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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
熱きオープンイノベーションの戦い!!

 

 7月となりました。

 

 早いもので,今年も折り返し点を過ぎたこととなります。季節的には梅雨の時期のはずでしたが,ここ数日は夏日や真夏日が続いており,関東地方では観測史上最も早く6月中に梅雨明けとなりました。気候の影響もありますが,ロシアで繰り広げられているワールドカップサッカーの熱戦も気になるところであり,なかなか寝付けない夜が続いています。もっとも,戦っている選手たちは猛暑日にもなる環境の中で,さらには1,000km以上も移動しながら試合を行っているようですので,その頑張りを考えると見ている我々も自ずと応援に力が入ってしまいます。

 

 連日の好ゲームに魅了されているところですが,一方で今回は時代の移り変わりを実感させられる大会とも言えます。ゴール判定にビデオが利用されていることもさることながら,全試合,全出場選手についての様々なデータが蓄積され,公表されるようになっています。これまでであれば得点ランキングやアシストランキングがせいぜいでしたが,今ではパス数や走行距離,さらにはダッシュ回数までも明らかにされています。これには映像技術の進化が効果を発揮しているようで,改めて日々高度化している技術開発の実態を認識させられるところです。

 

 同様に,現代サッカーにおいても,選手の体力的な面や試合の戦術的な面での進化が相当進んでいるように見受けられます。ただ,我々の年代からすると,かつて“トータルフットボール”として衝撃的な印象を植え付けられた1974年西ドイツ大会のオランダチームにおいて,その象徴として活躍し“空飛ぶオランダ人”と呼ばれたヨハン・クライフの走行距離やダッシュ回数が是非とも知りたいところです。もっとも,具体的なデータが残っていない分,何時まで経っても我々の中ではますます神格化されていくことになるのかもしれません。

 

 それまでゴールキーパー以外にもフィールドでの立ち位置であるポジションがある程度決められていたものを,全員攻撃全員守備という自由な形で流動的にポジション変更していくという斬新な考え方は,見ている我々をたいへん魅了したものでした。現代サッカーにおいてもこれを引き継いでいる部分があるようですが,フィールド全体に渡って複数のポジションをこなすための体力や精神力は想像を絶する厳しさがあったものと思われます。

 

 一方,ビジネスにおいても企業活動のフィールドでポジションを広げる動きが出てきているようです。最近,“オープンイノベーション”という言葉を良く聞くようになりました。単なる“モノ”や“サービス”の提供から,顧客の“問題解決”や“価値創造”を求められる時代となったことで,同じ立ち位置では勝負ができない状況になってきたようです。これまでのような専門領域や業界という括りもむしろ足かせになってきているようにも思います。

 

 報道によれば,国内企業で最高の利益を生み出しているトヨタの社長でさえ,「“勝つか負けるか”ではなく,まさに“生きるか死ぬか”という瀬戸際の戦いが始まっている」との認識を公言しているようです。最近大きな注目を集めている電気自動車や自動運転車に関して言えば,新しいスタートアップ企業や全く異なる業種の企業が先行して勝負を仕掛けてきている状況であり,この先もどのようなフィールドでライバルが出てくるか全く予断を許さない状況との認識によるものと思われます。

 

 考えてみれば,このような状況は自動車に限らず,あらゆる業界に言えることであることは明らかで,ワールドカップと同様に世界的規模での戦いが始まっていると言えます。この場合,戦えるフィールドは多種多様なものが考えられることになりますが,一方で,出場資格に大きな制限もないことから,思わぬプレーヤーが続々登場してくる状況も予想され,業界を超えた熱戦はこれからますます盛り上がることになるものと思われます。

 

 そのような状況の中で,トヨタは先月下旬に新たなポジション取りとして,“つながるクルマ”を前面に打ち出したイノベーション創出のための戦略発表を行っています。そこでは,2020年までに日米で販売するほぼ全ての新車に車載無線通信機を標準搭載する計画が打ち出され,これを踏まえて様々な異業種に対する連携の呼びかけが行われたようです。

 

 “つながるクルマ”から取得されたビッグデータは,車両の整備メンテナンスや新型車開発などに活かされるばかりでなく,様々な異業種との連携による新たな価値創造に繋げていく考えで,「車をつくる会社から,世界中の移動にかかわるあらゆるサービスを提供するモビリティカンパニーにモデルチェンジする」との想いが強調されたとのことです。時代は正に大きな変革の時期を迎えたようです。

 

 このような動きを踏まえて,これまで無線に関わる業務に取り組んできた我々にとっても新たなポジション取りが必要になってきました。モバイル/IoTを支える重要な位置付けとしてあらゆる分野で必要不可欠となっている無線技術のさらなる発展のために,我々自身がオープンイノベーションの時代に合わせた取り組みが求められる状況となってきたようです。

 

 新たな時代のフィールドにおいて,想いを一つにした効果的な全員攻撃全守備が実現できるか,これからの走行距離やダッシュ回数などのデータが記録されていくことになります。

 かくなる上は,ゴールを目指して進むのみです。

 

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AI時代を生き抜く葦を目指して!!

 

 6月となりました。

 

 いよいよ梅雨入りの季節となりました。九州北部や四国地方は昨年より20日以上も早い梅雨入りとのことです。最近は,ゲリラ豪雨や季節外れの暑さなど,天候不順が珍しくなくなってきたせいか,季節感を認識しにくい状況でもあります。そのような中で,昨年大きな被害を受けた九州北部の被災地において,壊滅状態とみられていた蛍が飛び交い始めたとのことで,忘れかけていた自然の移ろいを改めて実感すると共に,生命の逞しさも感じます。きっと,厳しい自然環境の中で生き抜いてきた遺伝子が確実に引き継がれているのではないでしょうか。

 

 一方,我々の身近なところでは,来年就職を予定している学生に対する採用面接などの選考が今月から解禁となりました。ここしばらくそれらしい姿を見かけてはいましたが,景気回復の基調が続いていると言われる状況ですので,早い時期に落ち着きを取り戻して勉学に励むことができるようになるのでしょうか。もっとも,世の中の状況が激しく変化している現代社会ですので,これから迎えるであろう人生の転機の一つという捉え方も多くなってきているようです。

 

 ここのところ“働き方”ということが話題となる機会が増えています。その多くの場合は,労働時間についての話が中心のようですが,働くことについての意味合いも随分変わってきているように思います。かつては職業人として現役で働く期間も限られていましたが,平均寿命が延び続けている状況の中では,できるだけ永く社会とのかかわりを維持していくことは好ましいことと言えるかもしれません。世は正に少子化の傾向が続いていますので,貴重な働き手として役割が果たせるようであれば,社会全体としても好都合と言えるのではないでしょうか。65歳未満となっている生産年齢の上限も,早晩嵩上げされる方向に動くようにも思います。

 

 いずれにしても,“人生100年時代”と言われる世の中ですので,これから正に社会に出て行こうとしている就活生にとっては,今までに前例のない人生設計を描く必要があるようです。既に,ロボットを活用して業務を効率化・自動化しようとする取り組み(RPA:Robotic Process Automation)も始まっているようですので,そのような中での自らのキャリアアップを思い描くことの方がより重大な課題と言えるかもしれません。AI(人工知能)の発達が日増しに取り上げられる状況もあり,真の意味での“働き方改革”は待ったなしの状況ではないでしょうか。

 

 そのような観点からか,AIが発達した社会における人間の役割について論じられることが多くなったように思います。機械学習や深層学習によって膨大なデータを基に自らが知能を高めていくという試行錯誤を,いわば労働時間の制約もなく,疲れやストレスとも関係なく,昼夜を問わずに超高速に続けられるという能力は,ある意味では極めて頼りがいのある強力な戦力という見方もありますが,一方では,非常に大きな脅威という捉え方もできます。いずれにしても,我々の社会に役立つために如何にこのような技術を活用出来るかが問題というところのようです。

 

 最近,AIを活用するという観点から具体的な検討を行うという機会があり,現実的に日々取り組んでいる業務との対比などにより,この先の効果的な活用の方法について考えることが多くなりました。ただ,我々自身もAIの実態を本質的に理解できるところまでには至っていない状況ですので,明確な方向性は十分に見えていない段階ですが,我々人類が本来持っている“考える”ということの重要性について改めて認識させられるようになりました。

 

 急速に発達してきたコンピュータ技術により,膨大な情報やデータの中から相関性や規則性を見出して,さらには,曖昧さが残る要因についての検証を繰り返すことで,より精度の高い解決策や打開策を見出していくということを,極めて短時間に実現できるようになったことは,ある意味では,コンピュータ技術の特長を最大限に活かした形であり,これをさらに高度化していく方向性は合理的であるものと思います。一方で,「考える葦」とも表現される人間にとっても,このような時代の流れの中で自らの特長を活かしていくことが,より好ましい方向性であることは明らかと言えます。

 

 かつて若かりし頃に科学史について興味を持っていた時期がありました。そもそもは宇宙の神秘というものに関心を抱いたことが切っ掛けであったのですが,そこで見聞きした物事の中で特に感じていたことは,科学に対する探求心が宗教や哲学と密接に関連して追求されてきたということでした。さらに,そこには人間の思考の幅広さと共に,人間の弱さや限界というものの認識が踏まえられており,常に未知なるものへの畏れや謙虚さがにじみ出ていたように思います。そして,このことが人間というものを特徴付ける“考え続ける”ことの原動力となったようにも感じます。

 

 今回,AIに直接触れる中で,業務の遂行目的をどのように効果的に達成していくかという観点からの知識の引渡し方や関連付けを考える過程で,その考え方の根底にあるべき業務そのものに対する“基本的な想い”を意識せざるを得ないことに気づかされるようになりました。AIの基本的な枠組みを設定する段階において,我々自身がどの程度この想いに踏み込んで考えることができるかによって,AIの出来合いや利用価値が変わってくるようにも感じられます。

 

 正に,AIという魔法の道具に対して魂を吹き込む役割が我々に求められているような気がします。

 その意味でも,先ずは日常的に探求心を持って日々考え続けることが必要なようです。

 

 

 

 

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魔法の世紀の適応力を鍛える!!

 

 5月となりました。

 

 例年より早く駆け足で到来した桜前線ですが,間もなく北海道を通り過ぎようとしているようです。我が家の八重桜も,今年はゴールデンウィーク前に満開となり,今はもう地面にピンク色の絨毯を広げています。満を持して華やかに登場した晴れ舞台ですが,次の展開へ向けた動きに隙はなく,その潔さは見事と言うしかありません。しかし,自然はうまくしたもので,別の場所から新たな輝きが目立つようになってきました。

 

 自然の営みに限らず,実社会においても時の流れは着々と進んでいます。平成の世も残り1年となったことで,この30年という時代の振り返りについてあちこちで見聞きするようになりました。気付いてみれば“一世代”分の月日が流れたことになります。先日見かけたIT関係の年表においては,平成元年(1989年)の代表的な出来事として,ノートパソコンの先駆けとなった“東芝dynabook”と,手持ちができる携帯電話の先駆けとなった“Motorola MicroTAC”の登場が挙げられていました。

 

 その当時駆け出しを抜けきれない社会人であった私自身にとっては,まだまだ手書きとワープロでの資料作りに明け暮れ,外出すれば公衆電話を渡り歩く時代でしたので,この間の時代の変化は感慨ひとしおというところでしょうか。一方で,考えてみれば“十年一昔”とも言われますので,ある意味では時代の自然な流れと捉えることができるかもしれません。ただ,当時の状況を思い出してみると,現在に比べて様々な制約がある中での業務でしたが,たいへんな苦労であったという感じもあまりしなかったように思います。

 

 かつて,21世紀を迎えた際に,丁度100年前に当たる1901年(明治34年)当時の新聞記事として掲載された『二十世紀の予言』が話題となりました。これは,明治時代の人々が次の100年の間にどのようなことを実現できているのかということを予言したもので,技術革新から社会的な課題解決に至るまで23項目についての予測が行われています。その中には,蚊・ノミの滅亡といった身近な生活に関わる悩みの解消を予測したものがある一方で,自然環境の破壊による野獣の滅亡や,サハラ砂漠が肥沃な土地に生まれ変わることなど海外にまで視点を広げた内容が盛り込まれています。

 

 その中でも,特に情報通信に関する部分での的中率が高く,世界中に渡る無線電話や写真伝送の実現などを言い当てており,その他にも,遠距離にある品物を見た上で購入できることも予測されています。この当時と言えば,日露戦争が始まる3年前に当たり,国内産業の状況としては官営の八幡製鉄所がようやく操業を開始した時期となります。また,無線技術に関して言えば,無線電信を発明したマルコーニがようやく大西洋を横断した無線通信の実験に成功したばかりであり,このような状況を考えると,これを予測した方々の先見性に改めて驚かされます。

 

 一方,“魔法の世紀”と言われるように技術革新の動きが極めて激しい昨今の状況を考えると,この先の予測を行うことは至難の技のようにも思います。ただ,“人生100年時代”を迎えて現役生活がますます長期化する傾向を踏まえると,時代の変化に翻弄されることなく,逆にその流れを受け入れて活用出来るような適応力が試される時代になったようにも思います。特に,働き盛りで平成の時代を過ごした我々にとっては,これから正に直面する課題と言えるかもしれません。

 

 しかし,よくよく考えてみると,変化が激しく見えるのは,モノやサービスや仕組みなどの表面的な目につきやすい部分であり,その本質的なところでの基本的な考え方や物事の道理,さらには変化を起こしている流れの方向性などは一貫しているようにも思えます。実際,100年前の予言の的中率を見ると,当時からこのことに気付いていた方々がおられたようにも感じられます。

 

 先日,ここ最近目立ってきているモノづくりの現場における品質問題に関する話として,第一線で長く指導されてこられたスペシャリストの方の記事を目にしましたが,そこには,最近のモノづくり現場の傾向として,目の前の品質管理に関する業務が形骸化して,その本質的な目的が理解されていないという趣旨の問題を指摘されておられました。

 

 ここは我々自身にとっても非常に共感するところであり,ITを始めとして様々な使える道具が発達したことにより,目の前の業務は多様な範囲でより複雑な作業を求められるようになったものの,その分,その業務の本来の目的や,作業の根底にある考え方を理解することが疎かにされる傾向があるように感じます。

 

 新たな技術やサービスが登場することで,それを理解して吸収することに価値を見出す傾向が強くなってもいるようですが,結局は,それをどのように本来目的に活用していくのかが根本的に重要なところであり,世の中はその解決に向けて動いて行かざるを得ない流れとなっていることは明らかなように思います。

 

 先の品質問題に対する指摘の中でも,最終的には関わる“人”が解決のカギを握ることが指摘されているように,知識偏重の時代から,“本質を考え工夫する”ことを重要視してその技を磨くことができる人材が必要とされる時代を迎えたようです。

 

 何かにつけて便利となった世の中に馴染んで,かつて使える道具の選択に苦労していた頃の経験を忘れかけていた我々にとっても,新たなチャンス到来と言えるかもしれません。

 しかし,時の流れは非情です。心身ともに無理をしない範囲での適応力を極めることが肝要なようです。

 

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全体最適化を実現する社会へ!!

 

 4月となりました。

 

 例年にない速さで桜前線が北上しているようです。ついこの間までモノクロであった風景があっという間に彩輝く世界に切り替わる様は見事という意外にありません。正に自然のなせる業というところでしょうか。しかもその輝きが極わずかな束の間の出来事であるということで,余計に有難味も増してきます。近頃の温暖化の影響か,開花時期が年々早くなる傾向にもあるようですが,この風景は是非守っていきたいものです。勿論,この色付きを際立たせるための冬の寒さも欠かすことのできない大切な過程であることを忘れてはなりません。

 

 一年を通したこのような季節的な移り変わりがあることで,我々の日常生活もよりメリハリのきいたものになっているようです。特に,このような華やいだ雰囲気の中で新年度が始まり進学や就職など新たなスタートを切る形となる我が国においては,その記憶はより深く刻まれることになるのではないでしょうか。春夏秋冬というそれぞれの季節における絶妙なバランスの上で,長い時間をかけて適応してきた生活文化が形成されていることを改めて実感します。

 

 自然の季節は規則的に繰り返されることになりますが,実社会の変化はなかなかそのような単純なものではないようです。我々のような年代が感じる“魔法の世紀”という意味合いも,驚きの程度が日増しに更新されるほど変化は激しくなっています。動力が蒸気機関となり,それが電力・モーターに切り替わり,コンピューターによる管理・制御が行われるというこれまでの“産業革命”と呼ばれる変化に留まらず,あらゆるものが繋がることで,大量の情報を基に人工知能が自ら考えて,“自律的に最適化された社会”が形成されようとしています。最近ではこのような社会を称した“Society 5.0”という言葉をよく聞くようになりました。

 

 しかし,このような大きな社会的変革に当たっては,これまでの経験や知見だけで対応することは難しい状況となるため,新たな時代に適応できる人材の育成が強く求められるところとなります。このようなことから,既に昨年より「IoT新時代の未来づくり検討委員会」が総務省内において立ちあがり,具体的な検討を始めているとのことで,先月,その中間報告が取りまとめられ公表されています。

 

 ここでの検討においては,最近の人材に関する課題について取り上げられており,具体的には「高等教育を受けたはずの人が基本的なサバイバルスキルを身につけていない」との評価が紹介されているようです。そろそろ引退を考え出すような我々の年代が生きてきた時代に比べると,現代社会の環境変化は相当なものと思いますが,ここで言われている内容は当方にとっても耳の痛い話と言えます。かくなる上は,年齢に関わらずまだまだ手を抜けない状況というところでしょうか。

 

 そこで気を取り直して,「IoT・AI時代に必要な能力(21世紀型スキル)」についての検討部分を見てみると,「思考の方法」として“〜和だとイノベーション”や“批判的思考,問題解決,意思決定”と“3悗喨の学習,メタ認知”,「働く方法」としては“ぅ灰潺絅縫院璽轡腑”と“ゥ灰薀椒譟璽轡腑”,「働くためのツール」としては“情報リテラシー”と“ICTリテラシー”,「世界の中で生きる」として“地域とグローバルのよい市民であること”や“人生とキャリア発達”と“個人の責任と社会的責任”の合計10個のスキルが明示されています。

 

 これについては,どのような経緯で絞り込まれたものであるかという詳細までは把握していないものの,日常的に感じている意識としてある程度納得できる部分があるように思います。国や地域を超えた厳しい競争の中で,費用対効果を最大限に追求し,これを的確に実現していくことで社会や利害関係者に対しても責任を果たしていくということが,今や中小企業に対しても当たり前のように求められる状況となっています。その意味では,能力向上へ向けての取り組むべき方向性は基本的に変わっていないようにも思います。

 

 一方,“IoT・AIの活用による自律的に最適化された社会”が到来するということから考えると,課題解決へ向けたプロセスや考え方の切り替えも極めて重要であり,そのことが“Society 5.0”時代に対応できる能力ということのように思います。特に,IoTによりあらゆるものが繋がり,大量の情報を基にしてAIにより高度な解決力を発揮でき,そのプロセスが見える化されるという状況においては,課題に取り組む意識の転換が必要であることは明らかです。

 

 そのような中で,ここ最近話題となった社会的な問題や課題についてその本質的なものを考えてみると,“全体最適化”という意識の重要性が日増しに高まっているように感じます。限られた部分部分に着目しただけでは,全体としての整合性や効率が見落とされてしまい,極限までに追求されるべき費用対効果や企業間競争において優位性を発揮できない状況となってしまうのです。しかし,IoT・AIの登場はここに大きな威力を発揮するものであり,これが最近急速に注目を集める要因であるようにも思います。

 

 少し前に大きな話題となった新幹線の台車における亀裂問題においても,製造現場での調整による減肉加工が原因と指摘されていますが,そこに至るまでの過程においても,部品製造における仕上がり寸法のばらつき管理や,さらには設計段階における構造や寸法公差の決め方なども含めて,工程全体を通した最適化の検証が今後の再発防止対策には欠かせないものになることは明らかです。

 

 さらには,異常をある程度感知してからの対応として,状況診断の評価に関する手順や,リスクの程度を想定した判断の仕方,さらには個人あるいは組織間での情報共有や意識の擦り合わせなど,運行システム全体を通しての見直しも必要なようです。正にこのような取り組みにおいて,IoT・AIは非常に強力な武器となるものであり,これが社会の隅々まで浸透していくということは,“全体最適化”の意識を徹底することが避けて通れないものとなるはずです。

 

 でも,ここで大分以前に設計の業務を行っていた際によく見聞きしていた言葉を思い出しました。それは、『前工程は「神様」,後工程は「お客様」』ということで、あちこちの作業現場にもよく掲示されていたものです。

 

 時代は高度に進化して変化していますが、やはり基本的なところは変わっていなかったようです。ただ、これからは具体的な実行とその成果を迫られる社会が到来したというところでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

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時空を超えた前向きな意欲で!!

 

 2018年(平成30年)も3月となりました。

 

 暦の上では,そろそろ氷が溶け出す頃となり,土中で眠っていた虫たちも目を覚まして地上に出てくる時期となるはずですが,今年は少し動きが鈍いのではないでしょうか。それにしても先月までの寒さは格別であったようで,北海道では積雪の最高記録が次々と更新されたとのことで,3メートルを超える雪が積もった所もあったようです。ただ,生命の息吹は着実に時を刻み続けており,身近なところでも新たな季節に向けて装いを変え始めていることが徐々に感じられるようになりました。

 

 酷寒の中で繰り広げられていた冬季オリンピックも,様々な感動を呼んで無事に閉幕しました。大会の開催においていろいろ心配がなされていましたが,心に残るような名場面と共に見ている我々に対しても大きな勇気を与えてくれたように思います。今まさに,国内では働き方についての議論が続いていますが,根本的に考えるべきことは彼の地で躍動したアスリート達の姿が示してくれているのではないでしょうか。

 

 4年に一度という晴れの舞台へ向けてのこれまでの努力は並大抵のものではないものと思いますが,どのような結果となっても,自分自身と向き合って常に前進していこうという姿勢こそは,見ている我々に対しても前向きな気持ちを沸き立たせてくれます。得てして栄光の姿が浮き彫りにされがちですが,その陰にある挫折の苦しさは計り知れないものがあるのではないでしょうか。スポーツの祭典と言われますが,物事の捉え方や自分との向き合い方など,様々な気付きを与えてくれる機会にもなっているように感じます。

 

 同じような意味で,失敗にめげずにチャレンジする姿はビジネスの世界でも垣間見られるようになりました。先月,米国の宇宙開発ベンチャーであるスペースX社が衛星通信サービスに向けた試験機の打ち上げに成功したとのニュースが伝えられました。これまで幾度かの失敗映像が紹介されてきていましたが,着々と技術的な進展を遂げているようです。以前に,垂直な状態で着陸しようとするロケットが爆発する様は衝撃的なものでしたが,実は,費用削減に向けた様々なチャレンジを意欲的に行っていることに拠るところもあり,その意味でも注目に値する取り組みと言えます。

 

 今回も試験機の打ち上げには成功したものの,ロケット先端のカバーを再利用のために回収するという試みも行ったようですが,船から張り出した巨大な網の数百メートル外側に落下したとのことで,次回の課題として残された形となりました。しかし,この経験は決して無駄にはならない筈です。常に彼らの視線の先には,「数年以内に通信衛星4,425基で全世界をカバーするインターネット網を実現する」という明確な目標が掲げられています。また,同じように「約900の衛星を配置して2019年のサービス開始」を目指しているワンウェブ社との競争も意識しているものと思います。前向きな意欲は着実に物事を前進させているようです。

 

 それにしても,全世界をカバーするインターネット網が利用できるという世の中が数年の間に現実となるということには改めて驚かされます。そう言えば,アメリカ・カルフォルニア州ではこの4月から,「運転席のない」自動運転カーについて一般道での試験走行が許可されるとのことで,こちらも早晩実社会に普及することになるものと思います。正に世の中の移り変わりの速さをつくづくと感じるようになってきました。もしかすると,時の流れに対する感じ方が年を重ねるにしたがって鈍ってきているのではないかと自分自身で疑心暗鬼にもなってしまうような状況です。

 

 何れにしろ,科学技術の進歩は我々の感覚を超えて進んでいることは確かなようです。

 

 現在,スマートフォンの普及などによりGPSによる測位情報の利用が盛んに行われている状況ですが,昨年の10月には日本の衛星測位システムである準天候衛星システム「みちびき」の4号機が打ち上げられ,誤差がわずか数センチメートルという位置情報の提供が可能となる体制が整ったことから,2018年度中にもサービスが開始されるようです。実は,このような衛星を使った位置情報を正確に割り出すためには,それぞれの関連するデータについての正確な時間の同期が欠かせないとのことで,ここにも科学技術の粋が集められているようです。

 

 かつて現代物理学の難解さや奥深さを認識させられた「相対性理論」がここでは重要な役割を果たしているとのことです。高度約2万キロメートルに打ち上げられた衛星内での重力は地上に比べて弱いため,「一般相対性理論から搭載された時計は進んで見える」ことになるようです。一方,衛星は秒速約3キロメートルの速度で動いているため,「特殊相対性理論から動いている衛星内の時間はゆっくり進んでいるように見える」とのことで,この差引分として「一日あたり39マイクロ秒だけ人工衛星の時計は進んでしまう」ようです。〔「重力とは何か」:大栗博司著(幻冬舎新書 2012年6月)〕

 

 このような微妙な時間のズレを計測できるような高精度な時計が実用化されているということも重要な要因と言えますが,かつて科学における最先端の知識として我々が学んだことが,着々と実用的な技術として実社会で活かされるようになっている状況を見るにつけ,時の流れを改めて強く意識すると共に,このような取り組みに関わられた方々の熱意と前向きな意欲が感じられるようです。

 

 よく「年を取るほど時間が経つのが速く感じられる」と言われますが,これは加齢に伴う身体的な代謝の低下による確かな傾向のようです。〔「大人の時間はなぜ短いのか」:一川誠著(集英社新書 2008年9月)〕

 かくなる上は,時間との付き合い方を大切に考えていくことが必要なようです。そのためにも,常に前向きな意欲を持って着実に時を刻んで行きたいものです。

 

 

 

 

 

 

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今こそ起業家精神を目指して!!

 

 2018年(平成30年)も2月となりました。

 

 年明けになって次々に到来する寒波に日本列島全体が震えあがっているようです。先月には都心を始め関東地方においても20センチを超える積雪があり,この影響により首都高速では97時間も通行止めになった区間があったようです。その後も都心では最低気温−3℃以下が連日続き,ついに53年ぶりの寒さとなったとのことで,この冷え込みは本格的と言えます。「冬来たりなば春遠からじ」とは言われますが,今は耐え忍ぶことが必要と言うことでしょうか。

 

 自然の猛威と言えば3000年の沈黙から突如として活動を始めた火山には驚かされました。ただ,2003年に「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」として改めて指定された“活火山”111火山の一つということですので,いざという時の備えは怠れないということのようです。そのような中で,尊い命が失われてしまったことは非常に残念としか言いようがありません。特に,山岳救助の訓練中であった自衛官の方ということで,誠に痛ましい限りです。

 

 様々な面において便利で快適な生活ができる日常となっていますが,一方で,それは自然の摂理という我々にとってはとても手強い制約の上に成り立っている非常に不安定なものでもあるということを考えさせられたりもします。しかし,先人たちがそれを乗り越えるためにささげてきた努力の積み重ねにより現在があることは確かであり,我々もこれを引き継いでいくことが必要です。寒さの中での生活を少しでも快適にすることや,自然災害による被害を抑える手立てはまだまだ前進できる余地があるはずです。この経験を是非次に活かしていきたいものです。

 

 そのような中で,我々の身の周りの生活環境も明らかに大きな変化を示し始めているようです。つい数年前までは夢物語のように聞いていた“自動運転車”や“仮想通貨”の話が現実的な話題として頻繁に取り上げられるようになっています。先月には,政府として自動運転車による事故を想定した法整備に着手する旨の報道が行われています。発生した事故の原因が運転手によるものかシステムの問題かを判別するためのルール整備が急がれているようです。丁度一年後の通常国会において道路交通法などの改正案が提出されるとのことですので,現実社会への浸透は想像以上のスピードで進んでいるものと思われます。

 

 さらに,同じく先月には,米国にてレジのないコンビニエンスストア「アマゾン・ゴー」が一般向けにオープしたことが伝えられました。入店者はスマホの専用アプリに表示されるQRコードをゲートにかざして入場すれば,欲しい商品を棚から自由に取って店の外に持ち出すだけで自動的に会計が済んでしまうという仕組みとのことです。コンビニは利用する側にとっては非常に便利なものですが,応対する側での要員の確保は難しい問題が多いように感じるところですので,その意味でも画期的と言えるかもしれません。さらに,100人近い行列ができても,待ち時間は10〜15分ということですので,レジなしの効果は確実に発揮されているようです。

 

 この「アマゾン・ゴー」において特に注目すべきことは,“レジなし”を実現させた技術であり,様々なセンサー技術や監視カメラによる画像認識技術,さらには深層学習によるAI技術などが活用されているところではないでしょうか。店内の天井に多数設置されたカメラとマイク,商品棚に設置されたセンサーなどからの情報と,入店時のQRコードで読み取った情報とから,特定の買い物客が店内で何を棚から取り出して自分のバッグに入れたかを追跡することが行われているとのことです。

 

 これまで個体識別や商品管理と言えば“ICタグ”や“RFID”といった技術が注目を集めてきており,身近なところでは比較的低い周波数帯(短波帯13.56MHz)を利用する“スイカ”などのワイヤレスカードシステムは早くから日常生活において利用されてきているところです。一方,高い周波数(極超短波900MHz帯)を利用するICタグは米国大手流通小売店ウォルマート・ストアーズが2005年から納入業者に対して装着を義務化したという動きもあり,幅広い用途に活用されてきています。

 

 しかし,このような旧来からの動きに対して,今回のセンサー技術,画像認識技術,AI技術という新たな観点での取り組みは,基本的な発想を大きく転換するものであり,この背景としては,それぞれの技術的な進歩と,それによる経済性の向上という要因があることは明らかと言えます。そこには急激に進展している“自動運転車”の技術開発成果からの転用も含まれている事は確実です。正に,技術の進展が生み出した“イノベーションの波”とも捉えられるものです。

 

 今まで進んできた方向性が高められるのみならず,全く異なる方向から新たな動きが出てくるという様は,これからの世の中の流れのダイナミズムを感じさせるものと言えるのではないでしょうか。このような状況に対応していくためには,我々自身の認識も変えていく必要があるようです。


 『今求められているのは,入り組んで混沌とした状況で問題を把握し,解決していける能力〜 すなわち,起業家精神なのだ』
 『優れた仕事は,それを自由な意思で選択した人から生まれる』『現実を設計する能力は,さらなる自由を生む」』

 〔「THE END OF JOBS 僕たちの20年戦略」:テイラー・ピアソン著(TAC出版 2017年12月)〕

 

 これから次々押し寄せるであろう“イノベーションの波”をどのように的確に掴んでいくか,先ずは意識の問題のようです。

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2018年を迎えて!!

 

 新しい年,2018年(平成30年)がスタートしました。

 

 平成という時代も残り少なくなりました。昨年の12月に,2019年5月1日という改元の時期が決まったことで,名残惜しい気持ちが徐々に強くなってきています。私自身の事を思い起こせば,冬でもコートを羽織らないことを自慢げにしていたような中で迎えた平成の世ですが,それから30年近く経過して,今では着膨れ状態での通勤風景が当たり前のような状況となっています。改めてこの間における月日の長さを感じるところと言えます。

 

 かつて平成に改元される際には,昭和という時代の振り返りとして様々な出来事の記録が繰り返しメディアに流されていたことを記憶しています。その前半部分においては,我々の親の世代が悲惨な戦争を生き抜いてきた姿が,そして,その後半部分では高度経済成長を成し遂げて急速に生活が豊かになる様子が中心となっていました。そこには,正に“激動の昭和”という時代が映し出されていました。

 これから平成という時代はどのように総括されることになるのでしょうか。

 

 バブル景気と冷戦終結により始まった平成という時代でしたが,同時多発テロや震災などの悲痛な出来事も多くあったように思います。一方,我々が日々関わっているICT(情報通信技術)の分野に関して言えば,技術革新の波が次々と押し寄せた時代であり,その動きはますます加速してきている状況です。

 

 アナログ方式の携帯電話で音声通話を行っていた時代から,平成の世になりデジタル方式の携帯電話が登場し,インターネット技術の発達も相まって,その後は様々なサービスが利用できるようになりました。各家庭においても,全国を隈なく張り巡らされた光ファバー網の整備により,大容量の通信を高速で利用できるブロードバンド環境も実現されています。

 

 このような状況の中で,これまでにないような新しいビジネス展開も急激に進み,主だったところで言えば,Amazonサービス開始(平成7年),Google創業(同10年),Wikipedia設立(同13年),Skype設立(同15年),Facebook一般開放並びにTwitter設立(同18年)と続いています。

 

 さらに,この間にも画期的な製品やサービスが登場しており,Amazonクラウドサービス開始(同14年),Apple音楽配信サイト開始(同15年),GoogleメールサービスGmail開始(同16年),AppleスマートホンiPhone発売並びにAmazon電子書籍販売サービスKindleストア開設(同19年),Googleスマートホン用Android提供開始(同20年),Appleタブレット端末iPad発売(同22年)など拾い出しきれない程の動きです。

 

 そして,これらの製品やサービスは短い期間の間に多くのユーザーの支持を得て,広く世界的に浸透してきており,企業の時価総額における最新の世界ランキングでは,上位5社がこれらのICT企業で占められている状況となっています。正に,時代の変わりようは目を見張るようです。これに加えて,ここ最近は“IoT(Internet of Things)”や“AI(人工知能)”に注目が集まっていますので,想像もできないような画期的な動きがさらに出てくるのではないでしょうか。

 

 AIと言えば,囲碁の勝負において人間を上回る実力を発揮したAIプログラムである“アルファ碁”が話題となりましたが,昨年,これをさらに進化させた新AIプログラム“アルファ碁ゼロ”が開発されていることが明らかとなりました。従前の“アルファ碁”との対局においては,100戦100勝との圧倒的実力を証明したとのことです。

 

 これまでの“アルファ碁”は,人間の棋士が過去に対戦した膨大な数の棋譜を読み込んで,そこからの学習効果により実力を高めていったのに対して,この“アルファ碁ゼロ”においては,基本的なルールを覚え込ませたところから自分自身を相手に数百万回の対局をこなす中で学習していくという新しいアプローチが採用されたとのことです。正に,高速処理が可能なAIの特徴を活かしたものと言えます。

 

 このような事態となっては,この先我々が直面する世の中の変化がどのようなものになるのか想像もできない状況になってきていると言えるかもしれません。特に,企業組織としての方向性を見出していくことはなかなか難しい状況になってきているようです。ここは,改めてこの時代的背景の中での心構えを見直してみることが必要なのかもしれません。

 

 尤も,多かれ少なかれ組織を取り巻く大きな転換点はこれまでにも経験されているところであり,我々人間としては,そのような経験の中から教訓を得て対応していくことしかないかもしれません。もしかすると,先達が乗り越えてきた様々な経験の奥底にある想いを,AIでは捉えられない深さで読み取ることができる強みがあるような気もします。

 

 そのような中で,最近目にした書籍の中に以下の記述がありました。〔「パラノイアだけが生き残る 〜 時代の転換点をきみはどう見極め,乗り切れるか」:アンドリュー・S・グローブ著(日経BP社 2017年9月)〕

 

『変化をもたらす力は音もなく静かに蓄積していくため,何がどう変わったのかは見えにくい。ただ,「何かが変わった」ということだけわかるのである。』

 

『“消防署の事業計画”とでもいうべきものが必要なのである。つまり,次の火災がどこで発生するかは予測不可能だから,不測の事態に対しても通常の業務と同じように対応できるだけの,精力的かつ効率的なチームを編成しなければならないということだ。』

 

 新しいこの1年,この先どのような動きが出てくるのでしょうか。そして,我々はどのように学習して対応できるのでしょうか。いよいよ始まりです。

 

 

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新時代のメソッドを目指して!!

 

 12月となりました。

 

 いよいよ今年も年末の慌ただしい季節を迎えることとなりました。例年のように,月日の流れの速さを感じるところでもありますが,一方で,一つ一つの出来事を振り返るにつけて,様々な面で激動の一年であったようにも思います。

 

 内外の社会情勢においても,ここ数日は北国からの雪の便りと共に,“国籍不明船の発見情報”や“ミサイル発射の警報”が頻繁に届くようになっています。ミサイル発射に関して言えば,今年の2月を皮切りに毎月のように繰り返されてきており,これまでにない異常事態となっています。「時代は移り変わるもの」とは言え,歴史に逆行したような形での現実の動きを目の当たりにして,我々の意識も修正が必要なようです。

 

 修正ということで言えば,日本のモノづくりでの検査不正問題が引き続いています。検査において不合格品が発生したということに留まらず,検査データを改ざんしたということが明らかとなったことで,事態は混乱を増しているようです。幸いにも,今のところ大きな不具合や具体的な被害が発生するまでには至っていない状況ですが,内外を問わずしてモノづくりの品質に対する信頼性を危惧する声が高まっています。

 

 少し前には,海外においてエアバッグのリコール問題が盛んに取り上げられていました。こちらの方は,実際に被害を生じたということで,責任追及の世論が時と共に厳しくなっていき,ついには当該の日本企業が経営破たんする事態にまで至りました。

 

 かつて,世界に冠たる高品質を誇っていた“メ−ド・イン・ジャパン”ですが,新興国における技術レベルの向上などもあり,日本のモノづくりの将来に対する危惧の念は増すばかりという状況です。最近では,その要因について,時代的な背景も含めた形で我が国における基本的な問題点を指摘する声も出てきているようです。

 

 その中には,かつて現場を中心としたQCサークル活動などの全員参加型の取り組みが衰退していったことや,全社的な取り組みであるTQM(トータル・クオリティ・マネジメント)活動から移行して,ISO認証の取得に現場の力点が置かれるようになったことの影響などを指摘する向きもあるようです。

 

 しかし,一連の事態が極めてセンセーショナルに取り上げられている背景には,不正を認識してからの対応のまずさが影響していることも大きく,モノづくりにおける本質的な問題の所在については,より詳細な見極めが必要であるように思います。

 

 さらに,技術革新の流れが加速している一方で,価格競争も激しくなっているという昨今の市場環境を考慮した場合,“ジャパン・アズ・ナンバーワン”と言われた時代背景とは異なる状況であることも踏まえる必要があることは明らかと言えます。

 

 刻々と多様化して高度化していく消費者ニーズに応えるために,製品コンセプトを大胆に見直す一方で,極限にまでコストダウンを行いながらタイムリーに市場展開を図るという,現状の誠に厳しいビジネス環境を考えると,モノづくりに関する考え方や取り組み方もこれに合わせた修正が必要と言えるかもしれません。

 

 ただ,振り返ってみれば,いわゆる品質管理がモノづくりを行う製造部門を中心とする取り組みとして行われていた時代から,現状の環境への対応を見通したような考え方で提唱されていた“タグチメソッド”のようなものもありました。「品質管理は設計開発から始まる」という考え方は,まだ駆け出しの技術者として非常に大きな衝撃を受けた記憶があります。

 

 我が国で生み出されたこのような考え方は,その後“品質工学”とも呼ばれて体系化され,海外を含めた多くの企業で実践されてきていることを踏まえると,現在表面化している問題においても,変化を続ける環境条件に適合した形での取り組み方の軌道修正が十分に行われていなかったようにも感じます。

 

 また,今回の事態においては,素材メーカーでの問題発生による影響の波紋が様々な範囲で広がっており,いわゆる“サプライチェーン”という形での社会とのつながりを強く意識させられることとなりました。我々が日々取り組んでいる業務が多様な形でつながりを広げて,さらにそれを強めているという状況も新たな時代の流れと捉えることができるのではないでしょうか。

 

 このような背景もあってのことか,昨年,品質マネジメントシステム規格であるISO9001が改訂され,将来に渡り主要な問題に効果的に対処できる規格にするための強化ポイントの一つとして,「外部から提供されるプロセス,製品及びサービスが,顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を一貫して満たす組織の能力に与える潜在的な影響についても考慮する」ことが盛り込まれています。(ISO9001:2015,規格8.4.2一部抜粋)

 

 この新しいISO9001の2015年版については,来年の9月までに旧版からの切り替えが必要となります。我々の日々の業務において社会とのつながりをますます意識して,時代の要請に合致した対応を図っていくことが必要となります。

 我々なりのメッソドが見いだせるかが正にこれから問われるところとなります。

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“人工知能”から“人工技能”へ!!

 

 11月となりました。

 

 いよいよ木枯らしが吹く季節となりました。それにしても,週末ごとに接近してくる台風の被害に冷や冷やしながら夜を迎える日が多くなっています。最近は経路となった地域の被害状況が刻々と克明に報じられることで,ますますその緊張感が高められることとなります。尤も,様々な情報が容易に入手できる状況になったということは,それに備える行動も取りやすくなったということでもあり,自然災害への対処についても着々と身の回りの防災対策を進め,その学習効果を高めていきたいところです。

 

 情報化社会の到来により,これまで一部の限られた範囲でしか認識されていなかった事実が広く周知されるようになってきました。科学技術の進歩により新たな発見も多くなってきていますが,同時に我々が直接触れることができる情報も格段に増えてきています。その典型的なものの一つが宇宙科学の分野かもしれません。

 

 ここ最近でも,次々と地球の近くに迫ってくる小惑星や,突然発生する大規模な太陽フレアの情報が映像と共に手軽に確認できる状況となっています。今年のノーベル賞受賞で大きく注目された重力波の計測技術による成果も相まって,これまで未解明であった宇宙の謎が我々にも見える形で明らかとなっていくことが期待されるところです。地上では様々な思惑が渦巻いている状況ですが,こと宇宙に目を向けることで,人類が置かれている生存環境の実状を冷静に認識できるようにも思います。

 

 宇宙と言えば,かつて小惑星のサンプルを採取して地球に帰還した“はやぶさ”が話題となりましたが,その後継機である“はやぶさ2”が来年にも目標としている小惑星(リュウグウ)に到達することが発表されています。打ち上げから1,000日を経過して,地球から2億8000万劼琉銘屬泙膿覆鵑任い襪茲Δ任垢,小惑星への到達は来年の8月頃とのことです。現在,このプロジェクトの特設サイトには時々刻々その軌跡が記録され続けています。

 

 前回の“はやぶさ”に関しては,様々なトラブルが発生したものの,それを乗り越えて達成された成果ということで大いなる感動を受けましたが,実は,今回の“はやぶさ2”においては,その経験から得られた学習効果を高めて,様々な改善に向けた工夫や新たな課題に対する意欲的な取り組みが盛り込まれているようです。

 

 無線技術の面で言えば,これからの衛星通信の利用に期待されている周波数(Kaバンド)を用いた大容量高速通信について,5000万劼箸いΦ離を隔てた実証試験に成功したとのことです。今後,海上を含めた全地球的規模での電波利用によるサービス展開を図る上でも,非常に大きい期待が寄せられているようです。今回の成果を基に,そう遠くない時期に無人で航行する遠隔操縦された船舶が出現することになるのではないでしょうか。

 

 一方,我々が日常的に取り組んでいる業務においても,得られる情報が非常に多くなってきています。写真情報を取ってみても,今ではスマホなどで手軽に撮影が可能となり,デジタルデータから直接プリントすることも簡単にできるようになりました。これから“IoT”の普及に伴ってますます膨大な量の情報が我々の身の周りを駆け巡ることになるはずです。

 

 そして,これらの膨大な情報から効率的に学習効果を発揮させるための技術として“AI(人工知能)”が急速に高度化しています。将棋や囲碁においても,人間がなかなか太刀打ちできないレベルにまで達してきているようです。先ごろの報道によれば,AIシステムとして意思決定支援に定評のあるIBMが開発した“ワトソン”について,今月から無料のサービスも始まるようです。正に,我々の生活の中に浸透するスピードも目を見張るようです。

 

 しかし,一方で最近,日本のモノづくりに対する信頼を損ねるような事案も出てきているように,人間の関わりについてもこのような動きに対応していくことが必要となります。物事の進み方やコストに対する管理が極限までに追求される時代となったことで,これに人間が振り回されてしまうことになってしまっては,働き方改革の掛け声も色あせたものになることは明らかです。

 

 かつて「熟練者の技をコンピューターに」ということで取り組みが始まった“AI”ですが,データを拠り所とした知識ベースでの高度化が急激に進化を遂げたことで,これに伴う人間の対応力を如何に鍛えていくかが課題として浮き彫りになったように感じます。

 

 ただ,このような課題の解決を期待させるような取り組みも始まっているようで,体操競技での演技評価を非接触センサーで取得したデータを基に数値化して採点する技術の開発が進められているようです。正に,人間の動きの優劣を具体的なデータにより客観的に評価するということになり,熟練者の知識ばかりではなく,その動作についても学習効果を高める道が見えてきたことになります。これは,ある意味では“人工知能”から“人工技能”への進化と言うことができるものではないでしょうか。

 

 既に,先月カナダで開催された世界体操選手権においてデータ取得のテストが行われているようですので,2020年夏のオリンピックでは実際に活用されているかもしれません。そして,同じ2020年末には“はやぶさ2”が地球に帰還することとなっています。

 

 その時までに我々がどの程度まで技能を高めることができているのでしょうか。この3年間の軌跡が問われることになります。

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ESG経営でSDGsの実現へ!!

 

 10月となりました。

 

 目まぐるしく変化する国際情勢の動きの中で,なかなか心穏やかという気持ちになれない日々が続いていますが,気づいてみれば朝晩の涼しさが季節の変わり目を感じさせるようになってきました。例年であれば,ようやくしのぎやすくなった秋の夜長をのどかに過ごすことができるはずですが,今年は迫り来るかもしれない脅威により気持ちも冷ややかとなってしまう感じではないでしょうか。

 

 そのような中で,政治の世界では熱い戦いが始まろうとしています。ただ,様々な状況がこれまでとは異なっており,身近に直面する課題に対してどのような具体的な手立てを打っていくかというような前向きで建設的な議論を盛り上げて欲しいものです。それでなくても時代の流れは急速に変化しており,移り変わる情勢に的確に対応した施策を如何に速く展開していくのかということが強く求められている状況であることは明らかです。

 

 時代の流れと言うことでは,最近,電気自動車に代表される“ゼロエミッションカー”の話をよく耳にするようになりました。車も排ガスを発生させないものに切り替える気運が急速に高まってきているようです。ディーゼルエンジン車の性能に不信を抱かせるような事態が明るみとなったことで,ある程度の転換は予測できたものの,現状急速に普及しつつあるハイブリットカーを飛び越えて一挙に加速しそうな勢いとなってきました。

 

 既に欧州各国においては,具体的な目標時期を設定して全ての新車を“ゼロエミッションカー”に切り替えることを決定しているところもあるようで,早いところではオランダが2020年,また,ノルウェーにおいては2025年という期限が掲げられているとのことです。このような動きは地球環境への配慮という将来的に避けられない流れを踏まえたものではありますが,一方で,新たな産業振興という側面からの強い後押しがあることも事実のようです。

 

 正に経済活動におけるダイナミズムが時代の変化をさらに加速していく流れということでしょうか。国際社会における政治的な環境においては,それぞれの歴史的な経緯や自国優先による思惑などの影響で,時代を押し戻してしまうような動きも出てきてしまうようですが,こと経済的な環境においては,国境を超えた共通の合理性により時代転換の動きがますます激しくなっていく事態となっています。

 

 既に経済分野に留まらず,情報通信の分野でも,そして,地震や台風・ハリケーンなどの防災対策の面においても,国際的な協調や協力が避けられない状況であることは明確であり,それぞれの歴史的背景を持つ国家間が,争いではなく,共に手を携えて取り組むことで,地球という限られた生存環境の中で安定した共生が可能となるということは明らかと言えます。

 

 そのような流れからと思いますが,2015年に国連において「人間,地球及び繁栄のための行動計画」(持続可能な開発のための2030アジェンダ)が取りまとめられております。これは地球規模で持続可能な開発を進めていくための必要不可欠な条件として認識すべきことを明確化したもので,その中では,国際社会全体として2030年までに達成すべき“持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)”が17項目に亘って具体的に掲げられています。

 

 この17項目の中には,貧困や飢餓の根絶,健康福祉の促進,教育・学習機会の確保などの全ての人々に関わる切実な願いの他に,雇用確保や経済成長,産業促進やイノベーションの推進,さらには,安全・強靭な居住環境などについて地球環境にも配慮した上で持続可能な形で実現していくことが盛り込まれています。正に,国境を超えて具体的に取り組むべき目標が打ち出された形となっています。

 

 そして,経済活動においては既にこれを踏まえた動きが始まっているようで,企業評価の指標として“ESG”という言葉が注目されるようになってきました。これは,環境(nvironment),社会(ocial),ガバナンス(overnance)の頭文字を取ったもので,従来からの企業業績や財務状況による評価に加えて,この三つの視点での事業戦略における取り組み状況を加味することで,企業としての持続的な成長についても見極めを行おうというもののようです。

 

 既に国際的な資本の移動に関して“ESG”指標が影響を与え始めているという指摘もあるようですので,これからますます各企業において“ESG”経営に関する情報開示が活発化することは確実なようです。“SDGs”という地球規模での共生に向けた目標への取り組みとして,経済活動の分野での“ESG”経営が重要視されていくことで,不安定要因が尽きない国際政治情勢においても良い影響を及ぼして,事態が平和裏に安定化の方向へ向かうことを願うばかりです。

 

 また,我々としてもこのような動きに無縁でいる訳にはいきません。経済活動における企業間取引の利害関係者(ステークホルダー)という側面ばかりではなく,地域社会の持続可能な発展を実現していく役割としても,“ESG”経営に対する認識を新たにする必要があるようです。

 

 我々を取り巻く時代の変化も想像以上に目まぐるしい状況となってきました。地球規模の範囲で,さらには将来へ向けて視野を広げることが迫られていると言えます。

 

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