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地域密着の企業『株式会社 綿引無線』代表取締役のBLOG
基礎力強化により免疫獲得へ!!

 

 2020年(令和2年)も3月となりました。

 

 今年は北国でも積雪が少ないようですが,日本各地の気温も平年に比べて高い傾向とのことで,国内の1月の平均気温は1891年の統計開始以来最も高い値になったとのことです。例年のように,この時期には桜の開花予想が発表されることになりますが,今年の場合にはそのような話題をかき消すかのように新型コロナウィルスへの対応で慌ただしくなっています。先月末には,政府が全国の小中高校などへの臨時休校を要請する事態に至り,日常生活にも大きな影響を及ぼす状況となっています。

 

 毎年流行を繰り返しているインフルエンザとは異なり,未だにウィルスの正体が詳細に解明されていないことや,特効薬となるものが実用段階にまでに至っていないという状況から恐怖心が大きくなっている向きもありますが,感染しても症状が出ない方も結構おられるようですので,先ずは冷静に対応することが肝要のようです。何れにしても,感染者は海外でも各地で確認され出しているようですので,ここしばらくは自衛と共に十分な見極めが必要と言えます。

 

 自然災害を始めとして日常生活を送っていく中では“インシデント”と呼ばれるようないわゆる危機的な状況に遭遇する場面がありますが,今回のようなヒト・ヒト感染を伴う未知の伝染病のような場合には,その対応が極めて難しい事態になるということが改めて実感されます。人間が作り出した機械やシステムとは異なり,その発生メカニズムが捉え切れていない部分も多く,どの程度まで深刻化するかというところも見通しが立たない状況の中での厳しい対応を迫られることになります。

 

 もっとも,コロナウィルスによる感染症は過去の経験を踏まえた知見が蓄積されている部分も多くあるようで,今回の場合においても様々な場面で有効に活用されているようでもあります。そのような観点から言えば,がんの治療法なども含めて基礎研究の役割は非常に大きく,決して疎かにできない取り組みであるように思います。一方で,ウィルスそのものも生き物ということで,その性質を変えて変異することもあるようで,なかなか一筋縄では克服できない課題と言えます。

 

 何れにしても,ヒトやモノの移動が国境を越えて極めて活発になった現状においては,これから先においても重要視すべきリスクとして捉える必要があるものと思われます。これまでの長い歴史において異なる文化や生活感を持った人々が交わる機会もさらに多くなっていくことは確実であり,拡散のスピードも加速していく可能性も考えられます。同時に,IT化社会が進展していくことで,情報の拡散も急速になったことから,心理的な面での混乱も非常に懸念されるところと言えます。

 

 時代環境が急速に変わっていく中においては,例え過去の経験が蓄積されていたとしても,その時々の状況変化を的確に踏まえた上での新たな考え方に基づく判断なり対応なりが求められるということになるのではないでしょうか。“人生100年時代”と言われる現代ですので,長い人生の中でのインシデント遭遇の機会も多くなると共に,その間の変化も今まで以上に激しくなるものと思われますので,この機会に合わせて,我々自身の考え方や心掛けを切り替えていく必要があるのかもしれません。

 

 そのような観点から,平成30年に経済産業省において『人生100年時代の社会人基礎力』なるものが検討され,その報告書が公表されております。ここで打ち出されている“新・社会人基礎力”とは,「これまで以上に個人としての関りが長くなる企業・組織・社会の中で,ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力」と捉えられ,基礎力として重要な能力とその能力要素が明確化されています。

 

 具体的には,基礎力として重要な3つの能力としては,“前に踏み出す力(アクション)”,“考え抜く力(シンキング)”,“チームで働く力(チームワーク)”が挙げられており,それぞれの能力別に,例えば,“前に踏み出す力”の能力要素としては,主体性,働きかけ力,実行力がポイントとして示されています。また,それぞれの能力にはより詳細な解説が付けられており,例えば,“チームで働く力”については,「グループ内の協調性だけにとどまらず,多様な人々とのつながりや協働を生み出す力が求められている」ことが示されています。

 

 ここで示されている内容については,現状における社会的な状況を踏まえて極めて合理的に取り纏められた説得力のある検討結果であるように思います。さらに,この基礎力をパソコンにおける“OS(オペレーティングシステム)”として捉えて,これまで比較的重要視されがちであった“専門スキル”については“アプリ”との位置づけとして,アップデートの必要性を明確にするなど,時代変化への対応の重要性を象徴的に示しているものとなっています。

 

 これを今回のウィルス騒動に例えてみれば,基礎力としてOSに当たるものが人間の免疫力であり,専門スキルとしてアプリに当たるものがウィルスであり,それが変異しても抵抗力を持てるような免疫力としての基礎力を鍛えていくというようなものと言えるのではないでしょうか。

 

 現状において,ウィルス感染に対する社会的な不安が募っておりますが,これを何とか克服して,肉体的にも,また社会人としても,より強力な免疫力を獲得する機会にしたいところです。

 

 

| - | 08:00 | comments(0) | - | pookmark | 昨年の記事