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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
自然災害に立ち向かうIoT!!

 

 7月となって10日程が過ぎました。

 

 月が変わってから本ブログの更新が少し遅くなってしまいましたが,この間に九州北部地方を中心としてたいへんな豪雨に見舞われ,各地で大きな被害が出ています。所によっては24時間の降水量が500ミリを超えた地域もあるようです。土砂崩れなどにより孤立している方々の救助活動が続けられており,避難されておられる方も多数に上っているようです。被災された方々が安心して日常生活を取り戻せるよう一刻も早い復旧を祈るばかりです。

 

 毎年このような災害が発生するたびに痛ましい状況を目の当たりにすることになりますが,何とかこの辛い経験を次の対策に活かしていくようにしたいものです。

 

 気象庁は平成25年8月から「特別警報」を発表していますが,今回の降水量は50年に一度という基準レベルをさらに超えるものであったようで,被害の大きさがうかがわれます。一方,国土交通省では,河川の氾濫による浸水想定区域の検討において,平成27年から前提となる降雨を想定し得る最大規模の降水量に変更することとして,その結果を「洪水浸水想定区域図」として公表して注意を呼び掛けているようですが,今回の豪雨はこの予測を超えるものであった可能性が考えられます。

 

 平成27年と言えば,その9月に北関東や東北地方を襲った集中豪雨により鬼怒川の堤防が決壊するなどしてたいへんな被害を受けることとなりました。そのような教訓を活かした形で様々な方面での対策も行われてきていますが,なかなか自然の猛威は計り知れないということなのでしょうか。これを契機として新たに防災対策についての様々な検証が行われることになると思いますが,叡智を結集した具体的な対応策の検討と,明確な方針の下での政治や行政のリーダーシップにより安全・安心な街づくりを実現して欲しいものです。

 

 気象に関する情報という意味においては,最近では気象庁などの観測網が整備されて,より高精度で詳細なデータが共有できるようになってきていますが,それ以上に住民一人一人がスマホなどにより情報発信者となることで,よりきめ細かい情報展開が可能となっています。それぞれの地域で生じている気象現象については,様々な情報源からのデータを簡単に手に入れられることから,情報通信技術の活用による極めて緻密な観測網が身近に整備された形となっています。

 

 そして,これからはIoTの活用が盛んとなって,災害の発生予報や災害による被害防止に繋げる動きが活発になることは確実といえます。総務省においては,昨年9月より「地域IoT実装推進タスクフォース」を開催し,IoT,ビッグデータ,AIなどの効率的・効果的な活用により地域の課題解決を迅速に推進するための検討を行ってきています。そして,この5月には,IoT等の本格的な実用化の時代を迎えて,この動きをより一層加速するためとして「地域IoT実装推進ロードマップ(改定)」が公表されています。

 

 その中では,防災に関する取り組みの一つとして,災害発生時に,自治体等が放送局,ネット等の多様なメディアを通じて地域住民に対して災害時に必要となる情報を迅速かつ効率的に伝達することを目的とした共通基盤(Lアラート)の導入が盛り込まれています。また,その他には,地震・津波等による広域災害や緊急性を要する大規模災害に対して,津波の被害予想や地下街等の屋内における避難誘導,災害情報の一元化などG空間情報(地理空間情報)と情報通信技術を連携させて構築する先端的な防災システムの導入が提言されています。

 

 東日本大震災においての地震・津波の被害状況は非常に深刻なものであり,具体的な対応を急ぐ必要がありますが,毎年のように繰り返されている集中豪雨による被害に対しても迅速に対処を行なっていく必要があることは明らかと言えます。特に,我が国においては“急勾配河川”が多く,“全国土面積の10%に過ぎない洪水氾濫区域に人口の50%が集中している”とも言われており,毎年のように甚大な被害を受けていることからも待ったなしの状況です。

 

 早速,先週の7月7日に「地域IoT実装推進事業」の採択候補として自治体などから申請のあった中から17件が採択され,実施に向けた具体的な検討を開始することとされています。この中には教育,働き方,農林水産業などの他分野の事業も含まれていますが,官民一体となった展開の速さから,社会生活へのIoT活用に対する期待の大きさが窺われます。

 

 今回の採択事業においては,災害発生後の対策本部あるいは自治体における活動の支援が中心となっているようですが,世界的なIoTに関する実用化競争が激しくなっている状況を踏まえると,災害の発生予報や災害による被害防止について画期的な対策がこれから実現されていくことが期待されるところです。

 

 世界的な情勢としては,自然災害以外にも様々な不安定要因が出てきていますが,ある意味では我々が生き延びていく為に,人類が共通に力を合わせて立ち向かうべき課題であることは明らかです。IoTという我々の業務とも繋がりのある技術がこれに活かされるとすれば,我々の果たすべき役割も非常に重要になってくるものと思います。

 

 その期待に応えることができるよう,これからの我々の努力が試されるところと言えます。

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