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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
一際せわしい師走を迎えて!!
 

 

12月となりました。

 

年末の慌ただしさの中で,衆議院議員総選挙が行われることとなりました。12月に総選挙が行われるのは,1983年(昭和58年)以来のことのようです。正に,全国津々浦々で候補者が走り回ることとなります。直面する政策課題が多様化して,なおかつ複雑化していますので,有権者としての見極めもなかなか難しい面があります。ただ,そのような状況であるからこそ,貴重な一票を大切に使いたいものです。

 

今回の総選挙での主な争点としていくつかのテーマがクローズアップされています。マニフェストの効力が半ば錆びれてしまったためか,最近では“反…”とか“脱…”とか,はたまた“卒…”などという単純明快な標語のようなものが目立つように思います。ただ,これがなかなかの曲者で,その想いを実現するためのプロセスや,そのことを行うことに伴う痛みへの対処などが明確にされていないために,一体どこまで深く考えられた話なのかという懸念も生じてきます。

 

これまでの経済的な繁栄をもたらした現状の制度や仕組みなのですが,時代的な流れの中で歪が生じてきているため,これを新たな形に切り替えなければならないという誠に難しい局面と言えます。ただ,新たに変えたからと言って,今までと同じような成果が期待できるかどうかがなかなか見えないということで,問題は複雑です。かと言って,このまま立ち止まっているだけでは,傷口が広がっていくことは目に見えていますので,これまでに得られた数々の知見を冷静に踏まえて,政治の強力なリーダーシップを発揮して欲しいものです。

 

この間の様々な議論の中で少し気にかかるのは,現在の豊かな生活がこのまま続くということを最初から前提として話が進められるキライがあるということです。その端的な事例がエネルギー問題と言えます。そもそも我が国は“資源小国”として,その克服のために努力した結果として,コンパクトで省エネに優れた高度な工業技術力の発展を実現できてきたと言えます。世界的な人口増加の傾向や,新興国の急激な経済的追い上げを受ける中で,これから将来に渡って我が国が国際的に生き残っていくための思慮深いエネルギー需給戦略が重要であることは明らかなことです。これを怠れば,“産業の空洞化”はますます歯止めがきかない状態になっていくのではないでしょうか。

 

同じように懸念を抱くのは,問題の本質がしっかり見極められないままに,表面的な対処ばかりが議論される動きです。問題が発生するからには何がしかの原因があるはずであり,多くの場合それは多面的な要因が絡み合って出てきているはずです。ところが,表面的に分かりやすいところから議論が始められるために,そこだけが結果的に強調され,あたかもそれが全てであるかのように受け止められて決着してしまうという流れです。ここ数年の間に見てきたような,「問題が発生したら先ずは組織を新しいものに切り替える」というような動きは,正にこのような事例のように感じます。そして,結果的に,このような対処が根本的な不信感を払拭できない原因になっているのではないでしょうか。年金の問題しかり,原子力の問題しかりです。

 

何れにしろ,政治には国の大きな制度設計が期待されている訳ですから,将来に渡って希望の持てる道筋をこの機会に是非示して欲しいものです。

 

制度設計ということに関連して,我々が日々行っている業務において最近特に感じるのは,“技術革新の脅威”です。従来であれば,法律やルールにより定められた制度の中で,如何に魅力のある製品やサービスを創出していくかということが勝負の分かれ目でした。ところが,最近の技術革新の急激な進展により,新たな製品やサービスの出現に対して制度作りが追い付かないという場面が生じてきています。しかも,このような製品やサービスの出現は,国境を越えて一挙に広がる動きが加速しているために,誠に厄介です。電波の周波数割り当て作業についても,その対応のための動きはますます慌ただしくなってきています。正に,技術革新を制度設計が追いかけているというような状況ではないでしょうか。

 

最近,携帯電話の新しい通信規格として“LTE”という言葉をよく耳にするようになっています。高速な通信が可能と言うことで,“スマートフォン”の急激な普及と相まって,これから全国的に利用可能なエリアが拡大されていく動きです。また,国際的に統一化された規格ということで,総務省も周波数再編などを行い,基盤整備に力を入れているようです。ただ,“LTE”の本来の強みは“インターネットとの親和性”ですので,これから新たな利用形態が出現してくることが考えられ,その面での対応はこれからが本番と言えます。

 

また,“LTE”の次なる展開として“LTE-Advanced”なる規格の技術開発が既に取り組まれており,2014年には実用化される見込みのようです。正真正銘の“4G規格”の登場といわれているものです。ただ見守るだけの我々であっても,正に息もつけない動きと言えます。そして,この規格に含まれる“キャリアアグリゲーション”という技術が周波数割り当ての在り方を変えようとしています。この技術は,分散された周波数帯域をあたかも一つのまとまった帯域のように利用できる技術ということで,これが実現すれば,現在行われている周波数再編が不要となる可能性もあります。正に制度設計そのものの意味合いを考え直す必要性が生じてくることとなります。

 

何れにしろ,技術革新のみならず,社会的な状況も確実に変化していますので,これからの時代に適応した制度設計を託す今回の選択の機会を大切にしたいものです。

 

ところで,慌ただしい年末に恒例となっている自分の身の回りの整理についても待ったなしの状態になってきました。こちらも毎年同じ状況を繰り返している実態について,根本的に見直す必要があるのは明らかです。今年も残り僅かな日数となり,精神的にも慌ただしくなってきた今日この頃ですが,ここは長期的な視点に立って,先ずはマニフェスト作りからでも始めてみようかと思います。

| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 昨年の記事