CALENDAR

Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
<< June 2014 >>
NEW ENTRIES
ARCHIVES
LINKS
PROFILE
OTHERS
MOBILE
qrcode
 
地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
不確実性を生き抜く技術とは!!
 

 6月となりました。
 
 いよいよ暑さを感じるようになってきました。季節的には衣替えということで特に学校においては夏の服装への切り替えとなりますが,最近では“クールビズ”ということで大人の衣替えが余計に目立っているように思います。特に今年の場合には,国の取り組みとしてクールビズ期間を前後1か月間拡大したとのことで,5月に入ってから既に切り替え済みの大人の姿も垣間見られました。

 季節に応じて柔軟に対応することも重要ではありますが,暑さを乗り越えるための体力,気力の充実も怠ることはできません。ここは自分自身への戒めとして,服装に頼る前に心頭滅却の境地を強く意識していきたいと思います。とは言っても,まだまだ修行半ばの身ですので,早晩クールビズへ移行することは明らかですが・・・。
 
 暑さを感じるほどに夏の電力事情がまた気にかかるところです。そういえば最近あちこちでソーラーパネルを見かける機会が多くなりました。住宅の屋根の上のみならず,今まで空き地と思っていたところにも太陽の方向を向いて整然と並べられている姿を目にします。LED照明を始めとして省エネ家電などの普及により節電の流れも進んでいますが,産業活動や日常生活の支えとなっている電力の確保は極めて重要な課題と言えます。

 
一方で,世界の人口の約5人に1人,約13億人の人々が電気のない生活を送っているとのことです。このような現状を考えると,環境問題を含めて全地球的な視点での問題解決への取り組みが必要であることが実感されます。
 
 考えてみれば,我々の生活も随分便利になったもので,手元のスイッチを捻ることで極めて快適な生活を送れるようになっています。勿論,煮炊きをするために山にしば刈りに行く必要もなくなりました。建物の工事中でもなければ,電気の配線やガス,水道の配管を目の当たりにする機会は少なくなっています。このため,身近にあるスイッチの背後にあるいわば“舞台裏の努力”についての認識がなくなってきているように思います。
 
 極めて信頼性の高いインフラが整備された中での日常生活は,我が国における特長と言えますが,その分,この状態が当たり前のような感覚になっているのも事実です。特に私の場合には,東日本大震災の際にこの恵まれた日常生活の有難味を嫌というほど感じたはずですが,その後の月日の流れと共に記憶の彼方に押しやられつつあるというのが実態であり,誠に情けない限りです。
  かくなる上は,貴重な体験を決して無駄にしないという誓いを今まで以上にこれから強く意識していきたいと思います。

 
 それと同時に,普段なかなか目にすることができない“舞台裏の努力”について,我々自身も思いを馳せることが必要と言えます。自然災害を始めとして様々な不確定要因がある中で,安定的なサービスの提供のために行われている多彩な技がそこにはあるはずです。異常や不具合の発生が全くなく,予定通りに物事が進むことが当たり前という前提での議論の風潮も一部にありますが,実はその当たり前を実現するための様々な“舞台裏の努力”があることもしっかりと認識することが必要ではないでしょうか。
  情報化社会が進展して様々な意見や議論を耳にするようになっていますが,その一方で本質的な事実関係を十分に踏まえない表面的な解釈や判断が聞かれることは誠に残念と言えます。

 
 科学技術の進歩に伴って人々の生活が近代化されていく一方で,不幸にも様々な事故が発生してきていますが,そこには必ずそのような経過を辿った原因が存在しています。まだまだ科学技術の分野で未解明な事項はたくさんありますが,例えば事故発生のような想定と異なる結果が生じた原因は極めてはっきりしているように思います。単なる技術の“不確実性”ということとは明らかに異なるものです。
  何事も危険性というものを常に意識して,真正面からそのことに備えることにより,未然に対処することは可能であり,その取り組みそのものが“舞台裏の努力”としての神髄と言えるかもしれません。

 
 このように考えてみると,“不確実性”ということは,即ちこれに関わる当事者の意識や意気込みに依存したものであり,どのような技術分野であれ最終的には人間の問題と捉えることができます。かつて発生した様々な事故について振り返ってみてもこのことは明らかです。
  最初は危険性を認識して慎重に対処していたものが,いつの間にか緊張感が薄れて徐々に疎かになっていく,あるいは,そもそも不確定な前提からスタートしたはずが,時間の経過とともに明確な根拠もなく楽観的な判断に傾いていくなど,そこには共通的な要因が見られます。結局突き詰めてみれば,それぞれの分野に携わる我々自身の心持次第というところではないでしょうか。

 
 ここ最近,“機械学習”という言葉をよく聞くようになりました。今まで論理的な思考方法からのアプローチで進められていた人工知能の高度化を,近年のIT機器の高性能化を背景として,蓄積された大量の経験則をベースとして効果的に実現しようとするもののようです。先日,将棋のプロ棋士とコンピュータの対局が行われましたが,実力は急速に拮抗してきているようです。そして,この先も様々な分野での応用が実現されていく事になるものと思われます。
 
 ただ,これまでにない新たな概念や工夫の創造についてはまだまだ人間の方が優れていることは明らかです。これまでの数多くの経験や知見を踏まえることは勿論のこと,その上でより繊細な感受性を磨いて我々自身が持つ“不確実性”を乗り越える“舞台裏の努力”がますます求められているように感じます。
 
 高度に発達していく科学技術の進展に合わせて,これに携わる我々自身の気力の鍛錬も求められているのではないでしょうか。
 
| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 昨年の記事