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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
進化する社会で必要な適応力!!


 11月となりました。

 毎年この季節になると,日増しに早くなる日暮れの時間や,日一日と忍び寄る冷気を肌身に感じるなどして,何となく沈みがちな気持ちにもなるものです。ただ,今年の場合には,感染が拡大しているエボラウイルスの話題に気もそぞろというところでしょうか。これまでにもラッサ熱やマールブルグ病などの名前を聞くことはありましたが,今回は少し事情が違うようです。
 
 報道で紹介される各国政府の対応や関係機関での動きを見ていると,今回の事態の深刻さが感じられるように思います。現在,感染地域では懸命な医療措置や拡大防止措置が続けられているようです。その最前線で献身的な努力を続けておられる方々のご苦労はたいへんなものかと思いますが,一刻も早い終息宣言を願うばかりです。
 
 世界中において人々の交流や物の行き来が激しくなっている現代社会ですので,水際での対処もなかなか難しくなってきているのが実態のようです。地域的な隔たりは益々なくなっており,改めて“宇宙船地球号”に乗っているという感覚を強く持たざるを得ない状況かと思います。世界中をボーダーレスで駆け巡っているのは,どうも情報だけではないようです。
 
  エボラ騒動もそうですが,これまで思いも掛けなかったような事態が展開していくことは,様々な場面で実感されることが多くなってきました。
  我々の身近な領域では,さしずめ米国・モトローラ社の動きでしょうか。
 
 同社は,1970年代以降,無線通信機の代表的なメーカーとして,“通信機の巨人”と称される程のリーディングカンパニーの地位にあった企業です。ところが,その後の携帯電話の爆発的な普及などにより,会社を分割せざるを得なくなったのが20111月のことでした。不振であった携帯電話端末を中心とした事業を引き継いだ「モトローラ・モビリティ社」と,一方,業務用無線技術などを核としたサービスやソリューションを提供する「モトローラ・ソリューションズ社」の2社で再出発したのでした。
 
 そして,同年8月には,「モビリティ社」を今度は米国・グーグル社が買収するとのニュースが駆け巡り,グーグル社が推し進めるアンドロイドOSの巻き返しに向けた動きとの認識で理解されていました。しかし,それから3年も経過していない今年の1月になって,かつて“コンピューターの巨人”と呼ばれたIBMの事業を買収した中国・レノボグループに売却されることとなったのです。
 
 かつて業界標準を支配していた程の代表的な企業が,携帯電話という新しい波にもまれて分割されるという大転換に留まらず,その波の中で次なる戦略の渦に巻き込まれていくという様は,誠に目を見張るものと言えます。昨今は,国内の大手企業においても,事業再編や会社統合などの話をよく聞くようになりましたが,正にグローバルビジネスにおけるトレンドというところでしょうか。
 
 一方,残った「ソリューションズ社」においても,着々と次なる動きが進められていたようです。先月開催された新製品発表会において,同社がこれから目指すべき方向性が高らかに表明されました。それは,『モトローラ発祥の製品である無線通信に特化した専業メーカーになる』との宣言でした。結局,紆余曲折の末にたどり着いた先が原点への回帰であったということになります。
 
 でも,これには冷静な情勢分析と,それに基づく明確な戦略があるように感じられます。
 
 音声通信を主体としてスタートした無線機が携帯電話に切り替わり,さらにソフトの機能により多様な利用形態を実現するスマートフォンへと進化することで,競争の枠組みが急速に拡大し,昨今のSIMフリー化への流れは,益々これを加速する事態となっています。
 
 一方,市場のグローバル化が進展することで,通信方式の統一化は一挙に進み,Wi-FiBluetoothなどの様々な通信方式も手軽に活用出来るようになってきております。さらには,ホワイトスペースやキャリアアグリゲーションなどの技術革新により,周波数の利用形態が飛躍的に多様化している一方で,通信機能そのものも集積化されてデバイス化されている状況です。
 
 電波の周波数帯や通信方式に伴う制約から解放されて,自由な発想で様々なソリューションを組み合わせて活用することができる世界が実現しつつあるのです。正に,無線通信を取り巻く環境はいま大きく変わりつつあると言えます。このような新たな展開の中で,これまで長年に渡って培ってきた技術と経験を活かす道筋をきっと見出したのではないでしょうか。
 
 今回の発表会において打ち出されている『プロの自覚が芽生える無線機』や『地域創生・地域振興への貢献』,さらには『公共防災・災害システムの更なる進化』などのアピールがどのような形で具体的に受け入れられるものとなるのかが注目されるところです。
 
 一方,ライバル社もただ手を拱いているはずはありません。虎視眈々と次なる展開を図るべく,戦略を練り始めていることは確かです。そして,早晩また新たな動きとして我々の視界に登場してくることになると思います。あたかもウイルスがそうであるように,変異は留まることを知らないというところでしょうか。
 
 動きの激しい世の中となり,様々な情報が日々駆け巡る状況ですので,これから迎えるであろう未知なるものへの不安が必要以上に強調されるきらいもあるように感じます。しかし,だからこそ立ち止まらずに前向きになることが必要と言えます。
 
 これからの社会の進化に適応していくためには,ウイルスに対する免疫力と共に,我々自身が変異していく事を求められているのではないでしょうか。
 
| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 昨年の記事