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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
グローバル化の意味するもの!!
 


 
 ようやく総選挙が終わり,政権交代が実現しました。マスコミなどの事前調査の結果からも,このような状況になることは大方予想されていましたが,「政治主導」というような今までとは異なった取り組みも徐々に出てきており,改めて時代の切り替わりを実感させられます。

特に,鳩山新首相が国連の場で行った演説については,海外からの反響がとりわけ大きかったようで,これまでの「顔の見えない日本外交」というイメージを覆す画期的なものとも言われています。

新首相の国際的なデビューの場となった国連では,今回,気候変動と共に核廃絶に向けた話し合いなどが行われましたが,いずれの問題もそれぞれの国が単独では解決できない国際的な共通課題であると言えます。昨年来から特に深刻になっている経済不況の問題でも,各国が連動して対応することが求められており,「G8からG20時代へ」ということが象徴的であるように,あらゆる面でのグローバル化が進展しているのです。

 

通信の分野においても,先月,光ケーブル並みの通信速度が確保できるという無線LAN規格(IEEE802.11n)が正式に承認されました。この話し合いの場は「電気電子学会(IEEE)」という米国の学会を基盤としてできた非営利の団体ですが,実態としては世界160カ国以上から約38万人の会員を集めて標準化活動などを行っている世界的な組織となっています。正に,この分野で世界の統一規格を取り決める場として機能しているのです。

ただ,多くの国々から関係者が集まった中で合意形成を図ることは,非常に困難な状況も生み出します。今回の規格統一についても,基本となる原案の検討を開始したのが2006年ということですから,この間3年に渡って議論を重ねてきたということになります。尤も,実は正式な作業部会として議論を始めたのは2003年で,一時期はメーカを中心としたグループ間での主導権争いの様相を呈して収拾がつけられない状態になりかかったようです。

ところが,2005年になり,各グループ間で統一案を検討しようとする動きが出て来て,2006年の統一原案の検討開始に至ります。この間の事情については,こう着状態の打開に向けた各グループの良識ある判断という見方もありますが,実は,その前年の2004年に,正に議論中である規格の完成品を開発し,販売開始したメーカ(Airgo Networks社,後にQUALCOMM社が買収)が現われてしまったのです。他メーカは対立している場合ではないという判断があったかもしれません。

 

事は技術に関わることですので,結局は完成品として性能が良いとの評価が受けられれば勝ちという考え方もあると思いますが,最終的には,今回のように先行メーカも含めて世界的な統一規格として仕上げる方向に全体が動いたということは,この「世界統一」ということが極めて重要であると認識されていることを如実に物語っています。なにしろ,通信のネットワークは,国境を越えて全世界を網羅するに至っているため,国際的に孤立した「ガラパゴス化」は避けなければならない状況なのです。そう言えば,次世代の携帯電話の方式としても,統一化の動き(LTE方式)が明確となってきています。

これから,統一化された規格に基づいて,世界中の意欲ある人たちが斬新で画期的な製品やサービスを生み出す動きが加速することでしょう。しかも国際的な競争ですから,より高機能なもの,より独創性の高いものが,より低価格で提供されるようになると考えられます。

一方で,これを活用する側は,自らの必要性に基づいた見極めや選択が重要になってきます。世界中が同じ土俵の上で競争を行うのですから,それらの情報をタイムリーに把握して的確な判断を行うことはなかなか困難になってきています。かつての「街の電気屋さん」のような役割が求められている状況であり,我々がこれから目指すべき方向性が見えてきたように感じます。そうです。グローバル化時代において,お客様の最も身近な「街の電波屋さん」になることです。

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