CALENDAR

Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
<< April 2015 >>
NEW ENTRIES
ARCHIVES
LINKS
PROFILE
OTHERS
MOBILE
qrcode
 
地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
新たな時代が求める熟練の技とは!!
 

 4月となりました。
 
 季節は巡り,新たな区切りの始まりとなりました。北国ほどの過酷な寒さに耐え忍んでいた訳でもないのですが,この時期になると何となく取り巻く雰囲気が躍動しているように感じられるのが不思議に思います。もしかすると,心地よい気候や彩のある風景を満喫できるという期待感などの精神的な影響が大きいのかもしれません。
 何れにしろ,生命力の素晴らしさが感じられる時期と言えます。巣立ちの季節を迎えて新たなスタートを切る若者の姿を見ているだけでも,自らのことのように心が躍る感じというところでしょうか。
 
 我々が感じる季節的な変化は毎年同じようなパターンを繰り返していきますが,世の中の動きについてはなかなかそのようにはいかないようです。次々起こる出来事を見ていても,我々が作り出す社会の変わりようはますます激しくなってきているように思います。様々な通信手段の発達により,世界中の情報が瞬時に手に入れられるということもありますが,一方で,これまでの想定を覆すような事態も生まれてきています。
 
 最近とみに聞くようになった“自動運転車(ロボットカー)”もその一つと言えます。我々が子供の頃にも仮想の話としてはありましたが,ここまで現実的な話になってくるとは驚きさえ感じます。尤も,自動制御と言うと単純なサーボモーターを思い浮かべてしまう感覚からすれば,絶妙な姿勢制御が簡単に実現できる“ドローン”がネット上で販売されているという現実からしてなかなか信じられないという感覚と言えます。これからの普及に向けて法体系をどのように整備していくのかということが心配になってくる程の動きの速さと言えます。
 
 かつては技術的に高度な情報がなかなか手に入らなかった状況ですので,専門的な知識を習得する場も限られていましたし,実際にそれを理解していることが一つの大きな価値と位置づけられていたようにも思います。ところが,現代においては,特定の分野における情報こそインターネット上に競うように提供され,仲間内での交流も活発に行われるという形に変化しています。このため,知識情報そのものも次々と新たな事実に書き換えられるというように,目まぐるしい展開を繰り広げています。
 
 したがって,特定の知識を既に習得していたとしても,その内容は常に見直しがかけられることとなり,一度覚えたからといって決して気が抜けない状況となっています。記憶力を鍛えておくことはこれまでと同様に必要としても,真に重要なのは,その先もさらに新たな知識を探求する意欲を持ち続けられるかどうかというところになってきたように思います。正に専門家としての心の持ち方が変わったとも言えるのではないでしょうか。
 
 一方,日々積み重ねられる膨大な知識情報は留まることを知らないようですので,知識そのものを覚えているというよりは,必要とされるタイミングでこれを引き出して活用する技術や,さらには,そのような知識を効果的に使って目の前の問題を解決に導く能力というものの要求も日増しに大きくなっているように感じます。
 
 このため,仕事に熟練するという形も,これまでであれば実際に業務を行いながら,物事の進め方や専門的なノウハウを習得していくというやり方が一般的でしたが,上記のように知識そのものの中身が進化していくばかりではなく,費用対効果における差別化の追求に加えて,様々な法体系や規則の厳格化などもあり,常により最適な業務遂行となるような改善,工夫が求められてきています。形式的なものを覚えているだけでは,効率が低下するのみならず,新たな要求にも応えられない状況と言えます。
 
 言ってみれば,経験をただ積み重ねるということではなく,時代の変化に合わせた適応力を高めていく事こそが熟練の技となってきていると言えます。
 
 さらにこれに追い打ちをかけるように登場してきたのが進化を続けるロボットと言えます。この2月には,感情を認識できるロボットという“Pepper(ペッパー)”を開発者向けということで販売開始したところ,わずか1分で予定台数を完売したとのことです。これからより実用的で画期的な機能を実現できるアプリの開発競争が繰り広げられることになります。
 
 かつてはオートメーション工場において黙々と作業をこなす役割を担っていたロボットですが,感情認識や二足歩行など様々な形で進化が加速し,身体機能の補助や強化を目指したサイボーグ型も登場するまでになっています。しかも,より小型化され,低コスト化が図られることで,様々な場面での活用が現実味を帯びてきています。この先,人間が耐え忍んで行っているような作業については,かなりの部分について置き換えられることになるのではないでしょうか。
 
 ただ,一方で,このような状況であるからこそ,我々が力を発揮できる部分もより明確になってきたように思います。
 
 様々な意味で想定外の事態が生じてきている現代社会ですが,その根本には人間に関わる課題が多くなってきました。その解決に向けては,我々自身が自ら考え行動することが不可欠と言えます。社会を形成する一人一人がお互いの想いを擦り合わせて,より幸福な世の中を実現していくためにも,これから益々“人間力”が問われてくることになるのではではないでしょうか。
 
 社会の変化は留まるところを知らないようです。年と共に硬直化していく身体を意識しつつ,新たな時代に適応できる技を身につけるために,行動を起こすのには絶好の季節と言えます。
 
 
 

 
| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 昨年の記事