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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
新時代のメソッドを目指して!!

 

 12月となりました。

 

 いよいよ今年も年末の慌ただしい季節を迎えることとなりました。例年のように,月日の流れの速さを感じるところでもありますが,一方で,一つ一つの出来事を振り返るにつけて,様々な面で激動の一年であったようにも思います。

 

 内外の社会情勢においても,ここ数日は北国からの雪の便りと共に,“国籍不明船の発見情報”や“ミサイル発射の警報”が頻繁に届くようになっています。ミサイル発射に関して言えば,今年の2月を皮切りに毎月のように繰り返されてきており,これまでにない異常事態となっています。「時代は移り変わるもの」とは言え,歴史に逆行したような形での現実の動きを目の当たりにして,我々の意識も修正が必要なようです。

 

 修正ということで言えば,日本のモノづくりでの検査不正問題が引き続いています。検査において不合格品が発生したということに留まらず,検査データを改ざんしたということが明らかとなったことで,事態は混乱を増しているようです。幸いにも,今のところ大きな不具合や具体的な被害が発生するまでには至っていない状況ですが,内外を問わずしてモノづくりの品質に対する信頼性を危惧する声が高まっています。

 

 少し前には,海外においてエアバッグのリコール問題が盛んに取り上げられていました。こちらの方は,実際に被害を生じたということで,責任追及の世論が時と共に厳しくなっていき,ついには当該の日本企業が経営破たんする事態にまで至りました。

 

 かつて,世界に冠たる高品質を誇っていた“メ−ド・イン・ジャパン”ですが,新興国における技術レベルの向上などもあり,日本のモノづくりの将来に対する危惧の念は増すばかりという状況です。最近では,その要因について,時代的な背景も含めた形で我が国における基本的な問題点を指摘する声も出てきているようです。

 

 その中には,かつて現場を中心としたQCサークル活動などの全員参加型の取り組みが衰退していったことや,全社的な取り組みであるTQM(トータル・クオリティ・マネジメント)活動から移行して,ISO認証の取得に現場の力点が置かれるようになったことの影響などを指摘する向きもあるようです。

 

 しかし,一連の事態が極めてセンセーショナルに取り上げられている背景には,不正を認識してからの対応のまずさが影響していることも大きく,モノづくりにおける本質的な問題の所在については,より詳細な見極めが必要であるように思います。

 

 さらに,技術革新の流れが加速している一方で,価格競争も激しくなっているという昨今の市場環境を考慮した場合,“ジャパン・アズ・ナンバーワン”と言われた時代背景とは異なる状況であることも踏まえる必要があることは明らかと言えます。

 

 刻々と多様化して高度化していく消費者ニーズに応えるために,製品コンセプトを大胆に見直す一方で,極限にまでコストダウンを行いながらタイムリーに市場展開を図るという,現状の誠に厳しいビジネス環境を考えると,モノづくりに関する考え方や取り組み方もこれに合わせた修正が必要と言えるかもしれません。

 

 ただ,振り返ってみれば,いわゆる品質管理がモノづくりを行う製造部門を中心とする取り組みとして行われていた時代から,現状の環境への対応を見通したような考え方で提唱されていた“タグチメソッド”のようなものもありました。「品質管理は設計開発から始まる」という考え方は,まだ駆け出しの技術者として非常に大きな衝撃を受けた記憶があります。

 

 我が国で生み出されたこのような考え方は,その後“品質工学”とも呼ばれて体系化され,海外を含めた多くの企業で実践されてきていることを踏まえると,現在表面化している問題においても,変化を続ける環境条件に適合した形での取り組み方の軌道修正が十分に行われていなかったようにも感じます。

 

 また,今回の事態においては,素材メーカーでの問題発生による影響の波紋が様々な範囲で広がっており,いわゆる“サプライチェーン”という形での社会とのつながりを強く意識させられることとなりました。我々が日々取り組んでいる業務が多様な形でつながりを広げて,さらにそれを強めているという状況も新たな時代の流れと捉えることができるのではないでしょうか。

 

 このような背景もあってのことか,昨年,品質マネジメントシステム規格であるISO9001が改訂され,将来に渡り主要な問題に効果的に対処できる規格にするための強化ポイントの一つとして,「外部から提供されるプロセス,製品及びサービスが,顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を一貫して満たす組織の能力に与える潜在的な影響についても考慮する」ことが盛り込まれています。(ISO9001:2015,規格8.4.2一部抜粋)

 

 この新しいISO9001の2015年版については,来年の9月までに旧版からの切り替えが必要となります。我々の日々の業務において社会とのつながりをますます意識して,時代の要請に合致した対応を図っていくことが必要となります。

 我々なりのメッソドが見いだせるかが正にこれから問われるところとなります。

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“人工知能”から“人工技能”へ!!

 

 11月となりました。

 

 いよいよ木枯らしが吹く季節となりました。それにしても,週末ごとに接近してくる台風の被害に冷や冷やしながら夜を迎える日が多くなっています。最近は経路となった地域の被害状況が刻々と克明に報じられることで,ますますその緊張感が高められることとなります。尤も,様々な情報が容易に入手できる状況になったということは,それに備える行動も取りやすくなったということでもあり,自然災害への対処についても着々と身の回りの防災対策を進め,その学習効果を高めていきたいところです。

 

 情報化社会の到来により,これまで一部の限られた範囲でしか認識されていなかった事実が広く周知されるようになってきました。科学技術の進歩により新たな発見も多くなってきていますが,同時に我々が直接触れることができる情報も格段に増えてきています。その典型的なものの一つが宇宙科学の分野かもしれません。

 

 ここ最近でも,次々と地球の近くに迫ってくる小惑星や,突然発生する大規模な太陽フレアの情報が映像と共に手軽に確認できる状況となっています。今年のノーベル賞受賞で大きく注目された重力波の計測技術による成果も相まって,これまで未解明であった宇宙の謎が我々にも見える形で明らかとなっていくことが期待されるところです。地上では様々な思惑が渦巻いている状況ですが,こと宇宙に目を向けることで,人類が置かれている生存環境の実状を冷静に認識できるようにも思います。

 

 宇宙と言えば,かつて小惑星のサンプルを採取して地球に帰還した“はやぶさ”が話題となりましたが,その後継機である“はやぶさ2”が来年にも目標としている小惑星(リュウグウ)に到達することが発表されています。打ち上げから1,000日を経過して,地球から2億8000万劼琉銘屬泙膿覆鵑任い襪茲Δ任垢,小惑星への到達は来年の8月頃とのことです。現在,このプロジェクトの特設サイトには時々刻々その軌跡が記録され続けています。

 

 前回の“はやぶさ”に関しては,様々なトラブルが発生したものの,それを乗り越えて達成された成果ということで大いなる感動を受けましたが,実は,今回の“はやぶさ2”においては,その経験から得られた学習効果を高めて,様々な改善に向けた工夫や新たな課題に対する意欲的な取り組みが盛り込まれているようです。

 

 無線技術の面で言えば,これからの衛星通信の利用に期待されている周波数(Kaバンド)を用いた大容量高速通信について,5000万劼箸いΦ離を隔てた実証試験に成功したとのことです。今後,海上を含めた全地球的規模での電波利用によるサービス展開を図る上でも,非常に大きい期待が寄せられているようです。今回の成果を基に,そう遠くない時期に無人で航行する遠隔操縦された船舶が出現することになるのではないでしょうか。

 

 一方,我々が日常的に取り組んでいる業務においても,得られる情報が非常に多くなってきています。写真情報を取ってみても,今ではスマホなどで手軽に撮影が可能となり,デジタルデータから直接プリントすることも簡単にできるようになりました。これから“IoT”の普及に伴ってますます膨大な量の情報が我々の身の周りを駆け巡ることになるはずです。

 

 そして,これらの膨大な情報から効率的に学習効果を発揮させるための技術として“AI(人工知能)”が急速に高度化しています。将棋や囲碁においても,人間がなかなか太刀打ちできないレベルにまで達してきているようです。先ごろの報道によれば,AIシステムとして意思決定支援に定評のあるIBMが開発した“ワトソン”について,今月から無料のサービスも始まるようです。正に,我々の生活の中に浸透するスピードも目を見張るようです。

 

 しかし,一方で最近,日本のモノづくりに対する信頼を損ねるような事案も出てきているように,人間の関わりについてもこのような動きに対応していくことが必要となります。物事の進み方やコストに対する管理が極限までに追求される時代となったことで,これに人間が振り回されてしまうことになってしまっては,働き方改革の掛け声も色あせたものになることは明らかです。

 

 かつて「熟練者の技をコンピューターに」ということで取り組みが始まった“AI”ですが,データを拠り所とした知識ベースでの高度化が急激に進化を遂げたことで,これに伴う人間の対応力を如何に鍛えていくかが課題として浮き彫りになったように感じます。

 

 ただ,このような課題の解決を期待させるような取り組みも始まっているようで,体操競技での演技評価を非接触センサーで取得したデータを基に数値化して採点する技術の開発が進められているようです。正に,人間の動きの優劣を具体的なデータにより客観的に評価するということになり,熟練者の知識ばかりではなく,その動作についても学習効果を高める道が見えてきたことになります。これは,ある意味では“人工知能”から“人工技能”への進化と言うことができるものではないでしょうか。

 

 既に,先月カナダで開催された世界体操選手権においてデータ取得のテストが行われているようですので,2020年夏のオリンピックでは実際に活用されているかもしれません。そして,同じ2020年末には“はやぶさ2”が地球に帰還することとなっています。

 

 その時までに我々がどの程度まで技能を高めることができているのでしょうか。この3年間の軌跡が問われることになります。

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ESG経営でSDGsの実現へ!!

 

 10月となりました。

 

 目まぐるしく変化する国際情勢の動きの中で,なかなか心穏やかという気持ちになれない日々が続いていますが,気づいてみれば朝晩の涼しさが季節の変わり目を感じさせるようになってきました。例年であれば,ようやくしのぎやすくなった秋の夜長をのどかに過ごすことができるはずですが,今年は迫り来るかもしれない脅威により気持ちも冷ややかとなってしまう感じではないでしょうか。

 

 そのような中で,政治の世界では熱い戦いが始まろうとしています。ただ,様々な状況がこれまでとは異なっており,身近に直面する課題に対してどのような具体的な手立てを打っていくかというような前向きで建設的な議論を盛り上げて欲しいものです。それでなくても時代の流れは急速に変化しており,移り変わる情勢に的確に対応した施策を如何に速く展開していくのかということが強く求められている状況であることは明らかです。

 

 時代の流れと言うことでは,最近,電気自動車に代表される“ゼロエミッションカー”の話をよく耳にするようになりました。車も排ガスを発生させないものに切り替える気運が急速に高まってきているようです。ディーゼルエンジン車の性能に不信を抱かせるような事態が明るみとなったことで,ある程度の転換は予測できたものの,現状急速に普及しつつあるハイブリットカーを飛び越えて一挙に加速しそうな勢いとなってきました。

 

 既に欧州各国においては,具体的な目標時期を設定して全ての新車を“ゼロエミッションカー”に切り替えることを決定しているところもあるようで,早いところではオランダが2020年,また,ノルウェーにおいては2025年という期限が掲げられているとのことです。このような動きは地球環境への配慮という将来的に避けられない流れを踏まえたものではありますが,一方で,新たな産業振興という側面からの強い後押しがあることも事実のようです。

 

 正に経済活動におけるダイナミズムが時代の変化をさらに加速していく流れということでしょうか。国際社会における政治的な環境においては,それぞれの歴史的な経緯や自国優先による思惑などの影響で,時代を押し戻してしまうような動きも出てきてしまうようですが,こと経済的な環境においては,国境を超えた共通の合理性により時代転換の動きがますます激しくなっていく事態となっています。

 

 既に経済分野に留まらず,情報通信の分野でも,そして,地震や台風・ハリケーンなどの防災対策の面においても,国際的な協調や協力が避けられない状況であることは明確であり,それぞれの歴史的背景を持つ国家間が,争いではなく,共に手を携えて取り組むことで,地球という限られた生存環境の中で安定した共生が可能となるということは明らかと言えます。

 

 そのような流れからと思いますが,2015年に国連において「人間,地球及び繁栄のための行動計画」(持続可能な開発のための2030アジェンダ)が取りまとめられております。これは地球規模で持続可能な開発を進めていくための必要不可欠な条件として認識すべきことを明確化したもので,その中では,国際社会全体として2030年までに達成すべき“持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)”が17項目に亘って具体的に掲げられています。

 

 この17項目の中には,貧困や飢餓の根絶,健康福祉の促進,教育・学習機会の確保などの全ての人々に関わる切実な願いの他に,雇用確保や経済成長,産業促進やイノベーションの推進,さらには,安全・強靭な居住環境などについて地球環境にも配慮した上で持続可能な形で実現していくことが盛り込まれています。正に,国境を超えて具体的に取り組むべき目標が打ち出された形となっています。

 

 そして,経済活動においては既にこれを踏まえた動きが始まっているようで,企業評価の指標として“ESG”という言葉が注目されるようになってきました。これは,環境(nvironment),社会(ocial),ガバナンス(overnance)の頭文字を取ったもので,従来からの企業業績や財務状況による評価に加えて,この三つの視点での事業戦略における取り組み状況を加味することで,企業としての持続的な成長についても見極めを行おうというもののようです。

 

 既に国際的な資本の移動に関して“ESG”指標が影響を与え始めているという指摘もあるようですので,これからますます各企業において“ESG”経営に関する情報開示が活発化することは確実なようです。“SDGs”という地球規模での共生に向けた目標への取り組みとして,経済活動の分野での“ESG”経営が重要視されていくことで,不安定要因が尽きない国際政治情勢においても良い影響を及ぼして,事態が平和裏に安定化の方向へ向かうことを願うばかりです。

 

 また,我々としてもこのような動きに無縁でいる訳にはいきません。経済活動における企業間取引の利害関係者(ステークホルダー)という側面ばかりではなく,地域社会の持続可能な発展を実現していく役割としても,“ESG”経営に対する認識を新たにする必要があるようです。

 

 我々を取り巻く時代の変化も想像以上に目まぐるしい状況となってきました。地球規模の範囲で,さらには将来へ向けて視野を広げることが迫られていると言えます。

 

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人間にとって科学とは何か!!

 

 9月となりました。

 

 7月に入った途端に真夏日が連日して続いた際には,迫りくる猛暑の脅威に戦々恐々としていましたが,8月となってからは一転して雨の日も多く,何となく肩透かしを食らった感を否めない今年の夏というところでしょうか。記録によると,当地での8月の日照時間は昨年の半分ということで,子供たちにとっては今一つ満喫できない夏休みであったかもしれません。

 

 そのような中で,朝晩の肌に触れる風にも涼しさが感じられるようになり,ようやく熟睡できる状況になってきたと思ったところに,目覚めの時間帯を襲った突然の警報音にはたいへん驚かされました。日ごろ地震の多い地域でもあるため,同じような警報は昼夜を問わず経験していましたが,今回は自然災害とは異なるミサイル発射ということで,これまでにない一種独特の緊張感が漂ったように思います。

 

 兵器を使用した紛争については,これまで海外からのニュースとしてテレビの画面越しに見ていただけですが,我々の身近にそのような現実が迫ってきているということであるならば,社会の安定を維持していく為には具体的な取り組みが必要であること,さらには,そのことを常に真剣に考え続けていくことが欠かせないことを知らせる警鐘と捉えることもできるかもしれません。

 

 毎年この季節には,終戦記念日を中心として戦争が如何に悲惨な状況を生み出すのか,また,だからこそ平和が如何に尊いものであるのか,ということが過去の経験も踏まえて繰り返し認識されてきていますが,一方で,世界情勢は新たな問題をはらんできている状況が明らかとなっており,改めて国際社会が抱えているリスクについて考えさせられる事態となりました。

 

 人類のこれまでの歩みの中でも,古の時代から争いは繰り返し続けられてきましたが,科学技術の進歩に伴い,近代的な兵器によりもたらされる被害や犠牲の程度は極めて重大なものとなってきているのも事実です。様々なモノやサービスが高度に提供されることで,我々の日常生活は大いに利便性を向上させてきていますが,一方で,争いの火種は絶えることなくくすぶり続けており,一旦ことが起こった場合のリスクは増大しているのも現実と言えます。

 

 複雑に絡み合った国際情勢を安定化させ,争いのない平和な日常の中でそれぞれの幸福を追求できる社会の実現はなかなか難しいことなのでしょうか。また,現在我々が進んでいる,あるいは進もうとしている方向性はその目標に着実に近づくことができているのでしょうか。様々なことを改めて考えさせられる機会となりました。

 

 これまで社会的な不安の根底には常に経済的な困窮が原因として存在していることが指摘され,それを乗り越えるための手段として科学技術の進歩が追求されてきた面があります。これにより我が国も含めて目覚ましい程の経済発展を遂げて,人々の生活が豊かになった事例も続々と出てきています。しかし,一方で,最近は経済が優先されるあまりに,経済的な効果で何事も判断される風潮もあり,それによる歪も実際に出現してきています。

 

 かつて1999年にハンガリーのブダペストにおいてユネスコなどの主催による「世界科学会議」が開催され,科学の定義として『1.知識の進歩のための科学』,『2.平和実現のための科学』,『3.持続的発展のための科学』,『4.社会のため,そして社会の中の科学』という4つの側面が提起されたとのことです。〔「人間にとって科学とは何か」:村上陽一郎著(新潮新書 2010年6月)〕

 

 この場合には,純粋な学問としての科学への取り組み方についての提言ということのようですが,我々が日常的に取り組んでいる経済活動の面においても,目指すべき方向性について明確な認識の共有化が必要なようです。地球という限られた空間の中で,お互いに平和裏に共存して持続的な発展を遂げていく為にも,どのようなことを大切に考えていくべきかということを今一度再確認することが必要ではないでしょうか。

 

 最近はやりのAI(人工知能)においても,深層学習により人間並み,あるいはそれ以上の能力を備えることができたとしても,それが倫理観に基づいた方向性に合致したものでなければ,人間社会に貢献することはできず,逆に脅威になってしまいます。既に,AIに関する倫理指針(人工知能学会)なるものも提起されているようですが,今後このような議論が盛り上がることが期待されます。

 

 先の書籍によれば,我々が馴染みのニュートンやガリレオも自らを「哲学者」として任じて,社会からもそのように認識されていたようです。その後,我々が高度な近代科学と共に歩み始めてからの二百年たらずの間に目覚ましい発展を遂げることができましたが,ここへきて改めて科学や技術の発展を目指す根本原理を考えるべき時がきたようです。

 

 AIの倫理指針の最初に掲げられた「人類の平和,安全と公共の利益に貢献する」ことをどのように考えていくのか,それが問題です。

 

 

 

 

 

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我々が目指すべき人間学習とは!!

 

 8月となりました。

 

 7月初めの九州北部地方における豪雨災害に引き続き,今度は秋田県内において記録的な大雨があり,河川の氾濫などによる被害が発生しております。幸いにも犠牲者は出ていないようですが,いまだに避難されている方もおられるようで,農作物への被害も深刻なようです。南方海上での台風の発生も多くなってきていることから,一刻も早い復旧・復興を願うと共に,根本的な治水対策についても迅速に行ってもらいたいものです。

 

 我々が日常生活を送る中では様々なリスクや危険性が存在していますが,安全で安心した日々の暮らしを守っていく為に,予防という観点での具体的な取り組みを着実に進めていくことが必要です。特に,報道などにより提供される情報においては,課題や問題点の指摘は行われるものの,それをどのように克服していくのかという点での議論が不足している,あるいは避けられているように感じます。痛ましい経験を無駄にしないためにも,建設的で前向きな意識を高めていくことが必要と感じるこの頃です。

 

 最近,様々な課題解決に向けた動きが遅々として進まない状況を目にする機会が多くなっています。社会一般においても,議論は百出しているように見えますが,なかなか具体的な方向性が見えず,合意形成にも至らないという状況が散見されます。一方で,ネット社会の進展によって,得られる情報は非常に幅広く奥深いものになってきていることもあり,新たな時代環境に対応した物事の進め方に切り替える必要性がますます高まっているようにも感じます。尤も,考えようによっては,これまで表面に出てこなかった課題が様々な観点で浮き彫りにされるようになったという意味では好ましい状況と言えるかもしれません。

 

 何れにしろ,変化の激しい世の中となってきましたので,一つ一つ物事の解決へ向けた具体的な動きを進めていく必要があることは言うまでもありません。ここ最近の合意形成や問題解決に向けた議論の中で常に考えさせられるのは,我々自身の考え方や行動パターンについての特徴についてです。一見して日々の振る舞いは常に論理的に決定されているように感じられますが,実は様々な要因による影響を受けていることは確かなようです。

 

 これに関連して思い出されるのは,かつて目にした“ロゴス”,“エトス”,“パトス”という言葉の意味合いについてです。これは,古代ギリシャの哲人であるアリストテレスが考察したと言われる説得のための三要素とのことですが,現代人である我々においても,日頃の言動に大きく影響を及ぼしている要因に通じるものがあるように思います。

 

 “ロゴス”という言葉は,本来は言葉や言論を用いた理屈による説得として捉えられているようですが,根本的には論理的な思考に基づく考え方ということと理解されます。これは物事の判断においては非常に重要なものであり,ある意味では最も合意形成が図りやすい考え方であるようにも思います。判断の前提となる情報が明らかとなっている場合には,ある意味ではお互いの理解を確認しやすい考え方と言えます。

 

 一方,“エトス”という言葉は,人格や人柄による説得とされていますが,より幅広く習慣や習性・性格に基づく考え方というようにも捉えられているようです。この場合,ある程度の集団として特徴づけられた習性や気風という段階であればお互いの理解は得られやすいと思われますが,個人的な性格や癖というような側面になってくるとなかなか認識合わせが困難な場面が出てくることとなります。

 

 さらに,“パトス”という言葉は,感情による説得要素とされていますが,その具体的な現れ方としては,親愛,嫌悪,歓喜,恐怖,憤怒など多面的なものがありますので,ますます計り知れない不明確さが生じてきてしまいます。また,同一人物であっても時と状況に応じて現れ方が変わってくるという厄介な面も持っているようです。

 

 我々自身も含めて,常日頃は冷静に“ロゴス”的な立ち位置で論理的な考え方を持ち続けたいと思っているのですが,いつの間にか“エトス”的な性格や癖による軌道修正が無意識のうちに働いて,時によっては突然に“パトス”的な感情のアクセルが踏み込まれて突き進んでしまうというような場面は,苦い経験として多かれ少なかれ誰でも持っているのではないでしょうか。したがって,このような状況ではなかなか建設的な合意形成が難しくなってしまうこととなります。

 

 また,我々が日々直面している課題である業務安全の確保という観点においても,この三要素は極めて重要な着目すべきポイントであり,それぞれの要素毎に具体的な働きかけを並行して行うことが安全確保の必須条件となり,このような“多重防護”が働かなければ危険予知やリスク回避は難しいと言えます。その意味でも,先の三要素は自らの問題としても,常に意識して絶えず冷静なコントロールを心がけることが大切と言えます。

 

 最近,AI(人工知能)に対する注目度が高まってきており,特に新たなアプローチとして取り組まれた“機械学習”が今までにない成果を高めている要因として評価されています。そして,その応用範囲はますます広がっており,これからさらなる進化を遂げる動きです。過去の膨大なデータを処理して活用するという機械が得意とする特性を効果的に発揮して,自らの経験による学習の成果をも積み重ねて速やかに改善を図っていくという技がますます高度化しているようです。

 

 同じように人間においても,三要素が関わる自らの考え方や行動パターンについて,過去の経験や様々な外部情報を客観的に評価して,その結果から冷静な意識で自らの改善を図っていくという“人間学習”を心がけることで,社会をさらにより良い方向へ導くための成果を打ち出していくことは十分可能であるものと確信できます。

 

 様々な課題が見えてきた現状において,AIに負けない程の“人間学習”が求められているのではないでしょうか。

 

 

 

 

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自然災害に立ち向かうIoT!!

 

 7月となって10日程が過ぎました。

 

 月が変わってから本ブログの更新が少し遅くなってしまいましたが,この間に九州北部地方を中心としてたいへんな豪雨に見舞われ,各地で大きな被害が出ています。所によっては24時間の降水量が500ミリを超えた地域もあるようです。土砂崩れなどにより孤立している方々の救助活動が続けられており,避難されておられる方も多数に上っているようです。被災された方々が安心して日常生活を取り戻せるよう一刻も早い復旧を祈るばかりです。

 

 毎年このような災害が発生するたびに痛ましい状況を目の当たりにすることになりますが,何とかこの辛い経験を次の対策に活かしていくようにしたいものです。

 

 気象庁は平成25年8月から「特別警報」を発表していますが,今回の降水量は50年に一度という基準レベルをさらに超えるものであったようで,被害の大きさがうかがわれます。一方,国土交通省では,河川の氾濫による浸水想定区域の検討において,平成27年から前提となる降雨を想定し得る最大規模の降水量に変更することとして,その結果を「洪水浸水想定区域図」として公表して注意を呼び掛けているようですが,今回の豪雨はこの予測を超えるものであった可能性が考えられます。

 

 平成27年と言えば,その9月に北関東や東北地方を襲った集中豪雨により鬼怒川の堤防が決壊するなどしてたいへんな被害を受けることとなりました。そのような教訓を活かした形で様々な方面での対策も行われてきていますが,なかなか自然の猛威は計り知れないということなのでしょうか。これを契機として新たに防災対策についての様々な検証が行われることになると思いますが,叡智を結集した具体的な対応策の検討と,明確な方針の下での政治や行政のリーダーシップにより安全・安心な街づくりを実現して欲しいものです。

 

 気象に関する情報という意味においては,最近では気象庁などの観測網が整備されて,より高精度で詳細なデータが共有できるようになってきていますが,それ以上に住民一人一人がスマホなどにより情報発信者となることで,よりきめ細かい情報展開が可能となっています。それぞれの地域で生じている気象現象については,様々な情報源からのデータを簡単に手に入れられることから,情報通信技術の活用による極めて緻密な観測網が身近に整備された形となっています。

 

 そして,これからはIoTの活用が盛んとなって,災害の発生予報や災害による被害防止に繋げる動きが活発になることは確実といえます。総務省においては,昨年9月より「地域IoT実装推進タスクフォース」を開催し,IoT,ビッグデータ,AIなどの効率的・効果的な活用により地域の課題解決を迅速に推進するための検討を行ってきています。そして,この5月には,IoT等の本格的な実用化の時代を迎えて,この動きをより一層加速するためとして「地域IoT実装推進ロードマップ(改定)」が公表されています。

 

 その中では,防災に関する取り組みの一つとして,災害発生時に,自治体等が放送局,ネット等の多様なメディアを通じて地域住民に対して災害時に必要となる情報を迅速かつ効率的に伝達することを目的とした共通基盤(Lアラート)の導入が盛り込まれています。また,その他には,地震・津波等による広域災害や緊急性を要する大規模災害に対して,津波の被害予想や地下街等の屋内における避難誘導,災害情報の一元化などG空間情報(地理空間情報)と情報通信技術を連携させて構築する先端的な防災システムの導入が提言されています。

 

 東日本大震災においての地震・津波の被害状況は非常に深刻なものであり,具体的な対応を急ぐ必要がありますが,毎年のように繰り返されている集中豪雨による被害に対しても迅速に対処を行なっていく必要があることは明らかと言えます。特に,我が国においては“急勾配河川”が多く,“全国土面積の10%に過ぎない洪水氾濫区域に人口の50%が集中している”とも言われており,毎年のように甚大な被害を受けていることからも待ったなしの状況です。

 

 早速,先週の7月7日に「地域IoT実装推進事業」の採択候補として自治体などから申請のあった中から17件が採択され,実施に向けた具体的な検討を開始することとされています。この中には教育,働き方,農林水産業などの他分野の事業も含まれていますが,官民一体となった展開の速さから,社会生活へのIoT活用に対する期待の大きさが窺われます。

 

 今回の採択事業においては,災害発生後の対策本部あるいは自治体における活動の支援が中心となっているようですが,世界的なIoTに関する実用化競争が激しくなっている状況を踏まえると,災害の発生予報や災害による被害防止について画期的な対策がこれから実現されていくことが期待されるところです。

 

 世界的な情勢としては,自然災害以外にも様々な不安定要因が出てきていますが,ある意味では我々が生き延びていく為に,人類が共通に力を合わせて立ち向かうべき課題であることは明らかです。IoTという我々の業務とも繋がりのある技術がこれに活かされるとすれば,我々の果たすべき役割も非常に重要になってくるものと思います。

 

 その期待に応えることができるよう,これからの我々の努力が試されるところと言えます。

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魔法の世紀を迎えるに当たって!!

 

 6月となりました。

 

 新緑が鮮やかに感じられる季節になったと思ったのもつかの間で,日中は汗ばむような気温となる日もあり,体調管理がなかなか難しい時期となってきました。先月には梅雨前にもかかわらず最高気温が35℃を超える猛暑日を観測した地域もありました。気象庁の発表では厳しい夏の暑さが予想されていますが,一方で,昨年来からの太陽の黒点数における異変により寒冷化への動きを警戒する向きもあり,真実の見極めはなかなか難しいようです。

 ただ,何れにしてもこれから暑くなっていくことは確かですので,先ずは適応力を鍛えておくことが必要と言えます。

 

 かつて若かりし頃,暑さで寝苦しい夜を過ごした翌朝は,寝床から起き上がってもなかなか覚醒状態には至らず,夢うつつという感じとなっていた記憶がありますが,最近はそのようなことも少なくなり,ついつい寄る年波の影響ではとの懸念も頭をよぎるようになってきました。でも,物事は考え方次第ですので,過酷な環境においても熟睡できるような適応力が向上してきている証拠と意識的に前向きな考え方をするようにしています。

 

 以前読んだものによると,脳内の老廃物は夜の睡眠中に掃除をされるとのことのようで,眠ることの重要性が改めて認識されます。60兆個とも言われる人間の細胞ですが,それぞれの細胞が一定の周期で新陳代謝を繰り返しており,その際に発生した老廃物は皮膚のように剥がれ落ちたり,血液などにより運び出されたりしているとのことです。脳内のメカニズムについてはまだ十分に解明されていない段階のようですが,睡眠の質が高い程,脳内に残った老廃物が少なくなっているとのデータも得られているようで,今後のさらなる解明が待たれるところです。

 

 年齢を経るにしたがって,体力的な衰えは少しずつ感じるようになってきていますが,何が何でもがむしゃらに体力勝負というような無理をしない心掛けも必要であると思えるようになってきました。勢いに任せてということで力強さを打ち出すことは時により必要ですが,ややもすると,それは余分な堅さを生じさせたり,方向性を見失ったりという危険性もはらんでいるようです。最近は生活のリズムを維持することに心がけていることが,質の高いと思われる眠りを実現してくれているようにも感じられるこの頃です。

 

 月日の流れと言うことでは,本ブログも平成21年の3月に開始して以来,毎月の更新を繰り返して今回で区切りの100回を数えることとなりました。振り返ってみるとこの8年余に及ぶ期間での様々な出来事が思い出されますが,それにひきかえブログの内容については記憶が定かでない部分も多く,かなり冗長な内容や表現になっているものと思います。でも,敢えてここでも過度に力むことなく,後ろを振り返らずに意識的に前向きな気持ちで,目まぐるしく変化するこの先の世の中を見つめていくことに徹したいと思っています。

 

 特に我々が日々かかわっている情報通信技術の分野における進歩は非常に激しいもので,直線的というよりは正に指数関数的な進歩を遂げているようです。かつて我々が子供の頃に心躍らせて見ていたテレビ番組でのSF(空想科学)の世界が次々と現実化されてきています。テレビ電話は勿論のこと,映像で学ぶことができる百科事典など,夢のまた夢と思われたものが手軽に利用できる日常となっているのです。これからこの先にどのような世界が現れるのか全く想像ができない状態です。

 

 現状のような技術の発展が続けられていくことで,我々が考える想像力を超えて社会が進化していく世の中が出現するとの予測が現実味を帯びてきたように思います。『今,テクノロジーは私たちの行動の幅を広げる方向に発達しているにもかかわらず,その仕組みはまるで魔法のように,ますますわかりにくくなっているのです。』〔「魔法の世紀」:落合陽一著(PLANETS社 2015年11月)〕これから我々が目にする社会は,あたかも日々魔法に遭遇しているかのような想像を絶するようなことが実現されていくことになるようです。

 

 そこへ向けた動きの一つとして,先月から次世代の移動通信システムである5G(第5世代移動通信システム)の実証実験が開始されました。2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会へ向けて世界に先駆けての実用化を目指して開発が進められています。今回は,東京スカイツリーの展望台から通常のハイビジョンの16倍に当たる超高精細画質(8K)の映像をライブ配信したり,同じくサッカーの試合を8K映像で送信してバス車内の画面に表示させたりする実験が行われているようです。

 

 大会に関しては,費用負担の問題で国と関係自治体との間での話し合いがいまだに続いている状況ですが,通信インフラの面での準備は着々と実用化に近づいているようです。尤も,5Gの開発競争は既に一番乗りを目指した国際的な競争が始められている状態ですので,待ったなしというところでしょうか。ますます“魔法の世紀”が目の前に迫ってきているようです。

 

 この際は,いつもと変わらず,過度に力むことなく意識的に前向きな気持ちをもって,目の前に出現する“魔法”に対応できる適応力を鍛えることが必要なようです。

 

 

 

 

 

 

 

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順応性でつながる世界の実現を!!

 

 5月となりました。

 

 桜前線はようやく北海道に到達したようですが,我が家の周りでは八重桜が満開となっています。遠くに広がる新緑も鮮やかさを増してきて,気分的にもなんとなく穏やかとなる季節を迎えました。緊迫する国際情勢とは裏腹に,身近な所で目にする雰囲気は“春うらら”という感じです。国境を越えて誰もが心安らげるような世界の安寧はなかなか望めないのでしょうか。

 

 ここしばらくの近隣地域における不穏な動きを受けて,国内においても今までにないような緊張感が急激に高まってきているようです。これまで平穏無事であることが当たり前という感覚に慣らされてしまい,それがどのような仕組みで維持されてきているのかということについては,あまり深く考えることはなかったように思います。現時点においても,国際秩序の維持のために様々な情勢分析による取り組みが続けられているようですが,我々自身においても自らの感覚を客観的に分析してみることが必要なようです。

 

 我々人類が優れて進化できた要因の一つとして“順応性”ということが言われています。どう猛な肉食獣からの危険を逃れて,様々な装いに隠された果実の毒性にも惑わされず,過酷な地球環境の変動にも耐え忍ぶことができた根本的な能力であり,「順応性自体が人間を定義づける特徴」と唱える向きもあるようです。

 

 しかし,一方で順応性に優れているが故に,受け入れたことを日常化して当たり前と思ってしまうことの危険性もはらんでいるとも言えます。毎日のように様々な事故が発生していますが,そこには必ずと言ってよい程に“慣れ”や“思い込み”などのヒューマンエラーが潜んでおり,我々自身も日常的に直面しているヒヤリハットにおいて強く実感させられるところでもあります。順応性という優れた能力を最大限に発揮するためにも,その前提となる鋭い“肌感覚”や冷静な“判断力”を鍛えておくことが必要になってくるのではないでしょうか。

 

 さらに,国際情勢や社会環境が激しく変化する中においては,それぞれの背景や立場の違いを乗り越えてどのように折り合いを付けて行くかということも大きな課題となってきています。歴史的な経緯の中で価値観が異なる場合に,対立する利害関係をお互いが好ましい形でどのように平和的に調整していくかという極めて困難な問題が次々と突き付けられています。現状において国際社会が直面している課題に対しては,どのような解決が図られることになるのでしょうか。

 

 国家という枠組みを超えて人やモノ,さらには情報が行き交う状況においては,このような問題解決はますます重要性を増してくるものと思います。経済的な発展の状況を踏まえてみれば,国際社会での孤立は決して好ましいものではないことは明らかであり,その意味でお互いのつながりをどのように深めていくことができるかということが,現代人が順応性を発揮すべき対象課題になったと言えるような気がします。

 

 ただ,このような課題に対する取り組みについては,既にビジネスの世界では行われてきています。例えば,無線通信の分野に関していえば,電波の周波数帯や通信方式などが国際的な調整の上で規格化・標準化されています。2020年に向けての実用化競争が繰り広げられている5G(第5世代移動通信)に関して言えば,国連の専門機関である国際電気通信連合(ITU)が開催する世界無線通信会議において議論が行われてきており,2019年に予定されている次回会合に向けて詳細な詰めの作業に拍車がかかっているようです。

 

 このような場における物事の調整においては,納得できるルール作りや客観的な決定手続きなどのなかなか難しい障害を乗り越えることが必要となりますが,国際的な経済活動の活発化を受けて,無線通信に限らずそれ以外の分野においても様々な領域で合意形成を踏まえた規格化・標準化が進められています。政治的な問題はあるにしても,国家間の緊迫状況を解決に導く方策が,これらの経験や知見から導き出されることを願うばかりです。

 

 つながりという意味では,現在急速に展開されている“IoT(Internet of Things)”がさらに大きなインパクトを与える期待を抱かせます。様々なモノをインターネットでつないで情報を共有化するという動きは既に急激な勢いで進められています。尚且つそれが活用される範囲は,ことIT分野に留まらず広く社会的な範囲にまで拡大されることとなります。

 

 このような状況を見据えて,『インダストリアル・インターネット』,『インターネット・オブ・エブリシング』,『ワトソンIoT』,『サステナブル・シティ』などの規格化・標準化へ向けた開発競争も加速しています。社会の発展に伴い様々な問題や課題が現れてくるとしても,革新的な技術の活用により新たな視点で世界の安寧が実現できることを期待したいものです。

 

 先に挙げた人類が優れて進化できた要因の中には“団結し,征服する”ということも含まれているようです。しかし,既に宇宙の彼方にまで探究の範囲を広げている現代人においては,“地球規模での団結”を目指すべきであることは明らかです。そこへ向けた大きなインパクトの期待を担う技術分野に関われる立場である我々としては,そのことを十分に認識することが必要です。

 

 新たに直面している課題解決へ向けて,我々の順応性が試される時が来ました。

 

 

 

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ISOに見据える国際感覚!!

 

 4月となりました。

 

 朝晩の寒さはまだ残っていますが,草花は確実に色を増してきており,これまでモノクロであった世界が急に総天然色に切り替わったというような気分です。もっとも,毎日見ている風景ですので,何れの段階で気づくかというような日頃の注意力を試されているようなもので,感度が鈍ってきている体内感覚の調節が早急に必要なようです。

 

 何れにしろ,気分的にも華やいだ雰囲気の中で新年度もスタートしましたので,新たな気持ちで様々な取り組みを始めたいと思います。毎年この季節に思うのは,四季の移り変わりという中で一年が過ぎていくということの意味合いについてです。特に,我が国の場合,4月からの新年度開始となりますが,卒業や入学,入社という人生の節目における門出が,このような華やかな雰囲気の中で迎えられることで,ひときわ印象深いものになっているような気がします。

 

 季節的には華やいだ雰囲気ではありますが,そのような中で大きな試練を迎えている問題も注目されており,その一つがウェスチングハウス社と言えます。親会社となっていた東芝の経営再建に向けた取り組みの中で,先月末についに破産法の申請が行われる事態となりました。現在は原子力事業会社という位置づけですが,その前身であるウェスチングハウス・エレクトリック社は,ゼネラル・エレクトリック社と並ぶ業界のリーディングカンパニーとして,交流発送電技術を確立するなどの輝かしい実績を誇っていました。

 

 その後も民間初のラジオ局を開局するなど電気や機械関係の幅広い事業を展開すると共に,原子力発電事業の分野を開拓するなどしていましたが,原子力以外の部門については事業分離や売却が既に行われ,唯一残っていた事業会社においても危機的状況を迎えることとなりました。最近は国内においても歴史のある企業の分割や事業譲渡が珍しくなくなってきましたが,これも時代の流れと言うことなのでしょうか。それにしても,東芝が直面している試練については是非克服して欲しいものです。

 

 時代の流れということでは,いよいよ英国が欧州連合(EU)からの離脱に向けた動きを始めたようです。我々の年代においては,その前身である欧州経済共同体(EEC)の時代から,特に経済的な面での国境を超えた結びつきを強めていく状況に,大いなる可能性を感じてもいましたが,その後に表面化した様々な課題や問題は,各国の利害調整において奥深い難しさを際立たせることとなりました。

 

 ただ,このような経済的な結びつきのなかで,生み出された成果もあるように思います。その一つがISO9000シリーズ(品質マネジメントシステム)規格ではないでしょうか。工業製品が国境を超えて行き来する状況の中で,統一のとれた基準に照らし合わせて評価を行うことができることで,国をまたいだ取引においてもお互いに安心して経済活動を促進することが可能となります。経済のグローバル化という動きなどに連動した面もあるかと思いますが,欧州経済共同体の発展は,規格誕生の大いなる追い風になったことは確かなはずです。

 

 例えば,イタリアの企業がオランダの下請け企業に発注を行う場合に,ISO規格の認証を取得していることを条件に取引先を選定することができれば,ある程度の品質レベルを見極めることが可能となるということになります。ただ,本質的に最も重要なことは,共通の規格に基づいた品質マネジメントシステムを機能させていることで,お互いの品質に関する言葉や考え方,さらには重要な勘所に関する共通認識の擦り合わせが容易となり,最終的に顧客満足を得るための品質確保が効果的かつ効率的に実現しやすいということにもつながります。

 

 ただ,特に中小企業におけるこれまでのISOに対する取り組みのなかでは,必ずしも前向きな話ばかりではなかった面もあります。よく言われるのが,文書作成の手間ばかりが増えていって,その効果がなかなか確認できないというような話でした。少人数で業務をこなしている中で,それに付加する形でマニュアルや手順書の作成も行わなければならないという形での悲鳴とも言えます。

 

 翻って,規格そのものを客観的に見てみると,そこには“大事なことは何か”ということが明示されているのであって,それをどのように具体的に実行していくかについては,自らが考えて取り決めていくことが重要であるという主旨が感じ取れます。実際,一昨年2015年に改訂された最新のISO9001:2015では,文書作成の表現は弱められ,その一方で“取り組む目的の明確化”や,“組織全体としての積極的な姿勢”,“将来や利害関係者を見通した効果的な対応”が求められるなど,“業務革新”にもつながるような要求事項となっています。

 

 欧州からはるか離れた地で業務を行っている我々が国境を超えた取引を行うことになるかどうは別にしても,国際的に統一された要求事項を満足させるための取組みは,我々自身の将来的な業務展開を図る上においても大きな励みとなることは確かです。少人数であるからこそ,様々な知恵を出して効果的な発想と効率的な仕組み作りができれば,この上ない強みとなるはずです。我々の取り組みもいよいよグローバル化に向けて動きだしたということでしょうか。

 

 グローバル化と言えば,2020年の東京オリンピックに向けて様々な取り組みが始まっていますが,無線の業界においてもオリンピック期間中に海外から持ち込まれる様々な無線機の利用をどのような形で受け入れるかという検討が始まっています。我々の何気ない普段の生活や業務が,実は国境を超えた世界とのつながりを日ましに深めている状況のようです。

 

 この際は,目線を上げて世界を見据える感覚が必要なようです。

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闇に潜む無限の可能性を求めて!!

 

 2017年(平成29年)も3月となりました。

 

 日の出の時間が早くなってきました。目覚めの際の空の明るさが日に日に増してきています。朝晩の寒さも何となく緩んできたような感じがするこの頃です。猛威を振るったインフルエンザもようやく終息の方向のようです。暦の上でも眠っていた生き物たちがそろそろ活動を始める時期ともなりましたので,先ずは寒さで硬直しきった体を徐々にほぐしていくことが必要です。これからしばらくは春眠に打ち勝つような意思を取り戻すことができるかどうかが勝負所です。

 

 そのような中で正に目の覚めるようなニュースが伝わってきました。先月,NASA(アメリカ航空宇宙局)が地球に似た7つの惑星を発見したとの発表を行いました。大きさは地球とほぼ同じで,一部には海が存在する可能性があるとのことです。我々が子供の頃に盛んにテレビドラマとして放送されていた地球外生命の存在がいよいよ確認されるのでしょうか。当時は,アポロ11号による月面着陸などもあり,未知なるものへのロマンが掻き立てられたものでした。

 

 もっとも今回発見された惑星までの距離が39光年ということですので,例え生命体が存在していたとしても,実際に遭遇できるかは微妙な状況と言えます。あるいは先方が高度な技術文明を築いているとすれば,タキオンエンジンでも使うことでワープしてやってくることがあるのでしょうか。何となく不気味でもありますが,内心期待するところもあるというのが実感と言えます。そして,何よりも我々が不可能と思っている技術が実現できているとすれば,そのメカニズムを先ずは見てみたいというのが一番の強い気持ちというところでしょうか。

 

 一方,我々人類においては,アメリカが1977年に打ち上げたボイジャー1号が太陽系の外側に向かって移動しているところのようです。打ち上げから40年近くが経過して,既に太陽圏を脱出したようですが,現在地までの電波交信にかかる時間が20時間程度のようですので,同じ光速で39年の時間を必要とする今回の惑星までの距離の膨大さが実感されるところです。ここのところダークマターやダークエネルギーなどの宇宙にまつわる話題は尽きないところですので,今後の新たな展開を期待したいものです。

 

 宇宙では気の遠くなるような時間の流れが進んでいますが,一方,地上においては“プレミアムフライデー”が始まりました。報道などでも比較的大きく取り上げられていましたが,どちらかというと景気対策を見込んだ消費拡大の趣旨が強いように思えます。実際の効果の程はこれから見定める必要があるようですが,かくなる上は,消費マインドが前向きになり少しでも景気に良い影響をもたらして欲しいものです。一方仕事の面からは,日常業務における時間短縮の動きは当然目指すべきものであるとしても,重要なのは費やした時間とその成果との兼ね合いであり,毎月とは言わずに一人一人が日々考えて取り組んでいくことこそが重要と言えるのではないでしょうか。

 

 かつて1990年頃にも労働時間短縮に向けた取り組みが声高に叫ばれた時期がありましたが,それ以後我が国における一人当たりの平均年間総実労働時間は減少傾向を続けて,2014年においては1,729時間ということで,海外と比較してもアメリカやイタリアを下回っているようです。(独立行政法人労働政策研究・研修機構)

 一方,時間当たりの労働生産性で見てみると,日本の労働生産性はニュージーランドをやや上回っているものの,アメリカの6割強の水準でしかなく,第一位のルクセンブルクは日本の2.3倍となっているとのことです。(公益財団法人日本生産性本部)

 

 経済活動における環境が激変する状況となり,技術やサービスの面での展開が目まぐるしく変わる中で,限られた時間において成果を一層高めていく為には,働くことに対する根本的な考え方の見直しが必要なようにも感じられます。勿論,肉体的な疲労の程度や,取り組み課題に対して働きがいや面白味を感じられるかという精神衛生的な面での影響も考慮していくことが必要と言えます。

 

 一日の時間は限られており,人生においても体力や気力が充実して頑張れる時間も無限ではない状況ですので,ここは時間の使い方にも工夫が必要と言うことでしょうか。ビジネス書においても時間管理術や集中力を高めることを取り上げたものがよく読まれているようですので,これを課題と考える人達においては様々な試みが行われているということではないでしょうか。

 

 時間の使い方について興味深いのは,将棋におけるプロ棋士が手筋を読む時間についての話で,一つの局面での手筋の可能性は80手程度あるとのことですが,実はそのうちの77手位については直観によって直ぐに捨てているとのことのようです。そして実際には残りの3手程度の中からの選択に大部分の時間を費やしているとのことです。また,このような直観の七割は正しい判断と言えるようです。〔「決断力」:羽生善治著(角川新書 2005年8月)〕

 

 我々の場合には論理的に考え尽くした時間が長い程,的確な判断ができるものと思いがちですが,その道を極めて鍛錬を行っている達人から言わせれば,それはまだまだ入口の段階であり,最終的に行き着く鍛えるべき本質は別のところにあるようです。そういえば,速読や速聴というものについても,左脳から右脳に切り替えるというギアチェンジが必要と言われています。そのように考えてみると,宇宙に負けないぐらいに人間の未知なる可能性が感じられるようです。

 

 次第に明らかになっていく宇宙の謎ですが,我々自身の謎はまだまだ闇に隠されたままのところも多いようです。我々も直感の方が正しいと言えるようになれるのでしょうか。

 

 その可能性を求めて果てしない探究の旅が続いていきます。

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