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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
未来を築くためになすべき事!!
2014年9月 写真 .jpg
 
 10月となりました。

 秋風がさわやかに感じられる季節となって,山々も徐々に色づき始め,正に行楽の秋を迎えようとしている矢先のことでした。先月末に突然発生した御嶽山の噴火にはたいへん驚かされました。被害にあわれた方々の多さを見ても,想定外の事態であったことがよくわかります。意表をついて疾風の如くに襲ってくる真黒な噴煙を見ていると,遭遇された方々の恐怖感は想像を絶するものであったと思われます。取り残されている方々の一刻も早い救出を祈るばかりです。
 
 それまで鳴りを潜めていた死火山が1979年10月に突然噴火をしたことで,火山観測の在り方を変えるきっかけとなったという御嶽山ですが,改めて火山災害に対する警戒の大切さを思い知らされたように感じます。1979年からのこの35年間は小規模な活動が続いていたようですので,何らかの予知が可能であったのではとも思いますが,有史以来の活動記録が限られていることもあり,なかなか難しい面があったようです。地球内部における非常に長い活動周期からすれば,我々の時間感覚があまりにも短すぎるのかもしれません。
 
 我々自身の体の状態や社会環境についても年と共に変化していきますが,これと同じように我々を取り巻く自然環境も,その固有にある時間間隔で変化していっているということを認識するべきというところでしょうか。人間の感覚に比較して,有り余るぐらいに長い周期での変化に対する予測についてはなかなか難しい面があるとしても,日常生活にも大きな影響を与えるものですので,ここは叡智を結集して効果的に取り組む必要があると言えます。
 
 未来を予測することの難しさということについては,我々の時間間隔の中においてさえも実感させられることが多くあります。丁度,御嶽山がそれまでの沈黙から一転して突然に噴火した35年前のこの時期というと,我々の年代は就職活動に勤しんでいました。当時は,その前年に生じた“第二次オイルショック”を受けて,エネルギー問題が大きな社会的感心事となっていました。先月,当社においても学生を対象としたインターンシップを開催しましたが,この方々が就職されてこの先職場の中心として活躍される時代には,どのような状況になっているのでしょうか。
 
 当時の我々の感覚としては,“就職”と言うよりは“就社”と言う方が適切であるような感じがありましたが,そのような中でも,これから職業人としての人生を全うするために,可能な限り未来を見通してという意識もあったように思います。当時は特にエネルギー問題に対して今以上に喧しい議論が続いており,最近流行りの再生可能エネルギーに対する期待感も非常に大きいものがありました。近頃盛んに話題となっている水素エネルギーに関しても,夢のエネルギーとの位置付けで試験問題にも盛んに取り上げられていたように記憶しています。
 
 このような中で俄かに我が国のエネルギー問題に敏感となった身としては,究極的な解決を図るために貢献したいとの想いも強くありましたが,当時の社会的状況として,一般的な労働者の定年年齢が55歳ということもあり,実際に仕事として取り組める期間がせいぜい30年程度であるということにはたと気づいて,この限られた期間内で何らかの具体的な成果を出せるものへと方向転換する次第となりました。ただ,それから30数年経過して,当時と同じような議論が行われていることも甚だ予想外というところが実感と言えます。
 
 特に,エネルギーの多様化という観点からは,太陽光を始めとした再生可能エネルギーの進捗が当時の期待以上に進んでいないこと,さらには,枯渇が真剣に懸念されていた化石燃料が引き続き主要な位置付けとなっており,これに加えてメタンハイドレートを始めとした新たな形態の資源も見出されるなど,予想外の事柄も生じている実態となっています。改めて考えてみると,未来はなかなか見通すことが難しいというところでしょうか。
 
 しかし,よくよく考えてみると,街中ではハイブリッドカーが走り回り,全国に水素ステーションが建設され始めている状況であるということは,それなりに世の中は問題解決に向けた成果を着々と積み上げてきているようにも感じます。その意味では,様々な課題を克服していく事によって,想定外の新たな局面が次々と現れてくるということが実態なのかもしれません。
 
 何れにしろ,技術に関わる我々の務めとしては,未来を見通す意気込みを持って取り組みを始めるとしても,目の前に現れた課題を一つ一つ真摯に乗り越えていく事が重要であり,その上で新たな局面を踏まえた方向性を踏まえて,次なる課題に取り組んでいくということを地道に繰り返すことではないでしょうか。このことは,現在就活中の若い方々がこれから経験する業務環境においても変わらないように思います。
 
 そのように考えてみると,当初見通した状況には決してなっていないものの,想定外の連続の中で課題解決を図るための術を何らかの形で積み上げていく事こそが最も貴重な“職人技”といえるのではないでしょうか。技術革新の波はますます速く大きくなってきています。これから益々研ぎ澄まされた職人技が求められているように感じます。
 
 世の中が長寿社会となって,生涯現役が望まれるようになってきました。我々もまだまだ先に進むことが必要です。ただ,遠くを見ることに神経を集中しすぎることは禁物です。ここはただひたすら地道にかつ着実に基本に徹することが重要ではないでしょうか。
 
 『未来を築くためにまず初めになすべきは,明日何をなすべきかを決めることでなく,明日を創るために今日何をなすべきかを決めることである』(ドラッカー『創造する経営者』)
 
 
 

 
| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 昨年の記事