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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
誰もが幸福な社会の実現に向けて!!

  
 2015年(平成27年)も2月となりました。

 いよいよ寒さが本番となってきました。北海道では平年より早く流氷が接岸したようですので,春の到来もその分前倒しになることを期待したいところです。頭の中では,若い頃に雪の中を駆け回っていたイメージをいつも思い浮かべているのですが,日頃の言動は全く逆の方向に動いていることにふと気づくことがあり,内心忸怩たる思いです。

 近頃では雪の中を走り回る犬の姿もとんと見かけなくなりましたので,ここは寒さに耐えて少しずつ膨らんでいる花のつぼみでも眺めて,気持ちを立て直すことにしたいと思います。
 
 日本では季節的に厳しい環境となっていますが,中東では別の意味で誠に悲痛な事態が進行しています。長い歴史的な経緯を背景として非常に複雑な問題もはらんでいますが,何とか苦しさと悲しみの連鎖を打ち止めにしてもらいたいものです。

 この地域は,世界最古の文明が栄えた地ともされているところです。我々人類の祖先が,住みやすい土地を探し求めてようやくたどり着いた理想的な環境であったものと思われます。元々は豊かな生活が営まれていた土地柄の筈ですが,我々が物心ついた頃から争いの地となって現在に至っていることは,非常に残念なことであり痛ましい限りです。

 日本列島に匹敵するほどの長さであるチグリス,ユーフラテスの大河に抱かれたメソポタミアの肥沃な大地において,地球上のどこよりも早く農業を始めたとのことですので,それまでの人類が置かれていた状況から考えると,当時の繁栄はいかばかりかと想像されます。きっと“エデンの園”や“バベルの塔”のようなものが存在していたのではないでしょうか。

 しかし,そのような繁栄の反動として,急速な砂漠化も進んだようです。ただ,それにも増して,我々が小さいころから記憶しているところでは,荒れ果てた平原に残された戦争の傷跡というような映像がイメージとして強く残っており,誠に心が痛む想いといえます。

 厳しい自然環境に立ち向かいながら,よりよい社会の実現に向けて歩み始めた人類が最初に選び出した土地ですので,できることならば一度この目で見ておきたいとかねがね思っていたところですが,なかなか実現は難しいようです。この地に暮らしている方々のことに思いを馳せるたびに,非常に心苦しい想いを禁じ得ません。一刻も早くかつてのような心安らぐ平穏な生活が送れることを願うばかりです。

 日常的に慣らされた暮らしを続けている毎日ですが,一方で今回のような事態に遭遇することで,改めて『幸福な社会』というものについて考えさせられます。そういえば,国内においても,“格差”という言葉を最近よく聞くようになりました。文明が進化して生活が豊かになったとしても,なかなか到達できない理想郷なのでしょうか。今回の事態に直面したことで,改めて考えさせられる部分も多いように感じます。

 最近は経済のグローバル化ということで,旧来の国家や地域を越えて全地球的なつながりが強くなってきています。日々の景気動向に関しても,自国のみならず世界的な動きを注視することが必要になっており,国内外の株価の推移や為替変動の状況が常に注目される事態となっています。経済活動を通じて世界的な結びつきが一層強くなってきていますが,このような経済活動の活性化により世界情勢の安定と幸福な社会の実現は可能なのでしょうか。
 
 もっとも経済と言うと単に富の追求という意味合いで捉えられがちですが,実はそうでもないようです。かつての経済学のイメージとしては,概念的な話や覚えにくいような専門用語が多くあり,なかなか取っつきにくい感じがありました。しかし,どうもその認識は間違っていたようです。

 経済学の本質は,「よい社会,みんなが幸福になれる社会とはどういう社会なのか」ということを論ずるところにあるようです。〔使える!経済学の考え方:小島寛之著(ちくま新書2009年10月)〕
 
 ここで記されている多くの経済学者によるこれまでの思考のアプローチを振り返ってみると,『幸福な社会』というものの奥深さが感じられます。我々は常日頃「“自由”で“平等”で“公正”で“安定”した社会」というようなものをイメージしていますが,その実現はなかなか一筋縄ではいかない面が多いことが改めて読み取れます。しかし,だからこそ我々一人一人がどのように考え,そして日々どのような事を意識していくかということが極めて大切なように思います。
 
 実際の社会生活においては様々な要素が複雑に絡み合ってきていますが,その中の利害の衝突を和らげ,紳士的に物事を考えるための前提条件を明確にするというこの書籍の記述により,『幸福な社会』というものを改めて考えてみるよい機会となりました。慌ただしい日常生活の中で,渦を巻くように押し寄せる情報によってイメージ先行となりがちですが,ここは今一度冷静に考えてみることが必要なのではないでしょうか。
 
 現状の国際社会を取り巻く様々な不安定要因に対して我々が取り組めることは非常に限られますが,このような時であるからこそ,ここは気持ちを前向きにしてよりよい社会の実現を目指していく心意気が必要と言えます。
 
 そして,一人一人が目の前の日常を当たり前とせず,日々刻々変化していく環境条件を冷静に見据えて,受け入れるべき制約条件と,自らが取り組むべき解決課題を合理的に切り分けていくこと,さらには,自らが当事者としてその課題解決に邁進することが極めて大事であるように思います。
 
 言ってみれば,このような一人一人の動きが大きな方向性となって社会を形作っていくことになるのではないでしょうか。
 
 様々な面で春の到来が待ち遠しく感じられる心境と言えます。

 
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