CALENDAR

Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< August 2013 >>
NEW ENTRIES
ARCHIVES
LINKS
PROFILE
OTHERS
MOBILE
qrcode
 
地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
プロのプロたる所以を考える!!
 

 

8月となりました。

 

ここ数日は猛暑も一休みというところですが,今度は全国各地でゲリラ豪雨が発生しています。河川における治水対策や,都市部における排水設備の整備はそれなりに進んでいるようですが,その想定を超える状況となっては手の打ちようがありません。連日のように“記録的”という言葉を聞くようになりました。ただ,地震や津波の場合と比べると被害の範囲が局所的ですので,ただ単に記録されていないだけで,過去にさかのぼってみればいろいろあったのではとも思ってしまいます。何れにしろ,自然との共存には,様々な経験を活かした地道な備えを繰り返していくしかないのでしょうか。

一方,いち早く梅雨明けとなった関東地方では,水不足が深刻なようです。今年の夏は,電力と共に水の需給状況から目が離せないようです。

 

世の中選挙も終わり,少しは落ち着きを取り戻したようです。気象現象は変動が激しいようですが,政治的には“ねじれ解消”となり安定化していくのでしょうか。時代環境の変化に伴って解決すべき課題は次々と明らかになってきているのですが,これを長期的な視点から解決への道筋を明確にして,合意形成を図っていくという形がなかなかできていないように感じます。正に,政治家個人としての力量が試されているというところでしょうか。一方,我々有権者としては,表面的な聞こえが良いだけの主張を見抜くことが求められていると言えます。

 

かつて人口が増え,経済も右肩上がりに成長していた時代には,財政的な手当ても広範囲に可能であったことから,様々な問題や課題に対して手を打つことは比較的容易であったようです。一方,人口減少が始まり,経済動向を始めとした生活環境がグローバル化した現在においては,財政的な制約の中で優先順位を明確に打ち出しながら,なおかつセーフティネットにも配慮を行うという,難しい選択が必要となります。またそこには将来的な変化の予測に対応した措置を盛り込むことも要求されます。こうなると共通の土俵の上で冷静に議論を尽くして,より良い形で合意形成図ることがますます難しい状況となってきます。しかし,解決は待ったなしの状況であり,正に,新たな“政治のリーダーシップ”が求められていると言えます。

 

翻ってみると,こと政治に限らず,その道その道の専門家,プロとしての力量が明確に問われる時代になったような気がします。問題や課題が複雑化して高度化したという要因もありますが,同時に様々な情報が広く共有化され,お互いに比較や評価が簡単に行われる状況の中では,常に厳しい目に晒されているという現実になってきています。かつては『専門家だから』とか『プロに任せてあるから』で簡単に済まされていましたが,一般の方々の視野も容易に広げることが可能となったために,顧客側が“専門家やプロを見極める目”を持つようになってきているようです。

 

このような状況の中では,それぞれの取り組みにおいて“プロのプロたる所以”を改めて考えざるを得ない時代とも言えます。海外の新興国が生産性や技術力を高めつつある状況から言っても,我々自身がただ単に仕事のノルマをこなすということではなく,より一段高い“こだわり”を持つことが必要ではないでしょうか。自ら選択した道において,厳しい見極めに応えながら,前向きにやりがいを持って,さらに技術や技の向上を目指して取り組める状況こそ,これからの社会において職業人としての理想的な姿のように思います。その意味では,結果が明確に現れるスポーツ選手や棋士の方々の意識や姿勢こそに学ぶべきものが多いような気がします。

 

一方,仕事を任せる側の顧客の立場で考えてみると,それぞれの専門的な内容については踏み込むことができない限界が存在しますが,最終的にはそれ以上の部分も含めた“信頼感”が重要視されているように感じます。言ってみれば『あの人たちに任せておけば安心』という感覚というところでしょうか。そして,この“信頼感”を感じ取ってもらえるチェックポイント,我々業者側の立場からすると“信頼感”を訴えることができるアピールポイントが何かということが重要になってきます。

 

これについては受け取る側の感じ方によって一様ではないところもあり,いくつかの見方があるものと思います。ただ,最近の様々な出来事を見ていて痛切に感じることは,結局のところ信頼感を感じてもらえるためには,“自らの技を磨くための努力を惜しまない姿勢”ということと,“そこへ向けての自発的な行動の継続”というところのように思います。言ってみれば,対局後の勝敗が決した後においても,盤面に向かって検討を重ねる棋士の姿に重なるものです。その道に最も長けた人たちが,さらに極みを目指して努力を続けるところにこそ,安心感や期待感が生み出されるのではないでしょうか。

 

そして,最近はその要求レベルがさらに高まってきているようです。それは,“想定外”との戦いです。世の中の仕組みが複雑化していく中で,事故や問題の発生を撲滅するために,原因となり得る“想定外”そのものを想定して対処しようという動きです。経験を積み重ねることで得られる知見だけでは間に合わない状況となってきました。正に,『世の中は“まさか”の失敗を予防する時代』〔「つい,うっかり」から「まさか」の失敗学へ:中尾正之著(日科技連20136月)〕となったようです。

 

ここ最近,海外において引き続き発生している列車事故を見ても,我々は様々なリスクに晒されていることが分かります。そこに先ず立ち向かうべきは,それぞれの道に関わる専門家やプロであり,それぞれの持ち場で明確な意識の下にこだわりを発揮することこそが歯止めとなり得ることを肝に銘じることが必要です。

 

道は果てしなく続きます。より高い目標へ向けて,先ずは日々の“姿勢”と“行動”です。

| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 昨年の記事