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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
AI時代を生き抜く葦を目指して!!

 

 6月となりました。

 

 いよいよ梅雨入りの季節となりました。九州北部や四国地方は昨年より20日以上も早い梅雨入りとのことです。最近は,ゲリラ豪雨や季節外れの暑さなど,天候不順が珍しくなくなってきたせいか,季節感を認識しにくい状況でもあります。そのような中で,昨年大きな被害を受けた九州北部の被災地において,壊滅状態とみられていた蛍が飛び交い始めたとのことで,忘れかけていた自然の移ろいを改めて実感すると共に,生命の逞しさも感じます。きっと,厳しい自然環境の中で生き抜いてきた遺伝子が確実に引き継がれているのではないでしょうか。

 

 一方,我々の身近なところでは,来年就職を予定している学生に対する採用面接などの選考が今月から解禁となりました。ここしばらくそれらしい姿を見かけてはいましたが,景気回復の基調が続いていると言われる状況ですので,早い時期に落ち着きを取り戻して勉学に励むことができるようになるのでしょうか。もっとも,世の中の状況が激しく変化している現代社会ですので,これから迎えるであろう人生の転機の一つという捉え方も多くなってきているようです。

 

 ここのところ“働き方”ということが話題となる機会が増えています。その多くの場合は,労働時間についての話が中心のようですが,働くことについての意味合いも随分変わってきているように思います。かつては職業人として現役で働く期間も限られていましたが,平均寿命が延び続けている状況の中では,できるだけ永く社会とのかかわりを維持していくことは好ましいことと言えるかもしれません。世は正に少子化の傾向が続いていますので,貴重な働き手として役割が果たせるようであれば,社会全体としても好都合と言えるのではないでしょうか。65歳未満となっている生産年齢の上限も,早晩嵩上げされる方向に動くようにも思います。

 

 いずれにしても,“人生100年時代”と言われる世の中ですので,これから正に社会に出て行こうとしている就活生にとっては,今までに前例のない人生設計を描く必要があるようです。既に,ロボットを活用して業務を効率化・自動化しようとする取り組み(RPA:Robotic Process Automation)も始まっているようですので,そのような中での自らのキャリアアップを思い描くことの方がより重大な課題と言えるかもしれません。AI(人工知能)の発達が日増しに取り上げられる状況もあり,真の意味での“働き方改革”は待ったなしの状況ではないでしょうか。

 

 そのような観点からか,AIが発達した社会における人間の役割について論じられることが多くなったように思います。機械学習や深層学習によって膨大なデータを基に自らが知能を高めていくという試行錯誤を,いわば労働時間の制約もなく,疲れやストレスとも関係なく,昼夜を問わずに超高速に続けられるという能力は,ある意味では極めて頼りがいのある強力な戦力という見方もありますが,一方では,非常に大きな脅威という捉え方もできます。いずれにしても,我々の社会に役立つために如何にこのような技術を活用出来るかが問題というところのようです。

 

 最近,AIを活用するという観点から具体的な検討を行うという機会があり,現実的に日々取り組んでいる業務との対比などにより,この先の効果的な活用の方法について考えることが多くなりました。ただ,我々自身もAIの実態を本質的に理解できるところまでには至っていない状況ですので,明確な方向性は十分に見えていない段階ですが,我々人類が本来持っている“考える”ということの重要性について改めて認識させられるようになりました。

 

 急速に発達してきたコンピュータ技術により,膨大な情報やデータの中から相関性や規則性を見出して,さらには,曖昧さが残る要因についての検証を繰り返すことで,より精度の高い解決策や打開策を見出していくということを,極めて短時間に実現できるようになったことは,ある意味では,コンピュータ技術の特長を最大限に活かした形であり,これをさらに高度化していく方向性は合理的であるものと思います。一方で,「考える葦」とも表現される人間にとっても,このような時代の流れの中で自らの特長を活かしていくことが,より好ましい方向性であることは明らかと言えます。

 

 かつて若かりし頃に科学史について興味を持っていた時期がありました。そもそもは宇宙の神秘というものに関心を抱いたことが切っ掛けであったのですが,そこで見聞きした物事の中で特に感じていたことは,科学に対する探求心が宗教や哲学と密接に関連して追求されてきたということでした。さらに,そこには人間の思考の幅広さと共に,人間の弱さや限界というものの認識が踏まえられており,常に未知なるものへの畏れや謙虚さがにじみ出ていたように思います。そして,このことが人間というものを特徴付ける“考え続ける”ことの原動力となったようにも感じます。

 

 今回,AIに直接触れる中で,業務の遂行目的をどのように効果的に達成していくかという観点からの知識の引渡し方や関連付けを考える過程で,その考え方の根底にあるべき業務そのものに対する“基本的な想い”を意識せざるを得ないことに気づかされるようになりました。AIの基本的な枠組みを設定する段階において,我々自身がどの程度この想いに踏み込んで考えることができるかによって,AIの出来合いや利用価値が変わってくるようにも感じられます。

 

 正に,AIという魔法の道具に対して魂を吹き込む役割が我々に求められているような気がします。

 その意味でも,先ずは日常的に探求心を持って日々考え続けることが必要なようです。

 

 

 

 

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