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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
いま,イノベーションを考える!!
 

 

9月となりました。

 

集中豪雨の猛威が全国で続いています。1時間当たりの降水量が80ミリメートル以上になると“猛烈な雨”と表現されるようですが,最近では100ミリメートルを超えるような記録更新の話も聞くようになりました。かつて防災体験館にて実際に経験したことがありますが,これくらいの雨量になると,正に『息苦しくなるような圧迫感と恐怖感』という表現そのものでした。しかもこのような大量の雨が長時間続くことで,被害をさらに大きくしています。被害を受けた後の復旧作業の大変さも考えると,被災された方々のご苦労は並大抵のことではないと思います。改めて防災対策の奥深さを実感します。

 

防災の日を迎えたことでもあり,この機会に我々自身も含めてより実効性のある防災への取り組みを考えていくことが必要ではないでしょうか。災害などの警報や情報についての伝達手段を整備する動きもありますが,これ自体は意味のあることとしても,防災対策と言う観点から見ればほんの入り口の話であり,緊急性や有効性を考えた上でより根本的な対応が迫られているように感じます。

 

最近,同じように奥深さを感じるのが中東情勢でしょうか。誰もが平穏な生活を望んでいると思うのですが,これまでの長い歴史の経緯や,現状における様々な対立などもあり,事態は深刻さを増しているようです。様々な要因が複雑に絡み合った状況を解決する手立てはなかなか難しいようにも感じてしまいます。特に人間の感情に根差した部分については,ある程度の時間を掛けて解消していくことも必要なようです。古代文明発祥の地として,世界中の人々が安心して再び訪れることができるようになる日はいつになるのでしょうか。

 

そう言えば最近,物事の奥深さに気づくことでいろいろと考えさせられることが多くなりました。情報が氾濫して何でも知ることができるようになったということや,モノやサービスが豊富となり自由な選択が可能となったということなどの事情もあるのかもしれません。技術的な進歩も含めて社会全体が成長しているというようにも見えますが,解決すべき課題はより複雑になってきているようにも感じます。これまでの経験や知識がそのまま通用しないという感覚がますます強くなってきており,正に時代は大きく変わってきているということかもしれません。

 

そのような背景があるためか,最近,“イノベーション”という言葉を再び聞くようになりました。以前の認識では“技術革新”ということで一般的には理解されていたように思います。かつてその代表的なモノと言えば,ソニーの音楽プレーヤー「ウォークマン」でした。そして,ここ最近ではアップルの「iPodiPad」という流れでしょうか。基本的には,新たな発想に基づく今までにはなかったモノ(製品)というように,比較的狭い範囲での認識がごく一般的なイメージでありました。

 

ところが,このような“イノベーション”という言葉の意味合いをより広い範囲に考えようとする動きが広がっているようです。すなわち,単なる技術的な創意や発明に留まらず,新たな社会的価値の創造や社会的変革の実現なども含めた幅広い意味として捉えられるようになっています。尤も,そもそも本来の意味合いがこのような広い概念であったということもあるようです。しかし,このような意味合いで考えてみると,ヤマトの「宅急便」やセブンイレブンの「コンビニ」,さらにはセコムの「警備保障サービス」など,我々の生活や業務に既に密着しているものも数多くあることに気づかされます。

 

そして,最近ではこのような考え方をさらに広げて,現状をより良く発展させるための様々な取り組みを包含した形として,幅広い意味合いで捉えられてきているようです。決して新しいモノや技術ではないけれど,その使い方や組み合わせ方を工夫することで,様々な問題解決を図ることも立派な“イノベーション”ということです。このような動きの背景としては,経済的な発展につながるような商品やサービスという範囲にとどまらず,社会をより良い方向に導くための解決策や取り組みがより強く求められるようになってきているということも考えられます。奥深く複雑化していく現状の課題に対して,これを解決していこうとする動きが活発化してきているというところでしょうか。

 

例えば,様々なモノや技術を途上国における問題解決に活かそうということで取り組んでいる「コペルニク」などは,新たな発想で提供されるモノや技術のみならず,その仕組みそのものが時代の要請として受け入れられていることは確かなようです。大きな資本力や類まれな発想によってより新しい時代を切り開く“イノベーション”も活発な動きですが,取り残された課題解決のために小さな知恵と工夫を積み上げていく“イノベーション”についても,より重要性を増しているということではないでしょうか。

 

一方,我々の立場で考える“イノベーション”にはまた別の意味合いがあるように思います。社会の発展や技術革新による時代の変化に対して,我々自身の考え方や取り組み方が適合しなくなっている部分が明らかとなってきています。特に,地域の中小企業としての役割りにおいては,常に変化していく時代的な要請の中で,今までの取り組み方を見直しして,我々が貢献できる価値を高めていくような動きがますます求められるようになっています。

 

このようなことを踏まえると,時代的な要請に合せて現状の見直しを行い,自らの役割に徹した価値向上のための考え方,取り組み方を変革すること,そのことが我々にとっての“イノベーション”ではないかと思います。そして,その具体的な取り組み方は極めて単純であり,先ずは“日常を変える”ことから始めることです。

 

今こそ,一人一人が勇気をもって自ら考えて動き出すことが重要と言えます。

そして,その動きを支えて引き延ばす知恵と工夫が,正に経営に求められているようです。

| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 昨年の記事