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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
11月1日は計量記念日です!!
 


  
  11月に入りました。11月1日は「計量記念日」です。

平成5年11月1日に「計量法」が施行されたことを受けて,この日が記念日として制定されたとのことです。毎年,これに合わせて計量啓発標語の募集や,小学生を対象とした『何でもはかってみようコンテスト』が行われています。

「計量法」の冒頭には,計る対象となる主な項目として,長さ,質量,時間を始めとして線量当量率まで合計71項目が明記されています。この中にはあまり聞き慣れていない項目も含まれていますが,我々の普段の暮らしの中の様々な場面で密接に関わっていることは確かです。

 

計る対象として最も身近なものの一つが「時間」ではないでしょうか。特に最近では,電波時計なるものの出現により,極めて高精度な時間(時刻)の管理が個人でも手軽に出来るようになりました。この電波時計は,日本国内に二か所ある標準電波送信所(福島県のおおたかどや山標準電波送信所,佐賀県と福岡県境のはがね山標準電波送信所)から送られてくる標準電波をアンテナで受信して,それによって自動的に時刻の修正を行うものです。そして,送信所から送られてくる標準電波には,セシウム原子時計に基づく時刻情報が乗せられているため,高精度な時刻合わせが可能となったという訳です。

一昔前ですと,テレビに映し出された時計の映像を見て,手元の時計の時刻を手動で修正していましたが,最近では,正確な時刻情報を直接時計が受信して自動修正しているとい次第です。ちなみに,送信所から送られてくる標準電波は,長波と呼ばれる周波数(40kHz及び60kHz)の電波帯が使用されており,地表面に沿って広い範囲に伝わりやすいという特徴を活かしています。

 

最近,カーナビや携帯電話ですっかりおなじみなったGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)ですが,実はこのGPSの計測精度に大きく影響しているのが「時間」です。GPSは,地球上における現在の位置を知るためのものですが,基本的には宇宙空間にあるGPS衛星との正確な距離を計測して,その結果から現在位置を算出しています。このGPS衛星との正確な距離は,実際には,衛星からの測位信号が到達する時刻から算出しているために,その時刻を割り出す時計の精度が問題になるという訳です。このため,GPS衛星にも原子時計が搭載されています。

ちなみに,GPS衛星から送られてくる測位信号の電波は,極超短波(UHF)と呼ばれる周波数(1.6GHz)の電波帯が使用されており,全ての衛星を区別するコードを使用することで,測位信号の識別を行っています。

 

このように,あらゆる面で計測の精度は益々向上してきており,正確さが求められるようになってきました。それと共に,その計測情報を電波に乗せて様々な機器で活用するという形態が広がってきているため,正確な情報を確実に伝えるということが重要になります。電波利用の形も大きく変わってきている中で,これに携わる我々自身も,新たな時代の要請に応じた「正確,確実」を意識して,日々取り組むことが必要となってきました。

 

人間社会においては,物差しが当てはまらないこと,融通性を利かせなければならないこともあることは確かですが,一方で,技術的な厳密性を追求することで便利になることも多くあります。「正確,確実」という時代の要請は日増しに高まってきており,このことを着実に,根気強く,誠意を尽くして真正面から取り組んで行くべきと考えます。

現在,セシウム原子時計より1,000倍も精度が高く,100億年に1秒しかずれないという「光格子時計」が開発されようとしているようですが,「正確,確実」を飽くなき追求する姿勢は,我々技術に関わる者の原点のように思います。

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