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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
新たな道をひらく働き方とは!!

 

 12月となりました。

 

 令和最初の師走を迎えて寒さが本格化してきました。9月,10月と続いた台風や大雨による被害の影響は想像以上に大きく,いまだに避難所生活を強いられている方々も多くおられるとのことです。日々の通勤途上にて,被災された家屋から運び出された家具や瓦礫の山が徐々に高さを減じていく様子を目にしてはいますが,復旧の道のりはまだまだ険しいように感じます。季節の移り変わりもそうですが,自然環境に翻弄される日常という現実を感じるところでもあります。

 

 そのような中で,来年8月に実施予定である東京オリンピックのマラソン会場が札幌市に変更されることとなりました。今年8月の気象データで言えば,昼夜通しての平均気温が28.4℃の東京から,22.5℃の札幌での開催ということで,気候条件としては好ましい選択のようにも思えます。これはちょうど東京での6月の気温に相当するようです。ただ,本番大会へ向けてこれまでトレーニングを積んできた選手たちにとっては,ここへきての急遽の会場変更ですので,戸惑いは隠せないところではないでしょうか。

 

 生命進化の過程で人類の最も優れた特徴は“適応力”であるという話もあるようですが,我々自身もその真価が問われる状況になりつつあることを徐々に実感せざるを得ない雰囲気になってきたようです。最近特に声高になってきているのが“温暖化”への適応でしょうか。国内外で発生している自然災害の他,農作物の生育状況や漁獲高などについても気候変動との関連で報道されることが多くなったように思います。その真偽は別にしても,地球の歴史的な経過の中では“氷河期”の時代に生きている我々にとって避けられない課題ということでしょうか。

 

 一方,それにも増して確実に適応していかなければならないのが“働き方改革”です。働く者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる「一億総活躍社会」の実現を図るということで,労働基準法や労働安全衛生法などの関係法令が改正され,この4月より施行されていますが,来年4月からは中小企業に対しても「残業時間の上限規制」が適用されることになります。

 

 かつて農地に縛り付けられていた農民が,産業革命を契機として都市部へ出て労働者となり,労働を対価とした自立生活を始めることとなったものの,労働時間やノルマに縛られて機械の歯車のように働くことが強いられた時代があった経緯を踏まえて,これまで労働条件の最低基準を定める法体系であったものを脱却して,「成長と分配の好循環を構築し,働く一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指す」ということを基本的な考え方として進められているとのことです。

 

 技術革新が進みモノやヒトの移動が国境を越えて活発になる中で,ビジネス競争がますます激しさを増していく状況となっている背景からも,“ワーク・ライフ・バランス”をどのように充実させていくかということは極めて重要な課題となってきています。そして,労働時間のみが価値基準となる働き方を脱却しなければ,働き方のみならず働く場の確保も危うくなっていくことは明らかと言えます。ここは働く側にとても考え方の切り替えが必要なように思います。

 

 そして,このような動きに拍車をかけている要因の一つがデジタル技術や通信技術の進化と言えます。パソコンのネットワーク化により情報共有が容易になり,最近ではペーパレス化の動きも加速しているようです。働き方においても,遠隔拠点同士の情報共有は国境を越えてさえも不自由なくできる時代を迎えています。既に,在宅にて業務を行う“テレワーク”の推進も活発になってきているようです。

 

 さらに,ここ最近においては“デジタルトランスフォーメーション(DX)”の動きが喧しくなってきました。政府において主体的な取り組みを行っている経産省によれば,「DXとは,データとデジタル技術を活用して,製品やサービス,ビジネスモデルの変革に留まらず,業務そのものや,組織,プロセス,企業文化・風土までも変革することで,競争優位性を確立すること」と定義されており,“DX推進ガイドライン”なるものも策定されています。

 

 実は,ここには国際的な動きも意識されているようです。この取り組みへの遅れにより国際競争に取り残されるという危機感が強く打ち出されており,“2025年の崖”なる言葉も取りざたされてきています。グローバル化の時代の流れにおいても“働き方改革”は待ったなしの状況のようです。

 

 しかし,ここで最も大事なことは,我々自身が“働くことの意味”をこの機会に真剣に考えることのように思います。かつてのような制度的あるいは技術的な制約の壁が打ち払われていくに従って,実は,我々自身の内面にある“見えざる縛り”が浮き彫りになってきている面もあるように感じます。

 

 令和としての最初の年越しを迎える慌ただしい時期になってきましたが,今こそ真剣に向き合うことが避けられないようです。

 

 もっとも,先人はこのことを既に考え抜いていたようです。


『人より一時間,よけいに働くことは尊い。努力である。勤勉である。だが,今までよりも一時間少なく働いて,今まで以上の成果をあげることも,また尊い。そこに人間の働き方の進歩があるのではなかろうか。・・・それは創意がなくてはできない。くふうがなくてはできない。働くことは尊いが,その働きにくふうがほしいのである。・・・怠けろというのではない。楽をするくふうをしろというのである。・・・そこから社会の繁栄も生まれてくるであろう。』

〔「道をひらく」:松下幸之助著(PHP研究所)〕

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いま問われる人類の進化とは!!

 

 11月となりました。

 

 東日本を中心として水害による傷跡が深刻になっています。9月に上陸した台風15号に引き続いて,ほぼ同じコースを辿って10月に上陸した台風19号による被害も重なったことで,全国の14都県400近い市町村に対して災害救助法が適用される事態に至っています。地盤が軟弱になっている状況でもあり,今後のさらなる降雨による被害も懸念されることから,被災された方々の不安は募るばかりです。未だに3,000人以上の方々が避難所におられるようで,様々な支援の輪も広がっているようですが,一刻も早い復旧・復興を願うばかりです。

 

 この10月はこれまでの同じ時期に比べて最も気温が高かった地域が多くあった一方で,ひと月の間に降った雨の量も過去最高であったところも多く,仙台市では平年より5倍以上の雨量であったとのことです。実際の印象としても,寒さをなかなか感じられないと思っていたら,そのうち連日のように大量の雨が降り続いていたというところでしょうか。この状況を地球温暖化と関連付ける向きもありますが,長い地球の歴史を考えれば,地震と同じように地球本来の気候変動の一部という捉え方もできるように思います。

 

 実際,我々が生きている現代は,46億年という地球の歴史の中でも比較的めずらしい,穏やかな暮らしやすい時代とも言われているようですので,これから先の防災対策をどのような想定の下に考えていくのかという課題が投げかけられているようにも思います。発生から8年が経過した東日本大震災については,1,000年に一度という地震の規模であったということで,地震対策についての基本的な考え方を見直す動きも徐々に始まっているようです。考えてみれば,気温などの科学的なデータ蓄積としては150年程度の歴史でしかないことから,年代をさらに遡った範囲での想定も必要になってくるのではないでしょうか。

 

 過去の気候変動についての実態を探る手掛かりの一つとして“年縞”という堆積物があるようです。1991年に福井県の若狭湾岸にある水月湖で発見されたとのことで,湖内において1年に1枚ずつ形成される薄い膜が45メートルもの厚さでほぼ完全な形で残されており,「世界一正確な年代が分かる堆積物」とも言われているようです。そして,この堆積物により7万年以上前からの気候に関する情報が入手できるとのことで,現在も詳細な分析研究が続けられているようです。〔「人類と気候の10万年史」:中川毅著(講談社ブルーバックス 2017年2月)〕

 

 ただ,我々にとって身近な存在である地球ですが,まだまだ解明されていないことが非常に多いことも事実のようです。以前から地球温暖化に大きな影響を及ぼしているのではないかと言われている二酸化炭素ですが,最近までの10年間に渡って行われていた「深部炭素観測プロジェクト」による調査では,地球に存在する炭素の90%以上が地中にあり,この炭素を取り込んだり排出したりする“炭素循環プロセス”が存在していること,さらには岩石の中には風化作用と岩石中の微生物の作用によって空気中の二酸化炭素を取り込む能力の高いものがあることなどが明らかになっているとのことです。

 

 何れにしても,科学技術の進歩や地道な手掛かりを基にした調査研究により,様々な観点からの取り組みを行うことで,繰り返される災害による被害を何とか食い止めたいものです。時あたかも,先月の28日からエジプトにおいて「2019年世界無線通信会議(WRC-19)」が開催されています。国連の専門機関である国際電気通信連合が2〜5年毎に開催しているもので,各国に関わる無線周波数の取り決めを行う場となるものです。今回は商用サービス開始間近となっている“5G(第五世代移動通信システム)”の他にも“気象衛星”に関する議題などが審議されることとなっています。

 

 より高品質の情報を高速に伝達するためには限られた高い周波数の電波を利用する必要があるため,国際的な取り決めをしっかり行っておくことが極めて重要になってきています。特に衛星については,国境を跨った形での利用となるため,各国間の協調と協力が不可欠です。最近は無線LANの性能が向上していますが,利用する電波の周波数が高くなってきて,気象レーダーとの干渉を回避する対応も必要になっています。ただ,このような動きによって,得られる情報は確実に精度が向上し,鮮明で高品質なものとなってきています。

 

 気象観測で言えば,平成27年7月から運用を開始している最新の“ひまわり8号”は,画像がカラー化された他に,画像の分解能が2倍となり,観測時間も1/3に短縮され,常時2.5分毎に日本近海の観測データを提供できるようになっているとのことです。同じ軌道上には平成28年に打ち上げられた同型機の“ひまわり9号”が待機しており,3年後に運用を交代する予定となっているようです。この観測データについては普段から目にする機会が多くありますが,過去のものと比較して改めて見直ししてみると画像の鮮明さがよく理解できます。

 

 このような経緯もあり気象予報の精度も着実に向上してきているようで,気象庁が毎年公表している台風の進路予想における平均誤差の数値が年々小さくなってきていることが分かります。我々としても,無線技術の発展がこのような形で活かされていることには非常に励まされるところです。しかし,さらなる課題としては,このような成果を如何に効果的な防災対策に結び付けていくかというところではないでしょうか。

 

 20万年とも言われる人類の歴史の中では,様々な気候変動による多大な犠牲を乗り越えて生き延びてきたものと思われます。

 翻って,様々な叡智を蓄えた我々にいま求められているのは,その気候変動を乗り越えてさらに生き延びていくためのより強靭な進化であるのかもしれません。

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生活環境を守り抜くスクラムを!!

 

 10月となりました。

 

 先月9日の明け方に千葉市付近に上陸した台風15号は,関東各地に数々の被害を残して北上していきましたが,特に千葉県内に大きな爪痕を残すこととなりました。今回のケースでは,台風が非常に強い勢力のままで上陸したため,特に風の影響が大きく,関東地方の多くの所で最大瞬間風速30メートルを超えるという状況であったようで,その中でも千葉市においては,最大風速35.9メートル,最大瞬間風速57.5メートルと観測史上最高の値を記録したとのことです。

 

 この猛烈な風の影響により,千葉県内では送電鉄塔が倒壊したり,倒れ掛かった樹木が送電線を切断し,大規模な停電が続いていましたが,先月下旬ころからようやく復旧が進んでいるようです。台風通過から三週間以上経過したことを考えると,被災された方々のご苦労はたいへんなものと思われますが,未だに停電が続いている地域もあるようで,また,多くの家屋で屋根などにも大きな被害を受けているとのことで,一刻も早く平穏な日常生活に戻れることを願うばかりです。

 

 普段何気なく使っている電気ですが,いざそれが使用できない状態となると,その不自由さは非常に大きなもので,我々自身も東日本大震災において一週間程度の停電を経験しているはずですが,いつの間にかその想いを忘れかけている意識に改めて気づかされ,不自由のない日常生活の有難味を思い知らされるところです。また同時に,普段山間部を通った際に,奥深い山の上に建てられた鉄塔をつないで張り巡らされている送電線をよく見かけますが,このような設備を建設し,保守を行っている方々のご苦労も改めて実感させられます。

 

 一方,今回のような極めて強烈な風や雨を伴う台風の発生や,局地的に大量の雨をもたらすゲリラ豪雨などを目の当たりにする機会が多くなったことで,地球規模での環境問題との関連が気になるところでもあります。折しも,ブラジルでのアマゾン森林火災や,サウジアラビアでの石油施設爆破など不穏な出来事が発生している状況の中で,国連においては気候変動に関するサミットも開催されるなど,国際的な議論の方向性が注目されるところです。ただ,環境問題に関しては,人口増加や経済発展などのそれぞれの地域における多様な事情に関わる部分も大きく,なかなか一筋縄では行かない状況が続いています。

 

 そのような中で我が国においては,古くから治山治水などの国土を守る取り組みを行ってきた実績があることも事実です。遡れば,「信玄堤」に代表されるように戦国時代から取り組みが行われており,開田と合わせて治水事業に力が入れられ,江戸時代には,洪水を防ぐための水路整備なども行われたとのことです。また,治山という面では,江戸時代初期までに進んだ森林資源の伐採による各地でのはげ山の出現を受けて,その後は幕府や諸藩による植樹・植林が積極的に進められた経緯があるようです。そして,戦後になっての針葉樹を中心とした人工林への転換政策により,あちこちに見受けられる杉林の出現に至っています。

 

 我が国の地形や気象条件によってもたらされる洪水などの自然災害の防止という観点での対応という側面もありますが,権力者や政府のみならず在野の篤志家も率先して取り組んできている経緯を見ると,国土を守るという意識の強さが窺い知れるように思います。ただ,今回の千葉県内における停電被害の原因として,送電線を取り囲む森林における管理上の問題に起因した事例を指摘する向きもあり,改めてこれからの取り組み方を考え直す機会とも言えます。

 

 何れにしても,これからの将来世代のためにも,我々が生活する環境を守り抜くための取り組みについては,一人一人がそれぞれの立場で意識していくことが必要であることは確かです。その上で,国土保全という我が国における古くからの取り組み経緯を踏まえて,自然環境に留まらず,それぞれの普段の生活や職務においても“持続可能な日常環境”を維持していく意識や取り組みが重要になってきているように思います。我々が安心して日常生活を送ることができるためには,それぞれが社会を支えるスクラムの一員として力を合わせていくことが必要なのです。

 

 折しも,先月の20日に開幕したラグビーワールドカップはたいへんな盛り上がりを見せています。日本チームの活躍も勿論すごいことですが,一人一人が体を張って礎を作りながらゴールに向かって前進していく姿は,我々がともすれば忘れがちになる大切な意識を思い起こさせてくれるようです。

 

 限られた生活空間の中で共に“持続可能な日常環境”を維持していくために,“One for all,All for one”の精神を今こそ思い起こすべき時ではないでしょうか。

 

 そして,ここしばらくの間は,“がんばれ!ブレイブブロッサムズ!”です。

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地域の守り手意識の再構築を!!

 

 9月となりました。

 

 当地では,先月下旬辺りから暑さも少し和らぐようになってきましたが,その一方で西日本では九州地方を中心にして雨が降り続いています。この間,長崎県では24時間降水量が400ミリを超えたところがある他に,先月末には佐賀県にて1時間降水量が110ミリという地域もあったようです。この影響で河川の氾濫が発生し,避難を余儀なくされた方々や病院などの施設が孤立するというような事態も生じています。さらには,工場などが操業停止に追い込まれたりと被害はたいへん大きなものとなっています。

 

 ほとんどが急勾配河川という地形的な状況の中で,台風の通り道でもあることから降水量も多いという国土的な特徴により,これまで数多くの被害を経験したことも踏まえて様々な治水対策が進められてきてはいますが,自然の猛威は想定がなかなか難しいという状況です。とは言え,東日本大震災を始めとした数多くの経験を踏まえた動きは着々と進められており,内閣府を中心とした災害情報の収集・集約,並びに救援・救助の動きに関する統制などは極めて迅速に行われているようで,我々もその状況をネット等によりつぶさに確認することができるようになってきたことは,非常に心強く感じます。

 

 しかし,季節的にも毎年繰り返されている台風や集中豪雨の襲来において,尊い人命が失われるというような被害は度々発生してきており,そのたびごとに非常に痛ましい想いを感じざるを得ない状況と言えます。平成27年9月に発生した関東・東北豪雨においては,茨城県内の鬼怒川において発生した堤防の決壊により,濁流の中に取り残された住宅からヘリコプターによって救出される住民の方々の映像が記憶に新しいところです。被害の中心となった常総市においては検証委員会によりこの間の対応に関する報告書が取り纏められていますが,それによればヘリコプターによる救助人数は1,399人に上ったとのことです。ただ,その一方で,死傷者40人以上,全半壊家屋5,000棟以上という甚大な被害を受けるに至りました。

 

 この検証委員会報告書においては,関係の方々からの話も踏まえて現場での動きが詳細に取り纏められており,災害発生時における対応の難しさや日頃からの防災対策の課題などが克明に整理されています。一方,この被害の状況を受けて国もこれまでの考え方を見直す形で『水防災意識社会 再構築ビジョン』なるものを打ち出し,「施設能力を上回る事象が発生する中で,住民の“水災害の知識・認識を高め,主体的な行動に結び付けるためのソフト対策”と,住民の“避難の支援や,被害を未然に防ぐハード対策”が一体となった,人命を守る取り組みが必要」との観点に立ち,これまで中心となっていた施設整備による対策だけでは防ぎきれないとの認識を前提としたトータル的な対応を進める考え方を打ち出しています。

 

 気候変動等による豪雨の増加が懸念されている状況の中で,河川の氾濫や土砂の流出防止などのハード的な対策を着実に進めることは重要であるものの,人知を超えた自然の猛威を相手にしたものであるからには,想定外の事態が発生することに対しても備えておくことは誠に理にかなったものとも言えます。これに関しては,“危機管理型ハード対策”ということで,例えば,想定以上の河川水位となった場合でも堤防決壊までの時間を引き延ばす構造を工夫するなどの対策も打ち出されていますが,これと合わせて,我々一人一人が住民としての取るべき対策を意識していくことも勿論必要となり,その観点からの提言・施策も盛り込まれています。

 

 我々の日常生活の基盤である地域社会を守るために,かけがえのない国土を安全・安心に暮らせるものに形作っていくことが,次の世代のためにも極めて重要なものであるとの認識を改めて強くするところです。その意味で,我々も日々建設業としての業務を行っておりますが,我が国の国土づくりを担う“地域の守り手”としての役割を今一度考えてみることが必要なようです。

 

 この建設業については,どちらかというと3K職場というようなイメージがあり,実際の現場においては,急速な高齢化と共に若者離れが進んでいると言われています。時あたかも働き方改革が叫ばれている状況の中で,これからの“地域の守り手”をどのように確保していくかということが喫緊の課題となっています。この6月には『新・担い手3法』が国会で成立していますが,具体的にどのような施策を推進していくかが問題となるところと言えます。

 

 現状における世の中の働き方改革の流れで言えば,残業時間の規制や休日の確保などがクローズアップされることになるかもしれませんが,その前提としてこれを実現させるための“業務効率向上”や“リスクマネジメント”さらには“技術革新”などへの取り組みに対する動機付けをどのように図っていくかというところが極めて重要なポイントのように思います。

 

 様々な形で我々の社会的基盤を支える建設業の位置づけから考えれば,それぞれの職域での仕上がりの良し悪しが地域社会で暮らす人々の日常生活に大きく影響することとなることから,その役割の重要性を意識した上で意欲をもって取り組める若者をどのように呼び込むことができるのかがこれから正に問われるところと言えます。

 

 その意味で,先ずは我々自身が“地域の守り手”としての意識を再構築して,“ニュータイプの時代”と言われる新たな価値観の中での“地域社会での働きがい”を具体的に示していくことが求められているのではないでしょうか。

 

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持続可能な地域社会の実現を!!

 

8月となりました。

 

 関東地方では,6月初めに梅雨入りしてから曇り空が多くなり日照時間が極端に短くなっていましたが,先月末にようやく梅雨明けとなりました。この間,記録的な“梅雨寒”ということで,農作物の生育にもいろいろな影響が出ているようです。また,この天候不順によるものか,民家の近くに害獣が出没し,身近なところでも被害が発生しています。生きとし生けるものは自然現象に翻弄される運命というところでしょうか。そして,梅雨明けしてからは一転して猛暑への対処が急務のようです。

 

 そのような中で,先月25日には,直径約130メートルの小惑星が地球の近くを通過していたことが判明したとのニュースが駆け巡りました。地球と月の間の距離の5分の1ほどである約7万キロメートル離れた場所を,時速8万6千キロメートルで通過したとのことです。この動向については,通過前日の24日になって初めて確認されたとのことで,結果として気付かなくてよかったとも言えますが,我々が身を置いている環境の実態というものを改めて考えさせられる機会となりました。さらに,この報道の過程で,同じような距離を通過した小惑星が今年に入ってから6個あったということが明らかとなってもいます。

 

 かつて,“アポフィス”という小惑星が地球に衝突するのではないかと懸念されたことがあり,直径300メートルの惑星が,2029年に地球から約3万キロメートル離れた場所を一旦通過し,軌道を周回した後の2036年には地球にまともに向かってくるとのことでした。幸いにもこの時にはNASAによるその後の厳密な解析により,その危険性は回避されたとの発表があり,胸を撫で下ろしたものでした。今のところ,この見通しに変化はないようですが,我々が注目しておくべき範囲は宇宙規模でも必要なようです。

 

 そのような中で,最近は国境の枠組みを超えた国際的な視点での問題認識について取り上げられることが多くなってきました。考えてみれば,海外との交流が盛んとなっている現代社会においては自然な流れのようにも感じます。我が国において発生した地震によって国内の工場が被害を受けたことで,アメリカやヨーロッパでの自動車の生産が止まってしまうという事態となったり,最近では太平洋海域での外国漁船による操業が活発化したことで,うなぎなどの漁獲量への影響が心配されたりもしている状況となっています。正に,地球規模の問題解決が必要な時代となってきました。

 

 このような状況からか,国連においては“持続可能な開発目標(SDGs)”が掲げられており,2030年に向けた具体的な行動指針が示されています。これは,貧困に終止符を打ち,地球を保護し,全ての人が平和と豊かさを享受できるようにすることを目指す普遍的な行動を呼びかけるもので,そこに示された17の目標の中には,「飢餓に終止符を打ち,食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに,持続可能な農業を推進する」,「あらゆる年齢の全ての人の健康的な生活を確保し,福祉を推進する」,「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し,持続可能な形で利用する」などが示されています。

 

 地球という限られた空間の中で共存していくこと,しかもこれを持続的に発展させていくことを真剣に考え行動していくことが必要な状況ということです。人類が辿ってきた狩猟社会から農耕社会へ,そして工業社会を経由して情報社会となった現代社会が次に目指すべき社会“Society5.0”の実現をどのように推進していくのかということが大きな課題となっているのです。既に,各国政府や個々の企業においても取り組みが始められています。

 

 これに関しては,情報通信技術(ICT)の活用という観点からも議論が進められてきており,この5月末には,総務省により報告書(デジタル変革時代のICTグローバル戦略懇談会)という形で公表されております。そこでは,情報通信技術によってSDGsを始めとした様々な社会的課題解決ができる社会の実現を目指すことが明記されており,「データ流通戦略」,「AI/IoT利活用戦略」,「サイバーセキュリティ戦略」,「ICT海外展開戦略」,「オープンイノベーション戦略」の6項目が策定されています。

 

 地球規模での問題解決を図るためにも,より大きな視点での取り組みの中で,日々進化を遂げている情報通信技術を活用していくことは,ある意味では理にかなったものであるものと考えられます。特に,最近の企業活動を見た場合,市場やサプライ・チェーンと呼ばれる物流においても,国境を越えた国際的な枠組みが当たり前のようになっていることから考えても,情報通信技術は極めて効果的役割を果たせるものと期待されるところです。

 

 しかし,その一方で我々が日常的に活動を行っている地域社会からの視点で考えた場合,少し異なった観点からのアプローチが必要になってきているように思います。国際的に活動する企業により技術やシステムが共通化され,それが地球規模で普及していくことで,それぞれの地域における格差は効果的に解消することができることは確かであり,その意味で過酷な問題に直面している地域では極めて有効と思われます。

 

 ただ,我が国のような社会的基盤がある程度確立されている地域において,この先の持続的発展を考えた場合には,それぞれの地域の実情やそこに暮らす人々の意識に適合した固有の取り組みこそ必要であり,近年の情報通信技術の発展はそれを可能とするような多様な進化を遂げてきています。先の報告書の中では,小規模事業者における情報通信技術への適応力について課題として捉えられていますが,画一的な大企業主導の国際的な動向を追いかけることが地域の発展において好ましいとの考え方についても慎重に見極めることが必要なようにも思います。

 

 何れにしろ,我々が活かされているこの環境について,それぞれの立場で持続的に発展させていく取り組みを主体的に目指すべき時代となったことは確かなようです。

 

 先ほどのSDGsの17目標の中に掲げられた一つである「住み続けられるまちづくりを」ということについて,我々なりの立場で真正面から突き詰めていくことが求められているのではないでしょうか。

 

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いま見直すべきISOの精神!!


 7月となりました。

 

 遅れていた近畿地方などの梅雨入りが発表され,いよいよ湿気に悩まされる季節が巡ってきました。関東地方などに遅れること20日程度ということで,1951年の統計開始以来では最も遅い記録とのことです。そのような中で,大阪では各国の首脳が集うG20サミットが開催されましたが,雨の影響もあって警備を始めとした会議運営に関わった方々のご苦労はたいへんなものであったようです。我が国における季節の移り変わりには欠かせない独特な気候の時期とは言え,限られた時間でのスケジュールをこなさなければならない要人の方々においては,“五月雨”の風情はどのように感じられたのでしょうか。

 

 世界のGDPの8割以上に相当する国のトップが集まる会議とのことで,目に見えないところでも様々な思惑が錯綜する中での駆け引きが繰り広げられていたことと思います。各国間における利害調整においても,それぞれの歴史的な経緯や,政治的な対立など,その背景にある要因による影響を考慮した対応が必要となり,なかなか一筋縄では行かない場面も多かったのではないでしょうか。ただ,経済問題に限らず様々な分野で国際間の合意形成を行わなければ物事が決められない状況となってきており,正に“グローバル化”の時代は急速に深まっているようです。

 

 このG20サミットが終了して間を置かずに,4日には参議院議員選挙の公示が行われ,21日の投票日へ向けた選挙戦が始まることとなります。先日終了した通常国会では,いわゆる“年金2000万円問題”が大きな取り上げられ方をされていましたが,この先どのような論戦が繰り広げられるのでしょうか。様々な問題が山積する中で,真に重要な案件について本質的な観点での議論を深めてもらいたいものです。何れにしても,複雑化していく国際情勢の中で,将来へ向けた我が国の進路を明確にしていくことが求められていることは確かなようです。

 

 今回の年金問題に対しては様々な議論が巻き起こされていますが,そこには個々人の将来にわたる見通しに関わる話が前提となってくることから,突き詰めて考えてみると,単純には結論が出せない部分もあるようです。そもそも,人生100年時代とは言いながらどの程度の期間の老後となるのか,その時には果たして健康体で過ごせているのか,はたまた家族の生活状況はどう変化しているのか,などなど思いを巡らす範囲は広がっていくばかりです。ここは,今回の議論をきっかけにして,自らの将来へ向けた進路についても明確にしていくことが必要なようです。

 そのようなことを考えていく中で,一つヒントになりそうなものを思い出しました。

 

 品質マネジメントシステムに関する国際認証規格であるISO9001について,昨年から2015年版への完全移行が実施されています。ISOは国際標準化機構の略称で,かつては写真フィルムのパッケージに表示されているISO感度などで馴染みがありましたが,国際的に適用する規格を制定する役割を果たしており,その中のISO9001は品質にかかわる事項に関する規格となります。

 

 企業を始めとした各組織においては,自らの業務における信頼性を高めるためにも,ISO規格の認証取得に対して積極的な取り組みが求められてきてもいましたが,従来はともすれば文書作成に振り回されるきらいがあり,熱意が薄れてきているようにも感じられていました。しかし,従前の2008年版から改定が行われた2015年版においては大きな変更が盛り込まれています。形式的な認証取得のための取り組みではなく,本来業務に効果を発揮するための規格という意識が強く打ち出されたものになっているのです。

 

 その中の一つとして,変化の激しい経営環境を意識して,『組織は外部及び内部の課題に関する情報を監視し,レビューしなければならない』とされ,さらには,『外部の状況の理解は,国際,国内,地方又は地域を問わず,法令,技術,競争,市場,文化,社会及び経済の環境から生じる課題を検討することによって容易になり得る。』(規格4.1:組織及びその状況の理解)ということがいの一番に記述されています。これは正に今の時代においては,自らの行く末を考える上で,取り巻く状況を先ずはよく見極めることが重要ということのようです。

 

 さらに,今回の改定では“リスクに基づく考え方の強化”ということも打ち出されており,『リスク及び機会への取り組みは,“製品及びサービスの適合”への“潜在的な影響”と見合ったものでなければならない』とされ,『リスクへの取り組みの選択肢には,リスクを回避すること,ある機会を追求するためにそのリスクを取ること,リスク源を除去すること,起こりやすさ若しくは結果を変えること,リスクを共有すること,又は情報に基づいた意思決定によってリスクを保有することが含まれる。』(規格6.1:リスク及び機会への取組み)と明記されています。

 

 これは,“製品及びサービスの適合”を【生活の質(Quality of Life)の追求】という言葉に置き換えれば,正に我々の日常生活においても重要な示唆を与えてくれているように思います。そのような観点から,改めて規格の内容を読み返してみると,他にも様々な気づきを与えてくれるものとなっています。その意味でも,このような規格を国際的な議論の場で取り決めることができたことに驚かされますが,別の見方をすれば,技術やビジネスの世界においては明確な方向性が確固たる形で既に共有化できているということでもあるかもしれません。

 

 今年は,無線に関する国際的な議論の場として2〜5年毎に開催されている世界無線通信会議(WRC-19)が10月からエジプトにて開催されることとなっています。無線技術の活用範囲が急速に広がっている状況において,限られた無線周波数の割り当てに関する議論が活発に行われることになるものと思います。

 

 日ごとに動きを速くしている方向性の中で,我々自身がどのような将来へ向けた進路を目指していくのか,ISO規格と共にじっくり考えるべき時のようです。

 

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美しい調和を実現できる技術とは!!

 

 6月となりました。

 

 お代替わりから一か月が過ぎて,令和という元号にも徐々に慣れてきたように感じます。歴史の重みを感じると共に祝意溢れる雰囲気の中で幕を開けた新しい時代ですが,早くも10月に予定されている即位の礼に関する話題も取りざたされており,まだまだこの雰囲気は続くようです。そのような中で国内ではたいへん痛ましい事故や事件が起きていますが,安心して日常生活を送れるような社会を何とか実現して,誰でもが将来に対する希望を持てる“美しい調和”の時代としていきたいものです。

 

 一方,海外に目を転じてみてもあちこちで波乱の状況が続いています。移民の問題や貿易戦争などかなり際どい所に追い込まれているようにも見えますが,この先どうなるのでしょうか。特に移民問題に関しては,過去の植民地政策などの歴史的な経緯が絡んでいる事情もあるようで,なかなか一筋縄では解決できないようにも感じられます。「健康で文化的な最低限度の生活」を営みたいとの想いは誰でも持つ願いではありますが,それを実現していくための道筋には多くの課題があるようです。

 

 我々がかつて親の世代から聞かされていたのは,戦争で国土が焦土と化した中で,肉親を亡くし家を失い食べるものもない中で復興を果たしてきた苦労についてでしたが,今になって考えてみると,全く何もなくなってしまった中で雨露をしのぎ,飢えとの戦いをしながら瓦礫を片付け,田畑を蘇らせ,産業を復興していったという事実は驚異というほかはないように思います。島国であるということで他に行き場がないという制約もありますが,そこには長い歴史に育まれた国民性もあるのではないでしょうか。

 

 かつてであれば,実際に自分の目で確認できるもの以外には情報を仕入れることができない状況でしたが,今となってはインターネットを始めとしたメディアの発達や,携帯電話の普及によるコミュニケーションエリアの拡大により,はるか異国の地における情報を容易に入手することができるようになったことで,移民の動きを後押ししている面もあるのでしょうか。社会基盤としてのインフラ整備がなかなか進まない地域が多い中で,情報伝達の面ではグローバル化がいち早く成し遂げられたことによる好まざる結果という見方もできますが,当人達にとっては正に命がけの行為であり,それを考えると誠に憂鬱な気持ちになってしまいます。

 

 いかなる事情があるにしても,自分たちが生まれ育った地域を離れるという決断は誰にとってもつらいものであり,どうにかしてそこにとどまって生活できる環境を作ることができないものなのかとついつい考えてしまいます。自然環境に伴う問題であれば,我が国が得意としてきた植林技術や作物の品種改良,さらには海水の淡水化や汚水の浄化技術もあります。最近はこれらの取り組みに対する財源的な支援としてクラウドファンディングも活用できるようになってきました。

 

 いずれにしても,今まさに表面化してきている社会不安の一つの要因として情報伝達などの技術革新の流れが影響しているとすれば,利便性の追求に基づくコマーシャルベースの側面だけで技術の進展を捉えることには問題があるように思います。最近取りざたされている“GAFA”と称される巨大IT企業が,グローバル市場を舞台とした競争を繰り広げる中で,社会全体の変革をも引き起こすような動きとなっていますが,一方で,社会を安定化させるような“美しい調和”の実現に向けた取り組みの推進についても強く求められてきているように感じます。

 

 特に,ここ最近は“5G”への期待感も大きくなっており,これについての世界的な覇権争いの話題もますます喧しい状況となっています。実際のサービス利用が可能な状況となりつつある中で,この技術を活用した日常生活における大きな変革についても,あちこちで夢物語のようにPRされてきています。“5G”の技術をベースとして“IoT”や“AI”がフルに活用される社会も勿論ありがたいことではありますが,世界全体の安定化へ向けた取り組みにおいても是非その実力を発揮して欲しいものです。

 

 幸いなことに,これらの技術は我々にとっても身近に直接触れることが容易な状況となってきています。この先どのような活用を図っていくかということに関しては,我々自身の知恵と努力の発揮の仕方次第と言えます。長い歴史の中で培ってきた“和をもって貴しとなす”との精神を引き継ぎ,日の当たらないような領域での技にこだわる“職人気質”が未だに息づいている我が国において,これからの技術開発を先導する方向性が明らかになってきたのではないでしょうか。

 

 我々が目指している“Sciety5.0”超スマート社会は,「人間中心の課題解決型社会」とも言われています。新たな時代のページが開かれたこの時期に合わせて,改めて歴史の重みを感じながら将来を見通すことが求められているようです。

 

『科学技術が進むことは結構だが,それが人間の物質・精神生活にどう影響しているのか。 心の満足を考えずに,科学だけがどんどん進んでしまっていいのかどうか。忘れていることはないかだよ。』

『ぼくは60年ぐらい仕事にタッチしてきたが,どの時代でも不安のないときはないね。逆 にいえば,それで変わっていくし,進歩もある。これで安心ということはいつの時代にもないし,それを乗り越えていくところに,われわれの努力のしがいがある。』

  〔「日々に新た」:土光敏夫著(PHP研究所 1995年5月)〕

 

 

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輝く令和時代の幕開けを迎えて!!

 

 5月となりました。

 

 新たな時代が始まりました。この季節は冷え込みもようやく緩み,色とりどりの草花が輝きを増して生命の息吹を感じられるようになる時期ですが,今年は例年以上に心新たな気持ちで迎える月初めとなりました。ちょうど一か月前に行われた新元号の発表から,何となく心穏やかならざる思いで過ごしてきたようにも感じます。同時に,「譲位」という202年ぶりの形式で行われるお代替わりに立ち会えることの有難みを強く意識するところでもあります。

 

 この間,終わりゆく“平成”という時代の出来事が連日のように振り返られていました。我々の世代にとっては,社会人となり最も活動的になれた30年間であったように思います。改めて振り返ってみると,その時々の社会情勢や時代の変革に翻弄された面もありますが,その一つ一つの経験が大きな糧となり蓄積されて今日があることを率直に感じるところです。その意味では我々自身にとっても掛け替えのない歳月であったと言えます。

 

 この30年という平成の時代は,歴代の元号の中では昭和,明治,応永に次いで第四番目の長さになるとのことですが,ある意味では時代の区切りとしての因縁を感じるところでもあります。かつて我々が就職する頃までは,産業の盛衰が30年で切り替わっていくようにも言われていた時代がありました。一方で,労働者の定年年齢は55歳というのが一般的であり,実質的に労働生産に関われる期間は概ね30年ということから,この年数が一つの節目と考えられていました。

 

 産業の盛衰ということでは,我々が子供の頃に近くにあった石油掘削会社の社宅を目にして,文化的な住宅環境というものを初めて感じたことを今でも強く覚えています。しかし,それから月日が流れて,今では取り残されたように動き続ける無人の採掘ポンプだけが面影を残すのみとなっています。その後,社会人となって就職した当初は,仕事で訪れる先の企業城下町と呼ばれる地域の活気に圧倒されたものですが,こちらも往時をしのぶことは難しい状況となっています。

 

 自分自身のことを考えても,就職の際にはこの30年という期間を意識して職業人としての働き場所を考えあぐねていたことが懐かしく思い出されます。現在既にその年数を経過したことになりますが,振り返ってみると自分が想像していた以上に実際の世の中の変化の方が速かったようにも感じられます。この間,職業を通して少しでも社会に貢献できるようにと思ってきましたが,結局は,自分自身が考えさせられ,気づかされたことの方が多かったというところです。

 

 “ドッグイヤー”や“秒進分歩”と言われる現代社会ですので,これからますます変化のスピードは加速していくのではないでしょうか。しかし,このように移り変わっていくものがある一方で,脈々と生き続けているものもあることが見えてきたようにも思います。どのような環境や状況となっても,基本的に大事なこととして守っていくべきものがあることを年と共に強く感じるようになってきたようです。それはある意味では時代を超越した“知恵”というようなもののようにも思います。このような“歴史的なつながり”ということを最近強く意識するようになってきたのは寄る年波のせいなのでしょうか。

 

 技術革新が進み“5G”や“Society5.0”などの新時代への切り替わりが話題となっていますが,今から約150年前の明治4年に海外と日本を結ぶ海底通信ケーブルが敷設されていたことを最近知り,ますますその意識が強くなりました。当時は,太平洋を横断するルートはなく,長崎と上海間を経由した形で,サンフランシスコに到着した岩倉使節団からの電報が,米国大陸から大西洋の海底を通ってヨーロッパ大陸に渡り,ユーラシア大陸から長崎までの全行程わずか1日で到着したとのことです。〔「通信の世紀」:大野哲弥著(新潮選書 2018年11月)〕

 

 一方で,通信ケーブルの敷設に関しては,これを支配することが情報を統制することにもつながるため,開国間もない状況の中での国益を考えての各国との交渉は困難を極めたようですが,限られた周波数帯を割り当てて利用する無線通信も同様であり,このような取り組みの流れの延長線上に現在の我々の生活や業務があることを改めて知ることができ,かつてあったブームの時以上に幕末明治維新が身近に感じられたように思います。

 

 いずれにしても,悠久の歴史の中で新たな時代への切り替わりを迎えた我々は,これから先の世代に残すべきもの,伝えるべきものを改めて考えるよい機会と捉えることが重要であるように思います。

 

 時を合わせるように,我が家の八重桜が今まさに満開となっています。新しい令和の時代がいよいよ始まりました。

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時代を超えた向上を目指して!!

 

 4月となりました。

 

 年度の切り替わり時期を待っていたかのように先月下旬から桜前線が北上を開始しています。長崎を皮切りにして各地から続々と開花宣言が発表され,今では関東を通過して北陸地方まで到達しているようです。本州としては東京地方でいち早く満開となりました。今年は真冬の気温があまり下がらなかったことから,見ごろの期間が短いとの見方があるようですが,いずれにしろ,この時期は限られた時間の中で如何に桜を愛でることができるのかに気を揉むところでもあります。『花の色はうつりにけりな…』という心持ちは古から変わっていないようです。

 

 この季節は期待に胸を膨らませて新たな門出を迎える方々も多くおられると思いますが,一方で,先月にはメジャーリーガーとして来日していたイチロー選手の引退が発表され,これまでの様々な活躍が連日クローズアップされています。先日も“3000安打の軌跡”ということでテレビ番組が流れていましたが,次々と映し出される打撃や走塁やレーザービームはその一つ一つが心躍るような爽快感を与えてくれるものでした。さらに,画面に表示されていた安打数のカウントによって,3000という数字の積み重ねが如何に偉大なものであるかを改めて認識させられました。

 

 イチロー選手というとかつて小学生時代に書いた作文が話題になりました。また,高校生の時には幽霊騒動もあったようです。何れにしても人知れず練習に励んだ努力の人ということは確かなようです。小学生時代から365日のうち360日を激しい練習に費やしていたということですので,我々にはなかなか想像できないような話です。引退というと,かつてミスタージャイアンツと呼ばれた長嶋の引退試合が思い浮かびますが,その後に新聞紙上で自身が書いていた記事により,学生時代の極めて厳しい練習の状況を知ることとなり,それまでのイメージが変わったことも強く覚えています。

 

 やはり優れた実力を発揮できる背景には,人知れない努力が欠かせないということのようです。当然,生まれながらの素質ということも関わってくるのは確かですが,それを磨き上げてさらに高めていくことができるかどうかは,ひとえにその後の努力に依るところが大きいことは当然と言えばその通りです。ただ,どの程度それに打ち込めるかについては,なかなか難しい問題があり,我々としてはその点が忸怩たる想いのするところでもあります。

 

 尤も,これらの優れたヒーローが示してくれた考え方や取り組み方の中には,我々も参考にすることができるような教訓が隠されているように感じます。イチローと言えば,以前から毎日食べるカレーがよく知られていたように,ルーティーンと呼ばれるような規則正しい生活パターンが有名でした。先日の記者会見では試合前に食べるおにぎりの話も注目を集めていました。これは練習においても徹底されているようで,誰よりも早く来て自分のメニューをこなしていくということを決して変えずに行っていたようです。ここ数年は控え選手となることが多かったものの,練習の仕方はレギュラー時代と変わらなかったと言います。

 

 そこには,どんな状況においても,またどのような場面で起用されても,期待されている働きを確実に果たすという“プロとしての意識”と,それを実現させるための“備えを怠らない”という強い意志が示されているように感じます。さらには,日常の生活を安定させることで“体調を常に万全にしておく”という意味合いもあるように思います。得てしてバイオリズムなどと言って安定化していない結果を受け入れてしまっている考え方とは全く異なる姿勢と言えます。

 

 確かにここには非常に重要なポイントが隠されており,我々が日常的に行っている業務においても,“平常”をどれくらい安定させておけるかによって“異常”を検知できる変化の幅が左右されることはたいへん理解できるところです。言ってみれば,普段から行動にムラが大きい場合には,その成果も安定せず,さらには周囲の異変に気付くタイミングも遅れてしまうという残念な結果になってしまうということのようです。

 

 かつてサーカスなどで見ていた玉乗りで言えば,熟練者の場合には玉の上で平然と立っているように見えますが,実は微小な変化を感じ取って,微妙な範囲で常に調整をしているという状況に通じるもののように思います。ところが初心者ではそうはいかず,大きく体制が崩れてから調整しようとするため,その時にはもう手遅れという状況になってしまいます。

 

 一方,先日の引退発表時におけるイチロー選手の会見を振り返ると別の観点からの意味合いも感じ取れます。それは,安定化させることにこだわっているのは自分の限界であって,それを超えることを繰り返すことを常に心がけているという姿勢のようです。「自分の限界を見ながら,ちょっと超えていくということを繰り返す」という言葉には,“自分自身を冷静に見つめて”その上で“着実な向上”を目指すという意識が感じられます。

 

 平成に代わる元号が決まり新たな時代の幕開けとなりました。通信の分野においても,革新的と言われる第5世代移動通信システム(5G)についての事業者への周波数割り当てが4月10日に決定されます。いよいよサービス開始へ向けた具体的な動きが始まることとなります。

 

 長い歴史を経て発達してきた通信技術が,前世代(4G)で世界統一化が成し遂げられ,正に“New Radio”として新たな時代に展開されていきます。

 

 時の流れは確実に進んでいきますが,時代を超えて着実な向上を図っていくために,ここは自分自身を冷静に見つめていく必要があるようです。

 

 

 

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果てしなく続く探究の旅路!!

 

 2019年(平成31年)も3月となりました。

 

 季節の移り変わりは確実に進んでいるようです。先月の終り頃からなんとなく春めいた様子が窺えるようになってきました。そう言えば,この冬は昨年のような豪雪に関するニュースも少なかったように思います。例年発表される桜の開花予想でも,全国的に平年より開花日が早いようですので,いよいよ“春間近”というところでしょうか。一方,当地では既に水不足が心配されているようで,過去にも河川からの取水制限がこの時期から始まっていた年があったとのことで,自然現象に一喜一憂させられる我々の日常生活というところでしょうか。

 

 そのような中で,先月には「はやぶさ2」が大きな悦びをもたらしてくれました。地球から約3億キロメートル離れた小惑星「りゅうぐう」に無事着陸し,予定の任務を果たすことができたというニュースが伝わりました。当初の想定に反して岩だらけの地表であることが判明したため,着陸予定箇所が半径わずか3メートルの狭い範囲内に限られるという困難を乗り越えた画期的な成果となりました。しかも,地球との間での無線通信のやり取りに片道約20分を要するため,この時間のずれを克服しての遠隔制御を実現した快挙と言えるものです。

 

 今回のミッションにおいてはインターネットによる映像配信も随時行われており,はるか3億キロメートルの距離を感じさせない身近さで臨場感あふれる場面を目撃できることとなり,科学技術の進歩を改めて認識させられたと言えます。正にこの時期に映画「ファースト・マン」で描かれているアームストロング船長が活躍した「アポロ11号」の時代とは隔世の感というところでしょうか。当時,空を見上げては『極めて高性能な望遠鏡で空を眺めると自分の後姿が見える』という話をひたすら信じていた頃が懐かしく思い出されます。

 

 最近不本意ながら年齢を重ねてきたことを実感する機会が徐々に増えてきましたが,当時において“宇宙の謎”と言われていた事柄が次々と解明されていく現実を見るにつけて,月日の流れを決定的に強く感じざるを得ない状況です。かつて物質の最小単位は原子ということになっていましたが,実はその原子もさらに細分化できることが明らかとなり,その後ノーベル賞受賞の話題も重なったことから,今や“素粒子”という存在も一般に広く知られるようになっているようです。

 

 このようなミクロの世界に関する探究はさらに深化を続けており,我々が日常的に生活している三次元空間の中に極めて微細な六次元空間が隠れているというような研究成果も明らかとなってきているようで,かつての四次元空間を移動するタイムマシーンが出てくるようなSF的な物語とは大分趣が異なった学術的でかつ現実的な話になっているようです。

 

 一方で,スケールの大きな話としては,138億年前という宇宙誕生時の急膨張“インフレーション”理論が注目されるようになっており,さらには我々が存在する宇宙の他にも無数の宇宙が存在するという“マルチバース宇宙論”も提唱されるようになってきています。これからどのような事実が明らかとなっていくのかということを考えると,かつて抱いていた心躍る想いが蘇ってくるようでもあります。

 

 今回の“はやぶさ2”ミッションにおいては,太陽系の成り立ちや生命の起源についての新たな発見が期待されているということで,今後に予定されている残りの作業も無事に完遂できることを願うばかりですが,順調に事が進めば来年末に予定されている地球帰還への期待がますます高まっていくのではないでしょうか。前回の“はやぶさ”における様々な経験を活かしながら,限られた予算の中で所期の目的達成にために努力されているプロジェクトメンバーの姿は,我々にとっても非常な励みとなるばかりでなく,大きな教訓も与えてくれているように感じます。

 

 遥か遠方の彼方に解き放った人工衛星上の機器に対して遠隔にて操作を行いながら,無線による相互交信に要する時間を考慮した上で,尚且つ未知の現地状況を逐一把握して適切な対処を行うという幾重にも設定された制約条件の中で,対処不可能な事態が発生した場合にはその時点で諦めざるを得ない正に一発勝負の厳しいミッションにおいて重要なポイントとはどのようなものなのでしょうか。

 

 当然,事前のシミュレーションに基づく“綿密な計画作り”は必要であり,想定外と思われる事態にも対応できる“リスク管理”も欠かすことはできないと思います。それに加えて,刻々と変化する状況を“冷静に見極め”,その上で“適切に対処”を行うというところでしょうか。さらに,そもそもこのプロジェクトに関わる数多くの方々の“統制が取れた有機的なチームワーク”も忘れてはならないようにも思います。しかし,根本的に最も大きな後ろ盾となったのは,未知なるものを解明したいという我々が本来持っている探究心にあるのかもしれません。

 

 人類が営々と抱き続けてきた“宇宙の成り立ち”や“生命の起源”に対する探究心はとどまるところを知らないようです。これに触発されて我々自身も“プロとしての技”をさらに高めていきたいものです。

 

 このブログも毎月更新しながら丸10年を迎えることとなりました。振り返ってみればこれまで辿ってきた道筋には感慨深いものもありますが,まだまだ前を見据えて先へ進むことが必要なようです。

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