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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
問題解決力を考える!!
 

5月となりました。

今年は,この季節になっても毎日の寒暖の差が激しく体調管理が難しい状況ですが,周囲の草木は確実に芽吹き,新緑が鮮やかになってきました。多少の環境変化があっても黙々と生命時計を刻み続けている様子を見ていると,生きるものの逞しさを感じます。

 

5月となって俄然脚光を浴びているが沖縄の基地問題です。昨年の民主党による政権交代から非常に大きなテーマとして取り上げられ,どのような解決が図られるのかが注目を集めています。政府自身が期限として設定した5月末まで残り僅かとなってしまいました。

 

航空機の離発着に伴う騒音に日々悩まされ,なおかつ墜落事故の恐怖を抱えている現状から,一刻も早い基地移転を希望する地元と,そのリスクを新たに受け入れることとなる移転先との利害が対立する構図ですので,この問題解決は非常に難しい高度な能力が必要と言えます。

一方,鳩山首相が嘗て『問題解決学』の研究者であったことから,その経歴がこの極めて高度な問題解決に力を発揮できるのではないかとの期待もあります。

 

『オペレーションズ・リサーチ(OR)』は,第二次世界大戦中にイギリスにおける軍事研究から始まった学問であり,我が国ではこれを『問題解決学』と訳しているようです。我々が学生の頃は,“経営工学といえばOR”というように比較的よく知れ渡っていましたが,近ごろなかなかこの言葉を聞かなくなったと思ったら,『問題解決学』に置き換えられていたのですね。

 

でも,このOR,内容は非常に幅広く,在庫管理の問題や待ち行列,シミュレーションやゲーム理論など,様々な問題解決の手法を提供してくれます。かつて社会人になりたての頃は,日々の業務全てが問題解決力を必要としていましたので,如何に実務に応用するかについて必死に取り組んだ思い出があります。

 

かの鳩山首相は,米国の大学にてこのORに関する研究で学位を取得し,その後国内の大学で8年間教壇に立っていたとのことですので,正にあらゆる手法について十分理解された上で,件の基地問題にも対処しているものと思います。

 

このORの中で意思決定に関する手法として,『階層的意思決定法(AHP)』がよく知られています。例えば,車を購入するとした際に幾つかの候補の中からどれを選択すればよいのかとか,限られた予算の中で購入したいもの中からまず何に支出をしたらよいのかというような問題に対して,自分の好みを明確化していくことで具体的な数値として優先順位が出てくるというものです。意思決定を行うに当たってその優劣が客観的な数値として表わされるのですから,支援ツールとしては誠に重宝なものと言えます。

 

ただ,こちらの意思決定を合理的に行ったとしても,これを相手に受け入れてもらうことが必要な場合は少し厄介です。特に相手は人間ですので,合理的な数値では表せない感情的な部分とかもあります。これまで様々な分野で活用されてきたORですが,この部分がまだまだ課題のようです。

 

先日,雑誌にて,鳩山首相が嘗て大学の講演で行った「お見合いの論理(問題)」が紹介されていましたが,基地問題の解決へ向けたシナリオもこれと同様な最適解が見いだされているのでしょうか。
 ORの効果と限界,そして『問題解決力』というものの本質を改めて考えさせられる昨今です。

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