進国においては光ファイバーによる高速通信網が張り巡らされてきました。一方,後進国においても,スポット的に整備が容易な携帯電話網が拡張され,現在では,国際的な通信規格の統一化も図られて,国境を越えた情報のやり取りが日常的に行われるようになっております。そして,そのような流れの延長線上に,5Gにおける世界的な覇権争いも起こってきていると言えます。

 

 しかし,実際には,高速通信網を駆け巡る情報量は飛躍的に多くなったものの,現実の社会構造や日常生活をどう変えたかという観点では,なかなか大きな変革を遂げたとは言い難い状況が続いていたのも事実です。しかし,今回,正に予期せぬ形で取り組まざるを得なくなった新型コロナウィルス感染予防対策に関連して,せき止められていた流れが一挙に動きだす雰囲気となっています。この間の外出自粛への対応に伴って,“テレワーク”や“遠隔授業”などの取り組みが急遽始まり,感染者との接触状況を知らせるスマホアプリの利用が奨励されるなど,動きは激しくなっています。また,現状における医療機関の状況を踏まえて,“遠隔医療”に対する要望もこれまで以上に高まっているようです。

 

 今回の新型コロナウィルスによる感染拡大は,時間的なズレはあるものの,瞬く間に世界中に広がっていき,なかなか終息の兆候は見えていませんが,その状況は正に世界的な人的交流の深さを実感させるものです。地球上における人と人の交わりは国境や大陸を越えてより密接になってきていることを示すものと言えます。同様に,情報共有の基盤も共通化されてきたことにより,これに対応した社会の変化も同じように国を越えて広がっており,それぞれの情報が共有化されると共に,今回の事態を受けた対応としての“テレワーク”や“遠隔授業”などの動きについても,地域を越えて各国において一様に進められている状況です。

 

 何れにしても,この先さらに深刻化すると予想されている景気動向のダメージを新たな社会変革の動きで如何に克服していくのかが正に問われるところ言えます。もっとも,新型コロナウィルスの感染防止対策として世界中から求められているワクチン開発においては,最新のスーパーコンピュータによる遺伝子解析技術が効果的に活用されており,AI解析との組み合わせによる開発期間の短縮化が図られるなど,こちらも各国において競うように取り組みが行われていることは,非常に心強いところとも言えます。

 

 今回は感染症という非常に厄介なリスクに遭遇した形になりましたが,世界的な人的交流の深まりにより感染を広げた面はあるものの,ITなどの社会基盤の共通化により感染拡大防止や感染予防などの面での効果的対応が図られつつあるなど,全地球的なつながりの効果を感じられるところでもあります。

 

 その一方で,今回の外出自粛への取り組みの中で,地域的な状況の違いも浮き彫りになったことも事実です。緊急事態宣言の解除後においても国内各地において感染者は確認されてきていますが,その発生状況は地域ごとに異なった傾向があり,特に,東京を始めとした都市部においては,まだまだ慎重な対応が必要な状況のようです。人と人との接触により感染が広まることを考えれば,人口に応じたリスクの違いが生じることは避けられないものとも思いますが,こちらの場合には,共通化ではなく,それぞれの地域事情に応じた対応の差別化が必要なようです。

 

 しかし,このような地域的な対応においても,通信端末やIoTなどの手軽に利用できる製品やサービスが続々と登場してきています。特に,被害が続いている水害に関しては,IoTを活用した雨量計測や河川水位計測,さらには土砂災害監視などの実施事例も徐々に増えてきているようです。これまでは,どちらかというと都市型に適応したソリューションを広く世界的に展開するというビジネスが主流となっていましたが,それに加えて,各地域の実情に応じた問題や課題を効果的に解決する手立ても容易に確保できる時代の流れとなったようです。

 

 まだまだ気を緩められない新型コロナウィルスへの対応ですが,社会変革という意味でこれからの目指すべき方向性を認識させられたようにも思います。

 これからの地元地域の発展に向けて,望ましい“スマートシティ”の実現へ向けた取り組みに踏み出すべき時を迎えたようです。

 

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緊急的事態への適応力向上へ!!


 7月となりました。

 

 先月19日,新型コロナウィルス対策として自粛を要請されていた都道府県境をまたぐ移動が全面的に解禁されました。これを受けて,既にプロ野球やJリーグなども試合が始まっていますが,今のところ無観客試合ということで,引き続き警戒は続けられている状況です。何れにしても,人の移動が徐々に活発化しており,東京都を中心にして日ごとに一定程度の感染者が確認されていることもあり,これが感染拡大につながるような市中感染によるものかどうかが注目されるところとなっています。

 

 海外においては,急増していた感染者数が落ち着きを取り戻したところもありますが,一方で,一旦減少傾向となっていたものが再度増加に転じている地域もあり,まだまだ気を緩めることができない状況が続いています。今年に入っての春先以降から停滞している経済状況の落ち込みも相当深刻になってきており,現段階においては,国内外において経済活動の立て直しをどのように行っていくかについて非常に悩ましい判断を迫られている状況と言えます。

 

 我々の日常生活の面においても,引き続き“3密回避”を始めとした感染予防対策への取り組みが継続されている状況ですが,今しばらくは慎重な対応が求められるところと言えます。一方で,この数か月間にわたって重苦しい雰囲気の中で過ごしてきていましたが,今までにない行動様式に切り替わったことで,新たに気付かされたものもあります。例えば,普段何気なく使っていたハンドソープですが,感染予防対策に従った使い方を忠実に行ったことで,いつも通りの分量でも如何にたくさんの泡立てができるのかを実感できたことは私にとって特筆ものでした。

 

 何れにしても,世界的な影響を受けたこの間の社会状況の中で,これまでと比較にならないほどの世の中の変革が起こることを指摘する向きもあり,徐々にそれが現実化されていく流れになっているように感じられます。例えば,大企業を中心にして取り組みが積極的になってきた“テレワーク”があります。かつて21世紀を迎えた当初に華々しく取り組みが始められた政府による“e-Japan戦略”がありました。「2005年までに世界最先端のIT国家となる」との掛け声の下に,全国3,000万世帯に高速インターネットアクセス網を整備するということで,各家庭に光ケーブル回線を敷設する計画が打ち出されたものです。

 

 この取り組みの中でも,「交通手段に依存することなく,ネットワークを通じて職場とつながることにより,各人が年齢や性別に関わりなく希望する仕事をしつつ,生活の場を選択することが可能となる」ことが就労環境への期待効果として明記されていました。その後,ハード的な環境整備はほぼ終了していたものの,実際にテレワークが注目されるまでには至っていない状況でしたが,今回の事態を契機として世界的な普及が進みそうな勢いです。丁度ここ数年来の“働き方改革”に伴う一連の動きと相まって,これからの働き方に関しては大変革を迎えることになるのではないでしょうか。

 

 もっとも世の中の変化はそれ以外の様々なところでも感じる部分が多くあります。インターネット環境が発達したことで,日々刻々と増加していく感染者数などの情報について,国を始めとした公的機関からの発表に留まらず,各研究機関や研究者を始めとした多様な情報源からもデータ解析の結果が示されるなど,情報化社会の恩恵を改めて実感できる状況です。今回の場合には,命に係わる重要な情報であることもあり,それぞれの個人が自らの判断により客観的な事実関係を把握しようと努力したものと思われ,情報入手に関する今後の動向に大きな影響を与えることになるのではないでしょうか。

 

 さらに,今回,感染者数が増加し始めた時期から,マスクに対する需要が急増したため,店舗において品切れの状態となる事態が発生しました。感染の拡大により生産現場が操業できない状況となった上に,急速な感染者の増加により需要に対する供給が完全に不足する状態となり,政府が各家庭へのマスク支給に動きだす事態にまで至りました。その後,国内においても異業種からマスク製造に乗り出す企業も現れ,現在は何とか危機を脱した形となりましたが,これも新たな動きを象徴したものになりそうな気配です。

 

 例えば,シャープが自社工場で液晶ディスプレイの製造を行っていたクリーンルームを活用してマスク製造に乗り出した他にも,ソニーやトヨタなども医療現場での不足が懸念されていた人工呼吸器やフェイスシールドの組立製造を自社工場にて行うこととなりました。近年,技術やサービスの高度化に伴い業種間の垣根を越えた取り組みの必要性が迫られる中で,一足早くその実証を試される形となりました。

 

 現在,国内においては新たな移動通信システムとして期待が高まる5G(第五世代移動通信システム)の整備が進められています。一方で,既に2030年を見通して次世代の移動通信システムに向けた議論も始められています。先月末には総務省より『Beyond 5G推進戦略 ∼ 6Gへのロードマップ ∼』が公表されております。その中では今回の事態も受けた形で,「緊急事態においても国民生活や経済活動が維持される社会の構築」が新たな課題として提示されています。

 

 新型コロナウィルスによる感染拡大という試練に留まらず,世の中の様々な変革が堰を切ったように一気に加速していくというような状況も含めた緊急的な事態への対応の仕方について,着実に適応力を高めていくことが益々求められているようです。

 

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生存の為に伝え続ける事とは!!


 6月となりました。

 

 4月7日に発令されていた新型コロナウィルスの感染拡大防止に関する「緊急事態宣言」について,先月25日に政府が全面解除を決定したことで,これまで規制されていた外出や営業の自粛が見直されることとなりました。これを受けて,徐々に日常生活が回復される動きが始まっています。一時は連日のように新規感染者数の増加が懸念され,身近なところでの感染者の発生なども相まって終息が見通せない状況のように思えていましたが,ようやく落ち着きを取り戻せるような段階になったというところでしょうか。

 

 ただ,一部の地域では感染者の発生が続いており,まだまだ気の抜けない状況であることには変わりはないようです。当初は,これまでとは異なる未知のウィルスと言うことで強い恐怖感がありましたが,医療関係者の方々を中心とした懸命の努力により,ウィルスそのものに関する情報や,感染による特徴的な症状などが明らかとなってきており,これから治療薬やワクチンの実用化が早期に達成されることを期待したいところです。

 

 この2月に横浜港に戻ってきたクルーズ船内において感染者が発生して騒ぎが大きくなるまでは,ウィルスに対する知識はほとんどない状態で,どちらかと言えばコンピュータに感染する方ばかりを気にする毎日でしたが,この間の様々な情報に触れたことで,風邪の原因ともなっているウィルスというものが非常に興味深いものであることが認識させられたように思います。

 

 構造的にはDNAやRNAの遺伝情報を持つ核酸をタンパク質の幕が覆っているだけのウィルスですが,自らが生き延びるための様々な知恵を働かせていることには驚かされるばかりです。自力では増殖できないために,別の生体に寄生して共存を図るというところに留まらず,寄生した生体の遺伝子に自らの遺伝情報を組み込むような“内在性ウィルス”も存在するとのことで,我々にとってはこの手ごわい相手と如何に共生を図っていくかということが,そもそもの逃れられない課題であったということのようです。

 

 一方,今回の感染拡大防止のために行っていた経済活動の自粛による影響も非常に懸念されており,さらには世界的な感染の蔓延による経済的な損失も非常に大きいことから,1929年に始まった世界大恐慌以来の景気低迷を予測する向きが多くなっております。我々の年代においても,オイルショックやバブル崩壊,さらにはリーマンショックなどを経験してはいますが,それを上回る不景気ということで,こちらの方においては,医療関係者に代わって我々自身が心構えをしっかりして懸命に努力を行っていく必要があるようです。

 

 これまで教科書の中の写真でしか感じられなかった世界大恐慌ですが,そこに写っていた昭和初期の時代の方々が乗り越えてきた苦労を今度は我々が克服できるか試される状況になったというところでしょうか。今回の新型コロナウィルスの蔓延も含めて,ある程度の年代まで生きる中においては,様々な出来事に遭遇することになるということがしみじみ実感されます。

 

 かつて「100歳の現役サラリーマン」ということで福井福太郎さんが話題となりました。100歳を超えてもなお神奈川県から東京都内まで電車で通勤を行ってサラリーマン生活を続けられておられたということで,様々な形で取り上げられていました。明治時代が終了する直前に東京で生まれて,少年期に関東大震災を経験し,大学を卒業して就職するタイミングで世界大恐慌による不況に見舞われ,間もなく徴兵により召集されるという波乱の人生は,誠に想像を絶するものです。これを考えると,これまで我々が直面してきた状況はまだまだ序の口なのかもしれません。

 

 そう言えば,コロナ騒ぎが始まる前から“第四次産業革命”や“Society 5.0”などと時代の変化が盛んに取り上げられていました。アフターコロナにおける景気回復の取り組みの中で,これらの産業構造やビジネス展開を変革する動きもますます加速されていくことになるのではないでしょうか。そこに加えて,今回の自粛行動に伴う“テレワーク(在宅勤務)”の進展により,働き方の多様化も急速に進むことが現実味を帯びてきたように思います。細菌に比べても1/100程度の大きさでしかないウィルスが,正に時代の変革を一挙に加速させることになりそうです。

 

 今回の新型コロナウィルスに関して,よく引き合いに出されたものの中にスペイン風邪があります。時代で言えば大正時代に該当し,世界人口の1/4の人々が感染したとも言われています。ウィルスは着々と手を変え品を変えて生き続ける努力をしているようです。一方,件の福井福太郎さんは少年期にこの時期を過ごしておられます。その後も様々な苦難を体験された先達も決して手をこまねいていたわけではなく,様々な教訓を我々に残してくれています。

 

『働き続けるのは,それが本能だから。人間は人の役に立ってこそ価値がある。』

 〔「100歳,ずっと必要とされる人」:福井福太郎,広野彩子著(日経BP社)〕

 

 我々もウィルスに負けずに,先達の残してくれた教訓を引き継いで,生きる力を伝えていきたいものです。

 

 

 

 

 

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最後の拠り所を救う手立てとは!!

 

 5月となりました。

 

 新型コロナウィルスの影響はまだまだ引き続いております。先月7日に東京都や大阪府などの7都府県を対象にした「緊急事態宣言」が発令されましたが,16日には適用範囲が全国に拡大されると共に,茨城県などを加えた13都道府県が「特定警戒都道府県」に指定され,5月6日までの期間において外出自粛がさらに強く要請されることとなりました。元号が“令和”に変わった丁度一年前に感じた華やかさの漂う雰囲気とは全く異なる状況と言えます。

 

 国内ばかりではなく,海外においても感染者に対する懸命な救護措置が行われています。世界各国でその最前線に立つ医療関係の方々が厳しい環境の中で昼夜を分かたず奮闘されている様子が連日伝えられています。正に最後の拠り所となっている状態です。一方で,町中においても休業を余儀なくされた店舗や事業所も多くなっており,こちらも切迫した事態となっています。暗さを増した夜の街を目にするようになり,悲惨な記憶として残る震災後を思い出させられるようです。

 

 かくなる上は,治療薬やワクチンの一刻も早い開発を待ち望むことしかないのでしょうか。もっとも,発症の事例が数多くなってきたことで,感染後の症状の特徴や病状回復の過程が明らかになってきているのも事実のようです。我々が生き抜いていく上においては,病気との戦いは避けられない事とは理解していても,まだまだ未解明な部分も多くあり,今回の経験も踏まえてより一層の努力が必要なようです。そのような中で,国内で開発された治療薬への期待も高まっており,早期の承認が待たれるところです。

 

 現在その候補として取り上げられている治療薬の中に富山由来のものがあるとのことで,かつて子供のころに定期的に訪問して来ていた薬売りが懐かしく思い出されます。各家庭に配置された置き薬の補充の様子はおぼろげですが,帰り際にもらえた紙風船で遊んだことは今でも強く記憶に残っています。現代においてもこのような配置薬の業態が一部で続けられているようですが,病気に対する知見が十分とは言えない時代からの長い伝統を引き継いだ形で,画期的な救世主が登場してくるとすれば非常に悦ばしく感じられるところです。

 

 今のところ外出自粛の努力もあってか我が国においては爆発的な感染者の増大は生じていないものの,無症状の場合も多くあるとのことで,新たな感染者の発生をなくすまでには多くの時間を要することが考えられます。現在実施されている外出自粛要請の効果がどの程度のものになるかにもよりますが,今後の経済活動再開に向けた段取りが重要になってくることは確かです。感染者に対して最前線で対応頂いている医療現場の状況の一方で,業務が停止状態となっている店舗や事業所などの苦境にも配慮した判断は非常に難しいものと思います。

 

 ただ,ここまでに至った現段階においては,全体的な状況を詳細に把握し,総体的な判断の下にこの難しい状況を乗り切る方向性が示された場合には,我々としても可能な限り協力を行っていくことが重要であり,一方で,我々自身においても厳しい業務環境の中での対応が求められた場合には最善を尽くすことが求められているという自覚は持っておきたいと思うところです。ウィルスが人から人に感染を広めるのであれば,我々は社会を共に支える立場としてこの意識を共有化して広めていきたいものです。

 

 一方で,この状況がある程度収束した後の少し長期的な視点に立った対応についても意識しておくことが必要です。今回の経緯についても様々な観点での検証と次へ向けた対策が議論されることになると思いますが,その際には,今現在において現場の最前線で最後の拠り所として頑張っていただいている方々の負担の大きさを認識しておくことも重要です。先ごろから配信されている『Fukushima50』においても,その苦悩する様子が詳細に描かれていたところです。

 

 かつて我々が社会人となったばかりのころには,「品質管理は設計から始まる」ということを強く意識させられたものでした。これは最終的な品質の良し悪しを製造や検査などの後工程にしわ寄せさせるのではなく,設計の段階から“製造しやすい設計”,“検査工数が軽減される設計”というものを意識しておくことが大切であるとの教えでした。当時新米の身としては,改めて設計の奥深さを思い知らされると共に,それぞれの任された役割がお互いに支え合っていることに気づかされたことを覚えています。

 

 今回の新型コロナウィルスにおいても,医療現場や水際対策を行う部門での体制あるいは装備,さらにはその運用対応などの課題がたくさん浮き彫りにされており,そもそも緊急事態そのものの想定する範囲や対処方針,さらには具体的な対策などについての不備も指摘されています。緊急事態が発生しても最後の追い込まれた時点で対応できることは限られていることは,今回の状況において身に染みて感じられるところです。ここは平常時から大いに議論を深めて,具体的な対処を計画的に実行していくことが必要と言えます。

 

 まだまだ外出自粛が続く状況の中ですが,様々なことを考えさせられるゴールデンウィークとなりました。

 

 

 

 

 

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今こそ持続可能な免疫力の強化を!!

 

 4月となりました。

 

 例年であれば春を迎えた歓びに心沸き立つ季節ですが,新型コロナウィルスへの対応として各地で外出自粛の要請が出されるなど,今年に限っては異様な雰囲気の中で過ごす事態となっています。この冬は比較的暖かかったため学校の春休み中に桜が満開となりましたが,花見どころの騒ぎではなくなっている状態です。折角,見事な花びらを誇っている桜の木も恨めしそうに見えます。海外のみならず国内においてもまだまだ予断を許さない状況のようですが,日常生活に及ぼす影響も長期化することが予想され,今回の状況は確実に記憶に残るものとなりそうです。

 

 これまでウィルスによる感染症といえば子供のころのはしかや,季節的なインフルエンザ程度しか意識していませんでしたが,国内外で日々直面している切実な状況を見るにつけ,今現在我々が立ち向かっている問題の難しさを痛感させられる状況と言えます。このような感染症との戦いは人類にとって避けられないものであるようですので,世界的に進行中である様々な苦しみや悲しみを何とか最小限に食い止めて,今回得られた知見を有効に活かしていきたいものです。

 

 海外においては欧米を中心として急速に感染者が増えている状態であり,これによる医療崩壊が既に発生している状況のようです。治療が必要な患者の数が想定以上のスピードで増加しているため,必要とされるベット数や,人工呼吸器などの医療器材が不足している状況で,さらには,医療に従事されている方々も不眠不休で対応されており,疲労困憊の様子が伝えられています。地域によっては,医療従事者の感染も増えているとのことで,そちらの方もたいへん心配されるところです。

 

 各国においては,逼迫する財政事情の中で,医療設備の拡充や医療従事者の育成に十分な対応が取れていなかったことの指摘をする向きもありますが,今回のような非常事態への備えという点においては,極めて難しい問題をはらんでいるように思います。特に,感染症の場合には,突然出現した後に人の移動に伴って国境を越えた形で急速に蔓延していくため,国際的な支援体制を構築することもなかなか難しい事情もあります。ともすれば,平穏で日常的な生活が維持されていく中でそれが当たり前のような感覚に陥ってしまいがちですが,実は,様々なリスクを想定して備えておくことも重要であることを改めて感じさせられたように思います。

 

 先月には東日本大震災の慰霊行事が,今回のコロナ騒ぎの影響を受けて規模を縮小した形で執り行われましたが,その甚大な被害においても,過去の教訓を活かすことの大切さが指摘されていました。もっとも,コロナウィルスによる感染症ということでは,2000年代に入ってからもSARSやMERSなどの騒ぎが身近なところで発生していたことを最近改めて認識した状態ですので,様々なリスクに対する感受性を高めると共に,ここは抜本的な意識改革が必要と言えます。

 

 我々が生きていく上においては様々なリスクがあることは,言われるまでもなく十分に認識していると思っているところですが,実は普段の生活においてそのことを真剣に突き詰めて考える機会も少ないように思います。増してや,地震を始めとした自然災害や,ウィルス感染などの病気との戦いは,人類にとってもまだまだ未知の領域がたくさん残っており,決して手を抜けないところであることも確かです。一方,このような話題に関しては,社会一般としても真正面から取り上げる機会も少ないのが現実となっています。

 

 ここ数年は,地球温暖化の問題が大きく取り上げられてきておりましたが,一方において,いつ起きるか分からないという緊急性から言えば,これはこれで極めて対応が難しい重大な問題と言えます。特に,今回のような感染症においては,国を越えて急激に蔓延していくことが改めて認識されたことから,各国がそれぞれの立場の違いを乗り越えて,常日頃から情報共有を密にして,なおかつ効果的な協力体制を連携して整えていくことが必要なように思います。

 

 地球という限られた環境の中で人類が共に生き抜いていくためには,共通に立ち向かうべきリスクがまだ多いことを改めて考えてみることが必要であると言えます。技術革新が進み,社会生活が高度化されていくことで,日常生活の安定が図られていくことは確かですが,一方で,まだまだ脆弱なリスクとの隣り合わせで際どく成り立っていることを常に意識していくことが求められているように思います。

 

 これから持続可能な開発目標を達成していくためにも,有限の環境の中で人類が共存していくために必要な免疫力を,今こそ手を携えて強めていくことが重要ではないでしょうか。

 

 

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基礎力強化により免疫獲得へ!!

 

 2020年(令和2年)も3月となりました。

 

 今年は北国でも積雪が少ないようですが,日本各地の気温も平年に比べて高い傾向とのことで,国内の1月の平均気温は1891年の統計開始以来最も高い値になったとのことです。例年のように,この時期には桜の開花予想が発表されることになりますが,今年の場合にはそのような話題をかき消すかのように新型コロナウィルスへの対応で慌ただしくなっています。先月末には,政府が全国の小中高校などへの臨時休校を要請する事態に至り,日常生活にも大きな影響を及ぼす状況となっています。

 

 毎年流行を繰り返しているインフルエンザとは異なり,未だにウィルスの正体が詳細に解明されていないことや,特効薬となるものが実用段階にまでに至っていないという状況から恐怖心が大きくなっている向きもありますが,感染しても症状が出ない方も結構おられるようですので,先ずは冷静に対応することが肝要のようです。何れにしても,感染者は海外でも各地で確認され出しているようですので,ここしばらくは自衛と共に十分な見極めが必要と言えます。

 

 自然災害を始めとして日常生活を送っていく中では“インシデント”と呼ばれるようないわゆる危機的な状況に遭遇する場面がありますが,今回のようなヒト・ヒト感染を伴う未知の伝染病のような場合には,その対応が極めて難しい事態になるということが改めて実感されます。人間が作り出した機械やシステムとは異なり,その発生メカニズムが捉え切れていない部分も多く,どの程度まで深刻化するかというところも見通しが立たない状況の中での厳しい対応を迫られることになります。

 

 もっとも,コロナウィルスによる感染症は過去の経験を踏まえた知見が蓄積されている部分も多くあるようで,今回の場合においても様々な場面で有効に活用されているようでもあります。そのような観点から言えば,がんの治療法なども含めて基礎研究の役割は非常に大きく,決して疎かにできない取り組みであるように思います。一方で,ウィルスそのものも生き物ということで,その性質を変えて変異することもあるようで,なかなか一筋縄では克服できない課題と言えます。

 

 何れにしても,ヒトやモノの移動が国境を越えて極めて活発になった現状においては,これから先においても重要視すべきリスクとして捉える必要があるものと思われます。これまでの長い歴史において異なる文化や生活感を持った人々が交わる機会もさらに多くなっていくことは確実であり,拡散のスピードも加速していく可能性も考えられます。同時に,IT化社会が進展していくことで,情報の拡散も急速になったことから,心理的な面での混乱も非常に懸念されるところと言えます。

 

 時代環境が急速に変わっていく中においては,例え過去の経験が蓄積されていたとしても,その時々の状況変化を的確に踏まえた上での新たな考え方に基づく判断なり対応なりが求められるということになるのではないでしょうか。“人生100年時代”と言われる現代ですので,長い人生の中でのインシデント遭遇の機会も多くなると共に,その間の変化も今まで以上に激しくなるものと思われますので,この機会に合わせて,我々自身の考え方や心掛けを切り替えていく必要があるのかもしれません。

 

 そのような観点から,平成30年に経済産業省において『人生100年時代の社会人基礎力』なるものが検討され,その報告書が公表されております。ここで打ち出されている“新・社会人基礎力”とは,「これまで以上に個人としての関りが長くなる企業・組織・社会の中で,ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力」と捉えられ,基礎力として重要な能力とその能力要素が明確化されています。

 

 具体的には,基礎力として重要な3つの能力としては,“前に踏み出す力(アクション)”,“考え抜く力(シンキング)”,“チームで働く力(チームワーク)”が挙げられており,それぞれの能力別に,例えば,“前に踏み出す力”の能力要素としては,主体性,働きかけ力,実行力がポイントとして示されています。また,それぞれの能力にはより詳細な解説が付けられており,例えば,“チームで働く力”については,「グループ内の協調性だけにとどまらず,多様な人々とのつながりや協働を生み出す力が求められている」ことが示されています。

 

 ここで示されている内容については,現状における社会的な状況を踏まえて極めて合理的に取り纏められた説得力のある検討結果であるように思います。さらに,この基礎力をパソコンにおける“OS(オペレーティングシステム)”として捉えて,これまで比較的重要視されがちであった“専門スキル”については“アプリ”との位置づけとして,アップデートの必要性を明確にするなど,時代変化への対応の重要性を象徴的に示しているものとなっています。

 

 これを今回のウィルス騒動に例えてみれば,基礎力としてOSに当たるものが人間の免疫力であり,専門スキルとしてアプリに当たるものがウィルスであり,それが変異しても抵抗力を持てるような免疫力としての基礎力を鍛えていくというようなものと言えるのではないでしょうか。

 

 現状において,ウィルス感染に対する社会的な不安が募っておりますが,これを何とか克服して,肉体的にも,また社会人としても,より強力な免疫力を獲得する機会にしたいところです。

 

 

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危機で見えてきた人間の役割!!

 

 2020年(令和2年)も2月となりました。

 

 新年早々から新型コロナウィルスに対する脅威が高まってきています。例年であれば厳しい寒さや北国の積雪量,さらには毎年この時期に流行するインフルエンザの話題が中心となるところですが,今年は誠に趣の異なる状況となっています。先月末には国内で初めての感染者が発生したことから,ますます警戒を要する事態となってきているようです。また,感染者は我が国のみならずヨーロッパやアメリカ大陸にも広まっており,世界保健機関(WHO)もいよいよ緊急事態宣言を発する事態となりました。世界中が戦々恐々というところでしょうか。

 

 一方でこのウィルスについては,感染しても軽症であったり,症状が出ないケースも一定程度あるようで,さらには潜伏期間であっても感染が広がるとの話もあるなど,感染源なども含めてまだまだ未知の部分が多くあるようです。各国では感染の拡大を防止するための措置を続々と取り始めてはいますが,この先はなかなか予断を許さない状況ではないでしょうか。ただ,我が国におけるこの間のインフルエンザ感染者の数が例年よりも少なくなっているとの観測もあり,新型ウィルスへの注目度の高まりで手洗いなどの日常生活における予防意識が高まっているとの指摘も出てきているようです。

 

 何れにしても,今回の事態においては,十分な解明に至っていないウィルス感染の広がりという緊急性を要する難しい課題を突き付けられた形となりました。アメリカではインフルエンザが例年以上に猛威を振るっているとの話もありますので,我々としては日常生活において対応可能な予防的措置に先ずは努めることというところでしょうか。一方で,各国政府においても感染症対策に苦慮しているようですが,国際的な課題として適切な情報共有と連携の取れた対応により,一刻も早く終息に至って欲しいところです。

 

 目に見えない形で時間と共に被害が拡大していくという状況は正に緊急事態の最たるものであり,その意味で今回の一連の取り組みの経過において,これからの教訓として活かしていくべき部分も多いものと考えられます。ヒトやモノの移動が国境を越えてますます活発になっていくことは確実であり,人から人への感染の過程で突然変異も起こすという新型ウィルスへの対応は,ある意味ではこれからのグローバル社会の大きな課題としてクローズアップされたように思います。

 

 一方,平常時に取り決められているルールやマニュアルを守る中で,想定外の緊急事態が発生した場合の対処については,日常の我々の業務においても決して他人事ではなく,それはそれで我々自身もたいへん考えさせられるところです。様々に状況が異なる中で発生する緊急事態に対して,臨機応変に効果的な対応を行うことは,事前に手順書として明確化することが極めて難しい問題となります。それぞれの作業現場において的確な対応が図れる管理者をどう育成していくかという観点からも長らく問われてきた大きな課題と言えます。

 

 ともすれば現場での経験を坦々と積みながら鍛えていくというこれまでの育成の仕方ではなかなか習得が難しい部分と言えるかもしれません。そこには突発的に発生している状況を如何に的確に把握できるか,限られた情報の中から如何に適切な判断を行うことができるか,時間経過と空間的な影響拡大も考えて如何に効果的な要員の配置と対処ができるか,というような平常時とは異なる多面的な能力が要求されることになります。

 

 今思えば,かつて“QCサークル”として盛んに繰り返された“危険予知(KY)”や“特性要因図(魚骨)”などの取り組みは,不測の事態を的確に乗り越えるための基礎的な部分での技や能力を高めるものであったように感じます。さらには,最近取り組みが求められている“リスクアセスメント”や“失敗学のすすめ”なども,想定外に備えるという意味合いにおいては,極めて効果的な訓練になり得るものであるように思います。

 

 何れにしても平常時とは異なる訓練が必要であることは明らかと言えますが,実は普段の業務の中で上記のような技や能力を意識した取り組みを行うことは可能であり,様々な場面で自ら意識して『特性要因図の骨を増やしていくこと』や『失敗事例との関連付けを行っていくこと』が極めて効果的であるように感じます。

 

 それは,平常時業務を首尾よくこなすという年季の入った虎の巻とは異なる,不測の事態に多様に対応できる“適応力のある知性(AI)”とでもいうようなものであり,自らの経験のみならず外部からの情報をも活用して熟成させた独自のノウハウと言える知識ベースのような気がします。

 

 最近はあらゆる問題に対する解決策の決め手としてITやAIの活用が叫ばれるようになってきていますが,緊急時対応を任せられるのはまだまだ人間に勝るものはない状況であり,その意味で,我々自身においてもさらに高みを目指して変異を続けていくことが必要ということではないでしょうか。

 

 ウィルスという人間の体内に侵入したミクロの物質が引き起こした事態に直面して,改めて人間の限りない大きな役割や可能性に気づかされたように感じます。

 

 

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2020年を迎えて!!

 

 2020年(令和2年)がスタートしました。

 

 令和となって初めての正月を迎えました。今年はどんな一年になるのでしょうか。7月には東京でいよいよオリンピックが開催されることになります。時期的にはまだ半年以上先になりますが,早くも3月からは聖火リレーが始まるようですので,9月のパラリンピック閉会式が終了するまでは様々な形で熱気が列島を包み込むのではないでしょうか。昨年のラグビーワールドカップに引き続いて,鍛え抜かれたアスリートによる感動のドラマも繰り広げられるものと思います。

 

 ここに集う選手たちは,4年に一度というこの大会へ向けた目標を達成して選び抜かれた各国の代表であり,それぞれの競技においてトップクラスの熱い戦いを見せてくれるものと思います。前回の東京オリンピック開催時に小学生であった我々の経験からしても,その躍動する姿は観戦する子供たちに鮮明な印象を与えることになる筈です。限界を極めた体力や精神力を目の当たりにして,日々の努力によって鍛え上げられる人間の可能性を改めて認識させられる機会でもあるのかもしれません。

 

 前回の東京オリンピックでは男子100ⅿ走において“10秒の壁”が話題となったようですが,それまで限界と言われた記録であっても月日の流れにより次々と塗り替えられ,現時点では9秒58まで短縮されています。また,男子のマラソンに至っては,2時間12分台であった当時のアベベの記録が2時間1分台にまで更新され,昨年の10月には非公式レースですが2時間を切るタイムが出されています。人間の可能性は留まるところを知らないというところでしょうか。

 

 一方,記録の更新という意味では,日本人の平均寿命も上昇し続けています。昨年時点での公表値においては,男性が81.25歳,女性が87.32歳となっており,前回の東京オリンピック当時の男性68歳,女性73歳から大幅な更新が図られています。そして,今後の見込みとしてもこの記録は着実に更新されていくことが予想されています。正に,人生100年時代に向けて動きは着々と進んでいるようです。

 

 スポーツの場合には,記録を高めていくことや相手に打ち勝つことを具体的な目標に設定して日々の努力を積み重ねていくことになりますが,我々の日常生活においては,具体的な目標が見えにくい部分があるようです。ただ,高齢化社会を迎えて,年齢を重ねていくことに伴う自分自身の変化に打ち勝つ努力が必要になってきていることは確かなようです。長生きすることと共に,健康で元気に暮らせる状態を如何に長く維持できるかも重要な課題となってきました。

 

 今年は“働き方改革”が本格化していくこととなる他,“定年延長”の動きも激しくなるようです。正に,“一億総活躍”や“生涯現役”へ向けた取り組みの必要性が高まってきています。

 

一方で,我々を取巻く社会の変化も激しさを増しており,働く環境においても,“Society5.0(超スマート社会)”,“Industry4.0(第四次産業革命)”,“SDGs(持続可能な開発目標)”などこれまでの考え方を根本的に転換する必要に迫られるようにもなってきています。

 

 ここは,自分自身の変化のみならず外的環境変化への対応も合わせて行うことが求められている状況と言えます。最終的な目標の達成に向けて世の中のルールがどのように変わってきているのか,その上で自分自身をどのように鍛えることで課題を乗り越えられるのか,さらには,それを実現するためにどのような努力を行うべきなのか,正に,アスリートの取り組みに通じる対応が求められている状況のようです。

 

 因みに,今回の『TOKYO2020大会ビジョン』として掲げられている基本コンセプトは,「すべての人が自己ベストを目指し(全員が自己ベスト)」,「一人ひとりが互いを認め合い(多様性と調和)」,「そして,未来につなげよう(未来への継承)」とのことです。

 

 オリンピックイヤーとも言えるこの年に当たり,新たな時代を歩む我々自身も東京に集う選手と同じ想いで努力を積み重ねていくことが必要なようです。

 

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新たな道をひらく働き方とは!!

 

 12月となりました。

 

 令和最初の師走を迎えて寒さが本格化してきました。9月,10月と続いた台風や大雨による被害の影響は想像以上に大きく,いまだに避難所生活を強いられている方々も多くおられるとのことです。日々の通勤途上にて,被災された家屋から運び出された家具や瓦礫の山が徐々に高さを減じていく様子を目にしてはいますが,復旧の道のりはまだまだ険しいように感じます。季節の移り変わりもそうですが,自然環境に翻弄される日常という現実を感じるところでもあります。

 

 そのような中で,来年8月に実施予定である東京オリンピックのマラソン会場が札幌市に変更されることとなりました。今年8月の気象データで言えば,昼夜通しての平均気温が28.4℃の東京から,22.5℃の札幌での開催ということで,気候条件としては好ましい選択のようにも思えます。これはちょうど東京での6月の気温に相当するようです。ただ,本番大会へ向けてこれまでトレーニングを積んできた選手たちにとっては,ここへきての急遽の会場変更ですので,戸惑いは隠せないところではないでしょうか。

 

 生命進化の過程で人類の最も優れた特徴は“適応力”であるという話もあるようですが,我々自身もその真価が問われる状況になりつつあることを徐々に実感せざるを得ない雰囲気になってきたようです。最近特に声高になってきているのが“温暖化”への適応でしょうか。国内外で発生している自然災害の他,農作物の生育状況や漁獲高などについても気候変動との関連で報道されることが多くなったように思います。その真偽は別にしても,地球の歴史的な経過の中では“氷河期”の時代に生きている我々にとって避けられない課題ということでしょうか。

 

 一方,それにも増して確実に適応していかなければならないのが“働き方改革”です。働く者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる「一億総活躍社会」の実現を図るということで,労働基準法や労働安全衛生法などの関係法令が改正され,この4月より施行されていますが,来年4月からは中小企業に対しても「残業時間の上限規制」が適用されることになります。

 

 かつて農地に縛り付けられていた農民が,産業革命を契機として都市部へ出て労働者となり,労働を対価とした自立生活を始めることとなったものの,労働時間やノルマに縛られて機械の歯車のように働くことが強いられた時代があった経緯を踏まえて,これまで労働条件の最低基準を定める法体系であったものを脱却して,「成長と分配の好循環を構築し,働く一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指す」ということを基本的な考え方として進められているとのことです。

 

 技術革新が進みモノやヒトの移動が国境を越えて活発になる中で,ビジネス競争がますます激しさを増していく状況となっている背景からも,“ワーク・ライフ・バランス”をどのように充実させていくかということは極めて重要な課題となってきています。そして,労働時間のみが価値基準となる働き方を脱却しなければ,働き方のみならず働く場の確保も危うくなっていくことは明らかと言えます。ここは働く側にとても考え方の切り替えが必要なように思います。

 

 そして,このような動きに拍車をかけている要因の一つがデジタル技術や通信技術の進化と言えます。パソコンのネットワーク化により情報共有が容易になり,最近ではペーパレス化の動きも加速しているようです。働き方においても,遠隔拠点同士の情報共有は国境を越えてさえも不自由なくできる時代を迎えています。既に,在宅にて業務を行う“テレワーク”の推進も活発になってきているようです。

 

 さらに,ここ最近においては“デジタルトランスフォーメーション(DX)”の動きが喧しくなってきました。政府において主体的な取り組みを行っている経産省によれば,「DXとは,データとデジタル技術を活用して,製品やサービス,ビジネスモデルの変革に留まらず,業務そのものや,組織,プロセス,企業文化・風土までも変革することで,競争優位性を確立すること」と定義されており,“DX推進ガイドライン”なるものも策定されています。

 

 実は,ここには国際的な動きも意識されているようです。この取り組みへの遅れにより国際競争に取り残されるという危機感が強く打ち出されており,“2025年の崖”なる言葉も取りざたされてきています。グローバル化の時代の流れにおいても“働き方改革”は待ったなしの状況のようです。

 

 しかし,ここで最も大事なことは,我々自身が“働くことの意味”をこの機会に真剣に考えることのように思います。かつてのような制度的あるいは技術的な制約の壁が打ち払われていくに従って,実は,我々自身の内面にある“見えざる縛り”が浮き彫りになってきている面もあるように感じます。

 

 令和としての最初の年越しを迎える慌ただしい時期になってきましたが,今こそ真剣に向き合うことが避けられないようです。

 

 もっとも,先人はこのことを既に考え抜いていたようです。


『人より一時間,よけいに働くことは尊い。努力である。勤勉である。だが,今までよりも一時間少なく働いて,今まで以上の成果をあげることも,また尊い。そこに人間の働き方の進歩があるのではなかろうか。・・・それは創意がなくてはできない。くふうがなくてはできない。働くことは尊いが,その働きにくふうがほしいのである。・・・怠けろというのではない。楽をするくふうをしろというのである。・・・そこから社会の繁栄も生まれてくるであろう。』

〔「道をひらく」:松下幸之助著(PHP研究所)〕

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いま問われる人類の進化とは!!

 

 11月となりました。

 

 東日本を中心として水害による傷跡が深刻になっています。9月に上陸した台風15号に引き続いて,ほぼ同じコースを辿って10月に上陸した台風19号による被害も重なったことで,全国の14都県400近い市町村に対して災害救助法が適用される事態に至っています。地盤が軟弱になっている状況でもあり,今後のさらなる降雨による被害も懸念されることから,被災された方々の不安は募るばかりです。未だに3,000人以上の方々が避難所におられるようで,様々な支援の輪も広がっているようですが,一刻も早い復旧・復興を願うばかりです。

 

 この10月はこれまでの同じ時期に比べて最も気温が高かった地域が多くあった一方で,ひと月の間に降った雨の量も過去最高であったところも多く,仙台市では平年より5倍以上の雨量であったとのことです。実際の印象としても,寒さをなかなか感じられないと思っていたら,そのうち連日のように大量の雨が降り続いていたというところでしょうか。この状況を地球温暖化と関連付ける向きもありますが,長い地球の歴史を考えれば,地震と同じように地球本来の気候変動の一部という捉え方もできるように思います。

 

 実際,我々が生きている現代は,46億年という地球の歴史の中でも比較的めずらしい,穏やかな暮らしやすい時代とも言われているようですので,これから先の防災対策をどのような想定の下に考えていくのかという課題が投げかけられているようにも思います。発生から8年が経過した東日本大震災については,1,000年に一度という地震の規模であったということで,地震対策についての基本的な考え方を見直す動きも徐々に始まっているようです。考えてみれば,気温などの科学的なデータ蓄積としては150年程度の歴史でしかないことから,年代をさらに遡った範囲での想定も必要になってくるのではないでしょうか。

 

 過去の気候変動についての実態を探る手掛かりの一つとして“年縞”という堆積物があるようです。1991年に福井県の若狭湾岸にある水月湖で発見されたとのことで,湖内において1年に1枚ずつ形成される薄い膜が45メートルもの厚さでほぼ完全な形で残されており,「世界一正確な年代が分かる堆積物」とも言われているようです。そして,この堆積物により7万年以上前からの気候に関する情報が入手できるとのことで,現在も詳細な分析研究が続けられているようです。〔「人類と気候の10万年史」:中川毅著(講談社ブルーバックス 2017年2月)〕

 

 ただ,我々にとって身近な存在である地球ですが,まだまだ解明されていないことが非常に多いことも事実のようです。以前から地球温暖化に大きな影響を及ぼしているのではないかと言われている二酸化炭素ですが,最近までの10年間に渡って行われていた「深部炭素観測プロジェクト」による調査では,地球に存在する炭素の90%以上が地中にあり,この炭素を取り込んだり排出したりする“炭素循環プロセス”が存在していること,さらには岩石の中には風化作用と岩石中の微生物の作用によって空気中の二酸化炭素を取り込む能力の高いものがあることなどが明らかになっているとのことです。

 

 何れにしても,科学技術の進歩や地道な手掛かりを基にした調査研究により,様々な観点からの取り組みを行うことで,繰り返される災害による被害を何とか食い止めたいものです。時あたかも,先月の28日からエジプトにおいて「2019年世界無線通信会議(WRC-19)」が開催されています。国連の専門機関である国際電気通信連合が2〜5年毎に開催しているもので,各国に関わる無線周波数の取り決めを行う場となるものです。今回は商用サービス開始間近となっている“5G(第五世代移動通信システム)”の他にも“気象衛星”に関する議題などが審議されることとなっています。

 

 より高品質の情報を高速に伝達するためには限られた高い周波数の電波を利用する必要があるため,国際的な取り決めをしっかり行っておくことが極めて重要になってきています。特に衛星については,国境を跨った形での利用となるため,各国間の協調と協力が不可欠です。最近は無線LANの性能が向上していますが,利用する電波の周波数が高くなってきて,気象レーダーとの干渉を回避する対応も必要になっています。ただ,このような動きによって,得られる情報は確実に精度が向上し,鮮明で高品質なものとなってきています。

 

 気象観測で言えば,平成27年7月から運用を開始している最新の“ひまわり8号”は,画像がカラー化された他に,画像の分解能が2倍となり,観測時間も1/3に短縮され,常時2.5分毎に日本近海の観測データを提供できるようになっているとのことです。同じ軌道上には平成28年に打ち上げられた同型機の“ひまわり9号”が待機しており,3年後に運用を交代する予定となっているようです。この観測データについては普段から目にする機会が多くありますが,過去のものと比較して改めて見直ししてみると画像の鮮明さがよく理解できます。

 

 このような経緯もあり気象予報の精度も着実に向上してきているようで,気象庁が毎年公表している台風の進路予想における平均誤差の数値が年々小さくなってきていることが分かります。我々としても,無線技術の発展がこのような形で活かされていることには非常に励まされるところです。しかし,さらなる課題としては,このような成果を如何に効果的な防災対策に結び付けていくかというところではないでしょうか。

 

 20万年とも言われる人類の歴史の中では,様々な気候変動による多大な犠牲を乗り越えて生き延びてきたものと思われます。

 翻って,様々な叡智を蓄えた我々にいま求められているのは,その気候変動を乗り越えてさらに生き延びていくためのより強靭な進化であるのかもしれません。

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