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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
上達を意識する仕事への切り替えを!!
 

 


  4月となりました。

 

季節はいよいよ春本番です。色とりどりに咲き出した草花の存在感が急に大きくなったように感じます。寒さのために萎縮していた感覚がようやく目覚めたというところでしょうか。気分的にも何となく活動的になったように感じます。この季節は区切りの時期ですので,入学や就職など新たな環境で生活を始める方も多いと思います。正に希望に胸を膨らませているという状態ではないでしょうか。ただ,普段の生活に変化のない場合であっても,気持ちの切り替えは可能であり,先ずは自分の新人時代を思い出すだけでも効果があるような気がします。

 

この季節はまた移動のシーズンでもあります。長年住み慣れた地を後にしてという情景は,なんとなく切なさを感じるようでもあります。一方で,新たな地での生活に期待と不安が入り混じる想いもあり,なかなか心が落ち着かないという状態での旅立ちではないでしょうか。我々の時代には,もっぱら列車に長時間揺られてという形での移動となっていましたが,最近では飛行機や新幹線の利用も便利になりましたので,感傷に浸る間もなく到着となってしまうようです。もっとも,近頃は海外への転出も多くなっていますので,その場合には当時と同じような想いを経験するのではないでしょうか。

 

時代の変化ということでは,先日,JR青森駅と上野駅の間で運行されていた夜行の寝台特急「あけぼの」が定期の運行を終了しました。気付いてみれば,現在運行されている夜行列車の数も随分減ってきているようです。学生時代においては帰省に,また社会人となってからも出張にと比較的利用していた我々からすると,懐かしい想いがいろいろ蘇ってきます。かつて寝台特急の指定券がなかなか取れなかった若いころには,普通座席の夜行列車でよく移動したものです。時としてほとんど他に乗客のいない車両に乗り合わせて,一晩中非常な寂しさを感じたりもしました。また,うっかり寝過ごしてしまい下車駅に到着する直前に慌てて身支度を整えたということも幾度かありました。

 

夜行列車に乗った際には,途中駅での停車時間も長く,浅い眠りの中で気動車の入れ替え等の作業を行う音を聞いたりもしていました。就寝した状態で移動できるという乗客にとっての利便性は非常にありがたいものですが,そこには仕事とは言え,様々な方々の地道な努力があることをうつらうつらした意識の中で感じていたような気がします。そのような中で,昨年後半からレールの検査データ改ざん問題などがクローズアップされましたが,その後様々な対策が講じられているようですので,列車に思い入れのある我々としては,これまで長年培ってきた信頼を一刻も早く回復できるよう願って止みません。

 

夜行列車が徐々に廃止されていくように,時代の移り変わりによって商品やサービスも様変わりしています。確かに,駅弁などは駅で買うものと思っていましたが,最近ではデパートなどで手軽に手に入るようになりました。消費者としての嗜好が多様化したという側面もありますが,経済活動がますます国際化して,社会構造も変わっていく中では避けられない状況となっています。これに伴って労働者の雇用環境も大きく変化してきていると言われています。企業経営のみならず,働く側にとっても考え方の切り替えが必要ということのようです。

 

もっとも,商品やサービスの価値が“量”から“質”に変化したと理解すれば,考え方は比較的単純なようにも思います。価値を“量”と考えれば,そこには『有り無し』あるいは『多い少ない』という基準しか存在しないことになります。しかし,価値を“質”と考えた場合には,『○○の質』が『◇◇程度まで良い』となって,○○や◇◇の中身は多様に選択できます。そこには自らの想いを込めて高められるチャンスが無限にあるように感じます。

 

一方,仕事として労働を提供する側はどのように考えることが必要になるのでしょうか。従前は,『仕事はとにかく経験を積んで覚えるもの』との感覚がありました。そこには,いずれかの時点で確立された手順やマニュアルが枠組みとして存在していたのです。でも,先ほどのように“質”の勝負になった場合には,その枠組みそのものを進化させていかなければ消費者の嗜好には付いていけないこととなります。さしずめ,『仕事は“質”を高めるために上達させていくもの』というところではないでしょうか。

 

このような前提に立てば,仕事を行うに当たっては,常に最終的なお客様に対して提供できる“質”は何かということを考えること,そして,その上で自らは日々担当している作業を上達させるために何にこだわるのかということを強く意識していくことが必要であるように思います。慣れてしまえばそこまでですが,上達を意識して繰り返すことで,技の存在も徐々に見えてくるのではないでしょうか。もしかすると,かつて深夜の眠りに陥っていた我々の横で,乗客の安全のため,さらには正確な運行のために技を上達させていた鉄道員も多くおられたのではないでしょうか。

 

そして,“質”の価値はますます多様化しているようです。先月末,Facebook社が無人機や衛星などを利用した通信網の研究を行う目的で「Connectivity Lab」という研究チームを設置したという報道がありました。通信インフラが整っていない地域に無線機を搭載した無人飛行機を飛ばして,通信網を整備しようということのようです。この無人飛行機は,太陽電池を搭載していて,無着陸で5年間は飛行でき,空中で静止することも可能とのことです。これまでは飛行機の安全運航のために活用されてきた通信技術ですが,今度は飛行機の技術を活用して安定した通信環境の実現を目指すことになる訳です。さらに,昨年からはGoogle社も気球を使ったインターネット網構築プロジェクト「Project Loon」を始めているようです。

 

無線技術における新たな“質”の価値を高めるために,我々自身がどのようなこだわりを意識していくのか,正にそこが試されようとしています。
  我々の目の前にある上達の階段はさらに続いているようです。この機会に思いを新たにして,先ずはその第一歩を踏み出すことが大切と言えます。

| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 昨年の記事