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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
IoTが切り拓く社会変革!!

 
 6月となりました。
 
 気づいてみれば,今年も折り返し点が近付いてきました。間もなく夏至を迎える季節でもあり,日の長さを改めて感じる今日この頃というところでしょうか。例年の通りであれば,そろそろ九州地方から梅雨入りとなっていく時期ですが,今年の雨量はどうなのでしょうか。そう言えば,この1月から台風の発生が全くないようで,1998年以来のことのようです。でも,一時期騒がれていたエルニーニョ現象も終息とのことですので,過度に敏感になる必要もないものと思います。
 
 最近は様々な気象データが開示されているため,ついつい細かい変化も気になってしまうきらいがあるように思います。技術の進歩により気象データの測定精度が向上したのみならず,測定方法も多様化してきており,宇宙にまでその範囲が拡大している状況です。先月末には,金星の大気が高速で旋回する“スーパーローテーション(超旋回)”の鮮やかな画像が公開されました。
 
 これは,昨年の12月に金星の周回軌道への投入に再挑戦して成功した“あかつき”から送られてきたもので,約5年半前の失敗を乗り越えて得られた成果と言えます。この間の長い取り組みは非常に苦労が多かったものと思いますが,見事に復活を果たしたことで技術的な成果も蓄積されたことから,今後ますます大きな進歩を遂げることが期待されます。今から丁度1年半前に打ち上げられた“はやぶさ2”も順調に飛行を続けているようですし,もしかすると近いうちに“未知との遭遇”も期待できるかもしれません。
 
 現在,このような気球観測衛星から送られてくる観測データは,様々な形で利用されているようですが,地球上で観測されたものも含めて,正に“ビッグデータ”としての活用が加速されてきています。最近頻繁に聞くようになった“IoT(Internet of Things)”についても,様々なデータをどのように活かしていくかが,その成否を左右する大きなポイントとなっています。
 このため膨大なデータからビジネスに活用する知見を引き出す中核人材のとしての“データサイエンティスト”の育成プログラムも始まっているようですので,この先多数の若者がこの方面での技を磨いていく事になるものと思います。
 
 気象データを活用した取り組みの具体的な事例としては,収集された海水温のデータを効果的に監視することで,養殖カキを天敵から守り,さらには生育を促進させるという東松島市での実例が先日紹介されていました。この海域は5年前の東日本大震災により海の状態が全く変わってしまったために,それまでの経験によって得られた知見が役に立たなくなったことから,窮余の策としてIoTに活路を見出したとのことのようです。
 これからさらにデータを蓄積していくことで,よりきめの細かい養殖技術が確立されていく事になるものと思われ,新たな時代の水産業として期待は高まってきています。
 
 最近の過熱気味と言えるほどのIoTに対する関心の高さを見ると,気象データの活用や水産業への展開に留まらず,これからあらゆる方面での実例が登場してくるものと思われます。正に,“第4の産業革命”に突入したというところでしょうか。
 
 さらにこれに関連して耳にするようになってきたのが“CPS(Cyber Physical System)”という言葉です。これは,IoTのようにインターネットを介するのではなく,ITと物理的なデバイスや機械を接続した高度システムのことで,ここ数年注目を集めてきている“自動運転車”などが該当するものになります。
 
 我が国においても先行する欧州や米国を追従すべく,経済産業省が中心となりこれから進むべき方向性を示すと共に,既に様々な政策を進めているようです。これによれば,「ビッグデータを分析・検証し,最適解を出して実世界にフィードバックする。そして,フィードバック後のデータもまた分析・検証して再び実世界に戻す。この循環するシステムであるCPSが大きな産業構造の変化をもたらす。」と予見されています。
 
 この動きに呼応する形で,各企業からは多数のプロジェクト提案が持ち込まれているようですが,この4月から“先進的IoTプロジェクト”の公募が行われており,7月末に最終審査が行われ,資金などの直接的支援が行われるとのことです。世界的に高まっているこのような動きにより,“IoT”,“ビッグデータ”,“人工知能”などが様々な社会システムにどのような変革をもたらすことになるのか注目されるところです。
 
 一方で,これらの技術を支える重要な要素としての“無線通信”の役割も大きくなってきており,これに関わる我々としてもこの動きに取り残されることなく,社会的な要請に応えられる技術を常に追い求めていく姿勢が必要です。
 
 科学技術の進歩は留まるところを知らない勢いです。社会が安定して我々の生活がよりよい方向に進んでいく為にも,この科学技術の成果を好ましい形で活かしていく事が必要です。
 
 よりよい社会の実現のために,我々が果たすべき役割を今一度考えるべき時ではないでしょうか。
 
 

 
| - | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 昨年の記事