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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
涼を求めて宇宙の旅へ!!
 





  8月となりました。

連日全国各地で猛暑が続いています。梅雨に入る前の不順な天候が嘘のような“いつもの夏”です。冷夏の予報は見事に外れてしましましたが,これが自然な変動の範囲内であるという見方もあります。特に,ニュースなどでの取り上げられ方が“記録的な”とか“観測史上初”という枕詞がつくため,必要以上にそう思ってしまう面もあります。

もっとも,各地での気温が直接測定され始めてからまだ150年程度とのことですので,その範囲での話として理解するのが妥当かもしれません。

 

考えてみれば,我々が子供のころは,エアコンもありませんでしたし,冷蔵庫もまだ十分普及していませんでしたから,もっといろいろな“暑い夏”の苦労が思い出されてよいはずですが,“青い海”,“青い空”,“夏祭り”と楽しい思い出の方が多いのは,やはり心も体も幼かったということでしょうか。

 

何れにしろ,この暑い夏を乗り切る手立てを考える必要があります。

 

夜になると満天に輝く星を眺める方法もありますが,日中ですとなかなか手段が限られてきます。723日から全国各地で“打ち水大作戦”が繰り広げられているようですが,これは大人数で行うことが必要ですので,個人では限界があります。

 

この際は,現実から少し離れて,時空を超えた遥か彼方に想いを馳せることで,暑さをしばし忘れることがよいかもしれません。いにしえより「心頭滅却すれば・・・」とも言われてきております。

 

最近,“ハヤブサ”や“IKAROS(イカロス)”を始めとして宇宙に関するニュースが伝えられておりますが,遠くに輝く星々を背景として,太陽からの光をセイルに受けて滑るように進むIKAROSの姿を思い浮かべると,静寂感や孤独感を含んだ一種の涼感が漂うような気がします。

昔よくFM放送で聞いていた「満天の星をいただく,はてしない光の海をゆたかに流れゆく風に心を開けば・・・」という感じでしょうか。

 

さらに,IKAROSの進む先を見渡して,「宇宙の果てはどうなっているのか」とか,「空間は本当に曲がっているのか」というようなことを考えていくと,ますます引き返せない宇宙の旅に突き進むことになります。ここまで来ると,暑さと共に蝉の鳴き声もしばし遠のく感じとなるはずです。

ただ,惜しむらくは何かの拍子に一瞬にして現実に引き戻されることがあるため,持続するのに少し根気と努力が必要です。

 

そう言えば,この手のテーマについてはこれまでも様々な書籍や雑誌で取り上げられてきましたが,“相対性理論”とか“四次元の世界”という言葉を聞くだけで,何となく身を引いてしまうところがありました。現実に,かつては比較的多くの情報に触れていたはずですが,最も強く記憶に残っているのは,“巨人の星”に登場する大リーグボールと物理学との関係についての話くらいのものです。

 

星飛雄馬の投げたボールが、打つ気のない打者のバットに必ず当たるという”大リーグボール1号”は,古典物理学(ニュートン力学)でいうところの“運動方程式”の考え方に基づくものであり,一方,いわゆる消える魔球である”大リーグボール2号”は,現代物理学(量子力学)で言うところの“不確定性原理”の考え方に基づくものであるというような内容であったと思います。

 

それからだいぶ時間が経過し,しばらくは全くこのような話に触れる機会もありませんでした。

 

ところが,暑さ対策ということで最近の情報を仕入れてみたところ,「宇宙が10次元時空であることを前提とした“超ひも理論”」や,「我々の住む四次元時空を一つのブレーン(膜)と考える“ブレーンワールド仮説”」など,時間が経過した分,着実に研究の成果が積み重なってきているようです。絶え間のない科学技術の進歩には,アインシュタインのみならず,我々も正にびっくりというところでしょうか。

 

振り返ってみれば,通信の世界でも,一般家庭において光ケーブルで信号をやり取りできる環境が整備され,映像を素早く伝送することができるようになりました。無線による通信も,光ケーブルと同等の通信速度が確保できる技術が確立され,さらにその先の技術開発も加速しています。最新の研究では,光を使った通信において,電気信号への変換を行わず,光信号のまま処理することで,通信速度がギガから,テラを超えて1秒間に“ペタビット”(ペタは1,000兆倍)という超高速な通信を可能とする“面発光半導体レーザ”の開発も進められているようです。これが実現できれば,正に映画丸ごとを一瞬で伝送できることになります。

 

未知なるもの,未解明なものに対する人類の挑戦は,飽くことなく続けられていることに改めて気づかされます。特に,我々の年代が科学技術というものに興味を持ち始めた時期からの進歩には,目を見張るような驚きがあります。正に“暑さも吹っ飛ぶ”というところでしょうか。

 

ただ,冷静に考えてみると,それだけ“自分が年齢を重ねた”ということの裏返しという面もあります。それに気づいた瞬間の涼感は,“ペタビット級”というところでしょうか。

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