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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
災害に強い通信環境の実現へ向けて!!
 

 

3月となりました。

 

春間近なはずなのですが,今年の冬の寒さはとりわけ厳しいようです。北国の積雪量も例年以上となっており,過去最高の記録を塗り替えたところもあるようです。1メートルを超えるような積雪に囲まれての生活となると,想像を絶するような苦労があるものと思われます。空き地や道路わきに高く積み上げられた雪の山を見ていると,なんとかして有効利用する手立てはないものかとも思ってしまいますが,それよりも何よりも日々の生活を不自由なく送れることが第一です。直接的に手助けができないもどかしさゆえに,雪解けがますます待ち遠しくなる気持ちです。

 

早いもので東日本大震災から2年となります。我々のように被害が比較的少なかった者でも,地震発生時からの数日間の厳しい状況はまだ鮮明な記憶として残っています。津波により甚大な被害を受けた地域でも徐々に復興の姿が鮮明になってきているようですが,一方で今でも捜索活動が続けられている状況を考えると,まだまだ災害は続いていると言えるかもしれません。様々な問題や課題も浮き彫りになっていますが,将来を見据えたより良い形での解決を図り,この痛ましい経験を次に活かしていくことが何より重要であるように思います。その意味では,我々自身においても取り組むべきことは数多くあると言えます。

 

大震災以降も余震と思われる地震が頻繁に発生しており,予てから取りざたされている地域での大地震の発生懸念も高まる中で,自然災害に対する社会的な感受性が高まってきているようです。これに拍車をかけるように,先月は隕石落下の話題で盛り上がりました。特に,今回の隕石落下については,様々な映像が公開されたことから,より一層強烈な印象となったようです。日々平穏な中で生活している感覚からすると,ともすればこのような災害のリスクを忘れがちですが,我々の日常生活も大きな自然の猛威の中に晒されていることを改めて実感する機会となったと言えます。もしかすると,北国の方々は毎年のように感じておられるのかも知れません。

 

今回の隕石報道の中で,宇宙に漂っているゴミであるスペースデブリの問題も明らかとなりました。既に,これを観測するための施設であるスペースガードセンターなるものも国内に設置されているようです。また,同じような時期に小惑星の接近というニュースもありました。はやぶさが探査を行ったイトカワのような小惑星が太陽系には数多く存在し,時に地球をかすめて通り過ぎる場合があるようです。軌道の関係で地球への衝突も考えられるために,こちらの監視も抜かりなく行って欲しいものです。2036年と言われている小惑星「アポフィス」の接近についても気になるところです。

 

尤も,地震や隕石,さらには小惑星接近のリスクは,地球そのものの成り立ちや,地球を取り巻く宇宙環境に起因したものですので,人知の及ぶ範囲を超えているとも言えます。地球自体の構造を考慮してみても,対流するマントルの上を絶えず移動しているプレートはどうしても干渉し合うこととなり,これによって生じたひずみを解放しようとして発生する地震は避けえないものとも考えられます。また,ここ1万年の間に噴火したことがあるという,いわゆる活火山が我が国には100以上もあるようです。さらには,我々が住んでいる地球が太陽の周りを公転しているスピードは秒速30キロメートルという超高速であり,その太陽自身が銀河系内で移動しているスピードも秒速220キロメートルということのようで,考えただけでも気が遠くなるような感じです。我々は音速よりもはるかに速い乗りものに乗って移動しながら生活しているということです。

 

しかし,ここまで考えてくると却って気が楽になるようにも感じられます。結局,我々が対応できる範囲で最大限の努力を払うしかないということではないでしょうか。ここは気持ちを切り替えて,やれることを一生懸命やっていくしかないのです。そのように割り切ってしまえば,気分的にも前向きになれるように思います。

 

一昨年の震災においては,光ケーブル回線や携帯電話基地局などの通信インフラが大きな被害を受け,このために電話がつながらない,情報が伝達できないという事態が生じました。多くの個人が携帯電話を所持し,インターネットによる情報伝達が当たり前のように行われている現代社会において,通信が断たれることの影響の大きさを改めて実感させられたと言えます。このため,震災発生直後から,国や地方自治体を始めとして通信事業者などがいち早くその対策に乗り出しています。

 

幸いなことに,情報通信技術の急速な発達により,“クラウド”や“モバイル”の活用範囲が拡大しており,新しい時代の『災害に強い通信環境』を実現するチャンスが到来したようにも思います。そして,ここでより重要になってくるのが“ワイヤレス”の技術と言えます。

 

いつ如何なるときに何処で遭遇するか分からない災害時の情報伝達手段としては,常時身に着けている無線端末に情報をプッシュして知らせることが効果的です。また,それぞれの地域の実情に応じて情報インフラを多様化しておくことで,通信回線の冗長化や分散化が図られ,きめの細かい情報伝達も可能となります。その意味で,意識することなく回線が接続され,多数の利用者が一定のルールに基づき共同利用することができる通信手段として,無線LANを活用できるスマートフォンの普及が新たな可能性を見いだせるものとして期待が高まってきています。

 

その具体的な動きとして,先月,東北大学において「災害に強いネットワークを実現するための技術の研究開発」として行われた実験は注目されるところです。これはスマートフォンの無線LAN機能だけを利用して,近くにあるスマートフォンをリレー中継して離れたところまで通信を行うことを実証したもので,当日は27台のスマートフォンを中継した通信が行われたとのことです。通信事業者の回線が利用できなくても,それぞれが所持しているスマートフォン端末をリレーして情報を伝えていくことが可能になるということです。

 

無線を始めとした情報通信技術の進歩は,より実用的で効果的な活用の仕方を求めて加速しています。これに関わる我々も,遅れを取ることはできません。

 

震災発生時の状況を振り返りながら,これからの取り組みに想いを巡らす今年の3月です。

| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 昨年の記事