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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
全体最適化を実現する社会へ!!

 

 4月となりました。

 

 例年にない速さで桜前線が北上しているようです。ついこの間までモノクロであった風景があっという間に彩輝く世界に切り替わる様は見事という意外にありません。正に自然のなせる業というところでしょうか。しかもその輝きが極わずかな束の間の出来事であるということで,余計に有難味も増してきます。近頃の温暖化の影響か,開花時期が年々早くなる傾向にもあるようですが,この風景は是非守っていきたいものです。勿論,この色付きを際立たせるための冬の寒さも欠かすことのできない大切な過程であることを忘れてはなりません。

 

 一年を通したこのような季節的な移り変わりがあることで,我々の日常生活もよりメリハリのきいたものになっているようです。特に,このような華やいだ雰囲気の中で新年度が始まり進学や就職など新たなスタートを切る形となる我が国においては,その記憶はより深く刻まれることになるのではないでしょうか。春夏秋冬というそれぞれの季節における絶妙なバランスの上で,長い時間をかけて適応してきた生活文化が形成されていることを改めて実感します。

 

 自然の季節は規則的に繰り返されることになりますが,実社会の変化はなかなかそのような単純なものではないようです。我々のような年代が感じる“魔法の世紀”という意味合いも,驚きの程度が日増しに更新されるほど変化は激しくなっています。動力が蒸気機関となり,それが電力・モーターに切り替わり,コンピューターによる管理・制御が行われるというこれまでの“産業革命”と呼ばれる変化に留まらず,あらゆるものが繋がることで,大量の情報を基に人工知能が自ら考えて,“自律的に最適化された社会”が形成されようとしています。最近ではこのような社会を称した“Society 5.0”という言葉をよく聞くようになりました。

 

 しかし,このような大きな社会的変革に当たっては,これまでの経験や知見だけで対応することは難しい状況となるため,新たな時代に適応できる人材の育成が強く求められるところとなります。このようなことから,既に昨年より「IoT新時代の未来づくり検討委員会」が総務省内において立ちあがり,具体的な検討を始めているとのことで,先月,その中間報告が取りまとめられ公表されています。

 

 ここでの検討においては,最近の人材に関する課題について取り上げられており,具体的には「高等教育を受けたはずの人が基本的なサバイバルスキルを身につけていない」との評価が紹介されているようです。そろそろ引退を考え出すような我々の年代が生きてきた時代に比べると,現代社会の環境変化は相当なものと思いますが,ここで言われている内容は当方にとっても耳の痛い話と言えます。かくなる上は,年齢に関わらずまだまだ手を抜けない状況というところでしょうか。

 

 そこで気を取り直して,「IoT・AI時代に必要な能力(21世紀型スキル)」についての検討部分を見てみると,「思考の方法」として“〜和だとイノベーション”や“批判的思考,問題解決,意思決定”と“3悗喨の学習,メタ認知”,「働く方法」としては“ぅ灰潺絅縫院璽轡腑”と“ゥ灰薀椒譟璽轡腑”,「働くためのツール」としては“情報リテラシー”と“ICTリテラシー”,「世界の中で生きる」として“地域とグローバルのよい市民であること”や“人生とキャリア発達”と“個人の責任と社会的責任”の合計10個のスキルが明示されています。

 

 これについては,どのような経緯で絞り込まれたものであるかという詳細までは把握していないものの,日常的に感じている意識としてある程度納得できる部分があるように思います。国や地域を超えた厳しい競争の中で,費用対効果を最大限に追求し,これを的確に実現していくことで社会や利害関係者に対しても責任を果たしていくということが,今や中小企業に対しても当たり前のように求められる状況となっています。その意味では,能力向上へ向けての取り組むべき方向性は基本的に変わっていないようにも思います。

 

 一方,“IoT・AIの活用による自律的に最適化された社会”が到来するということから考えると,課題解決へ向けたプロセスや考え方の切り替えも極めて重要であり,そのことが“Society 5.0”時代に対応できる能力ということのように思います。特に,IoTによりあらゆるものが繋がり,大量の情報を基にしてAIにより高度な解決力を発揮でき,そのプロセスが見える化されるという状況においては,課題に取り組む意識の転換が必要であることは明らかです。

 

 そのような中で,ここ最近話題となった社会的な問題や課題についてその本質的なものを考えてみると,“全体最適化”という意識の重要性が日増しに高まっているように感じます。限られた部分部分に着目しただけでは,全体としての整合性や効率が見落とされてしまい,極限までに追求されるべき費用対効果や企業間競争において優位性を発揮できない状況となってしまうのです。しかし,IoT・AIの登場はここに大きな威力を発揮するものであり,これが最近急速に注目を集める要因であるようにも思います。

 

 少し前に大きな話題となった新幹線の台車における亀裂問題においても,製造現場での調整による減肉加工が原因と指摘されていますが,そこに至るまでの過程においても,部品製造における仕上がり寸法のばらつき管理や,さらには設計段階における構造や寸法公差の決め方なども含めて,工程全体を通した最適化の検証が今後の再発防止対策には欠かせないものになることは明らかです。

 

 さらには,異常をある程度感知してからの対応として,状況診断の評価に関する手順や,リスクの程度を想定した判断の仕方,さらには個人あるいは組織間での情報共有や意識の擦り合わせなど,運行システム全体を通しての見直しも必要なようです。正にこのような取り組みにおいて,IoT・AIは非常に強力な武器となるものであり,これが社会の隅々まで浸透していくということは,“全体最適化”の意識を徹底することが避けて通れないものとなるはずです。

 

 でも,ここで大分以前に設計の業務を行っていた際によく見聞きしていた言葉を思い出しました。それは、『前工程は「神様」,後工程は「お客様」』ということで、あちこちの作業現場にもよく掲示されていたものです。

 

 時代は高度に進化して変化していますが、やはり基本的なところは変わっていなかったようです。ただ、これからは具体的な実行とその成果を迫られる社会が到来したというところでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

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時空を超えた前向きな意欲で!!

 

 2018年(平成30年)も3月となりました。

 

 暦の上では,そろそろ氷が溶け出す頃となり,土中で眠っていた虫たちも目を覚まして地上に出てくる時期となるはずですが,今年は少し動きが鈍いのではないでしょうか。それにしても先月までの寒さは格別であったようで,北海道では積雪の最高記録が次々と更新されたとのことで,3メートルを超える雪が積もった所もあったようです。ただ,生命の息吹は着実に時を刻み続けており,身近なところでも新たな季節に向けて装いを変え始めていることが徐々に感じられるようになりました。

 

 酷寒の中で繰り広げられていた冬季オリンピックも,様々な感動を呼んで無事に閉幕しました。大会の開催においていろいろ心配がなされていましたが,心に残るような名場面と共に見ている我々に対しても大きな勇気を与えてくれたように思います。今まさに,国内では働き方についての議論が続いていますが,根本的に考えるべきことは彼の地で躍動したアスリート達の姿が示してくれているのではないでしょうか。

 

 4年に一度という晴れの舞台へ向けてのこれまでの努力は並大抵のものではないものと思いますが,どのような結果となっても,自分自身と向き合って常に前進していこうという姿勢こそは,見ている我々に対しても前向きな気持ちを沸き立たせてくれます。得てして栄光の姿が浮き彫りにされがちですが,その陰にある挫折の苦しさは計り知れないものがあるのではないでしょうか。スポーツの祭典と言われますが,物事の捉え方や自分との向き合い方など,様々な気付きを与えてくれる機会にもなっているように感じます。

 

 同じような意味で,失敗にめげずにチャレンジする姿はビジネスの世界でも垣間見られるようになりました。先月,米国の宇宙開発ベンチャーであるスペースX社が衛星通信サービスに向けた試験機の打ち上げに成功したとのニュースが伝えられました。これまで幾度かの失敗映像が紹介されてきていましたが,着々と技術的な進展を遂げているようです。以前に,垂直な状態で着陸しようとするロケットが爆発する様は衝撃的なものでしたが,実は,費用削減に向けた様々なチャレンジを意欲的に行っていることに拠るところもあり,その意味でも注目に値する取り組みと言えます。

 

 今回も試験機の打ち上げには成功したものの,ロケット先端のカバーを再利用のために回収するという試みも行ったようですが,船から張り出した巨大な網の数百メートル外側に落下したとのことで,次回の課題として残された形となりました。しかし,この経験は決して無駄にはならない筈です。常に彼らの視線の先には,「数年以内に通信衛星4,425基で全世界をカバーするインターネット網を実現する」という明確な目標が掲げられています。また,同じように「約900の衛星を配置して2019年のサービス開始」を目指しているワンウェブ社との競争も意識しているものと思います。前向きな意欲は着実に物事を前進させているようです。

 

 それにしても,全世界をカバーするインターネット網が利用できるという世の中が数年の間に現実となるということには改めて驚かされます。そう言えば,アメリカ・カルフォルニア州ではこの4月から,「運転席のない」自動運転カーについて一般道での試験走行が許可されるとのことで,こちらも早晩実社会に普及することになるものと思います。正に世の中の移り変わりの速さをつくづくと感じるようになってきました。もしかすると,時の流れに対する感じ方が年を重ねるにしたがって鈍ってきているのではないかと自分自身で疑心暗鬼にもなってしまうような状況です。

 

 何れにしろ,科学技術の進歩は我々の感覚を超えて進んでいることは確かなようです。

 

 現在,スマートフォンの普及などによりGPSによる測位情報の利用が盛んに行われている状況ですが,昨年の10月には日本の衛星測位システムである準天候衛星システム「みちびき」の4号機が打ち上げられ,誤差がわずか数センチメートルという位置情報の提供が可能となる体制が整ったことから,2018年度中にもサービスが開始されるようです。実は,このような衛星を使った位置情報を正確に割り出すためには,それぞれの関連するデータについての正確な時間の同期が欠かせないとのことで,ここにも科学技術の粋が集められているようです。

 

 かつて現代物理学の難解さや奥深さを認識させられた「相対性理論」がここでは重要な役割を果たしているとのことです。高度約2万キロメートルに打ち上げられた衛星内での重力は地上に比べて弱いため,「一般相対性理論から搭載された時計は進んで見える」ことになるようです。一方,衛星は秒速約3キロメートルの速度で動いているため,「特殊相対性理論から動いている衛星内の時間はゆっくり進んでいるように見える」とのことで,この差引分として「一日あたり39マイクロ秒だけ人工衛星の時計は進んでしまう」ようです。〔「重力とは何か」:大栗博司著(幻冬舎新書 2012年6月)〕

 

 このような微妙な時間のズレを計測できるような高精度な時計が実用化されているということも重要な要因と言えますが,かつて科学における最先端の知識として我々が学んだことが,着々と実用的な技術として実社会で活かされるようになっている状況を見るにつけ,時の流れを改めて強く意識すると共に,このような取り組みに関わられた方々の熱意と前向きな意欲が感じられるようです。

 

 よく「年を取るほど時間が経つのが速く感じられる」と言われますが,これは加齢に伴う身体的な代謝の低下による確かな傾向のようです。〔「大人の時間はなぜ短いのか」:一川誠著(集英社新書 2008年9月)〕

 かくなる上は,時間との付き合い方を大切に考えていくことが必要なようです。そのためにも,常に前向きな意欲を持って着実に時を刻んで行きたいものです。

 

 

 

 

 

 

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今こそ起業家精神を目指して!!

 

 2018年(平成30年)も2月となりました。

 

 年明けになって次々に到来する寒波に日本列島全体が震えあがっているようです。先月には都心を始め関東地方においても20センチを超える積雪があり,この影響により首都高速では97時間も通行止めになった区間があったようです。その後も都心では最低気温−3℃以下が連日続き,ついに53年ぶりの寒さとなったとのことで,この冷え込みは本格的と言えます。「冬来たりなば春遠からじ」とは言われますが,今は耐え忍ぶことが必要と言うことでしょうか。

 

 自然の猛威と言えば3000年の沈黙から突如として活動を始めた火山には驚かされました。ただ,2003年に「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」として改めて指定された“活火山”111火山の一つということですので,いざという時の備えは怠れないということのようです。そのような中で,尊い命が失われてしまったことは非常に残念としか言いようがありません。特に,山岳救助の訓練中であった自衛官の方ということで,誠に痛ましい限りです。

 

 様々な面において便利で快適な生活ができる日常となっていますが,一方で,それは自然の摂理という我々にとってはとても手強い制約の上に成り立っている非常に不安定なものでもあるということを考えさせられたりもします。しかし,先人たちがそれを乗り越えるためにささげてきた努力の積み重ねにより現在があることは確かであり,我々もこれを引き継いでいくことが必要です。寒さの中での生活を少しでも快適にすることや,自然災害による被害を抑える手立てはまだまだ前進できる余地があるはずです。この経験を是非次に活かしていきたいものです。

 

 そのような中で,我々の身の周りの生活環境も明らかに大きな変化を示し始めているようです。つい数年前までは夢物語のように聞いていた“自動運転車”や“仮想通貨”の話が現実的な話題として頻繁に取り上げられるようになっています。先月には,政府として自動運転車による事故を想定した法整備に着手する旨の報道が行われています。発生した事故の原因が運転手によるものかシステムの問題かを判別するためのルール整備が急がれているようです。丁度一年後の通常国会において道路交通法などの改正案が提出されるとのことですので,現実社会への浸透は想像以上のスピードで進んでいるものと思われます。

 

 さらに,同じく先月には,米国にてレジのないコンビニエンスストア「アマゾン・ゴー」が一般向けにオープしたことが伝えられました。入店者はスマホの専用アプリに表示されるQRコードをゲートにかざして入場すれば,欲しい商品を棚から自由に取って店の外に持ち出すだけで自動的に会計が済んでしまうという仕組みとのことです。コンビニは利用する側にとっては非常に便利なものですが,応対する側での要員の確保は難しい問題が多いように感じるところですので,その意味でも画期的と言えるかもしれません。さらに,100人近い行列ができても,待ち時間は10〜15分ということですので,レジなしの効果は確実に発揮されているようです。

 

 この「アマゾン・ゴー」において特に注目すべきことは,“レジなし”を実現させた技術であり,様々なセンサー技術や監視カメラによる画像認識技術,さらには深層学習によるAI技術などが活用されているところではないでしょうか。店内の天井に多数設置されたカメラとマイク,商品棚に設置されたセンサーなどからの情報と,入店時のQRコードで読み取った情報とから,特定の買い物客が店内で何を棚から取り出して自分のバッグに入れたかを追跡することが行われているとのことです。

 

 これまで個体識別や商品管理と言えば“ICタグ”や“RFID”といった技術が注目を集めてきており,身近なところでは比較的低い周波数帯(短波帯13.56MHz)を利用する“スイカ”などのワイヤレスカードシステムは早くから日常生活において利用されてきているところです。一方,高い周波数(極超短波900MHz帯)を利用するICタグは米国大手流通小売店ウォルマート・ストアーズが2005年から納入業者に対して装着を義務化したという動きもあり,幅広い用途に活用されてきています。

 

 しかし,このような旧来からの動きに対して,今回のセンサー技術,画像認識技術,AI技術という新たな観点での取り組みは,基本的な発想を大きく転換するものであり,この背景としては,それぞれの技術的な進歩と,それによる経済性の向上という要因があることは明らかと言えます。そこには急激に進展している“自動運転車”の技術開発成果からの転用も含まれている事は確実です。正に,技術の進展が生み出した“イノベーションの波”とも捉えられるものです。

 

 今まで進んできた方向性が高められるのみならず,全く異なる方向から新たな動きが出てくるという様は,これからの世の中の流れのダイナミズムを感じさせるものと言えるのではないでしょうか。このような状況に対応していくためには,我々自身の認識も変えていく必要があるようです。


 『今求められているのは,入り組んで混沌とした状況で問題を把握し,解決していける能力〜 すなわち,起業家精神なのだ』
 『優れた仕事は,それを自由な意思で選択した人から生まれる』『現実を設計する能力は,さらなる自由を生む」』

 〔「THE END OF JOBS 僕たちの20年戦略」:テイラー・ピアソン著(TAC出版 2017年12月)〕

 

 これから次々押し寄せるであろう“イノベーションの波”をどのように的確に掴んでいくか,先ずは意識の問題のようです。

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2018年を迎えて!!

 

 新しい年,2018年(平成30年)がスタートしました。

 

 平成という時代も残り少なくなりました。昨年の12月に,2019年5月1日という改元の時期が決まったことで,名残惜しい気持ちが徐々に強くなってきています。私自身の事を思い起こせば,冬でもコートを羽織らないことを自慢げにしていたような中で迎えた平成の世ですが,それから30年近く経過して,今では着膨れ状態での通勤風景が当たり前のような状況となっています。改めてこの間における月日の長さを感じるところと言えます。

 

 かつて平成に改元される際には,昭和という時代の振り返りとして様々な出来事の記録が繰り返しメディアに流されていたことを記憶しています。その前半部分においては,我々の親の世代が悲惨な戦争を生き抜いてきた姿が,そして,その後半部分では高度経済成長を成し遂げて急速に生活が豊かになる様子が中心となっていました。そこには,正に“激動の昭和”という時代が映し出されていました。

 これから平成という時代はどのように総括されることになるのでしょうか。

 

 バブル景気と冷戦終結により始まった平成という時代でしたが,同時多発テロや震災などの悲痛な出来事も多くあったように思います。一方,我々が日々関わっているICT(情報通信技術)の分野に関して言えば,技術革新の波が次々と押し寄せた時代であり,その動きはますます加速してきている状況です。

 

 アナログ方式の携帯電話で音声通話を行っていた時代から,平成の世になりデジタル方式の携帯電話が登場し,インターネット技術の発達も相まって,その後は様々なサービスが利用できるようになりました。各家庭においても,全国を隈なく張り巡らされた光ファバー網の整備により,大容量の通信を高速で利用できるブロードバンド環境も実現されています。

 

 このような状況の中で,これまでにないような新しいビジネス展開も急激に進み,主だったところで言えば,Amazonサービス開始(平成7年),Google創業(同10年),Wikipedia設立(同13年),Skype設立(同15年),Facebook一般開放並びにTwitter設立(同18年)と続いています。

 

 さらに,この間にも画期的な製品やサービスが登場しており,Amazonクラウドサービス開始(同14年),Apple音楽配信サイト開始(同15年),GoogleメールサービスGmail開始(同16年),AppleスマートホンiPhone発売並びにAmazon電子書籍販売サービスKindleストア開設(同19年),Googleスマートホン用Android提供開始(同20年),Appleタブレット端末iPad発売(同22年)など拾い出しきれない程の動きです。

 

 そして,これらの製品やサービスは短い期間の間に多くのユーザーの支持を得て,広く世界的に浸透してきており,企業の時価総額における最新の世界ランキングでは,上位5社がこれらのICT企業で占められている状況となっています。正に,時代の変わりようは目を見張るようです。これに加えて,ここ最近は“IoT(Internet of Things)”や“AI(人工知能)”に注目が集まっていますので,想像もできないような画期的な動きがさらに出てくるのではないでしょうか。

 

 AIと言えば,囲碁の勝負において人間を上回る実力を発揮したAIプログラムである“アルファ碁”が話題となりましたが,昨年,これをさらに進化させた新AIプログラム“アルファ碁ゼロ”が開発されていることが明らかとなりました。従前の“アルファ碁”との対局においては,100戦100勝との圧倒的実力を証明したとのことです。

 

 これまでの“アルファ碁”は,人間の棋士が過去に対戦した膨大な数の棋譜を読み込んで,そこからの学習効果により実力を高めていったのに対して,この“アルファ碁ゼロ”においては,基本的なルールを覚え込ませたところから自分自身を相手に数百万回の対局をこなす中で学習していくという新しいアプローチが採用されたとのことです。正に,高速処理が可能なAIの特徴を活かしたものと言えます。

 

 このような事態となっては,この先我々が直面する世の中の変化がどのようなものになるのか想像もできない状況になってきていると言えるかもしれません。特に,企業組織としての方向性を見出していくことはなかなか難しい状況になってきているようです。ここは,改めてこの時代的背景の中での心構えを見直してみることが必要なのかもしれません。

 

 尤も,多かれ少なかれ組織を取り巻く大きな転換点はこれまでにも経験されているところであり,我々人間としては,そのような経験の中から教訓を得て対応していくことしかないかもしれません。もしかすると,先達が乗り越えてきた様々な経験の奥底にある想いを,AIでは捉えられない深さで読み取ることができる強みがあるような気もします。

 

 そのような中で,最近目にした書籍の中に以下の記述がありました。〔「パラノイアだけが生き残る 〜 時代の転換点をきみはどう見極め,乗り切れるか」:アンドリュー・S・グローブ著(日経BP社 2017年9月)〕

 

『変化をもたらす力は音もなく静かに蓄積していくため,何がどう変わったのかは見えにくい。ただ,「何かが変わった」ということだけわかるのである。』

 

『“消防署の事業計画”とでもいうべきものが必要なのである。つまり,次の火災がどこで発生するかは予測不可能だから,不測の事態に対しても通常の業務と同じように対応できるだけの,精力的かつ効率的なチームを編成しなければならないということだ。』

 

 新しいこの1年,この先どのような動きが出てくるのでしょうか。そして,我々はどのように学習して対応できるのでしょうか。いよいよ始まりです。

 

 

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新時代のメソッドを目指して!!

 

 12月となりました。

 

 いよいよ今年も年末の慌ただしい季節を迎えることとなりました。例年のように,月日の流れの速さを感じるところでもありますが,一方で,一つ一つの出来事を振り返るにつけて,様々な面で激動の一年であったようにも思います。

 

 内外の社会情勢においても,ここ数日は北国からの雪の便りと共に,“国籍不明船の発見情報”や“ミサイル発射の警報”が頻繁に届くようになっています。ミサイル発射に関して言えば,今年の2月を皮切りに毎月のように繰り返されてきており,これまでにない異常事態となっています。「時代は移り変わるもの」とは言え,歴史に逆行したような形での現実の動きを目の当たりにして,我々の意識も修正が必要なようです。

 

 修正ということで言えば,日本のモノづくりでの検査不正問題が引き続いています。検査において不合格品が発生したということに留まらず,検査データを改ざんしたということが明らかとなったことで,事態は混乱を増しているようです。幸いにも,今のところ大きな不具合や具体的な被害が発生するまでには至っていない状況ですが,内外を問わずしてモノづくりの品質に対する信頼性を危惧する声が高まっています。

 

 少し前には,海外においてエアバッグのリコール問題が盛んに取り上げられていました。こちらの方は,実際に被害を生じたということで,責任追及の世論が時と共に厳しくなっていき,ついには当該の日本企業が経営破たんする事態にまで至りました。

 

 かつて,世界に冠たる高品質を誇っていた“メ−ド・イン・ジャパン”ですが,新興国における技術レベルの向上などもあり,日本のモノづくりの将来に対する危惧の念は増すばかりという状況です。最近では,その要因について,時代的な背景も含めた形で我が国における基本的な問題点を指摘する声も出てきているようです。

 

 その中には,かつて現場を中心としたQCサークル活動などの全員参加型の取り組みが衰退していったことや,全社的な取り組みであるTQM(トータル・クオリティ・マネジメント)活動から移行して,ISO認証の取得に現場の力点が置かれるようになったことの影響などを指摘する向きもあるようです。

 

 しかし,一連の事態が極めてセンセーショナルに取り上げられている背景には,不正を認識してからの対応のまずさが影響していることも大きく,モノづくりにおける本質的な問題の所在については,より詳細な見極めが必要であるように思います。

 

 さらに,技術革新の流れが加速している一方で,価格競争も激しくなっているという昨今の市場環境を考慮した場合,“ジャパン・アズ・ナンバーワン”と言われた時代背景とは異なる状況であることも踏まえる必要があることは明らかと言えます。

 

 刻々と多様化して高度化していく消費者ニーズに応えるために,製品コンセプトを大胆に見直す一方で,極限にまでコストダウンを行いながらタイムリーに市場展開を図るという,現状の誠に厳しいビジネス環境を考えると,モノづくりに関する考え方や取り組み方もこれに合わせた修正が必要と言えるかもしれません。

 

 ただ,振り返ってみれば,いわゆる品質管理がモノづくりを行う製造部門を中心とする取り組みとして行われていた時代から,現状の環境への対応を見通したような考え方で提唱されていた“タグチメソッド”のようなものもありました。「品質管理は設計開発から始まる」という考え方は,まだ駆け出しの技術者として非常に大きな衝撃を受けた記憶があります。

 

 我が国で生み出されたこのような考え方は,その後“品質工学”とも呼ばれて体系化され,海外を含めた多くの企業で実践されてきていることを踏まえると,現在表面化している問題においても,変化を続ける環境条件に適合した形での取り組み方の軌道修正が十分に行われていなかったようにも感じます。

 

 また,今回の事態においては,素材メーカーでの問題発生による影響の波紋が様々な範囲で広がっており,いわゆる“サプライチェーン”という形での社会とのつながりを強く意識させられることとなりました。我々が日々取り組んでいる業務が多様な形でつながりを広げて,さらにそれを強めているという状況も新たな時代の流れと捉えることができるのではないでしょうか。

 

 このような背景もあってのことか,昨年,品質マネジメントシステム規格であるISO9001が改訂され,将来に渡り主要な問題に効果的に対処できる規格にするための強化ポイントの一つとして,「外部から提供されるプロセス,製品及びサービスが,顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を一貫して満たす組織の能力に与える潜在的な影響についても考慮する」ことが盛り込まれています。(ISO9001:2015,規格8.4.2一部抜粋)

 

 この新しいISO9001の2015年版については,来年の9月までに旧版からの切り替えが必要となります。我々の日々の業務において社会とのつながりをますます意識して,時代の要請に合致した対応を図っていくことが必要となります。

 我々なりのメッソドが見いだせるかが正にこれから問われるところとなります。

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“人工知能”から“人工技能”へ!!

 

 11月となりました。

 

 いよいよ木枯らしが吹く季節となりました。それにしても,週末ごとに接近してくる台風の被害に冷や冷やしながら夜を迎える日が多くなっています。最近は経路となった地域の被害状況が刻々と克明に報じられることで,ますますその緊張感が高められることとなります。尤も,様々な情報が容易に入手できる状況になったということは,それに備える行動も取りやすくなったということでもあり,自然災害への対処についても着々と身の回りの防災対策を進め,その学習効果を高めていきたいところです。

 

 情報化社会の到来により,これまで一部の限られた範囲でしか認識されていなかった事実が広く周知されるようになってきました。科学技術の進歩により新たな発見も多くなってきていますが,同時に我々が直接触れることができる情報も格段に増えてきています。その典型的なものの一つが宇宙科学の分野かもしれません。

 

 ここ最近でも,次々と地球の近くに迫ってくる小惑星や,突然発生する大規模な太陽フレアの情報が映像と共に手軽に確認できる状況となっています。今年のノーベル賞受賞で大きく注目された重力波の計測技術による成果も相まって,これまで未解明であった宇宙の謎が我々にも見える形で明らかとなっていくことが期待されるところです。地上では様々な思惑が渦巻いている状況ですが,こと宇宙に目を向けることで,人類が置かれている生存環境の実状を冷静に認識できるようにも思います。

 

 宇宙と言えば,かつて小惑星のサンプルを採取して地球に帰還した“はやぶさ”が話題となりましたが,その後継機である“はやぶさ2”が来年にも目標としている小惑星(リュウグウ)に到達することが発表されています。打ち上げから1,000日を経過して,地球から2億8000万劼琉銘屬泙膿覆鵑任い襪茲Δ任垢,小惑星への到達は来年の8月頃とのことです。現在,このプロジェクトの特設サイトには時々刻々その軌跡が記録され続けています。

 

 前回の“はやぶさ”に関しては,様々なトラブルが発生したものの,それを乗り越えて達成された成果ということで大いなる感動を受けましたが,実は,今回の“はやぶさ2”においては,その経験から得られた学習効果を高めて,様々な改善に向けた工夫や新たな課題に対する意欲的な取り組みが盛り込まれているようです。

 

 無線技術の面で言えば,これからの衛星通信の利用に期待されている周波数(Kaバンド)を用いた大容量高速通信について,5000万劼箸いΦ離を隔てた実証試験に成功したとのことです。今後,海上を含めた全地球的規模での電波利用によるサービス展開を図る上でも,非常に大きい期待が寄せられているようです。今回の成果を基に,そう遠くない時期に無人で航行する遠隔操縦された船舶が出現することになるのではないでしょうか。

 

 一方,我々が日常的に取り組んでいる業務においても,得られる情報が非常に多くなってきています。写真情報を取ってみても,今ではスマホなどで手軽に撮影が可能となり,デジタルデータから直接プリントすることも簡単にできるようになりました。これから“IoT”の普及に伴ってますます膨大な量の情報が我々の身の周りを駆け巡ることになるはずです。

 

 そして,これらの膨大な情報から効率的に学習効果を発揮させるための技術として“AI(人工知能)”が急速に高度化しています。将棋や囲碁においても,人間がなかなか太刀打ちできないレベルにまで達してきているようです。先ごろの報道によれば,AIシステムとして意思決定支援に定評のあるIBMが開発した“ワトソン”について,今月から無料のサービスも始まるようです。正に,我々の生活の中に浸透するスピードも目を見張るようです。

 

 しかし,一方で最近,日本のモノづくりに対する信頼を損ねるような事案も出てきているように,人間の関わりについてもこのような動きに対応していくことが必要となります。物事の進み方やコストに対する管理が極限までに追求される時代となったことで,これに人間が振り回されてしまうことになってしまっては,働き方改革の掛け声も色あせたものになることは明らかです。

 

 かつて「熟練者の技をコンピューターに」ということで取り組みが始まった“AI”ですが,データを拠り所とした知識ベースでの高度化が急激に進化を遂げたことで,これに伴う人間の対応力を如何に鍛えていくかが課題として浮き彫りになったように感じます。

 

 ただ,このような課題の解決を期待させるような取り組みも始まっているようで,体操競技での演技評価を非接触センサーで取得したデータを基に数値化して採点する技術の開発が進められているようです。正に,人間の動きの優劣を具体的なデータにより客観的に評価するということになり,熟練者の知識ばかりではなく,その動作についても学習効果を高める道が見えてきたことになります。これは,ある意味では“人工知能”から“人工技能”への進化と言うことができるものではないでしょうか。

 

 既に,先月カナダで開催された世界体操選手権においてデータ取得のテストが行われているようですので,2020年夏のオリンピックでは実際に活用されているかもしれません。そして,同じ2020年末には“はやぶさ2”が地球に帰還することとなっています。

 

 その時までに我々がどの程度まで技能を高めることができているのでしょうか。この3年間の軌跡が問われることになります。

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ESG経営でSDGsの実現へ!!

 

 10月となりました。

 

 目まぐるしく変化する国際情勢の動きの中で,なかなか心穏やかという気持ちになれない日々が続いていますが,気づいてみれば朝晩の涼しさが季節の変わり目を感じさせるようになってきました。例年であれば,ようやくしのぎやすくなった秋の夜長をのどかに過ごすことができるはずですが,今年は迫り来るかもしれない脅威により気持ちも冷ややかとなってしまう感じではないでしょうか。

 

 そのような中で,政治の世界では熱い戦いが始まろうとしています。ただ,様々な状況がこれまでとは異なっており,身近に直面する課題に対してどのような具体的な手立てを打っていくかというような前向きで建設的な議論を盛り上げて欲しいものです。それでなくても時代の流れは急速に変化しており,移り変わる情勢に的確に対応した施策を如何に速く展開していくのかということが強く求められている状況であることは明らかです。

 

 時代の流れと言うことでは,最近,電気自動車に代表される“ゼロエミッションカー”の話をよく耳にするようになりました。車も排ガスを発生させないものに切り替える気運が急速に高まってきているようです。ディーゼルエンジン車の性能に不信を抱かせるような事態が明るみとなったことで,ある程度の転換は予測できたものの,現状急速に普及しつつあるハイブリットカーを飛び越えて一挙に加速しそうな勢いとなってきました。

 

 既に欧州各国においては,具体的な目標時期を設定して全ての新車を“ゼロエミッションカー”に切り替えることを決定しているところもあるようで,早いところではオランダが2020年,また,ノルウェーにおいては2025年という期限が掲げられているとのことです。このような動きは地球環境への配慮という将来的に避けられない流れを踏まえたものではありますが,一方で,新たな産業振興という側面からの強い後押しがあることも事実のようです。

 

 正に経済活動におけるダイナミズムが時代の変化をさらに加速していく流れということでしょうか。国際社会における政治的な環境においては,それぞれの歴史的な経緯や自国優先による思惑などの影響で,時代を押し戻してしまうような動きも出てきてしまうようですが,こと経済的な環境においては,国境を超えた共通の合理性により時代転換の動きがますます激しくなっていく事態となっています。

 

 既に経済分野に留まらず,情報通信の分野でも,そして,地震や台風・ハリケーンなどの防災対策の面においても,国際的な協調や協力が避けられない状況であることは明確であり,それぞれの歴史的背景を持つ国家間が,争いではなく,共に手を携えて取り組むことで,地球という限られた生存環境の中で安定した共生が可能となるということは明らかと言えます。

 

 そのような流れからと思いますが,2015年に国連において「人間,地球及び繁栄のための行動計画」(持続可能な開発のための2030アジェンダ)が取りまとめられております。これは地球規模で持続可能な開発を進めていくための必要不可欠な条件として認識すべきことを明確化したもので,その中では,国際社会全体として2030年までに達成すべき“持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)”が17項目に亘って具体的に掲げられています。

 

 この17項目の中には,貧困や飢餓の根絶,健康福祉の促進,教育・学習機会の確保などの全ての人々に関わる切実な願いの他に,雇用確保や経済成長,産業促進やイノベーションの推進,さらには,安全・強靭な居住環境などについて地球環境にも配慮した上で持続可能な形で実現していくことが盛り込まれています。正に,国境を超えて具体的に取り組むべき目標が打ち出された形となっています。

 

 そして,経済活動においては既にこれを踏まえた動きが始まっているようで,企業評価の指標として“ESG”という言葉が注目されるようになってきました。これは,環境(nvironment),社会(ocial),ガバナンス(overnance)の頭文字を取ったもので,従来からの企業業績や財務状況による評価に加えて,この三つの視点での事業戦略における取り組み状況を加味することで,企業としての持続的な成長についても見極めを行おうというもののようです。

 

 既に国際的な資本の移動に関して“ESG”指標が影響を与え始めているという指摘もあるようですので,これからますます各企業において“ESG”経営に関する情報開示が活発化することは確実なようです。“SDGs”という地球規模での共生に向けた目標への取り組みとして,経済活動の分野での“ESG”経営が重要視されていくことで,不安定要因が尽きない国際政治情勢においても良い影響を及ぼして,事態が平和裏に安定化の方向へ向かうことを願うばかりです。

 

 また,我々としてもこのような動きに無縁でいる訳にはいきません。経済活動における企業間取引の利害関係者(ステークホルダー)という側面ばかりではなく,地域社会の持続可能な発展を実現していく役割としても,“ESG”経営に対する認識を新たにする必要があるようです。

 

 我々を取り巻く時代の変化も想像以上に目まぐるしい状況となってきました。地球規模の範囲で,さらには将来へ向けて視野を広げることが迫られていると言えます。

 

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人間にとって科学とは何か!!

 

 9月となりました。

 

 7月に入った途端に真夏日が連日して続いた際には,迫りくる猛暑の脅威に戦々恐々としていましたが,8月となってからは一転して雨の日も多く,何となく肩透かしを食らった感を否めない今年の夏というところでしょうか。記録によると,当地での8月の日照時間は昨年の半分ということで,子供たちにとっては今一つ満喫できない夏休みであったかもしれません。

 

 そのような中で,朝晩の肌に触れる風にも涼しさが感じられるようになり,ようやく熟睡できる状況になってきたと思ったところに,目覚めの時間帯を襲った突然の警報音にはたいへん驚かされました。日ごろ地震の多い地域でもあるため,同じような警報は昼夜を問わず経験していましたが,今回は自然災害とは異なるミサイル発射ということで,これまでにない一種独特の緊張感が漂ったように思います。

 

 兵器を使用した紛争については,これまで海外からのニュースとしてテレビの画面越しに見ていただけですが,我々の身近にそのような現実が迫ってきているということであるならば,社会の安定を維持していく為には具体的な取り組みが必要であること,さらには,そのことを常に真剣に考え続けていくことが欠かせないことを知らせる警鐘と捉えることもできるかもしれません。

 

 毎年この季節には,終戦記念日を中心として戦争が如何に悲惨な状況を生み出すのか,また,だからこそ平和が如何に尊いものであるのか,ということが過去の経験も踏まえて繰り返し認識されてきていますが,一方で,世界情勢は新たな問題をはらんできている状況が明らかとなっており,改めて国際社会が抱えているリスクについて考えさせられる事態となりました。

 

 人類のこれまでの歩みの中でも,古の時代から争いは繰り返し続けられてきましたが,科学技術の進歩に伴い,近代的な兵器によりもたらされる被害や犠牲の程度は極めて重大なものとなってきているのも事実です。様々なモノやサービスが高度に提供されることで,我々の日常生活は大いに利便性を向上させてきていますが,一方で,争いの火種は絶えることなくくすぶり続けており,一旦ことが起こった場合のリスクは増大しているのも現実と言えます。

 

 複雑に絡み合った国際情勢を安定化させ,争いのない平和な日常の中でそれぞれの幸福を追求できる社会の実現はなかなか難しいことなのでしょうか。また,現在我々が進んでいる,あるいは進もうとしている方向性はその目標に着実に近づくことができているのでしょうか。様々なことを改めて考えさせられる機会となりました。

 

 これまで社会的な不安の根底には常に経済的な困窮が原因として存在していることが指摘され,それを乗り越えるための手段として科学技術の進歩が追求されてきた面があります。これにより我が国も含めて目覚ましい程の経済発展を遂げて,人々の生活が豊かになった事例も続々と出てきています。しかし,一方で,最近は経済が優先されるあまりに,経済的な効果で何事も判断される風潮もあり,それによる歪も実際に出現してきています。

 

 かつて1999年にハンガリーのブダペストにおいてユネスコなどの主催による「世界科学会議」が開催され,科学の定義として『1.知識の進歩のための科学』,『2.平和実現のための科学』,『3.持続的発展のための科学』,『4.社会のため,そして社会の中の科学』という4つの側面が提起されたとのことです。〔「人間にとって科学とは何か」:村上陽一郎著(新潮新書 2010年6月)〕

 

 この場合には,純粋な学問としての科学への取り組み方についての提言ということのようですが,我々が日常的に取り組んでいる経済活動の面においても,目指すべき方向性について明確な認識の共有化が必要なようです。地球という限られた空間の中で,お互いに平和裏に共存して持続的な発展を遂げていく為にも,どのようなことを大切に考えていくべきかということを今一度再確認することが必要ではないでしょうか。

 

 最近はやりのAI(人工知能)においても,深層学習により人間並み,あるいはそれ以上の能力を備えることができたとしても,それが倫理観に基づいた方向性に合致したものでなければ,人間社会に貢献することはできず,逆に脅威になってしまいます。既に,AIに関する倫理指針(人工知能学会)なるものも提起されているようですが,今後このような議論が盛り上がることが期待されます。

 

 先の書籍によれば,我々が馴染みのニュートンやガリレオも自らを「哲学者」として任じて,社会からもそのように認識されていたようです。その後,我々が高度な近代科学と共に歩み始めてからの二百年たらずの間に目覚ましい発展を遂げることができましたが,ここへきて改めて科学や技術の発展を目指す根本原理を考えるべき時がきたようです。

 

 AIの倫理指針の最初に掲げられた「人類の平和,安全と公共の利益に貢献する」ことをどのように考えていくのか,それが問題です。

 

 

 

 

 

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我々が目指すべき人間学習とは!!

 

 8月となりました。

 

 7月初めの九州北部地方における豪雨災害に引き続き,今度は秋田県内において記録的な大雨があり,河川の氾濫などによる被害が発生しております。幸いにも犠牲者は出ていないようですが,いまだに避難されている方もおられるようで,農作物への被害も深刻なようです。南方海上での台風の発生も多くなってきていることから,一刻も早い復旧・復興を願うと共に,根本的な治水対策についても迅速に行ってもらいたいものです。

 

 我々が日常生活を送る中では様々なリスクや危険性が存在していますが,安全で安心した日々の暮らしを守っていく為に,予防という観点での具体的な取り組みを着実に進めていくことが必要です。特に,報道などにより提供される情報においては,課題や問題点の指摘は行われるものの,それをどのように克服していくのかという点での議論が不足している,あるいは避けられているように感じます。痛ましい経験を無駄にしないためにも,建設的で前向きな意識を高めていくことが必要と感じるこの頃です。

 

 最近,様々な課題解決に向けた動きが遅々として進まない状況を目にする機会が多くなっています。社会一般においても,議論は百出しているように見えますが,なかなか具体的な方向性が見えず,合意形成にも至らないという状況が散見されます。一方で,ネット社会の進展によって,得られる情報は非常に幅広く奥深いものになってきていることもあり,新たな時代環境に対応した物事の進め方に切り替える必要性がますます高まっているようにも感じます。尤も,考えようによっては,これまで表面に出てこなかった課題が様々な観点で浮き彫りにされるようになったという意味では好ましい状況と言えるかもしれません。

 

 何れにしろ,変化の激しい世の中となってきましたので,一つ一つ物事の解決へ向けた具体的な動きを進めていく必要があることは言うまでもありません。ここ最近の合意形成や問題解決に向けた議論の中で常に考えさせられるのは,我々自身の考え方や行動パターンについての特徴についてです。一見して日々の振る舞いは常に論理的に決定されているように感じられますが,実は様々な要因による影響を受けていることは確かなようです。

 

 これに関連して思い出されるのは,かつて目にした“ロゴス”,“エトス”,“パトス”という言葉の意味合いについてです。これは,古代ギリシャの哲人であるアリストテレスが考察したと言われる説得のための三要素とのことですが,現代人である我々においても,日頃の言動に大きく影響を及ぼしている要因に通じるものがあるように思います。

 

 “ロゴス”という言葉は,本来は言葉や言論を用いた理屈による説得として捉えられているようですが,根本的には論理的な思考に基づく考え方ということと理解されます。これは物事の判断においては非常に重要なものであり,ある意味では最も合意形成が図りやすい考え方であるようにも思います。判断の前提となる情報が明らかとなっている場合には,ある意味ではお互いの理解を確認しやすい考え方と言えます。

 

 一方,“エトス”という言葉は,人格や人柄による説得とされていますが,より幅広く習慣や習性・性格に基づく考え方というようにも捉えられているようです。この場合,ある程度の集団として特徴づけられた習性や気風という段階であればお互いの理解は得られやすいと思われますが,個人的な性格や癖というような側面になってくるとなかなか認識合わせが困難な場面が出てくることとなります。

 

 さらに,“パトス”という言葉は,感情による説得要素とされていますが,その具体的な現れ方としては,親愛,嫌悪,歓喜,恐怖,憤怒など多面的なものがありますので,ますます計り知れない不明確さが生じてきてしまいます。また,同一人物であっても時と状況に応じて現れ方が変わってくるという厄介な面も持っているようです。

 

 我々自身も含めて,常日頃は冷静に“ロゴス”的な立ち位置で論理的な考え方を持ち続けたいと思っているのですが,いつの間にか“エトス”的な性格や癖による軌道修正が無意識のうちに働いて,時によっては突然に“パトス”的な感情のアクセルが踏み込まれて突き進んでしまうというような場面は,苦い経験として多かれ少なかれ誰でも持っているのではないでしょうか。したがって,このような状況ではなかなか建設的な合意形成が難しくなってしまうこととなります。

 

 また,我々が日々直面している課題である業務安全の確保という観点においても,この三要素は極めて重要な着目すべきポイントであり,それぞれの要素毎に具体的な働きかけを並行して行うことが安全確保の必須条件となり,このような“多重防護”が働かなければ危険予知やリスク回避は難しいと言えます。その意味でも,先の三要素は自らの問題としても,常に意識して絶えず冷静なコントロールを心がけることが大切と言えます。

 

 最近,AI(人工知能)に対する注目度が高まってきており,特に新たなアプローチとして取り組まれた“機械学習”が今までにない成果を高めている要因として評価されています。そして,その応用範囲はますます広がっており,これからさらなる進化を遂げる動きです。過去の膨大なデータを処理して活用するという機械が得意とする特性を効果的に発揮して,自らの経験による学習の成果をも積み重ねて速やかに改善を図っていくという技がますます高度化しているようです。

 

 同じように人間においても,三要素が関わる自らの考え方や行動パターンについて,過去の経験や様々な外部情報を客観的に評価して,その結果から冷静な意識で自らの改善を図っていくという“人間学習”を心がけることで,社会をさらにより良い方向へ導くための成果を打ち出していくことは十分可能であるものと確信できます。

 

 様々な課題が見えてきた現状において,AIに負けない程の“人間学習”が求められているのではないでしょうか。

 

 

 

 

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自然災害に立ち向かうIoT!!

 

 7月となって10日程が過ぎました。

 

 月が変わってから本ブログの更新が少し遅くなってしまいましたが,この間に九州北部地方を中心としてたいへんな豪雨に見舞われ,各地で大きな被害が出ています。所によっては24時間の降水量が500ミリを超えた地域もあるようです。土砂崩れなどにより孤立している方々の救助活動が続けられており,避難されておられる方も多数に上っているようです。被災された方々が安心して日常生活を取り戻せるよう一刻も早い復旧を祈るばかりです。

 

 毎年このような災害が発生するたびに痛ましい状況を目の当たりにすることになりますが,何とかこの辛い経験を次の対策に活かしていくようにしたいものです。

 

 気象庁は平成25年8月から「特別警報」を発表していますが,今回の降水量は50年に一度という基準レベルをさらに超えるものであったようで,被害の大きさがうかがわれます。一方,国土交通省では,河川の氾濫による浸水想定区域の検討において,平成27年から前提となる降雨を想定し得る最大規模の降水量に変更することとして,その結果を「洪水浸水想定区域図」として公表して注意を呼び掛けているようですが,今回の豪雨はこの予測を超えるものであった可能性が考えられます。

 

 平成27年と言えば,その9月に北関東や東北地方を襲った集中豪雨により鬼怒川の堤防が決壊するなどしてたいへんな被害を受けることとなりました。そのような教訓を活かした形で様々な方面での対策も行われてきていますが,なかなか自然の猛威は計り知れないということなのでしょうか。これを契機として新たに防災対策についての様々な検証が行われることになると思いますが,叡智を結集した具体的な対応策の検討と,明確な方針の下での政治や行政のリーダーシップにより安全・安心な街づくりを実現して欲しいものです。

 

 気象に関する情報という意味においては,最近では気象庁などの観測網が整備されて,より高精度で詳細なデータが共有できるようになってきていますが,それ以上に住民一人一人がスマホなどにより情報発信者となることで,よりきめ細かい情報展開が可能となっています。それぞれの地域で生じている気象現象については,様々な情報源からのデータを簡単に手に入れられることから,情報通信技術の活用による極めて緻密な観測網が身近に整備された形となっています。

 

 そして,これからはIoTの活用が盛んとなって,災害の発生予報や災害による被害防止に繋げる動きが活発になることは確実といえます。総務省においては,昨年9月より「地域IoT実装推進タスクフォース」を開催し,IoT,ビッグデータ,AIなどの効率的・効果的な活用により地域の課題解決を迅速に推進するための検討を行ってきています。そして,この5月には,IoT等の本格的な実用化の時代を迎えて,この動きをより一層加速するためとして「地域IoT実装推進ロードマップ(改定)」が公表されています。

 

 その中では,防災に関する取り組みの一つとして,災害発生時に,自治体等が放送局,ネット等の多様なメディアを通じて地域住民に対して災害時に必要となる情報を迅速かつ効率的に伝達することを目的とした共通基盤(Lアラート)の導入が盛り込まれています。また,その他には,地震・津波等による広域災害や緊急性を要する大規模災害に対して,津波の被害予想や地下街等の屋内における避難誘導,災害情報の一元化などG空間情報(地理空間情報)と情報通信技術を連携させて構築する先端的な防災システムの導入が提言されています。

 

 東日本大震災においての地震・津波の被害状況は非常に深刻なものであり,具体的な対応を急ぐ必要がありますが,毎年のように繰り返されている集中豪雨による被害に対しても迅速に対処を行なっていく必要があることは明らかと言えます。特に,我が国においては“急勾配河川”が多く,“全国土面積の10%に過ぎない洪水氾濫区域に人口の50%が集中している”とも言われており,毎年のように甚大な被害を受けていることからも待ったなしの状況です。

 

 早速,先週の7月7日に「地域IoT実装推進事業」の採択候補として自治体などから申請のあった中から17件が採択され,実施に向けた具体的な検討を開始することとされています。この中には教育,働き方,農林水産業などの他分野の事業も含まれていますが,官民一体となった展開の速さから,社会生活へのIoT活用に対する期待の大きさが窺われます。

 

 今回の採択事業においては,災害発生後の対策本部あるいは自治体における活動の支援が中心となっているようですが,世界的なIoTに関する実用化競争が激しくなっている状況を踏まえると,災害の発生予報や災害による被害防止について画期的な対策がこれから実現されていくことが期待されるところです。

 

 世界的な情勢としては,自然災害以外にも様々な不安定要因が出てきていますが,ある意味では我々が生き延びていく為に,人類が共通に力を合わせて立ち向かうべき課題であることは明らかです。IoTという我々の業務とも繋がりのある技術がこれに活かされるとすれば,我々の果たすべき役割も非常に重要になってくるものと思います。

 

 その期待に応えることができるよう,これからの我々の努力が試されるところと言えます。

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