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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
「ホワイト」の意味するもの!!
 

  津波騒動と共に3月となりました。

この冬は,温暖化と言われる中で意外と雪に見舞われる機会が多くありましたが,ようやく梅の花も咲き,いよいよ春の季節を迎えることとなりました。

雪国ですと,まだまだ周りの風景が真っ白な状況ですが,これから徐々に雪解けが進み,それと共に樹木や地肌が顔を出してきて,正に,白一色の世界から少しずつ風景の色が浮き出てくるような季節となります。これは言ってみれば,白いキャンバスに絵を描き始めるような感じで,季節の移り変わりのスタートを切るという引き締まった想いと,これから色とりどりの風景が浮き出てくるという歓びを味わえる時期です。そう言えば,この季節,学校でも卒業式が行われ,これから描く自分の絵に期待と不安を抱きながら若者たちが巣立っていくこととなります。また,3月はホワイトデーもあることから,いろいろな意味で「ホワイト」を連想させる時期と言えます。

「ホワイト」と言えば,携帯電話会社のCMでもお馴染みですが,我々の身近で最近しばしば聞く機会が多くなっているのが,「ホワイトスペース」という言葉です。これはCMに出てくる「白戸(ホワイト)家」とは直接関係はないのですが,通信の分野という意味では関連があり,無線の周波数の中で通信を行うために使用していない周波数帯のことを示す言葉です。実は,3月1日に総務省が東京で開催する電波の有効利用に関する国際シンポジウムでは,そのテーマが「―ホワイトスペースなど新たな電波の活用に向けて―」ということになっています。

この「ホワイトスペース」ですが,実は,「ホワイト犬」がテレビのCMに登場した以上の「予想外」な展開を生み出す可能性があるのです。

テレビの電波というのは放送局毎に周波数(チャンネル)が決められています。子供のころによくやっていた「チャンネルの奪い合い」は,実は「周波数選択の争い」であるとも言えたのです。ところが,この周波数は地域によって使用していない部分の方が多かったのです。これまでのテレビ放送では合計で62チャンネル用意されていたのですが,実際に見ることができるテレビ局は数チャンネルですので,残りはいつも使っていない周波数帯(空きチャンネル)ということになります。この空きチャンネルは地方によってそれぞれ異なった周波数ですが,地域単位で見てみると非常に多くの空きチャンネルがあったということです。

そして,この「ホワイトスペース」の利用を積極的に推進してきたのが,実は,躍進著しいグーグル(Google)です。一足早く昨年6月に地デジ移行を完了させた米国では,「ホワイトスペース」の開放利用を既に決定しており,その具体的なやり方についての検討が進められています。これがもし実現できれば,それぞれの地域でたくさん残っている空きチャネル(ホワイトスペース)を使って,多様な無線通信機器を利用できることとなります。しかもこの利用サービスの提供に当たっては免許が不要であるため,極めて低料金で高機能なサービス競争が繰り広げられることとなります。きっと,グーグルが開発してきた「Android携帯」についても,この「ホワイトスペース」を利用した通信機器として普及していくものと思われます。

勿論,テレビと同じ周波数の利用を許可することで,テレビの受信状態に悪影響を与えるとして反対する動きもあります。ただ,これに対しても,使用する機器の位置情報から,その場所での空きチャンネルを確認するためのデータベースを構築する動きが始まっており,これにはグーグルの他にマイクロソフトやモトローラ等の企業も参加しています。そう言えば,最近のほとんどの携帯電話にはGPS機能が搭載されていますし,データベースに関わる技術はグーグルが最も得意とするところです。正に,急速な技術革新と,想いを実現するためにアイデア創出を惜しまない人たちの融合により,この先どのような「予想外」な動きとなるか,目を離せない状況となってきました。

 グーグルを始めとしたこの動きに関わる人たちにとっては,きっと「ホワイトスペース」が大きなキャンバスに見えているのでしょう。
そして,ここに描かれたものを使って,地域的な背景の中でどのような絵を描くのか,次は我々が如何に「予想外」な動きができるかです。

「白戸(ホワイト)家」の行く末を気にしながら想いを巡らす近ごろです。

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