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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
電波的メディア論!!
 


 
 
 10月となりました。

気候もようやく秋らしくなってきました。涼しくなって改めて振り返ってみると,今年の夏は相当な暑さであったようなイメージがあります。最近の“地球温暖化”論議の影響もあるのか,メディアも連日そのような報道でした。

 

気象庁が公表している資料によると,日本の8月の平均気温は平年値より2度以上高かったようです。やはり暑かったのですね。ただ,記録的かというと,1月から8月までの平均気温でみた場合,2004年や1998年の方がまだ高いようですので,メディアで取り上げられているような異常気象と結論付けるのはまだ早計かもしれません。

 

メディアといえば,最近,インターネット上で動画を配信するサービスが急激に活発化しています。

 

そもそもは,2005年から始まった動画共有サービスである『YouTube』を皮切りとして,2006年開始の『ニコニコ動画』により動画配信サービスが本格化したようです。当初は著作権保護の観点からいろいろ慎重な意見も出されていましたが,iPhoneAndroidといったスマートフォンの普及,さらにはiPadの人気などもあって,一気に加速したという感じです。

 

今では,『Ustream(ユーストリーム)』や『ニコニコ生放送』などのようにユーザーが中継放送を行うことができるサービスも登場しています。誰でもが簡単に情報を配信する側になれるということは,正に画期的であり,これまでの常識を大きく覆す状況になったと言えます。

 

そもそも,情報を配信できる立場はごく限られたものと限定されていました。電波的に言えば,利用できる周波数帯に限りがあったため,免許を与えられた放送局のみが特権を与えられていた訳です。わが国でテレビ放送が開始されたのが1953年(昭和28年)ですが,それ以降独占的に割り当てられた周波数帯を使って来たため,1チャンネル,4チャンネル,6チャンネルなどと周波数の割り当て領域の通称でテレビ局が認識されるようにもなっていました。

 さらに,1957年(昭和32年)以降は,従来のVHF帯より少し周波数が高いUHF帯を使用して多くの地方ローカル局が登場し,37チャンネルや57チャンネルなどと数字の大きいチャンネルが使用されるようになりました。

そうです,東京タワーが建設されたのもこの頃です。

 

ところが,インターネットの発達が状況を一変させてしまいました。限られた通信帯域を使用して,世界中の人たちが情報をやり取りできる状況を作ってしまったのです。さらに,規格の統一化に伴い,あらゆるものがネットワーク化されてつながるようになりました。光ケーブルであろうが,携帯電話であろうが,無線LANであろうが,分け隔てなく情報が駆け巡るようになったのです。そして,誰もが放送局となれる状況になったのです。

 

このような変化の象徴的な出来事として,テレビに割り当てられた周波数帯の中で,地域的に使用していない周波数を自由に利用させるという『ホワイトスペース』がいよいよ動き出しました。総務省は,『ホワイトスペース』活用の制度化への反映やビジネス展開を促進するため,『ホワイトスペース特区』を創設することとして,この1015日まで具体的な提案を募集しています。既に今年の夏からスタートしている先行モデルに引き続いて,より具体的な活用策について検証しようということです。

 

電波的に見ても,テレビの独占的な周波数利用は崩れることとなりました。これは米国を始めとして世界的な流れとなっています。そして,この流れを契機として,情報の動きもますます多様化し始めています。パソコンや携帯電話でテレビを観る。テレビでインターネットの情報を入手する。カーナビの情報を携帯電話に送る。そして,誰でもが,映像やメッセージの送り手になれる,あるいは,世界中のだれとでもやり取りができる状況になったのです。

 

一方,これに伴い,我々自身も考えるべき課題が出てきました。溢れる情報の中で,どこに注目し,何を真実として捉えるのかという判断を自分で行わなければならなくなりました。真実は一つですが,ものの見方感じ方はそれぞれ多面的なものがあり,それがどのように伝えられるかで評価が全く異なるものとなってしまいます。

日々刻々と世界中から情報が溢れてくる中でどこにアンテナを向けるかによって,得られるものが全く異なってきますし,それらの情報をどう統合して解釈するかの判断が重要になってきます。

 

このような認識を強く持つようになったせいか,最近は普段報道されている情報にも少し疑いの目で接するようになった自分を感じます。これは一方的な見方ではないか,あるいは,別の解釈があってよいのではないかということが気になり出しています。

 

いずれにしろ,このような流れはこれからますます加速していくものと思われます。様々な情報を認識して処理していくことと共に,電波にかかわる我々としては,あらゆる周波数の利用にも対応していくことが必要です。

正に,マルチチャンネルへの展開がこれからのポイントです。

| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 昨年の記事